犬の腎臓疾患とは?

腎臓疾患とは有名な所で腎臓病というものであり、その名の通り腎臓の機能が悪くなる病気で、犬の死亡原因第3位というデータがあるほど、大変恐ろしい疾患です。 腎臓の基本的な機能をまかなう「ネフロン」は、大きな予備能力を持っていて、傷害を受けたネフロンを受けていない部分である程度補う事ができるのですが、症状や血液検査の結果などで飼い主が腎臓機能低下に気づいた時にはかなり症状が進行している可能性もあり、高齢犬になると長年のダメージの積み重ねでさらにリスクが高まると言われています。 腎臓が一度傷害を受けると大半は再生しない臓器ですので、放っておくとゆっくりではなく、一気に振興してしまいます。腎臓機能の75%以上を失うと「腎不全」になってしまい、余分な水分が溜まって浮腫みが出たり、吐き気や食欲不振、だるざ、高血圧、貧血、骨がもろくなるなどの症状が出ます。腎不全が更に進行すると、身体の中に老廃物が溜まり尿毒症など死に至る重篤な症状を引き起こしてしまうのです。

犬の腎臓疾患にかかっているかも?その際の見分け方と原因

先ほどもご紹介しましたが、腎臓疾患は進行が早いので、症状が顕著に出始めた時は手遅れという事が多いものです。ですので、初期の状態で気づいてあげる事が一番なのですが、どんな事に注意して見てあげればいいのかわからないし、見分け方がわからないというのが本音ではないでしょうか。ここでは、急性腎臓病と慢性腎臓病にスポットを当てて、見分け方と原因を詳しくご紹介していきます。

①急性腎臓病

急性腎臓病は、救急管理が必要な病気で、急激な腎機能の定価により死に至る事もありますが、適切な治療を行う事により腎機能が回復する可能性もあります。
急性腎臓病の症状・突然ぐったりする ・嘔吐 ・意識の低下 ・呼吸が荒い ・排尿がない
早ければ数時間ほどで、嘔吐や排尿がないなどの症状を起こし、急激に体調が悪化します。適切な治療ができない場合、命を落としてしまう怖い病気です。
急性腎臓病の原因・出血、脱水、血栓、循環器系の異常などにより、腎臓への血液供給ができない ・急性の腎炎、感染、腎毒性がある物の摂取などで腎臓が急激に障害を受ける ・結石や腫瘍などによる尿道閉塞で、尿が排泄できない

②慢性腎臓病

慢性腎臓病は、腎臓が数か月前から数年かけてゆっくり機能低下を起こしていく病気で、初期のころはほとんど無症状のため、見つけにくいのが特徴です。しかし、一度悪くなってしまった腎臓は残念ながら元に戻る事はありません。
慢性腎臓病の症状 ・体重減少 ・食欲低下 ・水を沢山飲む ・色の薄い尿を沢山する ・活動的でなくなる ・嘔吐が多くなる ・口臭が強くなる ・便秘 ・被毛にツヤがなくなる
末期になってしまうと、老廃物を全く排出できなくなりますので、尿毒症を起こし、痙攣などの症状が見られるようになります。原因としては、慢性的な腎臓の炎症が原因となりますので、高齢になるほど発生率は高くなります。

犬の慢性腎臓疾患の症状とステージ

腎臓疾患のうち、もっとも一般的な病態が慢性腎臓病です。慢性腎臓病のやっかいな点は、腎臓の機能には余裕があるため、ある程度ダメージを受けても目に見える症状がほとんどありません。 5年以上にわたって、ゆっくり進行するケースが多いので、限界を超えると一気に進行してしまうという怖い疾患です。腎臓機能の異常をとらえるために、動物病院では色々な検査がありますが、基本的には血液検査によって、数値を見ていく事になります。慢性腎臓病がどの程度進行しているかは、血清クレアチニン濃度の数値によってステージ分類していますので、ここでは、ステージ別に症状をご紹介していきます。

ステージ1

ステージ1での血清クレアチニン濃度は1.4未満で、残存している腎機能は100%~33%となっており、病態としては、尿濃縮機能の低下・タンパク尿などで臨床症状はありません。 血液検査では顕著な異常が見られず、唯一の症状としては、水を飲む量と尿量の増加くらいです。一般的には、暑かったから、興奮したからなどと勘違いをしてしまうステージになりますので、見逃してしまう事がほとんどでしょう。しかし、既に尿濃縮機能と尿比重は低下していますので、先ほどの症状と尿の色が薄くなっているようであれば、早めに受診して下さい。

ステージ2

ステージ2での血清クレアチニン濃度は1.4~2.0となっており、残存している腎機能は33%~25%です。 病態としては、軽度の高窒素血症を発症しており、臨床症状としてはほとんどないのですが、軽度の多飲多尿が見られる場合があります。 血液検査ではわずかな異常が見られるようになりますが、症状としては、ステージ1と同じように水を沢山飲み、尿を沢山するのみで本人は元気ですので、健康診断で偶然発見される以外はやはり見逃してしまう事が多いようです。

ステージ3

ステージ3となると、血清クレアチニン濃度は2.1~5.0と明らかに異常値とわかるでしょう。残存している腎機能は25%~10%と著しく低下し、病態としては中程度の高窒素血症、全身性の臨床症状(胃腸障害・貧血)などが見られるようになってきます。ここまで進行してしまうと、より深刻な症状が現れ、糸球体で血液をろ過できる量が減るため、老廃物が尿として排泄されずに体内に溜まってしまい、元気や食欲がなくなったり、下痢や嘔吐、貧血などが見られるようになります。 気が付くのはこのステージが多く、この時点で動物病院に連れて行っても既に進行している状態ですので、完治するのは難しいと言えるでしょう。

ステージ4

ステージ4の血清クレアチニン濃度は5.0以上で、残存している腎機能は10%以下となっています。 病態としては、重度の高窒素血症、全身性の臨床症状や尿毒症などがあります。 ステージ4は生命の維持が難しい重度段階になっており、人であれば毎日の透析をするレベルとなりますが、犬の場合は透析を行う事ができませんので、食欲が落ち嘔吐を続け、著しく痩せてしまいます。老廃物が自力で排泄できなくなりますので尿毒症を発症している状態です。正直、手の施しようがないステージになってしまいます。

犬の腎臓疾患の種類と原因

犬の腎臓疾患には種類があり、原因発生部位による分類と経過による分類に分けられています。原因発生部位には腎前性(腎臓の前に原因があるタイプ)・腎性(腎臓そのものに原因があるタイプ)・腎後性(腎臓の後の尿路に原因があるタイプ)に分けられ、経過による分類には急性腎臓病と慢性腎臓病に分けられます。ここでは、それぞれの特徴と原因を詳しくご紹介していきます。

①原因発生部位による分類

・腎前性(腎臓の前に原因があるタイプ) 血液循環に異常が起き、腎臓に送られる血液量が低下する事で発生します。血液を送り出すポンプの役割をする心臓の疾患が主な原因で、熱中症をおこす事で、一時的に心機能が低下して起こる事も。 ・腎性(腎臓そのものに原因があるタイプ) 糸球体腎炎・腎盂腎炎などによって腎臓のネフロン細胞そのものが傷害を受ける事で起きます。毒性の摂取や、感染症・寄生虫・外傷・腫瘍・先天的な異常が原因です。 ・腎後性(腎臓の後の尿路に原因があるタイプ 尿は作ったものの、スムーズに排泄できないため障害を起こし発症します。排泄経路である膀胱・尿道の結石など尿路結石症が代表的な原因となっており、腎臓に異常があるわけではないので、適切な処置により回復する可能性はあります。

②経過による分類

・急性腎臓病 原因が生じてから早くて6時間、遅くても1週間以内に発症し、急激に症状が悪化しますが、一時的に低下した機能は、回復する事ができます。腎前性・腎性・腎後性の可能性もありますが、尿路結石症などの腎後性が最も多いでしょう。その他には、鉛などの貴金属やヒ素・毒キノコ・人間用の薬の誤飲など毒性の摂取の可能性も。腎臓は腫れて大きくなってしまいます。 ・慢性腎臓病 ゆっくり進行するので、5年以上経過してからはっきりした症状が現れる事が多く、腎臓そのものに原因があり、炎症が徐々に広がって慢性的にダメージを受けます。その他にも、歯石に繁殖する細菌の出す毒素が心臓に悪影響を及ぼすと同時に腎炎の原因にも。一度ダメージを受けたネフロンは、二度と回復する事がなく、腎臓は硬く委縮してしまいます。

腎臓疾患を少しでも悪化させないためには?

腎臓疾患になってしまったら少しでも悪化させない事が大切です。中でも慢性腎臓病は進行する病気で、一度悪くなってしまった腎機能は元に戻る事はありませんので、進行をいかに遅らせるかが治療のカギになるのです。 初期の慢性腎臓病は、食事療法と水分補給が最も重要な治療法になります。水分補給の時の単に水を与えるのではなく、常に新鮮な飲み水を飲める環境を整えてあげる事が大切で、水分補給の方法としては経口補液や輸液療法が効果的と言えるでしょう。

①毎日の食事面を気をつける

慢性腎不全において、食事療法は最も重要な治療方法なのですが、腎機能が低下し、身体から排泄できなくなったリンは、腎臓にさらにダメージを与えますので、まずはリンを制限した食事を与えると生存期間が長くなるという事が証明されています。また、尿毒症の症状や腎臓へ負担を減らすためには、たんぱく質の制限が重要になってきます。 食欲不振となりエネルギーが不足すると、身体は筋肉などのたんぱく質からエネルギーを作ろうとするため、尿毒症が進行してしまうので、エネルギー不足にならないよう配慮しましょう。 EPA・DHA・抗酸化成分には、残っている腎臓を保護する作用が期待されていますし、便秘がちになってしまうので、食物繊維が有効と言われています。尿毒症が進行してしまうと、口腔粘膜や胃粘膜が荒れて、口内炎や胃炎になりやすいため、痛みや吐き気から食欲が落ちてしまうので、少しでも食べてもらうためには工夫が必要です。 ドライフードであれば少し温めてあげると、匂いが立ち食欲をそそる事もありますし、愛犬が好きなものをフードにトッピングしてあげたり、流動食を利用するなどをしてあげるなどをしてみて下さい。それでも食べてくれない場合は、病院で食欲増進剤を処方してもらう方法もあります。

②水分補給をこまめにする

水分補給をこまめに行い、体液を増加させ尿量を増やす事は、血液中の老廃物や毒素を体外に排出させる事になります。他には、腎機能が低下してオシッコを濃縮する事ができなくなると、必要な水分を体内にとどめておく事が難しくなり、尿毒症を悪化させる原因でもある脱水状態に陥りやすいのです。 ですので、症状を悪化させないためには、食事療法と同等に水分補給も重要な治療法となります。水分補給には、進行状態によって、経口補液や皮下輸液・静脈輸液などの方法があります。

・経口補液(水をたくさん飲ませる)

嘔吐がなければ、自分の口から水を沢山飲めるように工夫してあげましょう。与える水は水道水で問題ないのですが、血液検査の結果によっては電解質溶液などを利用するのもポイント。電解質溶液は動物病院で入手する事ができます。
水分摂取量を増やすためには、次のような事を試してみて下さい。 ・好きなタイプの水を用意してあげる 新鮮な水が好きな子・蛇口から出る水が好きな子・温かい水が好きな子など飲み水の好みは様々です。日頃からどのような水を好んで飲んでいるのか観察しておきましょう。また、水の置き場所も重要になってきますので、色々な場所に置いて試してみる事もポイントになります。そして、一か所に置くのではなく数か所に置いておく事で飲む量が増えるという事もあります。それでも飲んでくれない場合は、キチンや牛などを煮出し、スープにしてみてもいいかもしれませんね。 ・フードを変える 現在ドライフードを与えている場合は、水分量が多いウェットフードに変更してあげたり、固形が難しい場合は流動食を利用するのもいいでしょう。急な食事の変更は愛犬にとってストレスになってしまう可能性もありますので、日頃からローテーションで与えるという方法がいいかもしれません。
どれだけ工夫しても飲んでくれない場合は、シリンジやスポイトで飲ませる方法もありますので、主治医の先生と相談する事をおススメします。

・皮下輸液

皮下輸液という方法は、背中の皮下に針を刺し、輸液剤を投与する方法です。 比較的短時間で終了しますので、通院で可能なのですが、毎日通院するのが難しい場合は、やり方を先生に教えてもらい自宅で行う事もできます。 皮膚の下に、輸液剤を一度投与しますので、投与した部位が一時的に腫れますが、時間と共に吸収されますので心配する必要がありません。入院や通院がストレスとなってしまう愛犬であれば、自宅でもできる皮下輸液が効果的でしょう。しかし、重度の脱水状態や心不全になってしまっている場合は、投与した輸液剤がうまく吸収できませんので、静脈輸液の方が適していると言えます。

・静脈輸液

静脈輸液は、静脈の血管に針を刺して固定し、輸液剤を直接静脈に投与する方法です。簡単にいうと点滴の事になります。輸液剤は少しずつしか投与できませんので、必要量を投与するには時間がかかってしまうのがデメリットなのですが、状態に合わせて必要量を調整しながら投与できますので、とても効果的と言えるでしょう。 嘔吐が見られる場合は、口からの水分補給が難しいので、皮下輸液または静脈輸液を行う事になりますが、どちらの方法がいいかはその時の状態によりますし、飼い主さんの都合や愛犬の性格なども考えた上で、愛犬に負担がかからない方法を先生と相談しながら進めていくといいでしょう。

③投薬する

慢性腎臓病で処方される薬は腎臓自体を治す薬ではないのですが、尿毒症の進行を遅らせたりなど辛い症状を緩和させるためのものですので、用法用量を守りしっかり服用させて下さい。 しかし、吐き気がある場合や口内炎がある場合は、中々飲んでくれませんので、飲みやすい錠型で処方してもらうようにしましょう。 どうしても口から服用する事が難しい時は、流動食や輸液剤に混ぜて飲ませたり、注射で行ったりする事もできます。こちらも無理やり飲ませると、ストレスになってしまう可能性が出てきますが、そんな時は先生にどのように飲ませればいいのか相談してみましょう。

④健康状態の観察と病院の関わり方

慢性腎臓病は、適切な治療を行っていても残念ながら進行が止まるわけではありません。病院で定期的に進行具合を診てもらい、現在行っている治療が適切かどうかを判断してもらうようにして下さい。どのくらいの間隔で診察すればいいのかは、状態によりますので、先生の指示に従いましょう。 動物病院だけにお任せするのではなく、日々の状態を常に見ているのは飼い主さんです。日頃から愛犬の状態をよく観察し、診察の際にしっかり先生に伝えられるようにしておきましょう。
注意して観察しておいてもらいたいのは以下になります。 ・食欲や元気に変化はないか ・体重が減っていないか ・水分補給の量に変化はないか ・嘔吐や気持ち悪そうな様子はないか ・おしっこの回数や量・色に問題はないか ・脱水症状を起こしていないか ・貧血を起こしていないか ・痙攣や意識障害はないか など。
病状が進行してくると、病院が休診している時に症状が悪化するという事が度々起こりますが、そのような時も慌てず冷静に対処できるよう事前に先生にどうすればいいのか対処法を聞いておく事と、救急病院を探しておくなど準備をしておくと安心でしょう。 慢性腎臓病は治る病気ではないですが、進行を遅らせ辛い症状を緩和する事はできます。その時の対処法としては愛犬の性格や状態によって違いますので、先生とよくコミュニケーションを取り、どのような方法が愛犬には最適なのかを相談する事が重要となってくるでしょう。

犬の腎臓疾患におすすめ療法食3選

腎臓疾患には食事療法と水分補給が最も重要な治療法だとわかりましたね。しかし、どんな物をあげればいいのかわからないという事なのですが、ここでは、腎臓疾患に良いと言われている療法食を今回は3種類ご紹介したいと思います。沢山あって悩んでいる方は是非今からご紹介する療法食を試してみて下さい。

・フォルツァディエチ(FORZA10) 療法食 リナールアクティブ 800g

腎臓の健康維持に配慮した食事療法食です!

