猫の点滴の必要性とは?静脈点滴と皮下点滴の違い、自宅でのやり方など
2022/03/25
目次
猫の点滴の必要性とは?
猫の点滴の必要性について必要ないと考える人もいるのではないでしょうか。
しかし、猫の体調が優れないときや病気の時などには点滴をする必要性があります。
次に、猫に点滴をする必要性についてより詳しく紹介するので参考にしてください。
点滴が必要な状況
猫に点滴が必要な状況は口から食べ物を摂取することができない場合や特定の栄養素が不足しているときなどです。
病気や年齢によって靴から食事をすることが困難になってしまうこともあり、点滴から栄養を摂取することが必要となります。
栄養をしっかり取らなければ病気がなかなか回復することができなかったり、高齢の場合は余計に体力が低下してしまう原因にもなります。
また、栄養の他にも水分が不足している場合にも点滴から摂取する必要性があります。
猫は腎臓疾患で点滴することが多い
猫は高齢になると腎臓の働きが低下してしまう傾向があり、慢性腎臓病になる可能性が高いです。
腎臓は水分を再吸収したり、老廃物を尿として排出することができにくくなってしまいます。
尿毒症になってしまうと尿の回数や量が多くなり、最悪脱水症状になってしまうこともあります。
そのような状態になる前に点滴から水分を補給しなければなりません。
口からも水分を補給することもできますが、猫は元々水を飲まない動物でもあるため、口だけからの補給では限界があり、不足している部分を点滴から補給する必要性が高くなります。
猫の静脈点滴と皮下点滴の違い
猫に点滴をする際には静脈点滴と皮下点滴に分けることができます。
同じ点滴でも方法が異なることでやり方や効果などにも違いがあらわれます。
次に、静脈点滴と皮下点滴の違いを紹介します。
猫に点滴する必要性があり、動物病院の先生から説明を受けた際に理解できるようにそれぞれの違いを把握しておきましょう。
静脈点滴とは?
静脈点滴は静脈から直接点滴の液体を血管に注入する方法です。
静脈点滴がされる場合は重篤の場合や緊急性が高い場合に選択される場合が多く、前足の静脈に点滴されることが多いです。
静脈点滴にはメリットだけではなく、デメリットもあります。
メリットだけではなくデメリットも把握することでどちらがよいのか知ることができ、程度理解することも可能になります。
次に、静脈点滴のメリットとデメリットを紹介します。
● 静脈点滴のメリット
水分を補給させる効果が高く、同時に薬剤も血管に入れることができ、それぞれの効果も早期に得ることができます。
点滴の薬の効果が水分補給の効果が非常に高く、口から薬や水を摂取した場合よりも効果は早くあらわれます。
そのため、一刻を争うような状況な時に選択されることが一般的です。
緊急時に選択されることが多い点滴方法でもあるため、病院などで静脈点滴をされているのであれば最悪命に関わる状況だと覚悟しておく必要もあります。
● 静脈点滴のデメリット
静脈点滴は心臓に負担がかかってしまうデメリットがあります。
そのため、少しでも心臓への負担を軽減するために少量ずつ点滴する必要があり、どうしてもすべての薬剤を点滴するまでに時間がかかってしまいます。
猫の状況にもよりますが、静脈点滴された場合は入院する傾向が強くなります。
また、静脈点滴は静脈を確認しなければならず、完全に医療行為となるため、動物病院でしか受けることができない点滴方法でもあります。
そのほかにも体内に点滴する量なども素人では把握することができなかったり、必要な器具なども多いです。
点滴している最中に猫は安静にしていないといけないため、活発な猫ほどストレスを感じてしまうなどのデメリットもあります。
皮下点滴とは?
