【徹底解説!】警察犬とは?なれる犬種・仕事内容など

2022/02/08

目次

警察犬とは?

警察犬とは、人間より圧倒的に優れた嗅覚を訓練し、足跡追跡能力や臭気選別能力を警察の捜査活動に利用するものです。

主な仕事は、人の残した臭いを元に犯人や犯人の遺留品、行方不明者を捜索する足跡追及活動、犯人の遺留物と容疑者の臭いをかぎ分けて調べる臭気選別活動、迷子や行方不明者、遺留品などを捜索する捜索活動などがあります。

警察犬になれる犬種とは?

警察犬には直轄警察犬と嘱託警察犬に分けられており、警察犬として公益社団法人日本警察犬協会が公式に定めている犬種は7種となっています。

ボクサー

ドイツで作出された比較的新しい犬種で、作業意欲が旺盛、忍耐が強く忠実、勇敢という特性を持っています。

軍用犬や警察犬、イノシシ狩り犬として盛んに用いられてきましたが、知力・体力ともに優れていることから現在では警察犬として認定されています。

毛色はフォーンとブリンドルの2種で、白斑は体表の3分の1を超えてはいけないと言われています。

頭部の白斑は左右対称が望まれ、顔面のブラックマスクは必須とされています。

スクエアな体躯構成と強健な骨格を持つことが要求されることが多いようですね。

エアデールテリア

19世気後半に作出され、主にカワウソ猟に用いられてきた比較的新しいテリアで、イギリスで初めて警察犬として採用された犬種です。

家庭用として理想的な資質を持っていますが、忍耐強く温順で聡明な判断力を持つ気品があると言われています。

テリア犬種の持つ威厳とハウンドゆずりの優しさを兼ね備えた犬で、きわめて従順。

子供に対しては年齢相応に良き遊び相手となるでしょう。

強壮な体質の犬種として知られ、特にジステンパーに対する抵抗力が強いとのことです。

ドーベルマン

20世紀になってドイツで作出された新しい犬種で、感覚が鋭敏、大胆で従順、嗅覚に優れているため番犬や伴侶犬として使われています。

筋肉質な体格とシュッとしたいでたちから、「警察犬と言えばドーベルマン」と言われるほど警察犬の中でも代表的な犬種と言えるでしょう。

知的で落ち着いた性格から訓練時のパフォーマンスも高いとされています。

コリー

牧羊犬として歴史の長いコリーは、その血統が管理されるようになったのが19世紀になってからと言われています。

美しい毛並みと鋭い観察眼、洞察力を持ち合わせており、警察犬に向いている犬種と言えるでしょう。

その特性から家庭犬、鑑賞犬として評価されるようになり、計画繁殖の結果、体も大型になりました。

警察犬としても活躍できますが、温和で明朗、人に対して献身的な性格をしていることから家庭犬として飼う方も増えてきていますね。

ジャーマンシェパード

警察犬と言えばドーベルマンとジャーマンシェパードではないでしょうか。

ドイツ原産の牧羊犬を改良し現在の姿となった犬種で、世界大戦時には軍用犬として活用され、その後ヨーロッパ諸国や日本まで活躍の幅を広げました。

日本の警察犬を代表する犬種であり、戦後間もない頃から活躍しています。

侵入者に対する警戒心の強さとは逆に、家族に対する忠誠心が高く、信頼のおける家庭犬としても世界中で飼育されるようになってきています。

ラブラドールレトリバー

17世紀の後半から18世紀の前半にかけて、カナダのラブラドール地方に祖先犬と思われる犬種がいたと言われています。

この地方の人たちは、極寒の気象条件を克服し、厳しい風雪に耐える頑健な作業犬として使役していました。

その後、イギリスに渡って、上流階級のハンターたちが性能の向上と純粋性の維持に心血を注いだことが、今日の繁栄の基礎となったのです。

特に獲物の回収運搬が得意なためリトリーバーの名前がつけられたとのこと。

このような背景が、頑健な体質、優れた嗅覚、ダブルコールの被毛、太い毛の特徴を持つ現在のラブラドールレトリバー犬種を誕生させ、警察犬、猟犬、盲導犬としてはもちろん家庭犬としても高く評価されている犬種です。