腎臓病・心不全に対応した療法食で、たんぱく質とリンの含有量を最小限の抑えています。ナトリウム量を抑え高血圧にも配慮していますので、肉や様やをトッピングしてあげる事で心臓病の療法食としても使用できます。この療法食を利用されている方の口コミをご紹介しておきましょう。

口コミ・慢性腎不全と心臓疾患を持っている愛犬に、心臓にも配慮したこちらの療法食を与えています。毎日与えていますが、嫌がらず食べてくれますし、数値も安定しており心臓も落ち着いています。 ・腎臓の数値が悪くなってきたので、5か月ほどこちらの療法食を使用していました。今は数値が正常に戻っています。

・アニモンダ インテグラプロテクト腎臓ケア

腎臓ケアのための美味しい食事療法食です!

鶏肉をメインに、豚肉と牛肉をミックスし、腎臓ケアの食事療法が必要な愛犬のための療法食です。腎臓病に配慮して、通常の食事よりたんぱく質とリンを軽減しており、腎臓病で付属しがちなビタミンD3を強化しています。この療法食は美味しく食べられる事にも重点を置き、良質な生肉を鮮度のいい状態で加工しています。食べ飽きないよう鶏・牛・豚の配合を変えてバリエーションが豊富に用意されていますので、食欲がない愛犬でも喜んで食べてくれるのではないでしょうか。ここで、実際にこの療法食を利用されている口コミをご紹介します。

口コミ・腎臓病の食事はどれも気に入ってくれる物がなく、こちらの療法食は評判が良かったので食べさせたところ、喜んで食べてくれたので安心しました。開封した瞬間にいい匂いがしますので、自然と食欲が出てくるのではないでしょうか。

・ナチュラルハーベスト 腎臓ケア用食事療法食 セラピーティックフォーミュラ「キドニア」

腎臓の健康維持に配慮した食事療法食です!

腎臓にトラブルを抱えた愛犬に、低たんぱく質・低リン・低ナトリウムで腎臓の健康をサポートする療法食になっています。残された腎機能のために、機能性食材である豚腎臓・EPA豊富な魚油・トルラ酵母・タウリン・メチオニン・パパイヤ乾燥末を配合し、十分なエネルギーを供給するために、低コレステロールの植物油と消化吸収性に優れたα化米を配合しています。ここで、この療法食を利用している方の口コミをご紹介しましょう。

口コミ・腎臓療法食は美味しくないというイメージだったのですが、こちらの療法食だと食いつきがよく毎回喜んで食べてくれます。食欲をそそるいい匂いもしますし、本当にありがいです。 ・腎臓病と診断されて8か月になります。先生に勧められて他の療法食を食べていたのですが、食いつきが悪く、次のこの療法食を紹介してもらいました。早速食べさせてみたところ、食いつきがよく安心したのを覚えています。人間でもそうですが、犬もやはり美味しいものを食べたいですもんね!今後も継続して与えようと思っています。

犬の去勢手術とは?

オスの犬を飼い始める時に、去勢手術をするかしないか、まず考える飼い主さんは多いのではないでしょうか?去勢手術は、オス犬の陰嚢から精巣を外科的に切除し、繁殖能力をなくす手術です。 去勢手術の目的は、望まない繁殖を防ぐことが一番にあげられるますが、その他にもオス特有の病気の予防や問題行動の軽減・予防もあり、飼い主が愛犬と生活がしやすくなる事もあげられます。 ここでは去勢手術の方法やメリット、デメリット、手術の注意点を解説していきます。また去勢手術を受けさせた飼い主さん、受けさせなかった飼い主さんの声をそれぞれ紹介します。去勢手術を受けるかどうか迷っている方は是非参考にしてください。

①犬の去勢手術の方法

犬の去勢手術では、全身麻酔をかけて、陰嚢内にある左右2つの精巣を取り出します。犬の場合は陰嚢を直接切開するのではなく、陰嚢とペニスの間の皮膚を切開し、精巣を摘出する事が一般的です。精巣が陰嚢に無い「停留精巣(潜在精巣)」の場合はお腹を開ける手術になる事があります。 普通の去勢手術では、手術時間は30分から1時間ほどで終わり、その日のうちに退院となります。 犬の体格や精巣の大きさによっても異なりますが、手術で出来る傷は数センチ程度で、抜糸が必要な場合は術後1週間程で抜糸します。術後は傷口を噛まないために、抜糸までエリザベスカラーや術後服を使用する場合もあります。 また手術を受ける前には、術前検査として全身麻酔をかけても問題が無いか、健康状態をチェックします。検査では問診や触診、聴診などの身体検査の他に、左右の精巣がきちんと陰嚢内にあるかを確認します。必要に応じて血液検査、レントゲン検査、超音波検査も行われます。

②犬の去勢手術の費用の目安

手術の費用は、病院やお住まいの地域によって異なり、また犬の体重によって薬品の量が変わるため小型犬と大型犬でも異なります。 小型犬の場合15,000円~30,000円程度です。その他に、手術前の検査代、入院が必要な場合の入院費用、術後の化膿止めの抗生剤や必要に応じて傷口を噛まないようにするためのエリザベスカラーや術後服、抜糸の費用などが別途かかり、トータルで小型犬で30,000~50,000円、大型犬では50,000~70,000円が目安になります。自治体によっては去勢・避妊手術に助成金制度がある場合がありますので、事前に動物病院や市区町村に確認しておきましょう。

③去勢手術の時期

犬の去勢手術はいつ受けなければならないという決まりはありません。動物病院の方針によっても異なりますが、子犬から飼い始めた場合、性成熟をする頃に行うことが多く、小型犬では生後6か月頃から、小型犬より成長がゆっくりな大型犬では生後10か月頃からが目安となります。 去勢手術自体はもっと若い時期からでも可能ですが、全身麻酔のリスクや去勢手術後の成長を考慮し、性成熟に達する頃に実施する病院が多いようです。オス特有の病気の予防や問題行動防止の観点から言うと、性成熟に達してから1歳ごろまでに手術を受けるのが良いでしょう。また、麻酔をかける事や術後の回復は中高年齢よりも若いうちの方が良いので、去勢手術を検討する場合は早めに獣医師に相談しましょう。

犬が去勢手術を受けるメリット

オス犬の去勢手術を受ける目的の一番は、望まない繁殖を防ぐことですが、その他にも去勢手術を受けるメリットはいくつかあります。 オス犬が去勢手術を受けると、飼いやすくなると聞いたことはありませんか?去勢手術を受けると、発情期のメス犬に突進していったり、マーキングやマウンティングといった飼い主にとって望ましくない行動を抑える効果があります。また、性格が穏やかになりしつけがやすくなる事もあります。さらに、がん(腫瘍)や前立腺の病気などを予防するといった健康面でのメリットもあり、愛犬の寿命を延ばすことにもつながります。ここでは去勢手術を受けるメリットについて詳しく解説していきます。

①ストレスの軽減

オス犬には周期的な発情はなく、発情したメス犬の臭い(フェロモン)に反応して発情します。犬の嗅覚は非常に優れているため、オス犬は遠くに離れたところにいるメス犬の発情にも検知することがあります。オス犬にとって、発情したメス犬がいるのに交尾できないのは大きなストレスとなります。 時には食欲不振に陥ったり、脱走や遠吠えの原因となる事もあります。去勢手術を受けると、オス犬はメス犬の発情に反応しなくなり、性的なストレスを軽減することができます。

②攻撃性やマーキング、マウンティングなどが抑えられる可能性

オス犬は主に精巣から分泌される男性ホルモン(テストステロン)の影響によって、頻繁にマーキングをしたり、攻撃性が出ることがあります。去勢手術を受けると、男性ホルモンの分泌を抑えることができるので、頻繁なマーキング、マウンティングやオス犬同士の闘争を防ぐ効果が期待できます。 ただし、効果には個体差や手術を受けるタイミングなども影響されるため去勢をしても改善されないケースもあります。攻撃性は、飼い主との関係性や犬種、生活環境によっても異なりますが、去勢後は性格が穏やかになることが多いようです。

③病気の予防(オス/メス)

POINT
・精巣腫瘍: 去勢手術は精巣を摘出するので、精巣にできる腫瘍が発生しなくなります。特に、精巣が生後しばらく経ってもお腹の中にとどまってしまう「停留精巣(潜在精巣)」は、腫瘍化するリスクが高いため、去勢手術を行うことが望ましいです。・肛門周囲腺腫: 肛門の周囲や尾根部にできる硬い結節状の腫瘍で、痒みを伴うことがある病気です。高齢未去勢の犬に比較的多く見られる腫瘍で、男性ホルモンが関係しています。治療には、腫瘤の外科的な切除と同時に去勢手術が行われます。若いうちに去勢手術を受けることで、この病気を予防することができます。 ・前立腺肥大: ヒトの男性と同じように、オス犬にも前立腺の病気があり、一番多いのが前立腺肥大です。前立腺は尿道を囲むように存在する副生殖腺で、精液の成分を作る働きがあります。高齢になると精巣から分泌されるホルモンのバランスが乱れる事で肥大がおこり、おしっこが出にくくなる等の症状が見られます。犬種を問わず高齢の未去勢犬に多く発生します。ホルモンや年齢との関連が深い病気なので、若いうちに去勢手術を受けると予防が期待できます。 ・会陰ヘルニア: 肛門周りの筋肉の隙間から腸などのお腹の中の臓器や脂肪が突び出し、肛門の周りが腫れて見える病気を会陰ヘルニアと言います。肛門周りの筋肉が薄くなってしまう原因として、男性ホルモンが関与していると言われており、未去勢の中高年齢のオス犬により多く発生します。治療には外科的な整復手術と同時に、再発防止のために去勢手術を行うことが一般的です。若いうちに去勢手術を受けた場合は、会陰ヘルニアを予防できます。 ・精巣炎: 細菌感染や咬傷などの外傷などによって陰嚢に起きる炎症を精巣炎と言います。去勢手術では精巣を摘出するので精巣炎にならなくなります。

犬が去勢手術を受けるデメリット

犬の去勢手術には、デメリットもあります。最大のデメリットは手術を受ける際に必ず必要になる全身麻酔のリスクです。 その他にも、男性ホルモンが低下することで代謝が下がり太りやすくなる事や、当然ですが子犬が作れなくなる、といったことが挙げられます。ここでは、去勢手術を受けるかどうか考える際に知っておきたいデメリットについて詳しく解説します。

①全身麻酔のリスク

全身麻酔薬は、犬を動かなくさせ、痛みを感じなくさせるために、手術をする上では必ず必要な処置になります。 しかし全身麻酔薬の副作用として、心臓や肺の機能や全身循環が低下します。そのため、犬が幼すぎたり高齢の場合や、心臓や肺、腎臓の病気がある場合は、麻酔によって合併症を引き起こす可能性があります。 また非常に稀なケースではありますが、麻酔薬が体に合わない場合、劇症のアレルギー反応を起こし、ショックを起こすことが知られています。このような事例があるため、全身麻酔を使用する際には、必ず事前の検査で健康状態を確かめ、病気が隠れいてないかチェックを行います。全身麻酔をかけている間は、心臓や肺の状態をモニターしながら安全をはかり手術が進められます。術前の検査で問題が無ければ、過度に心配する必要はありません。病院によっては麻酔の同意書が必要な場合があります。麻酔のリスクについて獣医師の説明をよく聞き、少しでも疑問や不安がある場合は相談しましょう。

②太りやすくなる

去勢手術を受け精巣がなくなると、血中の男性ホルモンが著しく低下し、犬の代謝は下がります。また、性的な行動が抑えられるため、活動性が低下します。そのため、体重を維持するのに必要なカロリーは、8割程度に減少すると言われています。その一方で、去勢手術後は食欲が増す場合もあります。特に、1歳前後での若いうちに手術を場合と比較して、中年齢以降で去勢手術を受けた場合、男性ホルモンが急激に減少するのでより太りやすくなる傾向がみられます。 去勢手術後は、餌の量を減らしたり、去勢犬用のフードに切り替えるなどしてカロリーコントロールを行い、体重が増えすぎないように注意しましょう。

③子犬がつくれない

去勢手術を受けると、精巣を摘出することでオス犬の繁殖能力をなくしてしまうので、当然そのオス犬の子孫は残せなくなります。 オス犬を飼い始める際は、今後子犬をつくるかどうか、愛犬とのライフスタイルをしっかりと考えておきましょう。 繁殖の予定が無く、去勢手術を受ける予定であれば、性成熟を迎えた以降の若いうちに受ける方が望ましいでしょう。また繁殖させた後で去勢手術を受ける場合も、早めに動物病院に相談しましょう。

犬の去勢手術の流れ

オス犬を飼い始め、去勢手術を受ける場合は、手術を受ける時期などについて、かかりつけの病院に相談しましょう。手術を受ける前には術前の検査を行い、全身麻酔をかけても問題が無いと診断されれば、手術の予約を取ります。獣医師から、手術の説明や手術前の注意点をよく聞き、手術当日まで愛犬の体調を整えましょう。 去勢手術は多くの場合、その日のうちに退院となります。家での過ごし方について病院の指示に従いましょう。術後はしばらく激しい運動を控え、シャンプーなど傷口を濡らすことはできません。 傷口が塞がるまではエリザベスカラーや術後服を使用する場合があります。 傷口の抜糸が必要な場合は、1週間程度で行います。傷が塞がり抜糸が終わるとすべての処置が終わりです。

去勢手術を決めたらすべきこと

去勢手術を受けることを決めたら、動物病院で術前検査を受け、手術の日程を決めます。手術の当日や入院中は、動物病院から緊急の連絡が入る可能性があるため、連絡が入った際に対応できるように予定を開けておきましょう。去勢手術は、愛犬にとって初めての手術や入院になる場合も多いと思います。獣医師に犬の性格や、ペットシートを食べてしまう等の注意したいクセを事前に伝えておきましょう。 術後はしばらく家で安静にさせ、様子を見る必要があります。愛犬が家で静かに過ごせる環境を準備しておきましょう。 また、傷口をなめてしまわないようにエリザベスカラーを使用する場合があります。カラーを付けると犬は動きにくく、食事や飲水がしづらくなります。家具に当たったりしないように部屋を整え、食器の高さを変えられるようにしておくと良いです。

・去勢手術の前日の過ごし方・注意点

愛犬は飼い主のことをよく観察しています。飼い主のあなたが不安な様子を見せると、愛犬も同様に不安になります。飼い主は普段通りにふるまい、愛犬を不安にさせないようにしましょう。 また、「しばらく散歩に行けないから」と手術前日にたくさん運動させたり、ドッグランで疲れさせてはいけません。絶食を始める前に大量に食事を与えたり、普段と違うおやつをあげたりするのもやめましょう。手術前日は普段と違うことをしないようにし、手術に備えて体調を整えましょう。

・去勢手術の当日の過ごし方・注意点

去勢手術当日の過ごし方については、事前に動物病院から説明がありますので、必ず指示に従いましょう。 とくに、絶食(または絶水)が指示通りにできていないと、手術が出来ない事があります。手術当日(手術の時間によっては前日の夜から)絶食させるのは、麻酔中や麻酔後に嘔吐し誤嚥する危険があるためです。もし誤って食事を食べてしまった場合は、必ず獣医師に伝えるようにしましょう。 手術が無事終わり帰宅する際も、術後の過ごし方の注意を良く聞き指示に従いましょう。麻酔の影響がなくなるまでは絶食・絶水となります。食事や水を与えて良い時間の指示があるので確認しましょう。帰宅後は、何かあった時にすぐに対応できるためにも犬の様子をこまめにチェックし、手術を頑張った愛犬とできるだけ一緒にいてあげてくださいね。

