猫にタコをあげてはいけない理由とは?
猫に手作り食をあげたり、フードにトッピングなどをしている人もいるかと思いますが、食べ物の中でタコは食べさせてはいけません。
猫にとってタコは有害な食べ物です。
この記事ではその理由や食べた場合の処置なども詳しく説明しますので、最後まで読んでください。
ビタミンB1欠乏症
ビタミンB1という大切な栄養素があります。
神経系統を正常に保つ働きを持ち、炭水化物の消化にも必要な栄養素です。
しかしビタミンB1は、水に溶けて尿と一緒に体外に出てしまうので、蓄えておくことができません。
だから、猫はビタミンB1 を毎日摂取しなければいけません。ところが、タコはこのビタミンB1を壊してしまうチアミナーゼを含んでいます。
ですから、猫がタコを食べるとビタミンB1が不足し、「ビタミンB1欠乏症」になります。
初期症状は、食欲低下や嘔吐などがあらわれます。
進行すると瞳孔が開いたり、歩き方がフラフラしたり、痙攣を起こす場合もあります。
昏睡状態になり、死に至る危険性もある病気です。
多発神経炎
ビタミンB1は神経伝達の機能を保つ働きがあり、炭水化物を消化するために必要です。
猫がタコを食べ、タコに含まれるチアミナーゼによってビタミンB1が壊されてしまうと炭水化物が消化されにくくなります。
そして炭水化物から変化する糖質も作られなくなります。
糖質もまた大切で、糖質を必要としている神経系の組織が栄養不足になると、多発性神経炎になり歩行障害や視覚障害など神経系の障害を発症してしまいます。
つまり生のタコを食べることで、体に悪影響がいろいろとあらわれるのです。
消化に悪い
タコは非常に消化が悪い食べ物です。
猫は食べ物をほぼ丸呑みにするので、硬さのせいで消化不良を起こしたり、誤飲して喉をつまらせたりする危険性があります。
特にシニアの猫は消化機能が弱っていることが多いので、少量でも下痢や嘔吐を起こすことが多いです。
猫がタコを食べてしまった時の対処法
猫にとってタコは有害な食べ物であることがわかったと思います。
では注意していたけれども誤って食べてしまった場合、どうすればよいのでしょうか。
タコを少量食べた時に、すぐに死に至ったり重篤な病気を引き起こすわけではありません。
ただ、消化が悪いために時間をおいて下痢などの症状が出る可能性はあります。
しばらく様子を見て下痢や嘔吐などの気になる症状が出た場合はすぐに病院に連れていきましょう。
無理に吐かせようとしたりせず、獣医の指示に従うようにしてください。
病院では「いつ・どれぐらいの量」を食べたのか、また症状を詳しく伝えるようにすると良いでしょう。
できるだけ、タコは猫が食べないように管理を徹底してください。
生のタコじゃなければ大丈夫?
生のタコに含まれるチアミノーぜが引き起こす症状はとても危険なものだということをお伝えしました。
では生でなく、加熱したタコなら大丈夫なのでしょうか。
タコが入った食べ物やイカ、その他の魚介類はどうなのか、次に詳しく解説します。
加熱したタコ
生のタコに含まれるチアミノーゼは加熱すれば簡単に壊れてしまいます。
したがって加熱したタコの場合成分上は問題なく、ビタミンB1欠乏症になりにくいでしょう。
ただし、タコは消化が悪い食べ物なので、加熱しても下痢や嘔吐を起こすことがあり、食べさせない方がいい食品です。
少しくらいならと思ってあげてしまうと、タコの味を覚えて盗み食いをしたり、生のタコを大量に食べてしまったりして危険です。
最初から食べさせないようにしたほうが良いでしょう。
またタコは弾力があり歯ごたえの良い食べ物です。
そのためタコの大きさによっては喉につまらせ、窒息する危険性があります。
干物のようなものでもやはり硬さは問題ですので、与えないようにしましょう。
タコのゆで汁
タコのゆで汁にはタウリンが豊富に含まれています。
猫にとってタウリンは必須の栄養素なので、むしろ積極的に与えると良いでしょう。
タウリンは人間の栄養ドリンクにも含まれているもので、疲労回復効果があり元気になる成分です。
猫にタウリンが不足すると、視覚や心臓に影響が出てしまい、完治が難しい病気になることもあります。
また流産や死産、子猫の発育不全が引き起こされるので特に妊娠中や授乳期にはタウリンが必要です。
フードにかけたり、冷ましてそのまま飲み汁に加えたり、いろいろな方法で猫に与えてみてください。
タコが入った他の食べ物
たこ焼きなどの加熱したタコが入った食べ物は成分上では問題ないが、やはり消化が悪いので猫が欲しがってしまった場合も、あげない方が良いでしょう。
人間の食べ物には味がついており、塩分や油分という点も猫の体にはよくないものです。
タコの大きさによっては喉につまらせる危険性もあります。
イカも食べさせてはいけない!