ゴールデンレトリバー

狩猟がスポーツとして盛んであった19世紀のスコットランドで、狩猟家のトゥイードマウス卿が、鳥猟犬の中から水辺で撃ち落とした獲物を回収する目的のウォーターリトリーバーの作出に向け、

ウィビーコーテッドリトリーバー、クィードウォータースパニエル、その他セター、ハウンド等の同系異犬種の交配の繰り返しにより誕生したといわれています。

1931年にKCに登録されてから現在まで、頭脳明晰で忍耐強く、明朗温和、活発な性格が広く愛犬家の心をつかんでいます。

アメリカに渡ってからは、洗練度の高い優美な容姿、陽気で従順な性格に改良され、持ち合わせた作業能力、意欲を十分発揮し優れた嗅覚力で、警察犬はもちろん、使役犬として素晴らしい能力を発揮してくれている犬種です。

警察犬は小型犬でもなれる?

警察犬=大型犬というイメージが強いですが、中には小型犬でも立派に警察犬の任務をこなしている犬種もたくさんいます。

ここでは、警察犬として小型犬がどのように活躍しているのかご紹介します。

指定犬種以外でもなれる嘱託警察犬

警察犬には各都道府県警察が飼育管理をし訓練している直轄警察犬と一般の人が飼育管理し訓練をしている嘱託警察犬の2タイプに分かれています。

このうち、嘱託警察犬は指定犬種以外でも活躍できるという決まりがあり、チワワやパピヨン、柴犬といった小型犬が嘱託警察犬として活躍しています。

嘱託警察犬になるには審査が必要

嘱託警察犬は一般の方は飼育管理するということでどんな犬種でもなれると思いがちですが、なるためには審査が必要です。

嘱託警察犬になるためには、各都道府県警察が毎年、審査会を行い、嘱託する警察犬を選考し指定されます。

試験内容は県警によって違うのですが、相当難関と言われており、こうした技術を見つけるのに専門の訓練士にお願いすることもあるのだとか。

その他にダックスフンドやトイプードルなどが採用されることもあるようです。

警察犬の仕事内容

これまでに警察犬の犬種やタイプなどをご紹介してきましたが、実際警察犬の仕事内容はどのようなものなのでしょうか。

ここでは警察犬の仕事内容についてご紹介していきます。

威警犬

犬にほえられることや犬の牙を恐れる人は多いかと思いますが、それらの行動は犬が犯罪者を威嚇するために利用するのが威警犬です。

威警犬が警察と一緒にパトロールを行うことで、犯罪防止に繋がると言われています。

また、パトロ―ル中に不審者を見つけたら、足に噛みつくなど、逮捕のための行動を起こすこともできるでしょう。

威警犬は、存在だけで威圧できるような大型で強そうな犬が選ばれることが多いようです。

気選別犬

逮捕された容疑者と現場に残された証拠の匂いが一致するかを確認するための警察犬を気選別犬と言います。

匂いが一致した場合、裁判でも利用することのできる立派な証拠となるので優れた嗅覚を持った犬を選別します。

それだけ大きな役割を果たす警察犬なので、訓練は厳しいものとなるのでしょう。

跡追求犬

事件の現場に犯罪が残した遺留品の匂いをかぎ、その匂いから犯人の居場所などを追及する警察犬を跡追及犬と言います。

犯人だけではなく、行方不明になった被害者の持ち物の匂いをかぐことで、被害者をいち早く見つけ出す役割も担っています。

麻薬探知犬

映画やニュースなどでよく見かけるのが麻薬探知犬ですよね。

空港の税関などにも麻薬探知犬は多く常駐しており、麻薬を国内に持ち込ませないように見張っています。

麻薬の臭いをかぎつけたらすぐに税関職員に報告するよう訓練されています。

まとめ

今回は警察犬についてご紹介してきました。

警察犬はどんな犬種でもなれる訳ではなく、厳しい訓練を受け、認定を受けた優れた犬種が警察犬として活躍しています。

犬にしかない能力を使い、私たち人間を守ってくれている心強い存在ですよね。

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