犬の定番トリックや可愛い・面白い芸15選とその教え方【動画で解説】

2020/02/14

目次

トリックとは?


みなさんは飼っているワンちゃんにトリックを教えたことはありますか?トリックにはお手や伏せなどの定番のものから、難易度の高いハイタッチやフェイスなどの芸まで様々なものがあります。トリックが出来ると楽しいだけでなく、ワンちゃんが興奮した時に何かの命令を与えることで興奮を冷ますこともできるんです!教えるのが難しそう…と思うかもしれませんが、一見難しいトリックも実は簡単なトリックの組み合わせで出来ているんです。今回は簡単なものから、やや難しいものまで、様々なトリックの教え方をご紹介いたします。

犬への芸の教え方!お手やお座りなど定番5選


それでは犬にトリックを教える方法を具体的に見ていきましょう。
・お座り
1.掌におやつなどを隠して犬の目の前に持っていき、においをかがせる。
2.犬が手に注意を向けたら手を上に持ち上げます。犬は顔をグッと上げることになるので、お尻が自然と落ちます。
3.お尻が地面についた瞬間に「よし」「グッド」などの褒め言葉とともにおやつをあげる。
4.この動作を繰り返すと犬は座るとおやつがもらえることを学習します。
5.動作がスムーズになったら犬がお尻を落とす直前に「お座り」と指示を出します。座ったタイミングで褒め言葉とともにおやつを与えましょう。
6.慣れてきたら「お座り」の指示語とともに、ハンドサインも教えましょう。指を立てる、手のひらを地面に向けるなどお好きなサインと組み合わせてください。

・伏せ
1.まずはお座りの姿勢を取らせます。
2.おやつを鼻先に持っていき、そのまま手を下に下げます。
3.すると犬の鼻先は下に下がります。お腹が完全に床についたら誉め言葉とともにおやつをあげます。
4.犬が伏せの姿勢を取ったらおやつがもらえることを学習したら、伏せの動作の直前に「伏せ」と指示を出します。お腹が床についたタイミングで誉め言葉とともにおやつを与えましょう。
5.指示語と動作がリンクしたらハンドサインとともに指示語を出します。指示語のみ、ハンドサインのみで伏せができるようになれば完璧です。

・待て
1.このコマンドの前にお座りか伏せをできるようにしておきます。
2.お座りか伏せをさせた後に「待て」と命令を出します。ここではハンドサインも出して結構です。
3.はじめは2~3秒ジッと出来たら「よし」などと声をかけておやつを与えます。これができるようになったら10秒、20秒と少しづつ時間を延ばしていきます。
4.1分ほどジッとすることができるようになったら、犬の周りを歩いてみたり、犬から2mほど離れてみましょう。飼い主さんが気になるような動作をしても動かなければ成功です。散歩中にほかの犬と会った時などにお座りの後、命令を出すのも良いです。大事なことは、どんな環境でも飼い主さんが命令を出したら、解除の言葉をかけるまでジッとすることができるようになることです。

・おいで
1.はじめはこちらに注意が向いている犬におやつを見せながら「おいで」と声を掛けます。
2.足元に来たら「よし」などとほめながらおやつを与えます。
3.できるようになったら、おもちゃで遊んでいる時や興奮している時などを狙って「おいで」と声をかけていきます。
4.注意点は「おいで」と呼んでから犬を叱ったりしないことです。呼ばれた後に怒られた記憶が刷り込まれると、犬は「また怒られんじゃないか」と思い命令を聞いてくれなくなる可能性があります。
5.家の中でできるようになったら、ドッグランなどで練習しましょう。前述の待てと組み合わせて、10mぐらい離れたところから「おいで」と命令して、足元に来てくれるようになれば良いでしょう。

・お手
1.掌におやつなどを隠して犬の目の前に持っていき、においをかがせる。
2.犬がおやつに気が付いたら触りやすいように犬の足のやや近くまで手を下げます。
3.犬が前足で手に触れた瞬間「よし」などと声をかけて、手を開けておやつを上げましょう。この繰り返しで犬が「ご主人の手に触るといいことがある」と教えこみます。
4.慣れてきたら犬が手に触る直前に「お手」と声をかけるようにします。ここで「お手」という命令と「手に触る」という行動をリンクさせます。
5.最終的におやつを持たずに「お手」と声をかけるだけで、手に前足を置くようになったら完成です。