チアミノーぜはイカにも含まれています。
タコと同様に、ビタミンB1欠乏症と消化不良の危険性があるので、生はもちろん加熱したものも食べさせないようにしましょう。
イカの内臓に寄生していたアニキサスによる食中毒を起こすこともあります。
加熱したイカやイカを含んだ食べ物もやはり消化不良になることが多いので与えないようにしたほうが良いでしょう。
イカが含む栄養は、キャットフードで十分与えられるので無理に与える必要はありません。
他の魚介類は?
猫は魚が好きという印象が強いですが、与えられる魚は鮭・カツオ・タイです。
青魚にはアニキサスが寄生していることがあり、食中毒の危険があります。
また黄色脂肪症になる恐れがあるため、青魚はあげてはいけません。
ハマグリやあさりなどの貝類も、光線過敏症という病気になる可能性があります。
光線過敏症は光を浴びると皮膚炎や関節炎を引き起こす病気でです。
与えても大丈夫な魚も、鮮度の良いものを適量与えるようにして、味付けなどはしないように気をつけてください。
まとめ
猫にとってタコは有害な食べ物で生でも加熱していても与えないようにしましょう。
可愛い愛猫が喜ぶからと何でも与えてしまうと、健康を損なうこともあります。
食べ物を管理できるのは飼い主さんだけなのでしっかりとした知識を持って、普段の食事とおやつを選んであげてください。
猫のヘソ天とは?
猫がお腹を見せて寝ることを「ヘソ天」と呼びます。
無防備にもみえるその姿がとても可愛いですよね。
猫を飼っている人、または飼っていない人もヘソ天を見たことがある人もいるのではないでしょうか。
寝る時に見せることが多いヘソ天ですが、おもちゃで遊ぶときなどにもその姿を見せることがありますね。
そんな可愛い猫のヘソ天ですが、どのような心理でヘソ天をするか気になる人も多いのではないでしょうか。
そのため、ここでは猫がヘソ天する心理を紹介していきます。
猫がヘソ天をする理由とは?
猫にとって急所であるお腹を見せることは、すなわち危険を感じていない状態といえます。
そのため、子猫の時期に母猫がいると多く見られるそうです。
母猫がいない場合でも安心できるなどの心理的な要因でヘソ天が見られます。
その要因をここでは4つ紹介します。
①遊んで欲しい
猫は仰向けのヘソ天の状態になって相手を遊びに誘うことがあります。
みなさんも飼い猫に、このように誘われたことがある方も多いのではないでしょうか。
ちなみに、猫がヘソ天をして遊びに誘うこの行動は「ベリーアップ」と呼ばれます。
無言でベリーアップされた時は、遊びを断る理由が無いほど可愛いですね。
子猫に多い行動で、猫同士が遊ぶ時、親猫や兄弟猫を遊びに誘う際にベリーアップの行動もよくとります。
そして飼い主に対しても、時折みられる行動です。
生後2カ月ぐらいの無邪気な子猫くらいですと、飼い主も気を抜けないほど、遊びは活発的になります。
②安心している
前述、した通り、猫にとって急所であるお腹を見せることは、すなわち危険を感じていない状態、つまり安心している状態です。
自分が安心できない人に弱点を見せたくない部分があるように、猫にも安心できない環境では、見せたくない部分があるようですね。
そのため、飼い主の前でヘソ天をしているということは、飼い主を信頼している証拠と言えるでしょう。
また、猫がヘソ天をする場所にも様々です。
猫は周りを良く見渡せる高い場所が好きなため、冷蔵庫や棚の上など、安心するそうです。
また、知っている人も多いかと思いますが、猫は狭い場所も好きです。
狭いところの方が安心できるという心理から鍋や段ボール箱など、すっぽり綺麗に入って寝てしまうこともあります。
③発情期のアピール
私の周りは付き合っている人が多いし、私も付き合いたい、そんな発情期は、みなさんありましたでしょうか。
もちろん猫にも発情期があります。
ヘソ天状態であることは、もしかすると発情期かもしれません。
これは猫の本能による行動です。