犬の去勢手術後の注意点・ケア方法

無事去勢手術が終わり、家へ帰ってからは、愛犬が静かに過ごせるように見守りましょう。手術後2、3日は本調子で無い場合が多いですが、徐々に回復してきます。すこし元気が無くてもおしっこが出ていて、吐き戻しが無く、ある程度食べられている場合は様子を見ても良いかもしれません。しかし、元気が無い状態や食欲不振が続く場合、おしっこが出ない、吐き戻しが続く場合は、動物病院に連絡しましょう。 傷口の治癒には1週間程度かかります。傷口が開かないように手術後の激しい運動は控え、外出も2、3日は控えた方が良いです。手術した場所をよく確認し、傷口が濡れたり汚れないように注意しましょう。傷の抜糸が必要な場合は、1週間程度で抜糸となりますが、それまではシャンプーも出来ません。 エリザベスカラーや術後服を使用する場合は、犬が動きにくくなります。とくに、カラーを使用している場合は食事や飲水もしづらくなるので、カラーの径よりも小さな食器を使い、食器の位置を高くすると良いです。愛犬の行動をよく観察し、過ごしやすいように工夫してあげましょう。また、去勢手術のデメリットでも挙げた通り、去勢後は太りやすくなります。フードの量を減らしたり、去勢済み犬用のフードに変更するなど、体重管理に努めましょう。

犬の去勢手術をした飼い主さんの声

愛犬に去勢手術を受けさせるかどうかについては、これまで説明してきた通りメリット、デメリットがあり、飼い主さんによって賛否両論分かれるところです。最後に、実際に去勢手術をした飼い主さん、しなかった飼い主さんに、その理由や手術を受けたタイミングなど体験談を紹介します。去勢手術を検討されている方は参考にしてみてください。

愛犬の去勢手術をした理由

1、“病気をしてほしくないのと、穏やかになってほしくて1歳の時に手術。術後はマーキングが減り、ゴハンに飛びつくようになったが、穏やかになったかは「?」”
−愛犬が1歳の時に去勢した飼い主さんの声です。やはり去勢をして、穏やかになったりするかどうかは個体差があるようですね。
2、“6か月になって手術。オスならではの病気になってほしくないため。マーキングも減らず行動の変化はなし。強いて言うならマウンティングはなくなったかも。”
―病気の予防を考えて去勢手術を受けたという飼い主さんの声です。愛犬が健康で長生きしてほしいという気持ちが伝わってきますね。その一方で、性格や行動の変化が現れるかどうかは、個体差が大きいようです。
3、“8か月の頃に手術しました。マウンティングを始めたばかりの時で、ちょっと攻撃的だったけれど、術後はおっとり平和主義者になりました。柴犬を飼う人に勧められて手術を受けました。特に性格も変わっていない気がするので、今では去勢しなくても良かったのではと思っています。”
―性格や行動の変化を期待して去勢手術を受けてみたけれど、性格の変化があったという声と、なかったという声の両方があります。性格や行動の変化は、去勢手術を受けて見なければ分からないようです。去勢手術のその他のメリットと総合的に判断すると良いと思います。

愛犬の去勢手術をしなかった理由

1、“過去にもオス犬を飼っていたのですが、去勢せずにも長生きしました。また、愛犬の事を自分のことと重ねて考えてしまい、かわいそうなので受けさせていません。ちなみに愛犬はマーキングはもちろん、足をあげておしっこすることもないので、今のままでも困っていません”
―男性の飼い主さんならではの意見ですね!愛犬の個性によっては、去勢手術を受けさせてまで性格や行動を変える必要を感じない場合もあるようです。
2、“外飼いではないし、不用意にメス犬に近づけなければ去勢手術の必要はないのかなと考えています。過去に何頭かシー・ズーを飼いましたが、どの犬も未去勢・未避妊だったので、『去勢手術を受けさせなければ』という感覚もありません。手術するには全身麻酔が必要ということも、受けさせない一因です。”
−メス犬との接触がなければ、去勢手術を受けさせる必要を感じないという意見です。また、全身麻酔をかけるリスクが高いと判断される場合もあります。去勢手術を受けさせない場合、普段の散歩コースやドッグランでの、他の犬との関わり方など愛犬にきちんとしつけておくことも大事ですね。

最後に

去勢手術にはメリット、デメリットがあり、受けるかどうかは飼い主さんの自由です。受けた場合も受けなかった場合も、それぞれ生活で注意すべきことがあります。飼い主さんが犬の事をよく理解し、それぞれのライフスタイルに合った選択をすることが大事だと思います。

愛犬にストルバイト結石が…ストルバイト結石とは?

犬の尿路結石の種類の1つに、ストルバイト結石があります。結石の中でも最も多いといわれている種類で、尿がアルカリ性になることで作られやすくなります。いずれの結石にしても尿が排出できなくなったり腎臓病の原因になることがあるため、早めに気付いて対処してあげるようにしましょう。 ストルバイト結石の成分は、リン酸アンモニウムマグネシウムです。膀胱などにできてしまうことが多く、原因はいくつか考えられます。血尿が出るとわかりやすいものの、おしっこの量が少なくなったりトイレで痛そうにしていたり陰部を気にしているときは、ストルバイトの疑いがあります。尿結石が詰まってしまい尿が出なくなると命に係わることもあるため、すぐに病院に連れていくようにしてください。

ストルバイト結石ができてしまう原因は?

ストルバイト結石ができてしまうのには、3つの代表的な原因があります。尿路内に細菌が増えてしまうことも原因の1つですが、食事や水分の摂取という日常的なことも原因になりやすいため、以下の原因の解説を参考にしてみてください。

①水分摂取量

ストルバイト結石の原因の1つとして、水分の摂取不足があります。水分の摂取量が少なくておしっこがあまり出なくなると、尿道に細菌が増殖しやすくなるため要注意です。 本来、犬の尿は酸性に傾いています。リンやアンモニウム、マグネシウムなどを消化することによってアルカリ性に傾くことを防いでいるのですが、アルカリ性の食事が多くなったり尿路感染症になったりするとストルバイト結石になる成分が体内に残ってしまうのです。水分不足が急に結石を作るわけではなく、徐々に徐々に結石となっていきます。

②特定の栄養成分の過剰摂取

結石の原因となる食べ物は、たくさんあります。市販のドッグフード以外に食べ物を与える場合は、注意が必要です。リンやマグネシウムを多く含む食べ物には、特に注意したほうがよいでしょう。 リンは肉類に多いため、ドッグフード以外に肉類を与え過ぎると結石になる恐れがあります。煮干し・かつお節・パルメザンチーズ・干しエビ・ジャーキーなどにも注意しましょう。鶏のささみのように健康的に見えても、リンを消化しきれば結石につながるかもしれません。マグネシウムは、ほうれん草・大豆・納豆・小豆・ひじき・アーモンド・ピーナッツなどに多く含まれています。

③尿路内の細菌増殖

尿路内に細菌が増殖してしまうのも、ストルバイト結石の原因の1つです。水分の摂取不足も問題ですが、おしっこを我慢してしまう犬もストルバイト結石になるリスクが高いです。膀胱内に細菌が増えてしまうと膀胱炎になり、それがアルカリ尿に傾かせて結石を作ってしまいます。おしっこの我慢は、散歩中に飼い主がゆっくりおしっこさせてあげられなかったりトイレが汚れていたりすることも関係しているかもしれません。

与えてはいけないおやつ一覧

食事以外におやつを与える習慣が、ストルバイト結石の発症につながることもあります。一度結石が出来てしまうと、完治しないうちに再発を繰り返す悪循環にもなりかねないため、ストルバイト結石になったら与えてはいけないおやつを覚えておきましょう。以下に、どんなおやつに注意すればよいかリストアップしてみます。
POINT
マグネシウムを多く含むおやつ(大豆製品・魚介類・海藻・木の実など) ・海苔 ・ごま ・ワカメ ・きなこ ・煮干し ・納豆 ・豆腐 ・アサリ ・イクラ ・ほうれん草 ・切り干し大根 リンを多く含むおやつ(魚介類・乳製品など) ・しらす ・煮干し ・レバー ・チーズ ・卵黄 ・ハム ・ササミ ・海苔 ・そら豆 ・モロヘイヤ

病気が再発しない為にできること

ストルバイト結石を含め、尿路結石は再発しやすい病気です。再発を繰り返すうちに、犬の健康が大きく損なわれてしまうかもしれません。病気が再発しないように、注意しておきたいことについて3つ紹介します。

①食事とおやつ選び

尿路結石が治ったからといって、以前と同じ食事やおやつを与えるのではまたすぐに病気が再発しても不思議ではありません。実際、再発と治癒を繰り返している犬は珍しくないのです。与えてはいけない食べ物をあげないようにすることはもちろん、市販のドッグフードも結石を防ぐものを選ぶようにしましょう。おやつをあげるクセがついてしまうと、栄養バランスが崩れるのも心配です。おやつをあげたいときは、獣医に相談してから検討することをおすすめします。

②水分摂取とおしっこを我慢させない

新鮮な水を十分に飲む習慣がついていると、結石の予防につながります。好きなときに新鮮な水をいつでも飲めるように用意しておいてあげると、水をあげたときになかなか飲んでくれないという心配がなくなるかもしれません。おしっこを我慢するのも、よくありません。散歩中のおしっこはなるべく自由にさせてあげるようにし、室内のトイレも清潔に利用しやすいようにしておきましょう。

③肥満にならないよう運動不足を解消する

肥満も、ストルバイト結石ができてしまう原因の1つです。おやつの食べ過ぎや結石を作りやすい食べ物ばかり食べているうえに運動もせずにいれば、結石になる成分が体内に溜まったままになってしまいます。毎日の散歩をはじめ、室内でも軽く体を動かせるような工夫をしてあげると愛犬の運動不足を防げます。

ストルバイト結石におすすめのおやつ10選

10位 ストルバイトサポート用クランベリー・ブルーベリー

1日1粒の無添加ドライフルーツ

アルカリ性の尿を酸性にするサポート力があるといわれているのが、クランベリーやブルーベリーです。無添加かつノンシュガーで仕上げられているクランベリーとブルーベリーのミックスドライフルーツは、原料から農薬も化学肥料も使っていないオーガニックなので安心して愛犬に与えることができます。1日たった1粒でよいので、おやつをあげすぎてしまう心配もありませんね。

9位 フリーズドライ クランベリー

お魚風味がプラスされたペット栄養士監修のクランベリー

ペット栄養士が監修した、クランベリーのドライフルーツです。オーガニックの天然素材にこだわり、人工保存料・人工着色料・人工保存料を使用していません。鮮度や栄養価、うまみを瞬間的に閉じ込めるフリーズドライ製法が採用されており、愛犬が食べやすいカット法にも工夫されています。北極海で水揚げされた天然のタラを使ったパウダーがふりかけられているので、ドライフルーツが苦手な子にも食べやすいかもしれません。

8位 すっきりボーロ

クランベリーと12種類の栄養素入りコロコロしたボール型おやつ

尿素回路とアミノ酸代謝が正常に機能するようにサポートしてくれる栄養素を配合したボーロおやつです。クランベリーエキスの他、L-アルギニン、L-オルニチン、タウリンなどのアミノ酸が豊富に含まれています。1袋に40~50粒入っているので、1日1~2粒程度で約1ヶ月もたせられるのが経済的です。

7位 いぬぴゅーれ 鶏ささみ

お肉風味でおいしくペロペロできるピューレおやつ

厳選された鶏ささみとホタテエキスを使った、いぬぴゅーれの鶏ささみバージョンです。基本的な役割と形状は他のシリーズと変わりありませんが、お肉好きな犬には好みの風味のおやつになっていいですね。クランベリー果汁の粉末も配合されているので、尿路結石のサポートに役立ちます。

6位 いぬぴゅーれ 野菜ミックス

厳選野菜中心の安心ピューレおやつ

ニンジン・カボチャ・ブロッコリーなど厳選された野菜を中心に、ピューレ状に仕上げたおやつです。尿路ケアに加え、関節・疲労・毛づや・ブレスケアと1本で5役の健康サポートをしてくれます。スティック状の個包装になっているので持ち歩きやすく、お散歩中のおやつにあげるにも便利です。

5位 いぬぴゅーれ 海鮮ミックスしらす入り

おさかな風味がたまらないピューレ状おやつ

まぐろ・かつお・サーモン・しらすと海鮮を贅沢に使った、ピューレ状に仕上げたおやつです。お魚に含まれるDHA・EPAに加え、クランベリー果汁粉末に含まれるキナ酸のパワーを得られます。愛犬に与えやすいスティック型で、ペロペロ喜んで舐めてくれる姿に安心できます。

4位 ヤミークッキー クランベリー

人も食べられる原材料を使ったクランベリークッキー

尿を弱酸性にするキナ酸が多く含まれたクランベリー、アントシアニンが多いカシスと天然水を使って作ったクッキーです。人間用の原材料が使われていて、添加物が加えられていないのも安心です。オーストラリア産の赤身牛肉が含まれており、お肉好きな子には喜んで食べてもらえるでしょう。薄く硬めの仕上げで、歯の健康もサポートしてくれます。

3位 プロバイオビスケット・クランベリー

ポリポリかじるのも楽しいクランベリークッキー

抗酸化力が高いクランベリーを使ったクッキーは、かじる楽しみもあるおやつです。クランベリーに含まれるキナ酸は、尿を酸性に保つことができる優れた成分。さらに、プロバイオティクスが腸内細菌のバランスを整えてくれるのがポイントです。免疫機能を高めるサポートにも期待できるプロバイオティクスは、1粒に1,000万CFU配合されています。

2位 ビィプラス ベリィ・ベリィ

高齢の愛犬も食べられる柔らかいクランベリーおやつ

尿路のトラブルをサポートしてくれるクランベリーとブルーベリーを使った、半生タイプのおやつです。九州産のさつまいもや沖縄産のさとうきびなど信頼できる原料が使われており、合成添加物不使用なのも安心できます。小粒ですが、手で簡単にちぎれるので喉に詰まらないようにさらに小さくして与えることも可能です。尿路結石のトラブルだけでなく、目もサポートしてくれる魅力もあります。

1位 クランベリージャーキー

鶏ささみとクランベリー果実で作ったおやつジャーキー

クランベリー果実とクランベリー抽出物のプロアントシアニジンを配合してある、鶏ささみのジャーキーです。小型で噛みやすい柔らかさなので、喉に詰まったり刺さったりする心配がありません。生後0~2ヶ月の幼犬には、与えないように注意してください。

最後に

苦しい症状があっても我慢するしかない犬にとって、日常的な習慣から発症しやすいストルバイト結石は困った病気です。飼い主が気を付けることで予防できるので、ここで紹介した食事や生活習慣の注意、おすすめのおやつなどを参考に愛犬を病気から守ってあげてください。

犬を飼うメリット

犬を飼うメリットとして犬は様々な癒しや効果をもたらします。 犬を飼う上で育てることやしつけること散歩など、後に不安になってくることもありますがまずは犬がもたらしてくれるメリットを考えましょう。 犬を飼うことで得られる生活面でのメリットは、
・外に出ることが多くなるので社会性を学び考え方が変わる ・小屋やケージの掃除を行うことで自然と綺麗好きになる ・散歩することによって運動不足の解消になる ・子どもがアトピーになる確率を下げることができる
など生活面で犬がいるといないとではこんなにも変わってきます。 また、犬を飼う事で得られる精神的メリットは、
・犬とのふれあいで生き物とのふれあいが生まれ人生に潤いや充実感が出る ・犬が間接的に人間関係をスムーズにしてくれる ・犬と戯れることで「オキシトシン」が出てストレスが軽減される ・孤独を感じなくなる ・犬だけでなく自分自身も成長できる ・他人にも思いやりが持てるようになる
など人間関係で悩んでいる人、ストレスをため込んでしまっている人にも犬は効果をもたらします。 もちろん犬を飼うことで叱ってしまったり分かり合えないこともあり苛立つ時もあります。 でもそれ以上に犬は私たちに多くの幸せを運んでくれるということがわかっていただけたのではないでしょうか。

犬を飼うって大変なの?早見チェックリスト!

