【解説】愛犬が泣くのはどうして?病気のサインなの?

2020/07/13

目次

愛犬が泣くのはどうして?


犬は「鳴く」とは言いますが、「泣く」とはあまり表現されません。

しかし、犬も「泣く」ことがあります。

人間のように感情がたかぶって涙を流すというわけではありませんが、目の異常や保護のために泣くことがあるのです。

愛犬が涙を流すようなことがあったら、目の観察をしてみてあげてくださいね。

次の項目から、犬が泣くときにどんなことが考えられるかを見ていきましょう。

病気のサインで泣く

頻繁に犬が泣く時は、「結膜炎」や「角膜炎」など、目の炎症を起こしている可能性があります。

まつ毛が目に刺さる「逆さまつ毛」が原因で泣くこともあります。

結膜炎:目に何らかの刺激(花粉、細菌、ウィルス、目の周りの毛など)がを受けることで、結膜に炎症が起こります。

涙で目ヤニも増え、目の周りにも赤みが出ます。

目を気にして掻いてしまうことで悪化すると、角膜炎に進行してしまうこともあるため、注意が必要です。

角膜炎:結膜炎の他に、緑内障から進行して起こることもある病気です。

犬の黒目を覆う角膜に炎症が起こります。

また、結膜炎と同様に、外部からの刺激によっても発症します。

目ヤニや涙が大量に出て、痛みも伴います。

悪化すると角膜が白濁したり、潰瘍となったりするので、早急に治療が必要です。

逆さまつ毛:まつ毛が目に向かって伸びることで、角膜などに突き刺さります。

そこから細菌感染や物理的な刺激により、涙や目ヤニが増加します。

痛み、痒みにより目の周りが赤くなる、またはけいれんなどが起こることもあります。

刺さったまつ毛によって角膜に穴が開いたり、結膜炎、角膜炎の原因になることもあります。

目の健康のために泣く

犬にとっての涙は、目の健康を守るために発生する生理現象です。

例えば散歩中などに異物やゴミが目に入ると、それを目から排出させるために涙を流します。

悲しいことがあった人間のように、ボロボロと涙がこぼれ落ちるようになることもあります。

放っておくと涙の跡が涙焼けになり、ただれて炎症が広がるおそれがあります。

柔らかい布やコットンなどで、涙はすぐに拭き取るようにしましょう。

また、この時に目に異物がないかも必ず確認してください。

もし取り出しにくい場所に異物があった場合は、無理に取ろうとすることで逆に犬の目を傷つけてしまうことになりかねませんので、獣医さんに診てもらうようにすることをおすすめします。

犬が泣くのは悲しいから?


犬が涙を流すと悲しげに見えてしまいますが、実際には犬の感情と涙には、人間のような関係性はないと言われています。

先にお話しした病気や異物が原因だと考えられています。

でも犬にも「悲しい」という気持ちは存在します。

犬が悲しみを感じた時、どのような行動や表情を見せるのでしょうか。

様々な事例もご紹介します。

犬は悲しみでは泣かない

犬の悲しみが涙で表現されるわけではないことは、もうお分かりいただけたと思います。

では、悲しい気持ちになった時、犬はどのような行動を見せるのでしょうか。

例えば、大好きな飼い主さんと離れ離れになってしまうような時に、犬は悲しそうな表情でクンクンと鼻鳴きしたり、大好きなおやつもフードも全く食べなくなってしまったりすることがあります。

お気に入りのおもちゃで遊ぶこともやめてしまい、自分のベッドや、飼い主さんが出て行った玄関で丸まって動かなくなる犬もいます。

犬が悲しいという気持ちを抱いた時は、全ての興味を絶たれて元気がなくなり、シュンとしてしまうことが多くなるようです。

墓の上で泣く犬の不思議

海外の動画で、亡くなったおばあちゃんのお墓に寄り添うように横たわって、しきりにしゃくりあげるような犬の姿がありました。

その犬は、大好きなおばあちゃんがその墓石の下に埋められてしまったことを理解していたのでしょう。

犬は「死ぬ」ということを理解していないと言われています。

だからこの犬も、大好きなおばあちゃんが死んでしまったとは思っていないかもしれません。

でも、おばあちゃんが「会えないところに行ってしまった」ことを知り、悲しんでいるように見えます。

犬にとっては、死んだかどうかが問題なのではなく、「目の前から姿を消してしまった」という事実が悲しみなのではないかと思います。

人間と犬が、単なる飼い主とペットという関係を超えたパートナーであることを、改めて感じた動画でした。

犬が悲しい感情を抱く時

犬が悲しいと感じる時、その理由の一番に挙げられるのは、やはり家族や親しい犬友達など、大好きな誰かと離れ離れになる時ではないでしょうか。

帰ってくるのがわかっているはずなのに、飼い主さんが買い物やゴミ捨てに出ようとしただけで、犬は「行っちゃうの?」と悲しげな視線を投げかけてきたりします。

また、引っ越しなどで仲の良い犬友達が家族と一緒に挨拶に来た時にも、いつもと違う空気を感じて「お別れ」を理解し、悲しむことがあります。

人間の言葉が理解できなくても、「会えなくなる」という事実を、犬は感じられるようです。

それとは違い、飼い主さんに怒られた時にも、悲しい気持ちになる犬もいます。

犬にとっては遊びの一つで、きっと飼い主さんも喜んでくれると思ってやったのに、なぜか激怒されてしまった。

楽しみたかったのに怒られて無視されてしまったら、犬はとても悲しくなるでしょう。

でも、良い事と悪い事はしっかり教えなくてはなりません。

この場合の悲しみは、犬の大切な勉強です。

まとめ


犬が涙を流す時、それは悲しみの表現ではなく、目の異常や違和感を知らせるサインです。

見逃さないように注意し、適切なケアと通院を心掛けていただきたいと思います。

でも、犬が誰かとの別れなどで丸まってシュンとしていたら、それは悲しい気持ちを抱えている時かもしれません。

どうかそんな時は、優しく寄り添って、犬の悲しみを和らげてあげてくださいね。

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