【要注意!】危険な病気の可能性も?犬の座り方の種類と対処法をご紹介

2021/12/22

目次

犬の座り方の種類

犬がいつもと違う座り方をしているなと思ったら、注意して観察することが大切です。

実は病気や怪我により座り方が変わることがあるからです。

危険な座り方として次の3つを紹介しますので、その危険度や隠れた病気や怪我に気づいてあげましょう。

座り方①:親父座り(あぐらをかく)

親父座りとは、後ろ足を前に投げ出すように伸ばして座る、あぐらをかいたような座り方です。

体勢を崩してだらんとしているように見え、リラックスしているのかなと思えるときもあります。

フレンチブルドッグがよくっする座り方で、「フレブル座り」と呼ばれたりもしています。

ユニークで可愛らしい座り方でもありますが、しっかりと座ることが多かった犬が、体勢を崩しながら座る回数が増えた場合は、関節周りに怪我や病気をしている可能性が高いです。

激しい運動のあとで親父座りをするようになった場合は、靭帯を傷つけた可能性があります。

座り方②:お姉さん座り(横座り)

2つ目はお姉さん座り(横すわり)です。後ろ足で体を支え行儀よく座るのが基本の姿勢ですが、姿勢を崩して片方の足を横に流したくつろぐような座り方です。

子犬は関節が柔らかく座り方がふにゃふにゃしたように見えます。

「おすわり」の練習をしてきちんとした足の位置を教えるようにしていくと直っていきます。

時々こんなふうに座り、くつろぐ足を変えて向きが変わるのであれば、その犬の癖かもしれません。

でも、向きを変えない場合は何らかの異常か病気の可能性もあります。

またお姉さん座り以外にも腰を振って歩くなど歩き方が気になる時はすぐに病院で診てもらってください。

座り方③:座っても即座に立ち上がる

「おすわり」と声をかけてもさっと座らずゆっくりと腰を下ろしたり、座ってもすぐに立ち上がってしまう際は、お尻周りや肛門に何か病気があるのかもしれません。

肛門周りに炎症を起こす病気を発症している可能性があります。

また脱臼した際には犬は座るのを嫌がってすぐに立ち上がろうとすることがあります。

今までと違い、そのような行動が見られた時には、病院で相談してみましょう。

犬の座り方がおかしい時の対処法

犬の座り方がいつもと違い、先述のようなおかしな座り方をしている場合、関節や骨に問題があったり病気が隠されていることがあります。

ただし、飼い主が適切に対処することで改善する可能性もあります。

まずはその点を見直してみましょう。

激しい運動はさせない

骨や関節に異常がある場合は、ドッグランで自由に遊ばせたり、走らせるなどの激しい運動は控えましょう。

脱臼や靭帯断裂などの病気は普段の生活で関節に負担をかけていることが原因となる場合があります。

犬は楽しいと痛みや疲れを忘れて遊んでしまうところがあるので、飼い主の制御が必要です。

初期の段階、または関節等に異常はなくても、ある程度運動をしたら休憩を取り無理をさせないこと、運動をセーブすることも大切です。

特に6ヶ月までの子犬は関節や骨の形成途上なので、ボール投げなど激しい運動を控えたほうが良いでしょう。

肥満の場合は適正体重まで減量させる

肥満状態だと関節炎を起こしやすく、重い身体が関節に大きな負荷をかけます。

関節炎になるととても痛いので動くのを嫌がるようになります。

運動量が減って体重が増えるという悪循環になる場合が多いです。

なので、少しでも痩せている内に運動させたいものです。

ただし、突然運動量を増やすと、それもまた関節に負担となりますので、まずは食事やおやつの量が適切かどうかという点から見直しましょう。

水泳や水中ウォーキングは関節への負担が少なくおすすめの運動です。

足が滑らない床材を使う

室内犬の場合、フローリングの床で飼われている人は多いと思います。

犬がはしゃいだ時やソファから飛び降りた時などに足を滑らせていませんか?