普段は警戒心が強く、周りの猫を寄せ付けないオーラをまとっているメス猫でも、パートナーを見つけたい時には、「寄ってきていいよ」という意味を込めて急所であるお腹を見せます。
これは特別なことではなく、発情期になれば、どんなメスでもこのような行動をとるそうです。
④暑い
みなさんは、夏に路上で猫がヘソ天をしているという姿を見たことある人も多いと思います。
そのような時、猫はどのような心理なのでしょうか。
猫は、人間のように汗をかくことが出来なければ、犬のように口を開けて熱を逃がすこともできません。
また、猫には汗腺が肉球などの一部に限られているため、体温調整が苦手である場合が多いようです。
毛づくろいによって唾液で被毛を濡らし、気化させて体温を下げようとすることもありますが、暑い日はそれだけでは間に合わないことが有ります。
猫の毛は背中側よりもおなか側の部分が薄くなっているため、そこから熱を逃がそうとしているのですね。
そんなときに、おなかから熱を発散させようと、ヘソ天の姿勢をとります。
こんな時は注意が必要!
お腹を仰向けにしている姿を見ると撫でたり、触りたくなるくらいかわいい猫のヘソ天。
しかし、不用意にお腹を触ってしまうと嫌がる猫も多いようです。
安心をしている行動とはいえ、あくまで急所になるので、優しく見守ってあげることをおすすめします。
①ヘソ天で寝ている時は触らない!
特に、寝ている際はどんなに可愛くても触らないであげましょう。
無防備にヘソ天をして寝ている姿を見ると「触ってほしいのかな?」と思ってしまいがちですが、ヘソ天をして寝ている時は、周りから危害を加えられず安全で安心な場所だと思っているからです。
安全な状態だと認識している時に、触ったり、抱っこしたりしてしまうと、警戒してお腹を見せなくなったり、抱っこさせてくれなくなることもあります。
ヘソ天状態で寝ているということは、心を許してくれている証拠です。
飼い主にとっては嬉しいことですが、ヘソ天で寝るようになってくれた時は、猫をそっと見守り、のんびりと気持ちよく寝かせてあげるようにしましょう。
そうすることで、信頼を保ち続けることに繋がります。
②野良猫がヘソ天している時
ヘソ天している時は、安心している時というのは言うまでないですね。
つまり、警戒している時というのはヘソ天をしないということです。
野良猫は常に外敵の危険がある場所で過ごしていると、警戒心が強く、心を開いてくれることは少ないです。
野良猫がヘソ天をしていたら、その場所に安心しているということです。
そのため、野良猫がヘソ天をしていたら、安心しているだなと思うようにし、触らないで静かに見守ってあげましょう。
③抱っこする時は仰向けにしない
また、猫を抱っこする時にも注意が必要です。
猫を仰向けで抱っこすることによって、無防備でお腹を晒すことになるため、信頼できていない人や、慣れない環境の中で、急所を晒すようなものです。
中には、抱っこされることが好きな猫もいますが、基本的に警戒心が強めの性格が多いです。
上目遣いで甘えてくる猫は、「抱っこしてほしい」というサインかもしれません。
抱っこする際は、お腹を圧迫させる持ち方、上半身だけをつかむ持ち方はしないようにしましょう。
デリケートはお腹を刺激しないのはもちろん、上半身だけつかむというのも、上半身のみに負荷がかかってしまうため、やめるようにしましょう。
抱っこする際は、両手を猫の両脇の下に入れて持ち上げ、すぐに片方の手を腰の下に添えてあげましょう。
こうすると上半身だけに負荷がかからずに、下半身も支えることができます。
まとめ
いかがでしたか。
愛嬌があり、飼い主としては癒しの存在であるだろう猫にも苦手なことがものがあることがわかりましたね。
あくまで人間と同じ生き物であるため、嫌なことはしないようにしましょう。
一つ一つの気遣いが飼い猫や野良猫にとっても安心できる場所、そして信頼を作ることにつながります。
そうすることで、今まで以上に甘えてくることが増えたりと、飼い主にとって嬉しいことが増えるかと思います。
思いやりを持って、大切にしてあげましょう。
ネギは猫に食べさせてはいけない!
