犬も偽妊娠(想像妊娠)する!症状や原因、なってしまった時は?
2022/04/18
目次
犬の偽妊娠(想像妊娠)とは?
想像妊娠と呼ぶよりも「偽妊娠」と呼ぶ方が正式だと言われています。
妊娠してない状態で、乳汁分泌や乳腺の腫大、巣作りの行動などが見られる、偽の妊娠状態のことを指します。
避妊手術をしていない犬は、発情出血の後に排卵が起こり、ホルモンが変化して乳腺が発達します。
中には乳汁分泌をするようになる犬も多くいますが、これも「偽妊娠」のひとつです。
このように軽度の変化の場合は、「生理的偽妊娠」といわれ、自然現象のひとつでもあり、病的なものとは少し意味が異なります。
犬の偽妊娠(想像妊娠)の症状
偽妊娠は、排卵などのホルモンの変化によって起こり、実際には妊娠をしていないのに子を身ごもっているかのような行動を示したり、すでに出産したかのような行動をします。
発情期から6~12週くらいのタイミングで現れ、避妊手術を終えていない場合で以下の犬種(アフガンハウンド・ビーグル・ボクサー・ダックスフント)などでは50~70%の割合で偽妊娠の症状を示すと言われています。
では、偽妊娠をした場合にはどのような症状があらわれるのでしょうか?
母性に関連した行動変化
犬の偽妊娠の症状として母性に関連した行動の変化が現れます。
行動の変化として、落ち着きがなくなり、乳房をなめるような行動をします。
その他に巣作りを始めたり、ぬいぐるみなどを自分の子供のように扱い、子育てをしてるような行動をします。
また、ご飯を食べなかったり、元気がなくなったり、近づく人に対して狂暴になったりすることもあります。
妊娠に関連した身体の変化
偽妊娠をすると身体にも変化が起きます。
身体の変化としては、乳腺が発達し乳汁が分泌され、お腹が実際に膨らんだりします。
また、軽度だと乳腺が少し腫れ、透明な乳汁が分泌されます。
ですが、個体差があるので症状がほとんどみられないこともあります。
犬の偽妊娠(想像妊娠)の原因
犬の発情期には女性ホルモンが多く分泌しますが、多く分泌されることによって妊娠したときと同じような体の変化が起こります。
それと同時にメンタル面にも変化が起こり、まるで妊娠しているかのようになってしまうのです。
ではなぜ偽妊娠が起こってしまうのでしょうか?
ここでは偽妊娠が起こる原因を見ていきます。
性ホルモンのメカニズム
偽妊娠する原因として性ホルモンのメカニズムが原因とも言われています。
犬は妊娠すると妊娠した状態を維持するために「プロゲステン」が分泌されます。
この「プロゲステン」は、発情後にも分泌され、下がってきたころに乳腺の発達や母乳の生成に関わるホルモン「プロラクチン」の分泌が活発になり、偽妊娠状態に変わります。
人間のように「赤ちゃんが欲しい」と望んでおこる偽妊娠とは違います。
想像妊娠しやすい年齢や犬種は?
発情によるホルモンの分泌が活発になる年齢であれば偽妊娠をすることがあります。
成犬になる1歳から高齢になる6歳までが目安となります。
犬も人間と同じように高齢になるとホルモンの分泌が減っていきますが、発情可能であれば偽妊娠は起こり得ます。
では偽妊娠しやすい犬種はいるのでしょうか?
答えはどの犬種でもメス犬で発情をすることができれば偽妊娠は起こりますので、特定の犬種に限るということはあり得ません。
犬が偽妊娠(想像妊娠)になってしまった時は?
偽妊娠はホルモンの作用で起こることから避妊手術以外では偽妊娠を予防することはできません。
度々偽妊娠起こるようでしたら、交配や出産を控えたほうがよいです。
偽妊娠をして母乳がでている場合や乳房があきらかに膨らんでしまっている場合は、乳腺炎にならないように柔らかいタオルを当て、優しくマッサージをしてあげましょう。
そうすることで滞った母乳の腐敗を防げ、乳腺炎の予防にもなります。
また、乳首をなめてしまっているようでしたら、腹帯や術後着を着用して舐められないように対策をしてあげて下さい。
犬を偽妊娠(想像妊娠)以外の病気からも守ってくれる避妊手術
偽妊娠の最も有効な手段は避妊手術です。
避妊手術をすることで偽妊娠が原因の病気の予防にもなります。
考えられる病気は、「乳腺腫瘍」「子宮蓄膿症」で、避妊手術をすることで乳腺腫瘍の発生率を1/2000に低下させることができます。
また、子宮を摘出してしまうため、子宮蓄膿症の予防にも有効です。
当たり前の事ですが、避妊手術をすれば偽妊娠をすることはもちろんありません。
避妊手術の効果は病気の予防だけでなく、発情時のストレスも減らせることから寿命が1年程度伸びるといったデータもあります。
ですが、デメリットとして開腹手術となるため、手術自体のリスク、全身麻酔のリスクがあるということも理解しておいてください。
まとめ
偽妊娠は動物の自然現象なので、病気ではありません。
妊娠状態になることでその他の病気を併発をすることもありますので、そこは要チェックですね。
でも妊娠してないのに赤ちゃんを守ろうとする仕草は可愛くて切ないですね。
でも飼い主さんの行動で予防することができます。
避妊手術をさせることで偽妊娠はなくなり、発情からのストレスも軽減させてあげることができます。
しかし避妊手術をすることは犬にも負担がかかるし、それなりのリスクもありますので、獣医さんとよく相談したうえで決断してくれたらと思います。
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