皮下点滴とは皮膚と筋肉の間にある皮下に点滴の液を浸透させる点滴のことです。
点滴の液は毛細血管からゆっくり体内に届く特徴があります。
皮下点滴は心臓に負担をかけてしまうこともないため、子猫でも高齢の猫でも負担なく点滴をすることができます。
しかし、皮下点滴と静脈点滴では用途が違う場合もあるため、動物病院の先生の元で選ばれることが多いです。
次に、皮下点滴のメリットとデメリットを紹介するので、参考にしてください。
● 皮下点滴のメリット
皮下点滴のメリットは短時間で点滴を終えることができることです。
静脈点滴の場合は数時間必要となる場合も多いですが、その点皮下点滴は待たされることもありません。
また、静脈点滴の場合は医療行為でもあり、資格や知識がなくてはできませんが比較的簡単に点滴することができ、自宅でも点滴を終わらせることもできます。
猫の調子やペースで吸収されるので猫への負担も少ないこともメリットです。
自宅でもできることは飼い主にとっておすすめの点滴であり、通院や入院する必要もなくなります。
● 皮下点滴のデメリット
皮下点滴のデメリットは投与できる薬剤が限られてしまうことです。
また、毛細血管を通して吸収されるので水分補給をすることができにくいというデメリットがあります。
そのため、脱水症状などを回復させるためであれば皮下点滴は効果がなく、静脈点滴の方が効果があらわれやすいです。
吸収されるスピードがゆっくりでもあるため、その分効果があらわれるまで時間がかかってしまうので、緊急性が求められる際にも不向きな点滴方法と言えます。
猫に自宅で点滴を投与する方法
猫に自宅で点滴を投与する方法があることを知っているでしょうか。
すぐに点滴をすれば回復することができるのであれば自宅で点滴する必要性もありませんが、長期間点滴で治療する必要がある場合や慢性的に点滴する必要がある場合には自宅での点滴は必須となります。
次に、自宅で点滴する方法を紹介します。
ステップ①:投与場所と手を清潔にする
猫に点滴する際には投与する場所と手を清潔にしなければなりません。
投与する場所や手が汚れていると細菌などがついている場合も考えられるので、点滴した際に細菌などが侵入してしまう可能性もあり、違う感染症を起こしてしまうリスクがあります。
そうならないためにも点滴する場所と手は清潔にしておきましょう。
また、点滴する際に固定する場所が必要になり、同じく清潔にしておくようにしましょう。
事前に準備しておくことで焦らず点滴を投与することができます。
ステップ②:針を刺す
次に、針を刺しますが、針とさす場所をアルコール綿で消毒するようにしましょう。
針を刺す場所から数㎝手前の皮膚をつまみます。猫の皮膚は意外と固いので力を入れてなければ刺さなければ刺さりません。
皮膚に向かって45°の角度で針を刺すことで刺さりやすくなります。
針を刺すことができればあとは点滴が終わるまで猫がリラックスできるように話しかけたり、撫でてあげるようにしましょう。
慣れるまでは暴れたりストレスを感じてしまいやすいですが、回数をこなせば点滴をする飼い主だけではなく、猫も慣れるので次第に暴れる具合が少なくなります。
ステップ③:針を引き抜く
点滴の液ががなくなれば終了で、針を抜かなければなりません。
しかし、そのまま抜いてしまうと液漏れしてしまう原因となり、せっかく投与された薬剤が吸収される前に出てしまいます。
液漏れしないためにも針を抜く際にも皮膚を軽く摘まみ上げるようにしましょう。
そのほかにも針を抜いた際に刺した部分を手で押さえることでも液漏れを防ぐことができます。
皮下点滴した場合は背中などボコボコになってしまいますが、それだけ適切に薬剤を投与できている証拠であり、次第に毛細血管から吸収され、無くなるので心配いりません。
まとめ
猫が病気になってしまったり、体調不良になると点滴をしなければならなくなります。
点滴は皮下点滴と静脈点滴の2つに分けることができ、それぞれデメリットとデメリットがあります。
点滴の方法を動物病院の先生が決めてくれるため、飼い主は基本的に点滴方法を選ぶことができません。
皮下点滴であればやり方さえ身に付ければ自宅で行うことができ、飼い主でも可能になります。
点滴をすることで猫の体調や病気を回復することもできるため、高齢になればなるほど点滴する機会は増えてきます。
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