猫にネギを与えてはいけないことを知っているでしょうか。
ネギは人にとっては薬味としてさまざまな料理に使用されることが多いです。
そのため、ネギが体に悪いという認識がほとんどなく、実際人に対しては害になることはありません。
しかし、猫にとってはネギは毒になることを知っておきましょう。
猫にキャットフードだけを与えているのであれば問題ありませんが、人が食べる食べ物の残り物などを食べさせているのであれば注意しましょう。
原因は「チオ硫酸化合物」
猫がネギを食べてしまうと体調を崩す原因はチオ硫酸化合物やアリルプロピルジスルフィドが関係しています。
ネギには独特の風味がありますが、それは数種類の物質によるものであり、チオ硫酸化合物も含まれています。
チオ硫酸化合物を接種すると赤血球のヘモグロビンを酸化してしまいます。
酸化した赤血球はハインツ小体という塊を生成します。
ハインツ小体を形成された赤血球はすぐに壊れてしまい、赤血球不足に落ちります。
なのでネギを猫が食べると体調を崩すのは赤血球不足が直接な原因となります。
ちなみにネギだけではなく、ネギ類全般に言えることであり、玉ねぎなども猫に与えてはいけません。
チオ硫酸化合物は熱を加えてもなくなることはなく、スープやみそ汁に使用すれば汁に溶け込んでしまいます。
そのため、ネギだけを取り除いても中毒症状を起こしてしまう危険性があります。
玉ねぎ中毒の症状とは
玉ねぎ中毒の症状を理解することで猫に何が起こっているのかを判断することができ、正しい治療方法なども行うことができます。
上記でも紹介したように猫がネギ類を食べると赤血球が壊されてしまい溶血性貧血を起こしてしまいます。
溶血性貧血を起こすと元気がなるくなるだけではなく、血尿をすることもあります。
発熱や下痢、黄疸が現れ、重度になると意識障害を起こし、最悪死亡してしまう危険性もあります。
発熱や下痢などは違う病気でもあらわれる症状であるため、見分けがつかない場合も多いですが、ネギ類を与えた覚えがあるのであれば高い確率で溶血性貧血を起こしているので病院に連れて行くようにしましょう。
しかし、すべての猫がネギ類を与えると溶血性貧血を起こすわけではなく、体重×5g与えると症状があらわれることが多いです。
また、遺伝も関係しており、ネギ中毒になりにくい個体もいます。
加熱すれば大丈夫?
上記でも紹介したようにネギ類に含まれている中毒成分は加熱しても分解されることはありません。
それどころか違う食材に移ってしまうリスクもあります。
そのため、残り飯などを猫に与えるのであればネギ類が一切使用されていないものを与えなければなりません。
猫は食欲旺盛であり、食べ物とわかれば口にすることも多いです。
しかし、ネギ単品には独特のにおいと味があるので好んで食べることは少ないですが、違う食材に中毒成分が移っていると気にせずに食べてしまいやすいので注意が必要です。
猫にネギ類を与えないように細心の注意を払っていてもちょっとしたことで猫が口にしてしまうリスクがあります。
なのでネギは購入後すぐに冷蔵庫に入れて猫に触れさせないようにすることが大切です。
食べてしまったときの対処法
どんなに注意していても猫は行動範囲が広いので知らない間にネギ類を食べてしまい、中毒症状を起こしてしまう可能性があります。
なのでもし中毒症状になった場合の対処方法を知っておくことも飼い主の義務といえます。
飼い主によっては少し安静にしていれば症状が落ち着くと軽く考えてしまうこともありますが、死亡するケースもあるので早急に病院へ連れて行くようにしましょう。
食べた物を吐かせることが大切ですが、素人が行うとより症状が悪化してしまうリスクがあるため、なにもせずに病院へ行きましょう。
平日の昼間などであれば動物病院が開いている場合も多いですが、夜間や休日では休んでいることも多いです。
なので普段からいくつかの動物病院を調べ、夜間や休みの日にでも開いている病院を探しておきましょう。
まとめ
猫にネギ類を与えることはいけないことだと理解することができたでしょうか。
猫を飼っているのであれば知っておかなければならない知識でもあるため、猫を飼っている人やこれから飼おうと考えている人はネギ中毒というものがあることを知っておきましょう。
また、いくら注意していても猫がネギ類を食べてしまう可能性も捨てきれないので万が一中毒症状を起こしてしまった際の対処方法を身に付けておくことも大切です。
正しい知識を身に付け安心して猫と一緒に暮らすようにしましょう。
猫のルーズスキンとは?