犬への芸の教え方!
ゴロンやちょうだいなど可愛い&面白い芸5選


・ゴロン
1.床の上をコロンと一回転するトリックです。まずは伏せの姿勢を取らせます
2.おやつを手に持ち犬の鼻先から首の後ろに持っていき、犬が後ろを振り返るような姿勢になるように誘導します。
3.こうすると犬は踏ん張れなくなって自然に背中が地面につく姿勢になります。背中が付いたら誉め言葉とともにおやつをあげましょう。
4.ここまでできるようになったら、「ゴロン」などの指示語とともに寝転がった犬をさらに一回転するように誘導します。一連の流れを繰り返し練習しましょう。

・ちょうだい
1.後ろ足で座って前足を上げるトリックです。まずはお座りの姿勢を取らせます
2.お座りの姿勢の犬の鼻先におやつを持っていき、徐々に上に上げていきます。
3.おやつにつられて犬が前足を上げて、お尻を地面につけたらおやつを上げます。
4.この姿勢が取れるようになってきたら、「ちょうだい」の指示語とともに動作を行えるまで練習しましょう。注意点として、このトリックはダックスやコーギーなどの胴長の犬だと、腰に負担がかかるのであまり教えない方が良いでしょう。

・おじぎ
1.後ろ脚は立った状態で、前足だけたたむポーズです。まずは犬が立った姿勢からスタートします。
2.犬の鼻先におやつを持っていき、注意を惹いたらおやつを犬の胸の方に少し持っていきます。
3.犬がおやつにつられて少し前足を曲げたら誉め言葉とともにおやつを与えます。
4.ここまでの動きができるようになったら「おじぎ」の指示語とともにおやつを地面に向けて動かします。伏せてしまう場合は犬からおやつを離し過ぎないようにしましょう。できないうちはお尻が落ちないように手で支えてあげても構いません。

・スピン
1.おまわりとも呼ばれますね。まずは犬が立った姿勢からスタートします。
2.犬の鼻先におやつを持っていき、注意を惹いたらおやつを使って犬を誘導し、一回転させます。
3.一周回ったところで誉め言葉とともにおやつを与えます。
4.できるようになったら「スピン」の指示語とともに繰り返し練習をします。

・あご
1.犬があごを掌にちょこんと乗せる可愛いトリックです。まずはおやつを自分の手首の上に置きます。
2.そのまま「あご」の指示語とともに、掌を犬の目の前に出します。
3.犬が掌に顔を少しでも触れたら誉め言葉とともにおやつを与えます。
4.慣れてきたら犬が、手のひらにあごを乗せた状態で少し待たせてからご褒美を与えるようにして完成形を教えていくと良いでしょう。

これができたら凄い!ハイタッチやバイバイなど上級編5選


・ハイタッチ
1.お手を教えた時と同じようにおやつを握り、犬が触りやすいように手の近くに持っていきます。
2.犬が手に触れたら誉め言葉とともにおやつを与えます。
3.犬が自分の頭より高く前足を上げられるようになったら「ハイタッチ」の指示語とともに手に触れさせるようにしましょう。
4.最終的に、おやつを持たない手に触れるようになったら完成です。

・バイバイ
1.目の前で片方の前足を上げるトリックです。ハイタッチを覚えていれば簡単に教えられます。ハイタッチの姿勢で犬が手を上げる直前に「バイバイ」と指示語を出し、手が上がったところで誉めながらおやつを与えます。
2.最終的に「バイバイ」の指示語で手を上げて空を掻くような動きができれば完成です。ハイタッチを教えていない場合は、おやつを使って手を誘導させながら教える方法になります。

・バーン!
1.バーン!の合図で犬が死んだふりを行うトリックです。まずは伏せの状態からスタートします。
2.伏せの状態から餌を使って犬の首を後ろに誘導します。「ゴロン」の時と同じ誘導方法です。
3.犬の背中が床につく直前に「バーン!」という指示語を与え、覚えさせます。背中が床についたら誉め言葉とともにおやつを与えます。
4.犬が横たわるようになったら、2秒、3秒と餌を与える時間を延ばしていきます。「よし」の言葉を合図に動いてもいいということをこの段階で教えます。
5.一連の流れができるようになったらピストルの形にしたハンドサインと「バーン!」の指示語で横たわるようになるまで練習しましょう。