足が滑ってしまうと関節に大きな負担がかかるため、コルク板やカーペットを敷いて滑りを防止しましょう。

滑りにくい素材のものは種類豊富に販売されています。

家の中ではむやみに走らせない、高いところから飛び降りないなど生活面での注意も必要です。

また足裏の毛が伸びすぎていると滑る原因になりますので、チェックをしてあげましょう。

犬の座り方がおかしい時に考えられる怪我や病気

きちんとお座りできていた犬が横座りなどおかしな座り方になったり、子犬の時からずっと正しい姿勢で座れないような場合は怪我や病気のサインかもしれません。

歩き方にも変化が見られた時はすぐに病院で診察を受けましょう。

次に考えられる病気や怪我を説明します。

膝蓋骨脱臼(パテラ)

膝のお皿が脱臼して外れる病気で特に小型犬への発症率が高いです。

膝の前にあるお皿のような形の骨(膝蓋骨)が正常な位置から内側または外側にずれてしまう病気です。

症状が進むと日常生活でもちょっとしたことで脱臼してしまい、膝を曲げられず足を引くずるような歩き方をします。

さらに進むと骨の変形が現れます。

サプリメントやレーザー治療をすることもありますが、重い症状になると手術が必要となります。

前十字靭帯断裂

膝の前十字靭帯断裂は、肥満の犬(大型犬など)の膝関節に負荷が与えられた際に生じる怪我・病気です。

前十字靭帯を損傷すると、足が非常に痛くひきずったり、足を上げてケンケンで歩いたりします。

発症予防には肥満予防とジャンプなど足に負担がかかる動作をあまりさせないようにすることです。

人間でもアスリートが発症することが多く、激しい運動による負荷が原因で起きています。

飼い主がコントロールするように努めましょう。

関節リウマチ

関節に痛みや腫れ、こわばりなどが起きます。

また、食欲の低下や発熱も多く見られます。

原因がよくわかっていませんが、免疫機能の異常によって起こる関節炎です。

若い犬でもかかり、チワワ・ミニチュアダックス・シェルティなどの小型犬には起こりやすい傾向があります。

薬と食事療法でコントロールする治療が一般的ですが、具体的な予防策はないので適切な健康診断を受けることをおすすめします。

股関節形成不全(股関節形成異常)

レトリバーやシェパードなど、大型犬が遺伝的な要因でよく発症する病気です。

骨盤の左右にあるくぼみに大腿骨の端の部分がきれいにはまっているのが正常ですが、関節周りの骨が変形しうまくかみ合わず痛みを生じます。

足の痛みで、散歩を嫌がったり腰を振って歩くモンロー・ウォークをすることもあります。

歩き方が気になる場合は、骨の形成が完成する1歳から2歳の間にレントゲン検査を受けてみましょう。

肥満は大きな環境要因となり関節の形成に大きな影響を与えるので注意が必要です。

骨折の可能性もあり

犬は骨折しても痛がらない場合があるので、気づかれないケースもあります。

大きな事故はもちろん、抱いていて飛び降りた時、ドアで足やしっぽを挟んだ時、床で滑った時、骨粗鬆症でもろくなっている時にも骨折しやすいです。

特に小型犬や足の細い犬は少しの力でも骨折する場合があります。

人間が骨折した場合は治るまで安静にすることができますが、犬の場合自分の意志で安静にできません。

骨折の程度や犬の年齢などによっても異なりますが、治療期間や方法など気長に完治まで付き合うことが必要です。

まとめ

犬には座り方の癖があり、リラックスしている時にお姉さん座りをしていることも時々見られます。

しかし中には危険な座り方があり、怪我・病気のサインかもしれません。

関節や骨の異常は犬にとっても痛みがあり辛いものですので、環境を整えていくこととサインを見逃さずに病院での診察を受けるようにしましょう。

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