結論から言うと犬を飼うことは大変です。 犬を飼うことは決して簡単で楽なことではなく、時間やお金、近隣の家への配慮など考えなくてはいけないこともあります。 犬を飼うことを決めた時、自分たちの生活にどれだけ影響があるのか、最低限どんなことを守ることができれば犬を飼えるのかチェックリストにまとめたので各自チェックしてみてください。 ・世話をする時間を確保できるか 犬がいるだけで食事の時間やケージ掃除に費やす時間、散歩の時間など一日のうちの多くの時間が犬のための時間になります。 子犬を迎え入れてからは成犬になるまでの慣れないうちはあわただしく感じることもあります。 ・自分や家族の体力に問題はないか 子犬や大型犬を扱う場合には体力をより多く必要とします。何より人間の自分自身が健康でなければなりません。 日々の世話で疲れていては犬を飼育するのに十分な体力とは言えません。 自分の体力に問題が無くても家族がその犬を扱えなければ意味がありませんので家族と十分に話し合って飼う犬を決めることが大切です。 ・終生飼養のための費用が確保できるか 犬を飼育していくためには少なくとも万単位でお金がかかります。 また定期的に予防接種やワクチンなども必要になるため小動物などを飼育するよりもはるかに費用がかさみます。 自分の経済状況を判断し今飼うべきなのかをしっかり考えましょう。 ・自宅の中に犬が落ち着けるスペースを用意できるか 小型犬であれば比較的に小スペースで飼育することが可能ですが、中型犬や大型犬を飼育する場合はケージのほかにも休めるスペースが必要になる場合もあります。 自宅があまりにも狭すぎる場合は引っ越しや家の片付けなどが先になる場合もありますので飼おうとしている犬がどのくらいのスペースを必要とするのかを事前に調べておきましょう。 ・犬が暮らせる生活環境が整っているか 集合住宅や賃貸の場合、そこは「ペット可」の物件でしょうか? もしペット不可の場合は後から大家さんや同じ住宅に住んでいる方とトラブルになりかねません。 最悪の場合せっかく飼った犬を手放さなければならないなんてことにならないように事前に確認しておきましょう。 ・もしもの場合面倒を見てくれる人はいるか 自分自身が病気やけがで散歩などの世話が万が一できなくなってしまった場合に、親戚や友人など自分に代わって犬の面倒を見てくれる人が居るかはかなり重要です。 折り入って相談やお願いをしておくようにしましょう。 ・老犬になっても最後まで世話をする自信があるか 人間が老いるように犬も年を取ります。 老犬になれば介護や通院など今まで以上に気配りと時間など手間がかかります。 愛犬が介護状態になった場合などにはしっかりと最後まで面倒を見てあげられるのかよく考えておきましょう。 最近では老犬を預かってくれる施設もあるようですが本当に愛犬にとってそれが良い選択なのかはよく考えてください。

ライフスタイル

犬が1匹増えることでライフスタイルは大きく変わります。 犬が中心の生活になる人もいれば、自分のライフスタイルに合わせる飼い主もいます。 今のライフスタイルに犬がいる空間を想像できるのか、まずはそこを考えてみましょう。 また自分のライフスタイルに犬を合わせる場合は、犬選びも重要になります。犬ごとに性格も体格も違うので自分に合った犬選びをすることが重要です。 また、犬を飼おうと決めた場合近隣への配慮も怠ってはなりません。 近隣の家への配慮ですが意外とそこまで気づけない飼い主さんが多いです。 例えばですが、近隣に赤ちゃんや高齢者がいたとして子犬が吠えていたらどうでしょうか? 私たちは犬が吠えているのが気にならないかもしれませんが赤ちゃんや高齢者にとってはそれが騒音になることもあります。 近隣の方と良い関係を保つために近隣の住民にも配慮をすることが大切です。

時間

犬を飼うということはこの先の10年から15年全ての時間を共にする覚悟が必要です。 もし途中で嫌になっても投げ出すことは出来ません。責任をもって飼い続ける必要があります。 もちろん旅行などで家を離れるときは一緒に連れて行けるのかそれともペットホテルなどに預けるのかを考えなければいけません。ペットホテルに預けるということも良いですが犬にとっては大きなストレスにもなるということも覚えておきましょう。 また散歩は1日2回か3回を必要とし一回40分から1時間ほど散歩に時間を要します。散歩は原則毎日行うことを推奨していますので、もちろん雨が降っていてもカッパを着て散歩をしたりするなど毎日散歩の時間を確保できるかどうかも重要になります。

お金

犬は思っている以上に意外とお金がかかります。 例えば子犬を迎える際には少なくとも以下のお金がかかります。 初めて子犬をお迎えするときは子犬の生体価格に+10~15万は見込んでおくと安心です。 そのほかにも毎月のご飯代やペットシーツ代、定期的に狂犬病の予防接種やワクチン・フィラリア・ノミダニ予防が必要になりますので年間15~20万は必要と思っておいたほうが良いでしょう。 また病気になればその分お金がかかります。 保険に入らなければ高額になることもありますので注意が必要です。 保険加入についても加入内容によっては月々の支払額も変わってきますので調べておくと良いでしょう。

健康問題

家で出来ることは出来るだけ行っておきたいです。 例えば、歯磨きや耳掃除、シャンプー、ブラッシングなど家で出来ることは手順などあらかじめ調べておくことをおすすめします。 歯磨きは毎日行うのが基本です。現在では歯磨きシートなども市販に売っていますが万が一用意ができていない場合などは水を含ませた脱脂綿を指に巻き付けて歯をこすってあげるのも良いです。 耳掃除なども市販でイヤークリーナーなどがありますのでそういったものを利用しましょう。 シャンプーブラッシングは無理に行わなくても良いですが最低でもブラッシングは月に1回以上行うようにしましょう。面倒な場合はペットサロンを利用する事もおすすめです。 また家では解決しようがない病気にかかることもあります。 その場合は自己判断せず、すぐに動物病院へ連れていきましょう。

犬を飼うにあたっての心構え

犬を飼う時に何を考えなければいけないでしょうか。 またどんなことろ構えが必要なのかをまとめました。 ・旅行など遠くに自由に行けなくなる 旅行は好きですか? 犬がいる場合は旅行がかなり制限されると思ってください。 一緒に連れていくことも可能ならば一緒に連れていくことも考え、海外などに行く場合はペットホテルに預けるということが必要になります。 私たちの宿泊代にプラスで犬の宿泊代も加算されることになりますので旅行に着やすくいけるかと言われればそうでないことを覚えておいてください。 ・子犬は夜泣きや要求吠えが多い たいていの人は犬を子犬から買おうと思っている人が多いでしょう。 子犬は成犬と違いほぼ24時間監視し、しつけを怠らないようにするのが成犬になったときに手間がかからない一番の近道です。 また小さいうちは夜泣きが激しく私たちの睡眠にまで支障をきたすことがあります。 なので子犬から成犬になるまでの約1年間は家族全員が協力することが不可欠です。 ・毎日の散歩が必要 もちろん犬は運動を必要としますので家の中での部屋んぽなどではもちろん一日の必要運動量が足りません。 そのため毎日時間を確保し散歩を行うことが重要です。 ・途中で放棄はできない 子どもが大きくなって養育費が予想以上にかかったから飼育の費用が足りないや、高齢で毎日散歩ができなくてかわいそうだから手放すなんてことは出来ません。 これから先10年~15年は一緒に過ごしていく家族です。飼えなくなっからといって手放すのはゼッタイにしてはいけません。 今紹介したことはほんの基本中の基本です。 以上の事が1つでも守れなさそうな場合は、犬を飼うべきではないと言えます。

犬を飼うにあたって必要な物

犬を飼う時には一緒に必要になるものがたくさんあります。 買いそびれてしまわないように犬を迎える1週間前には全ての飼育セットが用意できるようにしておきましょう。 ・首輪とハーネス 小型犬用、中型犬用、大型犬用とサイズが分かれています。 愛犬に合ったサイズを選ぶようにしましょう。 分からない場合はペットショップの店員に聞くのが一番良いです。 ハーネスなどは首輪よりも首に負担をかけないように胴体の部分から支えるものになっています。必要か否かもよく相談しておくといいでしょう。 ・ペットシーツ 犬のサイズやケージのサイズ、雌雄によっても使用するペットシーツが異なってきます。 ペットシーツに関してはペットショップごとにオリジナルの商品も販売しておりますので値段や性能などお財布と相談しながら決めても良いでしょう。 ・ネームタグ 必ずネームタグを購入しましょう。最近ではICチップなどで個体の判別ができるようになっていますが、迷子になって一般の人が発見した場合は何よりもネームタグが一番の連絡先です。 ・エサ入れと給水機 エサ入れや給水機は体格に合ったものを用意しましょう。 足の長さや体の長さに応じていろいろなものが販売されています。 ・犬の寝床 柔らかい毛布のようなものを用意しましょう。 必要なくなったブランケットでも代用可能です。 ・犬用シャンプー シャンプーをペットサロンでお願いする場合は必要ありませんが、雨の日などで体が汚れてしまった場合などに軽く流してあげる為に1本は持っておくと便利です。 ・ブラッシング用のブラシ各種 ブラッシング用のブラシにはたくさんの種類がありますが、最低でも「スリッカーブラシ」と「ラバーブラシ」は所持しておきましょう。 ・おもちゃ各種 おもちゃには単に遊べるぬいぐるみタイプのおもちゃや、コングといった知育になるおもちゃも販売しています。 年齢に応じて様々なおもちゃがあるのでいろいろ試してみることをおススメします。 ・デンタルボーン(必要に応じて) デンタルボーンはその名の通り歯磨きができる骨タイプのガムのようなものです。 歯磨きが苦手な子や噛み癖のある子はどうしても歯磨きを私たちが行うことが難しいためこのような自分で噛んで歯磨きの代わりになるようなものも使用を考えておくといいです。 子犬の場合は子犬用のミルクやトイレトレーニングがまだ未完成の状態の場合はオムツが別途必要になります。

飼ってみないと解らない大変な10の事

1.自分の時間が制限される 学校や仕事帰りに友達や同僚との時間が犬のせいで取れない場合があります。 付き合いが悪いと思われることもしばしば。 犬がいる生活で心が豊かになったり新しい人間関係が作れたりもしますが、犬が家で待っているということを考えると今まで合った友好関係にひびが入る可能性もあります。 2.お金がかかる 思っている以上にお金がかかります。 給料が低く1人暮らしをしている場合は事前にその犬を飼うことで生涯いくらお金が必要になるのか、年間どのくらいの金額が必要なのかを事前に考える必要があります。 3.避妊・去勢が必要 避妊・去勢を行わない限り感染症になる可能性もあり、病気になるリスクがぐんと上がります。 またドッグランなどに連れていけば知らないうちに望んでもいない子が出来てしまう可能性もあります。 4.時間がかかる毎日の散歩 毎日朝と晩に散歩をする時間が必要になります。朝はいつもより1時間以上早く起きなければなりません。また夜は早めに帰宅し排泄を我慢している犬のためになるべく早く夕方の散歩に出なければなりませんので朝は早く、定時後もまっすぐ自宅に帰らなくてはなりません。 5.ペット保険加入の有無 ペット保険の加入率は現在上がってきているものの本当に必要なのかを迷うこともあります。 例えば某ペット保険に加入した場合 70%保険料を負担してくれる場合の月額で3700円 50%保険料を負担してくれる場合の月額で2600円 がかかります。 また月額を年間で換算すると約3万円~4万5000円ほどが一年間の飼育費に加算されることになります。 6.定期的にブラッシングが必要 短毛種や長毛種によってブラッシングの頻度は変わるもののブラッシングは欠かせません。 散歩の時間に加えてその後ブラッシングが必要になります。 そのためブラッシングの時間も1日のスケジュールの中に確保しなければいけません。 7.家の中の配線などに注意が必要 家の中に配線のコードがある場合噛んでしまう危険があります。 噛んでしまっては感電の恐れがありとても危険です。 8.毎日掃除をしないと毛が部屋に溜まる 抜け毛が激しい時期は毎日掃除機をかけないと毛が舞ってしまい、さらに部屋の四隅や衣類に抜け毛がたまりがちです。 そのため頻繁に掃除をしなくてはなりません。 9.臭いがきつい 犬特有の臭いがあります。 消臭はしますがもちろん全ての匂いを消すことができないため部屋の中に多少の獣臭が漂います。 10.いたずらが多い しっかりとしつけをしなければ家の中のあらゆるものをいたずらし始めます。 キッチンでいえば米櫃などをひっくり返されたり、トイレではトイレットペーパーをぐちゃぐちゃにされたりついついため息が出てしまうことが多々あります。

自分にぴったりな愛犬を選ぼう!

自分の飼いたい犬とは逆に自分のライフスタイルや生活環境にその犬が本当に合うのかを考える必要があります。 飼いたい理由からしつけがしやすい面までおすすめの犬をご紹介します。 ・初心者向き 【トイプードル】
POINT
友好的な性格で、抜け毛や体臭も少なく小型犬なので食費も抑えられるので初心者向きです。 カットもテディベアなど様々なカットが味わえますがカット代がかかるので理解しておきましょう。
・友好的 【ジャック・ラッセル・テリア】
POINT
小型犬ではありますが体力がありパワフルです。 散歩も中型犬並みの運動量を必要とします。 そのため初心者向きではありませんが一緒にスポーツや旅行などのアウトドアを楽しむことができるのでとっても楽しい時間を過ごせることは間違いありません。
・お手入れしやすい・抜け毛が少ない 【ダックスフンド】
POINT
体の大きさは3タイプあります。 また毛質も3タイプあり、どのタイプも手入れがしやすく抜け毛が少ないため比較的に室内で飼っていても毛が気になりません。 初心者にも扱いやすい犬種です。 しかしスタンダードダックスフンドは一回り大きく食費がかかりますので初心者はミニチュアダックスフンドを選ぶことをおススメします。
・無駄吠えをしない 【ペキニーズ】
POINT
聞いたことが少ない犬種かもしれません。 マルチーズのようなシーズーのような見た目ではありますがその2頭よりも無駄吠えが少ないのが特徴です。 集合住宅や住宅地などで飼育する場合はどうしても無駄吠えが気になります。 最初から無駄吠えが少ないという犬種もいますので気になる方はペキニーズを選ぶことをおススメします。
・運動神経が抜群 【ボーダーコリー】
POINT
中型犬に分類されるので体格が結構大きいです。 スタミナや運動神経、訓練に対しての対応力は様々な犬の中で群を抜いて高いです。 ただし、食費がかかり散歩もかなりの運動量を必要とし、抜け毛もあるため初心者向けではなく、比較的に自分自身にも体力がある方がおススメです。
小型犬、中型犬、大型犬や短毛種、長毛種など犬によって飼いやすさは様々です。 飼いたいと思っている犬がどのような犬で飼うためにはどんなことが必要なのか、また自分の体力や確保できる時間から逆にどんな犬が自分にとってはぴったりなのかを知る必要があります。

愛犬とはどこで出会えばいいの?