猫のお腹にあるプニプニとしたたるみを「ルーズスキン」と言います。
歩いている時やゴロンと寝ている時によくわかるもので、肥満?病気?とも思いがちですが、体型や病気・年齢は関係なくあらゆる猫に見られるものです。
野良猫やトラ・ライオン・ヒョウ・チーターなどの野生のネコ科動物にも見られます。
「ルーズスキン」は和製英語で、本来の英語では原始的な袋という意味の言葉です。
ですから、原始の姿に近いベンガルやアメリカンショートヘアなどの種類はルーズスキンがより発達していると言われています。
しかし、実際に猫の特徴であるルーズスキンと肥満とを間違えてしまうのも問題です。
脂肪が多すぎることは健康的によくありません。
ここではルーズスキンの役目やたるんでいる理由、肥満や病気との見分け方などについて説明します。
ルーズスキンの役目とは?
猫のルーズスキンはどんな役割を持つのでしょうか。
いくつかの説がありますが、ネコ科の動物が自然に持つもので生き抜くためには必要であることは確かです。
子猫から大人になる頃にできるもので、年齢や性別も関係なくあらわれます。
次に考えられている理由を3つ紹介します。
①腹部を守るため
猫の腹部には心臓を始め生きるために大切な臓器が詰まっています。
それを守るためのものということが一つ目の理由です。
腹部は弱点でもあり、寝る時にお腹を中心に丸まって寝ているのは本能的に弱点を守っているからです。
猫同士のけんかや外敵に襲われた時、牙や爪が内蔵に届いてしまうと致命傷を負います。
ルーズスキンというたるみがあることで、内臓の損傷を防ぐことができるのです。
野良猫や野生で暮らすトラやライオン等のネコ科動物はテリトリー争いでのけんかや攻撃が多いため、自分の身を守る大切な機能としてルーズスキンが発達したのでしょう。
そしてそれが、ペットとして飼われる現代の猫にもつながっているわけです。
②動きをよくするため
猫はそもそも狩りをして獲物を捕まえる動物です。
瞬発力や柔軟性が高く、運動能力が発達しています。
全身が柔らかく、とても早く動けることは日常的によくわかる猫の特徴ですね。
そしてルーズスキンがあることで、猫がアクロバティックな行動をする時に皮膚が引っ張られないような構造になっているのです。
激しい動きをするためのゆとりの部分であり、さらにお腹にたるみがあることで、足の可動域を広くする役割もあります。
これもまた、チーターなどの動物の狩りを思い浮かべてもらうとわかりやすいことです。
あれほど早く、俊敏に動けないと自然界で生き抜くことができません。
そしてその体を作っていくためにルーズスキンが大切な役目を果たしているのです。
③たくさん食べるため
トラやライオンなどの野生動物は狩りが成功しないと生き抜くことができません。
毎日必ずご飯がもらえるペットの猫とは違います。
だから狩りをして得た獲物をたくさん食べておく必要があり、いわゆる「食いだめ」をしておくわけです。
つまり、たくさん食べるためにお腹の皮膚に余裕ができ、ルーズスキンができたという説です。
これは野良猫として生きる猫にも同じことが言えます。
食べられる時にたくさん食べておくことは命を守ることにつながる大切な行動です。
野生として生きていた祖先の姿を思うと、ルーズスキンは絶対に必要なものであり、大切な役目であることが納得できます。
ペットの猫もルーズスキンがあり、中には食いだめをする猫もいます。
たくさん食べて満足して寝ている姿を見ているとほっこりします。
現代のペットの場合、この理由も微笑ましいものです。
ルーズスキンができやすい猫の種類
ルーズスキンは猫の成長とともに徐々にできるものです。