・フェイス
1.片方の前足で顔を隠すポーズを取るトリックです。まずはお座りの姿勢からスタートします。
2.まずは犬の前足を持って、鼻の上に前足をかけて、「フェイス」の指示語とともに反対側の手でご褒美を上げます。
3.この動作を繰り返し、しばらくしたら「フェイス」の指示語で「前足で鼻先に触る」ようになっているか確認します。顔に手を持ってくる癖がある犬はその癖を利用しましょう。
4.「フェイス」の指示語で前足を鼻に持ってきたら誉め言葉とともにおやつを与えます。
5.4の動作ができるようになったら、その姿勢を取っている時間を2秒、3秒と伸ばしていきます。

・スラローム
1.飼い主さんの歩く足の間を犬がジグザグに通り抜けるトリックです。まずは飼い主さんの横にお座りをさせます。
2.一歩踏み出してから足の間を通るように、おやつをつかって誘導します。
3.さらに一歩踏み出し、今度は反対側に誘導。できたら誉め言葉とともにおやつを与えます。
4.これを繰り返して距離を伸ばしていきます。「ワンツー」「ビトウィーン」などの指示語と、「足の間に手を出す」などのハンドサインも同時に教えていきましょう。

トリックを教えるときに絶対NGな3つのこと


ここまではトリックの具体的な教え方を解説してきました。ここからはトリックを教えるときにやってはいけない教え方を解説していきましょう。

①無理やり教えず、楽しく教える!

1960年代以前は犬のトレーニングといえば、間違った行動に対して罰を与える方法が殆どでした。今では殆どの国で犬に罰を与えることは虐待として認識されています。現在犬のトレーニング方法の主流はオペラント条件付けという理論に基づいて考えられています。人間にとって望ましいことをしたときに褒めてその行動を強化する方法です。優秀なトレーナーの中には軽いショック(リードを引っ張ったり、大きな音を出したり)を効果的に使うトレーナーも存在するのですが、我々素人がその方法を使うと犬が怯えてしまったり犬によっては飼い主さんに攻撃的な反応を示す場合もあり、リスクが大きい教え方になっています。殆どの場合は、ある行動を誉めて強化することが良い結果につながりますので、楽しく誉めながら教えましょう!

②犬が飽きる前に辞めること!

犬の集中力が持続するのは大体10~15分と言われています。犬の集中力が切れた状態でのトレーニングは失敗が増えるため、犬もなかなかおやつをもらえずストレスを感じることでしょう。一日に詰め込んでトレーニングするのではなく、毎日少しづつ教えるのが理想です。ご褒美におやつを与える教え方は肥満の恐れもあるので、餌の前に晩御飯の中から少しをご褒美の分として必ずトリックのトレーニングを行ったりすると、もともと与えるごはんの分しか食べないことになるので肥満も避けることができておススメです。

③タイミングよく褒めてステップアップ!

犬が褒められたことにより行動を強化するためには、トリックが成功してからすかさず「よし!」「グッド!」など掛け声をかけることが必要です。理論的には0.5~1秒以内に褒めることが「これをすれば褒められるんだ」と犬が理解できる時間と言われています。そして褒める言葉は統一することです。「よし!」「お利巧!」「いい子!」など、褒める度に言葉がコロコロ変わっていては犬も混乱してしまいます。指示語、誉め言葉は統一、タイミングは一秒以内を心がけましょう。

最後に

いかがだったでしょうか?本日紹介した方法で明日からトレーニングを行えば、飲み込みの早いワンちゃんなら1か月以内にすべてのトリックをマスターできるでしょう。もしできなくても「うちの犬は頭が悪い」というわけではありません。野生に近い犬は、人間との共同作業は苦手でも自分の力で問題を解決する能力は優れているという研究結果があります。トリックはあくまで、飼い主さんとワンちゃんとの良好なコミニュケーションを育むツールなのです。上手に活用して、よい信頼関係を築いてくださいね。

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