愛犬と出会うためにはペットショップのほかに、ブリーダーやシェルターからも犬を引き取ることができます。 【ブリーダー】
ペットショップに卸される前のまだ生まれたばかりの子犬に出会うことができます。 さらにブリーダー(繁殖に従事する人)から直接その犬の状態や父母の健康状態や情報なども一緒に教えてもらえるため比較的に先天性の病気などがない子と出会うことができます。 1点だけ注意したいのはブリーダーによってはワクチンが未接種の場合もありますのでブリーダーと相談し自分でワクチン接種をさせるのかブリーダーの元で接種を終えてから迎えるのかを決めておいたほうが良いでしょう。
【シェルター】
シェルターは日本でいう動物愛護団体や保健所にいる犬のことを指します。 子犬もいますがほとんどはもう大人になった成犬が多いです。 さらにそこにいる犬たちは少なからず何らかの原因で連れてこられている子が多く、虐待や飼育放棄をされ人間不信になっている子も居ます。 実際に生体価格がかからないので数千円から自宅に連れて帰ることもできますが、初心者向けとは言えませんが気になっていればその犬の置かれた状況を十分に理解して一度足を運ぶことをおススメします。

愛犬の破壊行動の原因はストレス?

ある日突然、可愛い愛犬が留守番中に、ありとあらゆる物に噛みついて引っかいて、家の中をめちゃくちゃにしてしまったということがあります。そう、急に破壊行動を初めてしまったのです。一緒にいるときは良い子であればなおさら、留守中に起きたことを信じられないという飼い主も多いのですが、犯人は愛犬だったのです。子犬のころ、壁をかじったり、爪で引っかいたりとあったかもしれませんが、成犬になると身体も大きくなっているし、興奮してやっているのでその凄まじさは想像以上です。破壊行動の原因はいろいろ考えられるので、ひとつひとつ確認してみましょう。

・運動不足

まず考えられるのが、運動不足です。犬を飼うとなれば、やはり毎日の散歩の時間を確保しなければなりません。小型犬であれば朝夕に1~2回30分程度でよいですが、中型犬になれば朝夕に一日2回、それぞれ30分は必要です。そして大型犬の散歩も朝夕の1日2回、時間は30分から1時間というのが目安になります。このように、犬種によって適切な運動量というのがあるので、参考に運動不足にならないようにすることも飼い主の大切な仕事です。

・コミュニケーション

次に考えられるのがコミュニケーション不足です。コミュニケーションとは犬と生活するにあたって最も大切なことかもしれません。名前を呼ばれたらきちんと飼い主の方をみる。愛犬がしてほしいということを察してあげる。反対に飼い主がしてほしいことを理解してくれている。
体中どこを触られても喜んでいる。こういったことができるのは、きちんとコミュニケーションが取れている証拠です。飼い主との意思疎通ができていない場合は犬にとって大きなストレスに違いありません。

・生活環境

そして生活環境はどうでしょう?猫は家に付き、犬は人に付くと言われていますが、ずっとお世話をしてくれていた飼い主さんが、病気で入院して、急に会えなくなったなどは犬にはダメージが大きいです。反対に家族が増える、例えば飼い主さんが出産して赤ちゃんが生まれた場合、今まで一番だった愛犬が後回しになってしまうということも起きるのです。これももちろん犬には思いがけない環境の変化でしょう。ほかにも部屋の中を自由に歩き回っていられたのに、急に狭いケージにずっと入れられたままになるというのも大きな環境の変化で急にこのように変わるとストレスになります。

・ケア不足

愛犬のお手入れはどうでしょう?犬種によっては毎月サロンのトリミングが必要ということもあるでしょう。トリミングの必要がない、短毛の犬種もいます。どちらの犬種も自宅てできる範囲のケア、グルーミングと言われるブラッシングや爪の手入れ、耳そうじや歯磨きはやってあげましょう。もし爪切りや耳そうじは怖い、難しいと尻込みしてしまう人であっても、ブラッシングは誰でもできます。グルーミングは犬の健康維持と同時に、犬とのコミュニケーションとしても大切な行為になりますので、できるところからやってあげましょう。

・精神障害

近年増加傾向なのが、犬の精神障害といわれています。犬でも人間と同じようにうつ病や、PTSD(心的外傷ストレス障害)の症状が出るという症例が増えているのです。昔は犬には精神障害はないと言われていたのですが、動物行動の研究や脳の研究が進んだ今、動物も人間と同じように感情があって人間と同じような病気を患うことがあるとほとんどの獣医師が認めています。一緒にいるときもなんだか元気がない、怯えているなどの表情が見られるときは精神障害を考えてみることも必要です。

・身体内部からの障害や疾患

ほかにも身体の障害や体の内外の疾患がある場合もあります。統計的に一番多い疾患は外耳炎です。たれ耳の犬に多く見られる疾患です。次に多いのが皮膚病です。また、犬種によっては心臓病や椎間板ヘルニアになりやすい犬種もあります。障害や疾患がある場合は、人間もなんとなく気分がすぐれず、漠然とした不安感にさいなまれることが多く、それは犬も同じです。犬に自覚がなくてもイライラが募ってついつい荒れた行動をとってしまうこともあるようです。

もしかして分離不安障害の可能性も?

破壊行動の原因で分離不安障害という病気の可能性も考えられます。分離不安障害とは、飼い主と離れることに不安を感じて、荒れた行動を起こしたり、食欲が低下したりする症状のことです。家の中でも飼い主の後をずっとついて回ったり、トイレやお風呂に飼い主が入った時に激しく鳴く、飼い主が出かけるまえは吠え続けるなどの症状があり、特にほかの疾患や障害が考えられないというときはこの分離不安障害だという可能性が高いかもしれません。

分離不安障害20のサイン

分離不安障害であるかどうかというのはサインがあります。愛犬の起こす行動が分離不安症によるそれなのか、飼い主のしつけが悪いのか、退屈しているだけなのか、ただのわがままなのか、と見極めが大切です。1.おしっこや糞を決まったところでしなくなる。2.無駄吠えをする。3.食欲の減退。4.留守番中いつまでも吠え続ける。5.壁や柱をかじる。6.自分の足などを噛む(自傷行為)7.食糞をする。8.同じところいつまでもぐるぐると歩き回る。9.落ち着きがない。10.飼い主が出かけようとするとそばを離れない。11.飼い主が帰って来た時に過度に興奮する。12.よだれを垂らす。13.家から飛び出そうとする。14.嘔吐を繰り返す。15.ドアや出入り口を破壊しようとする。16.震える。17.下痢。18.攻撃的になる。19.息が荒く唾液の分泌量が多い。20.瞳孔が開いている。 飼い主が不在で留守番をしているときに、以上のような症状がみられるときは分離不安症を疑った方が良いでしょう。留守中のことはなかなかわからないので、留守をした後に部屋が荒れているようなことが続く場合は、カメラなどを準備して留守中の愛犬の様子を見てみるようにしましょう。

分離不安症15の原因

ではその分離不安症になる原因を考えてみましょう。1.飼い主が変る。2.飼い主の家族が増える。急に二世帯住宅になり、知らない大人が増えたり、飼い主の出産で赤ちゃんが生まれたりなど。3.引っ越しで家が変る。4.飼い主とのコミュニケーションの時間の激減。5.留守番の時の怖い体験。留守番時の地震や雷の体験など。6.飼い主に捨てられた経験。7.保護犬。特に引き取ってすぐのころは分離不安症を患っている傾向が多いです。8.母犬から受けた育児放棄。9.家族との死別、離別。10.ほかの動物の死別、離別。11.集団行動の不足。犬は元来群れで生活をするのですが、飼い犬になったら人間の中に一匹だけでの生活になってしまいます。11.遺伝性。先天的に分離不安症になりやすい犬というのもいます。12.子犬で元気が良く、一人遊びが苦手な犬は退屈から分離不安症になることもあります。13.留守番の経験がないなど、しつけ不足からなる犬も。14.生活パターンの変化。朝型だったのが夜型に変わるなど。15.まれにですが、バクテリアによる感染症という場合もあります。など、原因はさまざまですが、愛犬に破壊行動があって、この原因に心当たりがあるのなら分離不安症というのを疑ってみたほうが良いといえます。

分離不安障害の解決方法

もしも愛犬が分離不安障害を患ってしまったら、飼い主としていったい何ができるのでしょう?分離不安症による破壊行動は、家の中が荒れてしまい飼い主の大きなストレスになります。それでも家の中のことは飼い主が我慢して片付ければいいのですが、留守の間中吠え続けるなどの場合は、ご近所からのクレームにもなりかねません。そんなクレームが続いたら最悪の場合引っ越しも視野に入れないといけなくなってしまいます。そうなる前に、飼い主にできる解決方法をいくつか見ていきましょう。

①クレイト・トレーニングをする

クレイトの中に入れるのが狭くてかわいそう、という飼い主さんもいるのですが、本来犬は穴倉などを自分の寝床にしていたという歴史があるため、クレイトの中は唯一安心できる自分だけの場所になるのです。それを知るとクレイトを準備してあげない方がかわいそうだと思いませんか?トレーニング自体もとっても簡単ですので、徐々に慣らしていくと遅くとも1ヶ月半くらいで、クレイトでお出かけなどもできるようになります。

②お出掛けすると見せかけて、すぐ帰る

分離不安症というのは飼い主がそばにいるときは安心して、症状が出ないのですから、いきなり長い時間留守番をさせるのではなく、短い時間から慣れさせるのも効果的。「お出かけしてくるね」と声をかけて家を出ても30分くらいですぐに戻ります。お出かけ=すぐに戻ってきてくれる。と思わせるのです。次に1時間くらい、その次に2時間くらい、と徐々に時間を延ばしていきましょう。少しでも様子がおかしいと思ったら、すぐに短い時間にもどします。急がずゆっくり練習していきましょう。

③テレビやラジオ、照明をつけておく

出かけるときは明るい時間帯でも、帰りが夕方から夜になる場合は、照明を点けておく、またはタイマーで暗くなったらスイッチが入るようにしてあげましょう。人間でもだんだんと暗くなる部屋の中に一人でいると、寂しい気分になります。それはもちろん犬も同じです。同じように、人通りの少ない地域の住まいなら、留守番の間にラジオやテレビを点けてあげて、何かしら人の声や音楽が聞こえてきて、寂しく感じないようにしてあげるのもいいでしょう。

④愛犬だけでデイケアやお泊りに行く

またお留守番をさせるのではなく、デイケアや宿泊施設に預けるのも良いでしょう。飼い主だけとの生活から抜け出して、新しい環境を体験させることが愛犬を精神的に強くすることができます。デイケアであっても宿泊施設にしても他の犬もいますし、スタッフはお世話もしてくれます。飼い主にとっても安心して預けられる環境というのは、愛犬にとっても安心して過ごせる場所になります。飼い主と離れても一人ではないということが、だんだんと分離不安の症状を軽減していくことは間違いないでしょう。

⑤飼主が外出する時はハッピーがもらえる!と思わせる

そして留守番ができたこと、たとえ分離不安で家の中をめちゃくちゃにしたとしても、留守番ができたことに対して、ご褒美をあげましょう。タイミングとしては、出かける前ではなく帰って来た時に、身体をなでながら、「賢いね、いい子だね」と言っておやつをあげます。それを繰り返すうちに、いい子で留守番をするとおやつがもらえる、と頭で覚えてきます。お覚えてしまえば、飼い主のお出かけも嫌なものでなくなるので、分離不安症も解消されるでしょう。

最後に

みなさん、いかがでしたか?愛犬の破壊行動の原因は、ストレスと一言では片付けられない、複雑な理由が絡み合って起きていると思われます。もしも、あなたの愛犬に破壊行動など問題行動がみられる場合は、原因を探って、自宅で対処できそうなところからやってみたらよいでしょう。それでもなかなか問題行動が治らないという場合は、恥ずかしがったり、躊躇したりせず、動物病院の先生やペットトレーナーの方に相談に行きましょう。

犬の関節がずれてしまう”脱臼”とは?

走り回ったり、飛び跳ねたり。運動が大好きな犬にとって、日ごろからケガは注意が必要ですね。 なかでも、骨と骨とのつなぎ目である関節に起こるケガ・病気が「脱臼」です。脱臼が起こると骨同士の位置関係がずれてしまい、痛みや見た目の変形、関節を曲げ伸ばしできなくなる、といった症状が出ます。 今回は、犬に最もよく起こる膝蓋骨脱臼について解説していきます。

・膝蓋骨脱臼とは?

膝蓋骨脱臼は、膝(ひざ)のお皿である膝蓋骨(しつがいこつ)が、膝の正面の本来の位置から外れてしまう症状で、犬の後ろあしの跛行(はこう、脚をひきずって歩くこと)の最も一般的な原因となります。オスよりもメスの方が発症するリスクが高く、1.5倍だと言われています。 膝蓋骨は、大腿四頭筋という太ももの強力な筋肉の先端に付随しており、大腿骨(だいたいこつ)にある滑車溝に収まっています。膝関節を曲げ伸ばしすると、膝蓋骨がこの溝に沿ってスライドするような動きをします。 ところが、さまざまな原因によって、膝蓋骨がこの溝を乗り越えて外れてしまうと「脱臼」という状態になり、膝関節の曲げ伸ばしがスムーズに行えなくなります。犬に膝蓋骨脱臼が起こると、運動時に痛みが出たり、膝が突っ張ったような不自然な歩き方をするようになります。また、膝蓋骨が外れたり元に戻ったりしているような状況では関節が外れるような音がする場合もあります

・関節の脱臼の種類

脱臼には、完全に骨と骨との位置関係が完全にずれて元に戻らない状態の「脱臼」と、位置関係がずれてはいるものの、関節面が部分的に接触している「亜脱臼」とがあります。 犬に見られる脱臼は、膝蓋骨脱臼の他に、体の各部位で見られ、顎関節、肩関節、肘関節、手根関節、股関節、膝関節の脛骨、足根関節、尾椎間関節などにおこります。先天性または外傷性が原因で起こります。 膝蓋骨脱臼は、膝蓋骨が膝の内側にずれる場合、膝の外側にずれる場合、また稀ではありますが両方にずれる場合の3つのパターンが存在します。多くは内側にずれる「内方脱臼」で、小型犬から超大型犬に見られますが、小型犬で最も一般的です。外方脱臼はより大型犬に見られますが、小型犬でも稀に起こります。内方脱臼では、スキップをしているような歩行が見られる事が特徴です。

・膝蓋骨脱臼のステージ分け

膝蓋骨脱臼は、その重症度によって4つのグレードに分類されます。治療は、それぞれのグレードに合った治療法を選択することになります。
POINT
グレードⅠ:通常は膝蓋骨は正常な位置にある。検査者の手で膝蓋骨を押すと脱臼するが、手を離すと自然と元の位置に戻る状態。ときどき跛行することがある。日常生活にはあまり支障がない。 グレードⅡ:通常は膝蓋骨は正常な位置にある。検査者の手で膝蓋骨を押すと脱臼するがし、手を離しても元の位置に戻らない。整復は容易である。ときどき跛行するが、痛みがなく、日常生活に大きな支障がない。 グレードⅢ:常に脱臼している状態で、検査者の手により整復することが可能。足を引きずる、しゃがんだ姿勢で歩くなどの症状が出る。整復してもすぐに再脱臼する。 グレードⅣ:常に脱臼していて、整復することができない。骨の変形があり、痛みを伴う。膝を曲げた状態(カニのような歩き方)で歩いたり、まったく足を使えないこともある。

膝蓋骨脱臼の原因

膝蓋骨脱臼は、生まれつき骨格や体型によっておこる先天的な原因と、交通事故や高所からの転落や転倒など、外傷性のものがあります。ここでは、膝蓋骨脱臼の原因と症状の特徴について詳しく見ていきましょう。

①骨格・体型

膝蓋骨脱臼は、先天的、遺伝的な問題である場合が多く、生まれつき膝関節の周りの筋肉や靭帯、骨格に異常がある場合で、子犬の頃から症状がみられることもあれば、発育に伴って症状が進行する場合もあります。症状が急に現れることもあります。痛みは少ないことが多いです。 先天的におこる膝蓋骨脱臼は、大型犬よりも小型犬で多く見られ、膝蓋骨を支える内側と外側の張力がアンバランスなために生じます。膝蓋骨内方脱臼では、大腿骨の形状と内測の筋群の成長に異常が起こり、内側への張力が過剰になると考えられています。