年令や性別・品種に関係なく見られますが、なかでもルーズスキンになりやすい品種があります。
野生に近い品種であるベンガル・アメリカンショートヘア・ピクシーボブ・エジプシャンマウなどの種類です。
特にベンガルはベンガルヤマネコの血を引いていて、より原始的な猫の姿に近いと言われています。
これらの猫は骨格ががっしりとして、運動能力が高いです。
瞬発能力や柔軟性がある点がルーズスキンと関係しているのでしょう。
キャットショーで高評価を受ける猫はルーズスキンの大きさも重要視されており、かなり立派なルーズスキンが見られました。
肥満・病気との見分け方
猫のルーズスキンには大切な役目があり、どんな猫にも発達するものです。
肥満や病気ではありませんが、太リすぎの猫もいて違いがわかりにくい場合もあります。
健康に関係することなので見分け方を知っておくことが大切です。
お腹のチェックをしてみましょう。
①見た目
まずは、猫の体全体やお腹のプニプニしている部分をよく観察してみましょう。
くびれがなかったり、お腹周りに浮き輪のような脂肪が付いて丸く見えたりするような場合は、ルーズスキンではなく肥満の可能性が大きいです。
肥満チェックには肋骨を触って確認するのが良い方法なので、肋骨が感じられない場合は肥満だと思われます。
またメスの場合は出産後や避妊手術の影響でお腹がたるむことがあります。
肥満だった猫がダイエットをしたあとで皮膚がたるんで見えることもあります。
たるんで見える時期や理由は様々です。
一方、全身を見て肥満体型ではなく、お腹にはりがないようであればルーズスキンだと判断できるでしょう。
体重も多く、少し心配な方は健康診断を兼ねて動物病院で確認してみるのも良い方法ですね。
②触り心地
次に猫が横向きに寝ている時などにお腹を触ってみましょう。
皮だけの場合はルーズスキン、脂肪もつかめる場合は肥満の可能性があります。
触った感覚が分厚い皮だけで、柔らかく心地よいものならルーズスキンと考えられます。
一方、固く張りが感じられ、しこりがあるようならば病気の可能性もあります。
猫が触られるのを嫌がった場合も要注意です。
感染症や腫瘍などで腹水が溜まっているとお腹はパンパンに膨らみます。
また腸や泌尿器にトラブルがあると排泄がうまくいかずお腹が膨らむことがあります。
おしっこの回数が少ない、食欲がないなど何か気になる兆候があれば、獣医の診察を受けることをおすすめします。
まとめ
猫のお腹にあるルーズスキンについてその役目と肥満・病気との見分け方などを説明しました。
野生の習性が関係していることは大変興味深く、猫らしい特徴だと感じました。
腹部を守る役目や高い運動能力を保つためにも必要なものだったのですね。
また、ルーズスキンと肥満は見分けにくいものですが、現在はやや肥満傾向の猫が多いようです。
肥満や病気と見分けるためにも普段からよく愛猫を観察し、スキンシップをとることで体のチェックをしてあげてください。
猫の「ごめん寝」とは?
猫と一緒に暮らしていると、一度は見たことがある猫の寝姿「ごめん寝」。
こんな寝姿を見てしまうとただでさえかわいい猫が、さらにかわいく思えてきてしまうのではないでしょうか。
この「ごめん寝」は、「すまん寝」や「ごめん寝コ」とも呼ばれていて、猫がまるで「ごめんなさい」をしているかのように前足の間に顔をうずめたり、床に顔をつけたりして寝ている姿のことをいいます。
そこで今回は、なぜ猫が「ごめん寝」をするのか、その理由と病気の可能性について説明します。
猫がごめん寝をする理由
ではなぜ猫はごめん寝をするのでしょうか?
