猫のしっぽはどうして鍵しっぽの形になるの?幸運を意味する理由などを解説!

2020/08/17

目次

鍵しっぽを持つ猫とは?

全身どこもかしこも可愛くてしょうがない猫ですが、その中でもファンが多い部分と言えば、「鍵しっぽ」じゃないでしょうか。

折れ曲がった独特の形以外にも、鍵しっぽと呼ばれる形があるって知っていましたか?

幸運の象徴と言われる理由は、日本と外国で全然違うんですよ。

それに、鍵しっぽの猫はどこから来たのかを知ると、○○県に多い理由に納得すること間違いなしです。

今回は、そんな話が尽きない「鍵しっぽ」について紹介していきたいと思います!

猫の鍵しっぽの形

鍵しっぽとは、尻尾の先が折れ曲がっている形と、短くてまんまるな形の2種類のことをいいます。

まんまる尻尾が鍵しっぽだなんて、ちょっと驚きですよね。

猫の尻尾は、品種や個体によってばらつきますが、尾椎(びつい)という骨が18~20個つながってできています。

折れ曲がった形は、尾椎のどれかが1/2の大きさになってしまっていたり、変形してしまうとなります。

短くてまんまるな形は、尾椎の一部がなくなったり、骨折が治った時に骨同士がくっついたりするとなります。

どちらの形も、生まれつきのものもあれば、不慮の事故にあってケガをしてなることもあります。

猫の鍵しっぽは幸運を表す

2種類の形があって、不慮の事故でもなってしまうことがある「鍵しっぽ」ですが、古くから幸運の象徴とされてきました。

というのも、食料や貴重品を保存する“蔵”につける錠前に形が似ていることから、日本や中国では「財産を守るもの」として、商売繁盛のお守り代わりに大切にされてきたそうです。

錠前って聞いてもよく分からない人は、ゲームやアクセサリーで見る鍵の形を思い出してください。

棒の先についた2つの突起が、鍵しっぽに似ていませんか?

昔の人は、そこから鍵しっぽを連想していたみたいですね。

猫に鍵しっぽができる理由

生まれつきの鍵しっぽは、この3つの遺伝子のどれかを受け継いでいると言われています。

①尻尾がない猫として有名な、マンクスやキムリックだけがもつ「T-Box」という遺伝子

②ジャパニーズボブテイルをはじめとする品種だけが持つ「HES7」という遺伝子

③まだ解明されていない、「第三の遺伝子」

生まれつきじゃなく、不慮の事故で鍵しっぽになる場合は、何かの拍子に押し潰されたり、ドアなどに挟まれることでなります。

子猫のうちなら骨が柔らかくて、体への影響は少ないですが、成猫になってからだと、神経を痛めて障害が残る可能性もあります。

鍵しっぽ猫は日本の長崎県に多い?

日本で鍵しっぽが一番多いのは、長崎だと言われています。

野良猫の8割が「HES7遺伝子」をもつそうで、もし本当なら鍵しっぽファンにとっては夢のような場所ですよね。

この「HES7遺伝子」は、インドネシアやマレーシアといった東南アジアや、中国の南部の猫が持っています。

どうして日本に入ってきたかというと、江戸時代に長崎の出島でオランダと交易していたことがきっかけです。

日本とスムーズに交易するため、オランダはインドネシアを拠点の1つにしていました。

そこから船で積み荷を運ぶ際に、ネズミ除けとして猫を乗せていたそうです。

そうしたら、その猫たちがいつの間にか長崎に住み着いてしまったんだとか。

それに当時の日本では、尻尾の長い猫はいつか「猫又」という妖怪になると言われていたので、短いしっぽや折れ曲がった形の鍵しっぽの猫をかわいがっていたそうなんです。

だから鍵しっぽの猫が長生きして、どんどん増えてしまったんですね。

鍵しっぽを持つ猫は英語で何て言う?

日本にもともといなかった「鍵しっぽ」は、外国では全く違う名前で呼ばれています。

幸運の象徴であることは同じでも、文化やイメージの違いでこれだけ差が出るなんて…と思わずにいられません。

外国の猫好きさんと話すときに恥をかかないよう、これだけは覚えておきましょう!

Kinked TailとBob Tail

「Kinked Tail」(キンクドテイル)は、折れ曲がった形の鍵しっぽのことを言います。

「Tail」は尻尾という意味ですよね。

では「Kinked」はというと、Kinkという単語の過去形で、「よじれ・ねじけ」という意味です。つまり「よじれた尻尾」ですね。

じゃあ、短いまんまるの尻尾のことをいう「Bob Tail」(ボブテイル)はというと、「Bob」には「切れ尾」という意味があります。

なので、意訳すると「切れた尻尾・短い尻尾」になります。

こうしてみると分かるように、「鍵」という意味がまったく含まれていないんです。

鍵をイメージするのは日本や中国特有のことなのでしょうね。

外国でも幸運と言われる鍵しっぽ

名前のイメージは違っても、外国でも幸運の象徴です。折れ曲がった形が、「幸運をひっかけてくれる」とされています。

なんだかセンスを感じますよね。

それから、見かけること自体珍しいので、見ただけでラッキーなんだそうです。

珍しいというのがなんだかひっかかって、その理由についてちょっと調べてみました。

そうしたら、曲がった尻尾や短い尻尾の遺伝子は、致死遺伝子や劣性遺伝子と言われるもので、実は受け継がれにくいとされている形質だったと分かりました。

純粋に同じ品種でかけあわせると数が増えないので、長崎のように、外国と交流が盛んな地域で増えやすいようですね。

まとめ

・鍵しっぽは、折れ曲がった形と短くてまんまるな形の2種類がある。

・東南アジアから長崎に入ってきたことで、爆発的に増えた形質。

・日本や中国では、錠前の形に似ていることから「財産を守る象徴」として大切にされてきた。

・一方外国では、見かけるだけでもラッキーで、「幸運をひっかけてくれる」縁起の良いものとされている。

意外と奥が深い「鍵しっぽ」講座でした。これを知って、もっとたくさんの人が「鍵しっぽ」を好きになってくれたらと思います!

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