②外傷によるもの

膝蓋骨脱臼の原因として外傷によっておこるケースも見られます。犬種や年齢に関係なく起こります。交通事故や高所からの転落、転倒などが原因で起こります。非常に大きな負荷がかかり、骨格や関節周囲の筋群、靭帯が損傷を受ける事で膝蓋骨が急に脱臼します。強い痛みがあり、関節が腫れ、足を引きずるなどの症状が現れます。

犬の膝蓋骨脱臼の治療に関して

膝蓋骨脱臼の治療法は、大きく分けて内科的治療(保存療法)と、外科的治療に分かれます。 根本的な治療は外科手術しか方法がありませんが、内科的治療を行うか、外科手術を行うかは、重症度、年齢、犬種、体重、骨の変形の有無などを考慮して選択します。 一般的に症状が軽い場合は内科的治療を行い、症状が重い場合は外科的治療が選択されます。 内科的治療は、保存療法です。疾患と付き合いながら、生活の質を保つ事、また症状の進行を抑え、生涯歩ける膝関節を維持していく事に主眼が置かれます。非ステロイド系鎮痛消炎剤や関節用サプリメントの服用、レーザー治療、膝のストレッチ運動によるリハビリテーションに合わせて、激しい運動の制限や体重制限、生活環境の整備などの生活指導が行われます。 外科的治療は、根本的な構造の異常を手術によって整復し、本来の膝関節の機能に使づける事が目的です。重度な脱臼の状態(グレードがⅢまたはⅣ)である場合、または軽度な脱臼でも症状が強く日常生活に支障を感じる場合には外科的治療が推奨されます。手術の方法には、滑車形成術、脛骨稜(けいこつりょう)形成術、大腿骨矯正骨切(こつきり)術など骨格を形成する方法と、靭帯などの膝関節周囲の軟部組織の張力を調整する方法があります。重症度や骨の変形に応じいくつかの術式を組み合わせ、大腿四頭筋―膝蓋骨-膝蓋靭帯―脛骨粗面を正しい位置へと整復します。すべての膝蓋骨脱臼に対して、単一の方法だけでは対処が出来ないため様々な手法がとられます。術後は適切な安静とリハビリテーションを行います。術後3ヶ月ほどで膝関節は安定化し、運動することができます。 膝蓋骨脱臼は、最初症状が軽くても、成長とともに体重が増加したり、運動によって負荷がかかり続けることによって、症状が悪化していく傾向があります。骨格の変形が進行してしまうと足を使うことが困難になります。また、脱臼と整復を繰り返す場合も、骨同士の摩耗によって軟骨に炎症が起き強い痛みが出る場合があります。さらに長期間の膝蓋骨脱臼を起こしていると、膝の靭帯の断裂を併発しやすくなります。膝蓋骨脱臼は症状が軽くても放置せず、治療を行うことが大切です。

膝蓋骨脱臼の予防方法

先天性の膝蓋骨脱臼は防ぐことはできませんが、外傷性のものは膝に出来るだけ負担をかけない生活をすることで予防が出来ます。また、膝に負担をかけない工夫は、膝蓋骨脱臼の症状の進行を抑えるためにも重要です。最後に、飼い主さんが普段の犬との生活で心掛けるべき、3つの方法を解説します。

①適正体重を保つ

愛犬の体重を適正に保つことは、関節へのストレスを和らげ、膝蓋骨脱臼の予防や進行の抑制につながります。逆に肥満だと、運動時に関節にかかる負荷が増大するため、脱臼を悪化させる原因となります。膝蓋骨脱臼の治療においても適正体重を保つことはとても重要です。

②フローリングはNG

つるつると滑るフローリングの床は、運動時に反力を逃がしてしまい愛犬の関節に負荷をかけてしまいます。フローリングは、膝蓋骨脱臼だけでなく、椎間板ヘルニアなどの他の関節疾患にも良くありません。滑りやすい床にはカーペットやマットを敷くなどの工夫をすると、関節への負担を軽くすることが出来ます。

③関節に負担のかかる運動の制限

急な方向転換、高い位置へのジャンプといった運動は膝関節に大きな負担がかかります。散歩の時には愛犬が急に向きを変えて走り出さないように、飼い主の横について歩く練習をしておくと用でしょう。また、室内ではソファーやベッドなどの家具の上に乗らないようにするか、家具の位置を低くする工夫もケガの予防につながります。飼い主さんに立ち上がってじゃれるような癖もなくすようにしましょう。

【結論】犬にほうれん草は大丈夫!

大切な愛犬に「ほうれん草を与えても大丈夫かな」、と疑問に思ったことはありませんか?その答えは◯、大丈夫です!ほうれん草には豊富な栄養素が含まれており、高い栄養価があります。健康を維持していくために必要なビタミンや鉄分など必要な栄養素がたっぷりなのです。だからといって摂取方法を間違うと取り返しのつかないことが起こる可能性もあります。ここではほうれん草を犬に与えるメリットや、気をつけておくべき点などをご紹介してまいります。

愛犬にほうれん草を与えるメリット

ほうれん草には大変豊富な栄養素が含まれています。人間にも効果絶大で、貧血などにも良いとされているのは皆さんもご承知のことです。 実は犬に与えても同じようなメリットや効果が期待されているんですよ。 それは貧血予防・骨粗鬆症予防・皮膚の保護や毛づやの維持などです。                                               

①血流を整える働き

まず注目したいのは血液のながれを助けて整える働きです。血液の量が減り貧血になると体に様々な不調が現れ出します。例えば、息切れやめまい、筋肉疲労、爪の乾燥、目の充血などです。目に見えるものだけでなく、心の不安や自律神経にまで支障をきたすことがあります。 貧血の主な原因は鉄分不足による血液中のヘモグロビンの減少によるものです。ほうれん草を与えることにより鉄分も取り入れることができ、鉄分がヘモグロビンを合成して貧血予防にもつながります。 またもう1つほうれん草を与えると血液量が増えます。血液中の細胞は酸素や栄養素をたくさん受け取ることができ、血液中をめぐって外敵の侵入を防ぐ免疫の働きを最大限に発揮できるようになるのです。

②皮膚や粘膜の健康維持

次に皮膚や粘膜を保護してくれるのが、βカロチンです。犬の体内に入るとビタミンAに変わってバリア機能をあげるために、その結果免疫力がアップしてウイルスや細菌などから身を守り健康を維持できます。 逆にビタミンAが不足していると、どのような症状がでるのかご紹介しましょう。目は角膜が充血したり乾燥します。皮膚は乾燥がちになり、角質化してきます。鼻や喉の粘膜の抵抗力が弱まり、ウイルスや細菌が体内に入って風邪などの病気にかかりやすくなるのです。\nビタミンAの主成分レチノールには、粘膜を丈夫にして免疫力を高め、肌の健康を保ってくれる役割があります。

ほうれん草を与える時にはコレに注意を!

ほうれん草は犬に与えるとメリットもありますが、いくつか注意点もあります。
①シュウ酸による影響②適切量③適切な与え方④アレルギー、この4点です。
犬によっては持病をもち薬を飲ませていることもあるでしょう。まだ、過去にシュウ酸カルシウム結石になったことがあるなら与えてはいけません。健康な犬でも1日に与えても良い適切な量と与え方があります。さらにはアレルギーをもっている、または起こす可能性もあります。

①シュウ酸カルシウム結石を持つ犬はダメ!

ほうれん草には他の野菜よりもシュウ酸が多く含まれていることはご存知でしょうか?茹でた時に出てくるアクこそシュウ酸です。ではなぜシュウ酸に注意が必要なのかといえば、「シュウ酸カルシウム結石」の原因になってしまうから。これは1度できてしまうと小さくすることができません。 尿道に結石が詰まってしまうと「尿路結石症」という病気になってしまいます。膀胱に結石があると傷をつけてしまったり、尿路にある場合にはオシッコが出づらくなって激痛が生じたりするのです。もし犬がトイレで痛がっている、丸くなっているなどが見られたり、オシッコにピンクや赤い色がついていたら病気かもしれません。結石が大きくなると尿路を防いで尿を排出てきなくなってしまい、腎臓にダメージを与えて最悪の事態になることも考えられます。このような結果を招かないために、シュウ酸カルシウム結石を持っている犬にほうれん草を与えることは絶対におすすめできないのです。

②1日の適切な摂取量

ほうれん草は茹でても「シュウ酸」を100%完全に除去することができません。栄養価は高いものですが、与え過ぎても良いとは限らないのです。 小型犬ー生ほうれん草1枚(約3g)、中型犬ー5枚(15g)、大型犬ー10枚(30g)ほどが目安になります。与え過ぎると食物繊維の取りすぎにより、消化不良をおこして下痢や嘔吐の原因になってしまうので注意が必要です。

③適切な与え方

POINT
・カルシウムと一緒に摂取ーカルシウムは体内に吸収される量が決まっています。多く摂取した分は尿と一緒に排出されるのです。その作用を利用して犬にほうれん草とカルシウムを一緒に与えると、シュウ酸とカルシウムは体内で結合し、不要なカルシウムと共にシュウ酸も体外に排出されるのです。 ・食後に水を飲ませるー食後にたっぷりの水を与えると結石が出来づらくなります。 ・細かく刻むー細かくしたり、つぶすことによって栄養素を吸収しやすくなります。喉に貼り付いたり、詰めたりするのも防げます。 ・茹でるーほうれん草に含まれるシュウ酸を減らすため(アク抜き)に必要です。長く茹ですぎるとせっかくの栄養素が抜け出てしまうので、茹で時間は約2~3分ほどが良いでしょう。茹でたあとは、たっぷりの水に浸しておきます。こうすることで、心配されるシュウ酸は減り栄養素も流れてしまうことをおさえられます。茹でる時に気をつけたいのは、味をつけないこと!塩や油は絶対に使用しないでください。 ・冷凍ほうれん草の塩分に注意ー冷凍ほうれん草を使用するときに注意することは、塩ゆでしていないものを選ぶことです。塩分過剰になると病気を引き起こすきっかけとなるため、表示には「ほうれん草」のみしか書いていないものを選ぶようにしてください。

④アレルギーに注意!

いくらほうれん草が栄養満点、犬にも食べさせて良い!とされても、なかにはアレルギー反応を起こす犬もいます。食べたあとにこのような症状があればアレルギーかも…痒がっている、白目が充血している、嘔吐、下痢などです。 少しでも「普段と違う」「おかしいな」と感じたら、今後は与えるのをやめて1度動物病院で検査をしてもらうことをおすすめします。 また、これは特殊なケースですが、シラカバにアレルギーがある場合の愛犬は、交差反応が出る場合もあるので、普段からよく観察しておくのも必要です。

【豆知識】ほうれん草の栄養素まとめ!

ほうれん草に含まれる栄養素は摂取量や与え方に気をつけていれば、様々な効果をもたらせてくれることがお分かりいただけたと思います。他にもまだまだたくさんの栄養素を含んでいますが、どのような効果と期待ができるのかまとめてみましょう。 まずほうれん草にかなり多くの種類が含まれているビタミン。
POINT
①ビタミンK ー血液と骨の維持には欠かせない栄養素です。血を止める血液凝固の働きをしてくれるのがビタミンK。骨の成分が溶け出すのをふせぎ、骨粗鬆症予防にもなります。健康な犬なら体内で作ることができますが、年をとってくるとビタミンKを体内で作ることが難しくなります。抗生物質をとっている犬には必要な栄養素です。 ②ビタミンCー抵抗力の強化をします。犬は体内で合成できますが1日最大60mg です。不足すると免疫力の低下やコラーゲン不足、間接疾患を引き起こします。体内酸化を防ぐ働きもあり、老化防止や白内障防止にもなっているのです。 ③ビタミンEー血液浄化と細胞膜をキープする働きをしています。細胞膜が壊れてしまうとガン、皮膚病、消化器疾患などの病気につながる場合があるのです。ビタミンEとCは合わせて摂取すると効果が上がります。\n他にもルテインや葉緑素などの目に関わる病気予防、鉄分やカルシウム、マグネシウムなどの血液、骨の形成に関わる栄養素など犬の健康に必要不可欠な栄養素がたっぷりと含まれています。大切な愛犬のためにこういった栄養素を上手く取り入れながら、健康を維持し長生きしてもらいたいですね。

ほうれん草を使ったおすすめレシピ3選!

1、豆腐とひじきのチキンバーグ(犬の体重:6.4kg)
材料:鳥挽き肉70g、乾燥ひじき2g、絹ごし豆腐70g、人参20g、マグロ刺身2切、ゴマ小さじ1、ゴマ油少々、ほうれん草10g 作り方: ①ひじきは水で戻して細かく刻んでおく。豆腐は水を切り終えたら、ひじきとまぜて小さなハンバーグを作る。 ②ほうれん草は茹でて水でしめたら細かく刻んでおく。 ③フライパンでハンバーグとほうれん草を焼きます。④人参は千切りにして茹でたら水に浸します。マグロは熱湯にくぐらせて冷ましておきます。人参とマグロを混ぜ、ゴマとごま油をあえる。⑤全てを器にのせれば出来上がりです。
2、じゃがいもとほうれん草のあったかスープ(犬の体重:10kg)
材料:鳥むね肉100g、じゃがいも40g、パプリカ30g、トマト20g、もやし20g、にんにく10g、ごはん適量、だし汁適量 作り方: ①じゃがいもは皮をむいて下処理、他の野菜、鶏肉も細かく刻んでおく。 ②じゃがいもとパプリカはレンジでチンして蒸しておく。 ③その間にだし汁で鶏肉を煮ておきます。 ④ごはんを器にいれその上に全てを盛り付け冷ましたら出来上がりです。
簡単茶碗蒸し(犬5.6kg )
材料:ささみ⅓、卵⅓、豆腐少々、干し椎茸⅓、さつまいも1、ほうれん草少々、だし汁適量、ごはん少々 作り方: ①干し椎茸と鰹節でだし汁をとり、溶き卵を作って混ぜ合わせ卵汁を作っておきます。味つけはしないように! ②材料を細かくきざんで用意しておきます。 ③茶碗の底にごはんをしき、その上に具材をのせて卵汁をかけます。 ④レンジでチンするか、中火で10~15分蒸してほうれん草をのせれば出来上がりです。

愛犬のミネラル不足とは?

普段あまり意識しないことですが、犬は人間よりもミネラルを必要とする動物です。 犬は「動物性たんぱく質」を主に摂取します。この「動物性たんぱく質」が体内でエネルギーとして使用できるようにするのが、ミネラルの役割なのです。 ミネラルは体内で産生することができないため、フードやサプリメントで補う必要があります。 もしミネラルが不足すると、以下の影響が出る恐れがあります。
POINT
・カルシウムやリンの不足による骨の形成不全 ・鉄不足による貧血 ・カリウム不足による発達への影響や、脱水症状 ・ナトリウム不足による皮膚トラブルなど
しかし一方で、過剰摂取による健康阻害もあり、量による加減や、ミネラル同士のバランスなども考えて与えなくてはなりません。 効率良く、効果的なミネラルの与え方とはどのようなものなのでしょうか。

そもそもミネラルとは?簡単一覧表!