その理由は、大きくわけて
・座ったり伏せをした状態のまま寝てしまい、ごめん寝になってしまう
・とても眠たいときに、光が眩しくて顔を隠そうとしてごめん寝になってしまう
・眠りたいときに、周囲の音がうるさくて音を遮断しようとしてごめん寝になってしまう
などの3つの理由があります。
①そのまま眠ってしまった
猫が座ったり伏せの状態でいるときに眠くなり、そのまま寝てしまったときです。
香箱座りやスフィンクス座りをしているときで、横に倒れずに頭が前につく状態で寝るとごめん寝になってしまうのです。
ごめん寝で寝ているときは熟睡をしておらず、物音がしたり何かの気配を感じるとびっくりしたように起きます。
このことから、浅い眠りのときに座ったままで寝てしまい、ごめん寝となるのです。
②眩しい
猫は人間よりも目がよいので、蛍光灯のちらつきが気になってしまい落ち着いていられなくなってしまうが、眠すぎて別の場所に行けなかったり、飼い主と一緒に居たいなどの理由で、明るい場所でしか眠れないのかもしれません。
しかし蛍光灯の光は眩しくて猫にとっては落ち着いていられないのですが、室内飼いとかでその場所でないと寝られなかったり、暖かい部屋の照明が蛍光灯だったりとした場合でもその場所で猫は眠るしかないのです。
そのように、寝たいが照明が明るすぎるので、目に光が入らないように顔を前足にうずめたり、目を隠したりしてごめん寝をするのです。
③うるさい
猫はとても聴覚に優れており、人間の4倍以上の能力があると言われています。
これは獲物の鳴き声や移動する音を聞き取るためです。また猫は寝ている間もずっと聴覚は働いています。
これはノンレム睡眠が極端に短いのと同じ理由なのです。
また、猫の耳は顔の前方を向いており、パラボラアンテナのように広範囲の音を集めることができるのです。
そんな時にごめん寝をすると、耳が下を向くので音が遮断しやすくなるのです。
もし猫がごめん寝をしていたらそれは「うるさくて眠れないよ」の合図なのかもしれないですね。
猫のごめん寝は注意も必要?
顔を床に押し付けるような体勢で寝ている姿をみると「息ができているのかな?」と不安になるかもしれませんが、息が出来なくなるほど強く顔を押し付けているわけではないので、あまり苦しいというわけではありません。
苦しければ自分で体勢を変えるので心配しなくても大丈夫です。
けれどごめん寝をしていて注意が必要な場合もあります。
①ストレスを感じているかも
可愛いと感じるごめん寝だが、猫は寝づらいとストレスを感じている可能性があります。
一日14時間も寝ている猫にとっていつまでも明るいと睡眠の質がよくないということになります。
人間でも明るいまま寝たら疲れがとれなかったり、眠った気がしないのと同じなのです。
もし猫がごめん寝をしていたら
・ブランケットやタオルをかけてあげる
・部屋の光量を落としてあげる
・静かにしてあげる
・夜になったら暗くなるようなスペースを作ってあげる
・蛍光灯をLEDや白熱灯に変えてあげる
など、猫にとって快適な眠りができるようにしてあげましょう。
②病気の可能性も?
ごめん寝に似ている姿勢で「ヘッドプレッシング」というものがあり、猫がなんの理由もなく長時間壁に頭を押し付ける行動には、様々な病気の可能性があります。
「ヘッドプレッシング」だった場合、
・同じところを行ったり来たりする
・円を描くように歩く
・床に顔を擦り付ける
・反射神経が鈍い
・部屋の端でじっとして動かない
・壁をずっと見つめている
などの異常行動をとることもありますので、注意して観察しましょう。
いつもと違うなと思ったら迷わずに動物病院を受診しましょう
まとめ
猫のごめん寝は見ていても可愛いです。
ほとんどが健康状態に悪影響があるわけでもありません。
もしかしたら寝る環境に不満があるのかもしれません。
しかし、一刻を争う病気のサインかもしれないです。
猫がごめん寝をしているのを見かけたら、なぜしているのかよく観察をするといいですね。