ミネラルとは、身体に必要な5大栄養素(たんぱく質、脂質、淡水化物、ビタミン、ミネラル)の1つで、およそ13種類のミネラルが身体の中に存在していると考えられています。 その中で、主に存在するミネラルとしては、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、マグネシウムの5種類が挙げられます。 その他8種類のミネラルも、ごく微量ながら犬には必要とされ、摂取することが望まれます。 ミネラル栄養素一覧 カルシウム 主に骨と歯に吸収され、形成する わずかに血液や筋肉にも含まれ、止血や筋肉運動の維持に役立つ 不足すると、骨折や痙攣、子犬の骨の形成不全などが起こる恐れも 乳製品、小魚などに多く含まれる リン カルシウムと共に吸収され、骨や歯を丈夫にする ただし、リンの摂取量が多すぎるとカルシウム不足となり、骨や歯が弱くなる 不足すると、倦怠感や反射低下の恐れがある 魚類、牛乳、大豆、肉類に多く含まれる カリウム 細胞間の水分バランスの調整により、血圧を一定に保つ 心臓、神経、筋肉の状態を良好に保つ 不足すると、発育不全や脱水症状の恐れがある 心臓や脳に関する病気にも注意が必要となる 海藻や鰹節などに多く含まれる ナトリウム カリウムと共に、体内の水分量を調節し、心臓や筋肉の働きを助ける 不足すると、食欲低下、皮膚トラブルなどの症状があらわれる 食塩が代表的 マグネシウム 骨や歯を形成する 身体の代謝を促進する 不足すると、発育不全や麻痺などが起こる恐れがある 海藻類、大豆製品に多く含まれる 赤血球産生に必要 特にヘモグロビンの成分として必須となる 不足すると貧血や免疫力の低下などを引き起こす また、体重が減ったり、皮膚や被毛のトラブルを起こすこともある 海藻類、貝類に多く含まれる 亜鉛 細胞分裂を正常に行うために必要なことから、傷の回復を助ける働きを持つ 酵素を活性化する 不足すると、傷の回復の遅れや、アレルギー反応を起こすことがある 胡麻、レバーの多く含まれる 貧血の予防や、免疫力を向上させる メラニンを合成する 赤血球を作るサポートも行う 不足すると、貧血を引き起こす恐れがある 胡麻、レバーに多く含まれる マンガン 特に軟骨形成に必要 神経機能にも重量な役割を持つ 発育促進 不足すると発育不全の恐れがある 卵、豆類に多く含まれる ヨウ素 甲状腺ホルモンの成分 不足すると代謝に異常をきたす 海藻類に多く含まれる セレン 抗酸化作用があり、老化防止に貢献する 細胞を守る 不足すると免疫機能の低下を起こすことも 魚介類に多く含まれる ホウ素 骨格に影響すると考えられているが、解明されていない部分もある 不足すると、被毛に影響が出る可能性がある 広く食物に含まれるが、必要量はごく微量である クロム 血糖値を下げる 糖やたんぱく質、コレステロールなどを代謝する 不足すると、糖尿病、高血圧、疲労感を引き起こすことも 海藻類に多く含まれる

愛犬の体の肥満度合いをチェック!

愛犬の肥満度は、体重だけではわかりづらいものです。 同じ大きさであっても、筋肉量の多い犬と、脂肪の多い犬とでは、体重は大きく異なります。 筋肉と脂肪では、筋肉の方が重みがあります。そのため、見た目は小柄でも、良い筋肉のついた犬は体重が多くなります。 飼い主が愛犬の肥満度を確認する手段として、体を触る、体の様子を観察するという方法があります。 ①肋骨がどの程度触れるか 脂肪が厚く覆っていると、蝕知することが困難になります。 脂肪は感じるが、軽く押して肋骨を蝕知できるようであれば肥満気味、蝕知できなければ、肥満となります。 ②犬が立った状態で上から見た時に、ウエストのくびれがあるか ボンヤリとしかくびれが見えない場合は、肥満気味、全く見えない場合は肥満です。 ③犬が立った状態で横から見た時に、腰に向かって腹部が絞られているか わずかに絞られている程度であれば、肥満気味、腹部が膨張して真っ直ぐに見える場合は肥満です。

【予備知識】妊娠授乳期に必要な栄養素

妊娠中や授乳期は、人間同様、多くの栄養素を必要とし、生活の変化も伴います。
POINT
【妊娠中】 妊娠中の犬は、6週目まではわずかな体重増加に留まりますが、その後急速に増えていきます。 そのため、6週目までのエネルギー必要量に大きな変化はなく、6週目以降に25~50%と一気にエネルギー量を増やさなくてはいけません。 エネルギーを増やす目安は、体重の増加にあります。体重が増えるほど、必要エネルギーも増加します。 ただし、太り過ぎは出産時に影響をおよぼす恐れがあるため、動物病院などで定期的に診察を受けることをおすすめします。
POINT
【授乳期】 出産後に体重は減少するものの、授乳期は妊娠中よりも必要栄養量は増加します。 子犬の数に応じて、2~3倍の量が必要となります。 母乳を産生する上で大量の栄養を消費するため、十分な栄養を与えましょう。 この時期はいつでも母犬が食べることができるように、ドライフードを常に出して置くのも、良い方法です。 また、授乳期用のドライフードなど、高栄養のフードを利用すれば、少量でも多くの栄養を摂ることができます。

愛犬のミネラル不足におすすめレシピ3選

★お豆腐チーズケーキ
【材料】 豆腐(木綿または絹) 100g かぼちゃ 50g カッテージチーズ 50g 無糖ヨーグルト 大さじ2 卵 1個 レモン汁 小さじ1 米粉 大さじ2 くず粉(10倍の水で煮溶かす) 大さじ2 【作り方】 ①かぼちゃは温めて柔らかくしておく ②豆腐は水切りして、フードプロセッサーへ ③②に、米粉以外の材料を全て入れて混ぜる ④③に、米粉を入れてサックリ混ぜる ⑤④を、クッキングシートを敷いた型に流し入れる(空気を抜きながら行うこと) ⑥160度に予熱したオーブンの天板に、300ccのぬるま湯を入れて、30分蒸し焼きにする ⑦少し膨らんだところにつまようじを刺して、生地がつかなければ出来上がり ⑧焼き目を付けるため、様子を見ながら170度で5分ほどずつ焼き足す
POINT
【ワンポイント】 ・一度に与えるのは、常温で一切れが目安。食べすぎ注意 ・冷凍は2週間程度で食べきる。食べる際は自然解凍で ・米粉はグルテンが出ないよう、サックリ混ぜるのがコツ
★鶏ムネ肉とレバーのソーセージ
【材料】 鶏ムネ肉 100g 鶏レバー 50g ごはん(柔らかい玄米など) 50g 卵 1個 【作り方】 ①材料全てをフードプロセッサーで混ぜ合わせる ②ソーセージ型にして、ラップで両端をキャンディ包みにする ③フライパンが蒸し器になる落し蓋などを利用して、蓋をして蒸す(弱火~中火で10~15分) ④粗熱が取れてから、ラップを外す
POINT
【ワンポイント】 ・蒸している時に、ラップが破裂することも ・蒸し焼き直後は高熱のため、火傷に注意する
★お魚クッキー
【材料】 A全粒粉 大さじ3 Aオリーブオイル 小さじ1 水 大さじ1.5くらい Bちりめんじゃこ 大さじ1 B鮭皮(鰹節、煮干しもOK) 適量 【作り方】 ①Aを混ぜてなじませてから、水を入れてこねる ②Bは粗く潰し、Aを混ぜてから10分ほど寝かせる ③②をラップで挟み、5㎜程度にのばす ④③を5㎜くらいに細切りし、フライパンに入れ、弱火で焼く ⑤片面が焼けたら、細切りにしたものをバラバラに切り離す ⑥指で押して弾力がなくなるくらいカリカリになったら、ザルにあげて完成
POINT
【ワンポイント】 ・細切りしてフライパンに入れたら、片面が焼けるまで触らないこと ・魚の栄養がまとめて摂れる!

ミネラルについての様々なQ&A

Q:犬にミネラルウォーターを与えても良いの? A:問題ありません。ただし、飲ませ続けることが必要とは言いません。犬にとってのミネラルウォーターの効果については賛否両論ありますが、実際に効果は証明されていません。 よって、ミネラルウォーターからミネラルを摂取することが、効果的とは言えません。 また、非常災害時などの時は水道水しか飲めない事態も想定できますので、水は水分補給のみの役割とし、ミネラルはフードから摂取できることが望ましいと言えます。 Q:ミネラルを補うため、犬に人間用のサプリメントを与えても問題はありませんか? A:与えないでください。人間用と犬用では、成分の濃度に違いがあります。 人間では全く問題がなくても、犬にとっては中毒症状が出てしまう場合がありますので、とても危険です。 同じ成分なのに、「犬用」と謳えば高く売れるから「犬用サプリメント」として、人間用のサプリメントをデザインだけ犬用にして販売している、というご意見もありますが、基本的に内容成分が異なるために「人間用」「犬用」としているのです。 Q:サプリメントでミネラルを補えば、病気は治るの? A:イエスかノーか、と問われれば、答えは「ノー」です。 サプリメントは薬ではありません。あくまで栄養補給のサポートをする食品です。ですから、販売されているサプリメントに「病気が治る」というようなキャッチコピーがついていたら、それは法律違反になります。 愛犬が病気になると、藁にもすがる思いに駆られますが、間違った謳い文句に踊らされないよう十分注意しましょう。 Q:ミネラルは不足しやすいの? A:良質なドライフードを与えている限り、不足することはほとんどありません。ミネラル自体の必要量が微量なため、フードで十分に補うことができます。 ただし、手作り食であったり、食の細い犬である場合には、必要量を摂取できていないことも考えられます。 また、あまり質の良くないドライフードでも偏りが出ることもありますので、少し様子がおかしいと感じたら、獣医さんに相談してみてはいかがでしょうか。 Q:1つでは心配なので、様々なミネラル用サプリメントを併用したいと考えています A:これは少し危険かもしれません。ミネラルはそれぞれのバランスと量がとても大切だからです。 一つのミネラル成分が過剰になったことで、他のミネラルの効果が阻害され、逆に不健康な体を生み出してしまうことがあります。 多くのお金を費やして、犬を病気にしてしまうという最悪の結果をもたらさないためにも、サプリメントは必要最低限で十分であることを認識しておきましょう。

愛犬が怪我してしまった?!

もしも愛犬に怪我させてしまったら、すぐに対処できる自信はありますか?犬の日常には怪我をする様々なリスクが潜んでおり、万が一のときにすぐに対処できるかどうかが大きな分かれ道となることもあります。 怪我の種類によって異なる対処法を取るのはもちろん、人間と似たような怪我でも犬には全く違う対処法を取らなければならないときもあります。ここでは、犬に起こり得る怪我の種類と対処法を9つピックアップしてみました。犬が怪我したときのために用意しておきたい物についても、参考にしてみてください。

傷や怪我は化膿してしまう?ガーゼ?

切り傷やかすり傷がついたときには、すぐに消毒しなければと思うかもしれません。ところが実は、傷を消毒処置してしまうのはNGです。逆効果になる恐れがあるので、気を付けてください。なぜなら、消毒薬には細胞を破壊する威力があるからです。皮膚が傷ついたら細胞が自力で治そうとするのに、消毒薬によって台無しにされかねません。 とはいえ、傷口が化膿してきたら放っておいてよいものか心配になりますよね。化膿してきたときは、傷についた異物や壊死した組織を取り除いてあげたほうが消毒より効果的です。洗ってきれいにするだけでも、治りが早くなることはあります。動物病院でも、傷口の消毒を一切しないところがあるくらいです。 犬が傷口をなめてしまったり、ばい菌がつかないか、痛くないかと心配でガーゼや絆創膏を付けてあげたくなることもあるでしょう。傷口を覆うことで、化膿している傷口が外部から守られるようにも思えるかもしれません。 しかし、傷口にガーゼや絆創膏をあてるのも逆効果です。 犬の体が自力で傷を修復しようとしているときは、正常な細胞を増やすために水分を求めます。ガーゼや絆創膏をあてると水分が吸収されてしまうため、乾燥が進んでしまうのです。乾いたほうが傷が早く治るのではないかという考えは逆で、傷口から水分が失われないようにする必要があります。ガーゼなどをあててしまうと、傷口にくっついて剥がすときに皮膚に傷をつけてしまう恐れがあるのも問題です。

愛犬が怪我してしまった時の具体的な9つの対処法

愛犬が怪我をしたといっても、怪我の種類や規模は様々です。交通事故に遭った場合などは、とにかく病院に急いで連れて行かなければとなるでしょうし、やけどと骨折でも対処法は全く異なります。愛犬がどんな怪我をしてしまったときにも慌てずに対処できるように、以下の3つのポイントは事前に準備しておくようにしましょう。
POINT
1.緊急時の連絡先を控えておく かかりつけの動物病院以外にも、夜間や早朝、休日などに診療してくれる病院の連絡先を控えておきましょう。 2.電話で獣医に伝える内容 愛犬の怪我に気付いた直後は、気が動転して動物病院に電話をしても要領よく事態を説明できないかもしれません。少なくとも何歳でどのくらいの体重や大きさなのか、犬種などは正確に伝えられるようにメモしておくとよいでしょう。 3.病院までの移動手段を準備しておく いつ愛犬が怪我をするかはわからないため、病院までの移動手段はいくつか確保しておきましょう。呼んだら来てくれるペット乗車OKのタクシーなども、連絡先を控えておくと便利です。
 

①爪からの出血

犬の被毛は外傷から守る役割も持っていますが、それでも強い衝撃によって傷つき出血してしまうことがあります。被毛に隠れて出血に気付きにくいこともありますが、爪から出血しているときも足を裏返してみて初めて気付いて驚かされことがあるものです。犬自身は傷や出血を気にして患部をなめたり気にする様子をしているはずですから、早めに気付いてあげましょう。 爪からの出血は、爪切りなどでも起こりやすいです。爪にも血管や神経が通っていますから、出血に伴って痛みを感じることもあります。応急処置としては、ガーゼなどで軽く圧迫止血をしてあげてください。汚れがついているときは、水で洗います。出血が5分くらいで止まらなかったら、病院に連れていってあげましょう。爪が激しく損傷していたり、出血量が多い場合も同様です。

②ハサミなどの切り傷

軽くトリミングしてあげようとしたら体を傷つけてしまったり、ガラスなどの尖ったものが突き刺さって愛犬の皮膚が切れてしまうこともあります。 小さな傷であれば、傷にはくっつきにくいガーゼなどで軽く止血しましょう。傷口に汚れがついているときは、洗い流してください。その後、ワセリンや抗生物質入りの軟膏を塗っておきます。傷口が見えにくい場合は、傷の周りを1~2cmほど毛刈りすると手当しやすくなります。 傷が深い場合や出血がひどいときは、すぐに動物病院に連れていくことをおすすめします。ガラスや刃物、陶磁器などの破片が刺さっているようなときも、早めに病院で処置してもらったほうがよいでしょう。

③やけど

料理中にうっかりお湯や油がかかってしまったり、入浴中に熱いお湯をかけてしまったり、愛犬のやけどは日常に起こり得ます。冬場などは、こたつやストーブ、湯たんぽ、カイロなどで低温やけどしてしまうこともあります。 やけどしたときは重症でも見た目にわかりにくいことがありますが、痛みは相当なものです。軽傷なら、流水や氷水・アイスパックなどで冷やすとやけどの炎症を食い止めたり鎮痛効果に期待できます。ただし、あまり長い時間冷やし続けるのが逆効果になる可能性もあるため注意してください。よく冷やしたら、傷口の周りの被毛を刈って、ワセリンなどを塗っておきましょう。 重症のやけどの場合、すぐに動物病院に連絡して応急処置法を聞くと同時に診療もしてもらえるようにしましょう。化学薬品がかかってやけどしてしまうこともあるため、どんな薬品がかかったかも伝えられるように準備してください。

④感電

愛犬が電気コードを噛んだり電源とコンセントがつながっている付近で遊んでいたりして、感電してしまうことがあります。軽傷の場合は、怪我や出血をしていないか口元・歯茎・口の中を確認してください。 感電して動けなくなっていたら、コンセントを抜いて電源を落とすと同時に愛犬の呼吸や意識を確認しましょう。必要があれば、人工呼吸や心臓マッサージもしてあげてください。早急に、動物病院に連絡して連れて行ってあげることも必要です。

⑤誤飲

屋内外を問わず、犬が異物を飲み込んでしまう事故は多々あります。噛んで遊んでいるうちに、顎から外れなくなってしまう、喉の近くに引っかかってしまうということもあるでしょう。飲み込んだ物の一部が口から出ているときは、体内を傷つけてしまう恐れがあるため無理に引っ張らないほうがいいです。簡単に引っ張れるようなときは別として、動物病院に連絡して処置してもらうのが賢明です。 病院では、何を飲み込んだかを正確に伝えることも重要です。飲み込んだものが手元にある場合は、病院まで持っていくのもありです。薬品を飲んだり舐めてしまった場合、薬品名だけでなくどんな成分が使われているかまで答えられるようにしておいたほうがよいでしょう。

⑥骨折

ちょっとした落下や圧力によっても、犬は骨折や脱臼をしてしまうことがあります。骨折の場合、病院に連れていかずに完治するのは難しいでしょう。軽症でも、少し様子を見て病院に連れて行ってください。激しく痛がったり動けない様子を見せていたら、全身をそっと毛布などで包んで病院まで運びましょう。暴れたとき用に、エリザベスカラーを用意しておくと役に立ちます。 骨折をしていても、飼い主に隠す犬もいます。手足がブラブラしていたり引きずっている、腫れている部分があるという場合は、骨折の可能性ありと判断したほうがいいです。やけにじっとしていたり、触ろうとすると嫌がるときも骨折を疑ってみたほうがよいでしょう。 動物病院でも、骨折を治療できるところとできないところがあります。応急処置まではしてくれても、その後の治療は整形外科を紹介される場合があります。小型犬などはすぐに骨折しやすいこともあるため、日頃から骨折した場合の病院を確保しておくことをおすすめします。

⑦パッドの部分の怪我

足の裏のパッド部分は日常的に擦り切れやすく、危険物に直接当たってしまう部分です。切り傷や刺し傷の他、夏場のアスファルトでやけどしてしまう恐れもあります。室内でも、活発に動く犬はパッドの皮が剥けてしまうことが珍しくありません。 パッド部分の傷が軽傷であれば、汚れを水で洗い流してからワセリンや軟膏を塗ってあげましょう。乾燥しないように、上からラップを巻いて靴下や靴を履かせておけば歩くこともできます。傷が大きかったり深かったりした場合は、動物病院に連れて行くことをおすすめします。異物が突き刺さっている場合も同様です。

⑧熱中症

犬の熱中症は、屋外だけでなく屋内でも起こり得ます。呼吸が荒くなっているようなときは、直ちに涼しい場所に移動させたり体を冷やしてあげるようにしましょう。暑いところで過ごさせるときは、塗れタオルをかけてあげるといくらか体温が下がります。太い血管が通う首筋・ワキ・後ろ足などを優先的に冷やしてあげると、効果的です。冷たいペットボトルを当てるのもよいでしょう。 注意しておきたいのは、氷や氷水で体を冷やそうとすることです。急激に体温を下げようとすると、表面温度が下がるだけで体内では血管が収縮してしまうため逆効果となります。水分補給も必要ですが、無理に飲まないようなら休ませてあげましょう。すぐに良くならない、あるいは重症の場合は早急に動物病院で診てもらう必要があります。舌根まで出して呼吸している、よだれが出過ぎている、舌の色が赤いなどが重症のサインです。

⑨犬同士の喧嘩による怪我

犬同士の喧嘩は、散歩中やドッグランで遊ばせているときなどに起こり得ます。遊んでいるように見えても、興奮して噛みつかれることがありますから注意が必要です。軽傷に見えても、感染症にかかったり小さな傷から化膿するようなこともあります。 飼い主が見ていないときに怪我した場合、傷口がわかりにくいかもしれません。犬の様子がおかしかったら、被毛をかき分けて傷がないか確認しましょう。傷を見つけたら、可能であれば被毛を少し刈ってワセリンや軟膏を塗ってください。傷口を乾燥させないためです。 感染症にかかってしまうと危険なため、犬同士の喧嘩による怪我は念のため動物病院で診てもらうことをおすすめします。大量な出血や失神している場合は、そっと病院に運んであげてください。

もしも交通事故にあった場合は?

愛犬が交通事故に遭ってしまったら、まずは冷静に状況判断をすることが大切です。焦って愛犬に近づいて、自分まで事故に巻き込まれてしまったら大変です。安全を確認して愛犬のもとに近寄ったら、呼吸や意識、出血を確認してください。その場で動物病院に連絡し、すぐに受け入れてもらえるように依頼しましょう。事故の状況と愛犬の様子、病院までの所要時間も伝えます。 病院まで運ぶ際には、犬の体に負担がかからないように柔らかい毛布などに寝かせて運んでください。事故現場を離れるときは、事故相手の連絡先も必ず確認するようにします。大型犬も含めて自力で運べない場合は、周囲の人に手伝ってもらって担架代わりにしたタオルや毛布の上に寝かせて四隅を持って運んでください。 心臓マッサージもできればよいのですが、上手くできなくて逆効果になってしまう可能性もあります。大事な愛犬のために、ペットのための心臓マッサージの講習会などに参加しておくのもよいでしょう。寝かせた犬の前足付け根の少し後ろに肋骨がありますが、そこを80~100回/分ペースで押すと心臓マッサージができます。押して離すを繰り返すことで、心臓に血液が送られます。

愛犬用の救急箱を用意しよう!

万が一の怪我は、犬にはいつでも発生するリスクがあります。すぐに応急処置ができるように、愛犬用の救急箱を用意しておくといざというとき役立ちます。愛犬と一緒に旅行するときにも、持っていると便利です。愛犬用救急箱に必ず揃えておきたい物を以下に紹介しておきます。
POINT
・各種書類のコピー(予防接種・過去の治療・投薬の医療記録、鑑札・マイクロチップ番号など) ・包帯、粘着性伸縮包帯 ・くっつきにくいガーゼ ・薬品類(酔い止めも含む) ・ハサミ ・タオル、ブランケット ・リード(予備)、カラー ・ウェットティッシュ ・ビニール袋 ・ガムテープ

犬用のおすすめ救急箱やケア用品セット3選

Sheltons 携帯用救急箱

バッグインしやすいポーチタイプのお手頃価格

ハサミやガーゼ、三角巾、ピンセットなどが入っており、ポーチ型のケースなのでバッグインしやすいのがポイントです。価格も1,000円を少し超えるくらいと手頃なので、初めて愛犬用に救急箱を買いたいときにもよいでしょう。安全ピンなど愛犬の救急箱としては一見役立たなさそうなグッズも入っていますが、ポーチに余裕があるため入れたままにしておけば何かに使えるかもしれません。また、足りない物を追加しやすいのもポーチタイプのケースのメリットです。小型犬なら三角巾が運送用に使えるかもしれませんが、薄手のブランケットなどを足しておくと安心です。ウェットティッシュなども、小型のものを入れておくとよいでしょう。

Kozy More 携帯用 救急セット

夜間の救急にも対応できる懐中電灯付き

ハサミ・ガーゼ・防護保湿・ピンセットなどが入っており、持ち手が付いたそのままで携帯しやすい救急バッグです。内部にインできる防水ポーチも付いており、夏場に塗れタオルなどを入れて出掛けるにも重宝します。人気のないところで事故に遭ったときには、ホイッスルが役立つでしょう。夜間や曇りの日などに便利な懐中電灯も入っています。犬用に作られている救急箱ではなく人間用の商品ですので、足りない物は追加しておくのがおすすめです。ピルケースには、医薬品を入れておくと外出時にもいつもの薬を与えてあげられます。人用でもあるので、愛犬と一緒に怪我してしまったときには応急処置に兼用できるのも便利でしょう。

 

OHKEY 救急セット

アルミブランケット入りで病院への輸送に便利

人間用のアウトドア時に役立つ救急箱ですが、ハサミやガーゼ、使い捨て手袋などが入っていて愛犬用にも代用できます。骨折や交通事故に遭ったときのように、安静にして病院まで運びたい場合に便利なアルミブランケットが入っているのが最大の利点です。毛布を持ち歩くのは大変ですが、アルミブランケットなら薄手でコンパクトなのでいつでも携帯できます。事故に遭った犬の体をくるんであげたり、担架代わりにして使うことができます。バッグタイプの救急箱で、持ち手が付いていて持ち歩きやすいのも特徴です。隙間に、小型のワセリンや常備薬などを入れておくにもよいでしょう。犬の体に直接貼ることのできない絆創膏やテープは、固定用に用いることもできます。

 

猫の気持ちは尻尾で分かる!?

愛猫の気持ちをもっと知りたい!猫を飼っている方や猫を愛する全ての人たちの共通の思いです。 でも猫の表情はあまり変わらないし,態度もそっけなかったり,急に怒ったり。 なかなか気持ちはわかりづらいですよね。 よく,犬は「尻尾をブンブン振っていると嬉しい!」などと耳にしますよね。 動物の感情は尻尾の動きに現れやすいですが,猫もそうなのでしょうか? ここでは,尻尾の動きからわかる猫のきもちを紹介していきます。

猫にとっての尻尾の役割4つ

歩くたびにゆったりと揺れる猫の尻尾。猫の魅力の一つです。 犬と違い,猫の尻尾はとても細やかに動くのが特徴です。 そんな尻尾ですが,そもそも,猫にとってどんな存在なのでしょうか? 猫の尻尾には,大きく分けて4つの役割があります。

①体のバランスを保つ

細い道が大好きで,するすると歩いていく。猫が幅の狭いフェンスの上や細い枝をふらつきもせず歩くのをみたことがあると思います。 実は彼らもふらつくことはあります。しかし,猫は体のバランスを尻尾を振ってとっているんです。尻尾をブンブン振ることで骨盤の位置を微調整し,歩きやすいポジションに調節しているのです。 人がふらついたときに手を広げてバランスをとるのと一緒ですね。 歩いている時にくねくねと尻尾が揺れるのも,体のバランスを微調整しているからです。

②体を保温する

「猫はこたつで丸くなる」と言われるように,猫は寒いと体を丸めて体に尻尾を巻きつけて寝ます。また,起きているときでも,部屋が寒いと猫はしっぽを体に巻きつけます。 猫の尻尾にはそのしなやかな動きを支えるための神経や血管が通っていて,また毛で覆われているため,触るとほんのり暖かさを感じます。 体に巻きつけることで,尻尾がマフラーのようになり暖かさを保てる上,血流からの暖かさが加わり,体がとても暖かくなるのです。

③マーキングの役割

猫は,体にある「臭腺」という器官から分泌されるフェロモンでマーキングを行います。 臭腺はいろいろなところにありますが,「あごの下」や「しっぽの付け根」などが知られています。 飼い主さんが帰ってきた時,愛猫が体を擦り付けてくる。そんなとき,尻尾を足に巻きつけながら擦り付けてくることでしょう。また,部屋の角などに顎や尻尾を擦り付ける子もいます。 それは,尻尾から出るフェロモンを擦り付けて,「自分のもの!」と主張しているのです。

④コミュニケーションのため

猫は表情の変化があまりない生き物です。顔がとても小さい上,人と違い表情筋の発達が乏しいのがその理由です。 顔を見るだけで猫がどう感じているのかは,獣医さんでも判断が難しいとされています。 では他の猫と出会った時,相手がなにを考えているか「見て」理解するにはどうするのでしょうか? 猫の尻尾はいろんな動かし方ができるので,尻尾の細かい動きで,出会った他の猫と意思の疎通を図り,感情表現をします。

尻尾で分かる!猫の10の気持ち

ここまで,猫にとっての尻尾の役割を紹介してきました。 猫にとって尻尾はとても重要なツールなんですね。 愛猫とのコミュニケーションに尻尾が参考になりそうです! ここからは,猫の尻尾の動きとそれが表す猫の気持ちをどんどん紹介していきます。 ぜひ猫さんを見ながらみてくださいね。

まっすぐ垂直にピンと立てている

ピンとまっすぐ尻尾をあげているときは「かまってモード」なとき。一緒に遊びたい,とかおなかがすいた!という時にみられます。 また,飼い主さんに甘えたい時にもみられます。尻尾をピンと立てて,ととととーっと駆け寄ってくる時は思わず構ってしまいます。 思う存分構ってあげましょう。

シッポを股にはさむ/丸める

尻尾を足の間に挟むようにしたり,体の下に丸めたりするときは,猫が「怖い」と感じているサイン。 動物は,自分よりも大きいものや強いものに対して怖いと思った時はなるべく体を小さくみせようとします。 恐怖を抱くのは猫にとって相当なストレス。長生きしてもらうためにも,原因を探る必要があるかもしれません。

だらんと下がったまま

元気なさげにだらんと垂れ下がった尻尾は,悲しかったりしょんぼりしていることの表れです。いたずらをしたり,お手入れを嫌がったりして飼い主さんに怒られたあとに見られるかもしれません。 また,体調が悪いときにも尻尾が元気なさげにだらんとしたままだったりします。猫の病気は見つけにくいもの。最近元気ないなと感じたら,ぜひ動物病院に連れて行ってあげてください。

左右に大きく床に叩きつける

尻尾を大きく振ってバンバンと叩きつけているときは,イライラして気が立っている証拠。 猫は自分のタイミングじゃないときに構われたりするのをいやがります。こんな態度を示しているのに構い続けると,ひっかかれたり噛まれたり,飼い主さんは怪我のもと。 触れ合いたくてもそっとしておく。良い距離感をとるのが良い飼い主さんです。

座ってゆっくりとパタパタしている

猫が座って尻尾をパタパタしている。ゆったりとした動きなら,リラックスしているのでしょう。 寝起きのまどろみの中にいるかもしれないし,のんびりと自分の世界に浸っているのかも? 邪魔されると急に怒ったり,どこかに隠れたりするので,そっと見守ってあげましょう。

寝ながら先だけ小さく振る

寝転びながら先だけピクンと尻尾を振っているのはめんどくさいのかも。 「〇〇ちゃん」と名前を読んでも,反応が鈍いときにこんな仕草がみられます。 耳はこっちに向いているから聞いているものの… 。 人でいう「はいはい」って相槌みたいなものですね。

山型にして、毛が逆立っている

猫の尻尾の毛が逆立ちはじめ,だんだんと山型に盛り上がってきた。なんだか「ヴゥーーー」って唸っている。こんな様子なら近づくのは厳禁。 威嚇してきているのです。 動物は,攻撃するときには相手よりも強いと見せつけるため体を大きくみせようとします。猫も,毛をボワっと逆立たせて普段よりも大きくみせようとするのです。 猫には,戦うか逃げるかを決める距離があり,この威嚇状態から一歩踏み込むと途端に攻撃されてしまいます。ゆっくりと距離を取るのがベスト。

抱っこした時に尻尾をバタバタ

抱っこした時に尻尾をバタバタ。はたまた体にぴたっとくっつけている。 どうやらその子は抱っこが嫌なようです。 反対に,尻尾がゆったりと揺れているなら,抱っこが落ち着く子でしょう。 猫はもともと体を拘束されるのが嫌なので,嫌がっているようであればすぐ話してあげてくださいね。

しっぽがくねくね動いている

しっぽがくねくね動いている時は,何かに集中している時。 特に,虫を見つけたり,おもちゃを狙っていたり,愛猫のハンター心に火がついているときによく見られます。 獲物を狙って尻尾をふりふりしている姿は,少し間抜けにもみえます。でも一生懸命でとても可愛いですよね。

猫が尻尾をぷるぷるさせている

猫が尻尾をぷるぷるさせている。あまり見たことがないけど,これって病気? いいえ,嬉しくて感情が昂ぶっちゃっているのかも。 構ってもらえて嬉しかったり,遊べて楽しかったり。 また,尻尾の付け根を触ってもらうのが好きな子は,よくこの姿を見せてくれます。 こんな姿を見られるよういっぱい構ってあげたいですね。

さいごに

尻尾で猫のいろんな気持ちがわかります。 愛猫とより良いコミュニケーションをとって,より良い猫ライフを送ってくださいね!