犬がゲップする?その8つ理由と対処法を詳しく解説

2020/05/11

目次

犬のゲップ?これって大丈夫なの?

ゲップは、胃の中にたまった空気やガスが口から排出される現象ですが、犬もゲップをする時があります。

人間がゲップをするのは大して気に留めていないのですが、犬がゲップをするのは大丈夫なのかな?と心配になる飼い主さんもいるでしょう。

ほとんどは、人間と同様、水をがぶ飲みした後や食事をした後で、それほど心配がないものです。

しかし、中には大きな病気に繋がってしまうものもありますので、決して油断はできませんが、生理現象としてのゲップはどんな犬にも起こる事だと覚えておきましょう。

犬がゲップをする理由

では、犬がゲップをする理由は何なのでしょうか?

食後や水のがぶのみ以外にもゲップをする理由がいくつかありますので、ここでは、犬がゲップをする理由を項目別にご紹介していきましょう。

①飼い主への愛情表現

人間がゲップをする事は失礼にあたったり、汚いものと判別しますよね。

犬の愛情表現の中にゲップがあるって本当なの?と思ってしまいますが、本当のところは愛情表現ではないのです。

しかし、ご飯を食べてお腹いっぱいになったらら、100%リラックスできる人の傍でまったりしたいと思うもので、その時に生理現象としてゲップをしてしまうという事があります。

ですので、飼い主さんの傍でゲップをした場合は、リラックスしているんだなと考えれば汚いという考えはなくなるかもしれませんね。

②空気を飲み込んだ

空気を飲む事で腸管内にガスがたまってしまう事があります。

特に早食いや大食いを習慣としている犬においては、ご飯と一緒に空気を飲み込んでしまう傾向がありますので注意が必要です。

早食いを防止するためには、専用のグッズを使ってみたり、コルグがあるご家庭はご飯を盛った後にコルグをポンっと置いたり、ドライフードであればヨーグルトを増せるなどすれば大分と早食いを防止する事ができるでしょう。

大食い防止には、早食い防止と同じく専用のグッズを利用するか、フードの大きさを小粒のものであれば大きくするなどにしてみて下さい。

犬は基本的に食べる事が大好きなので、工夫しながら楽しく食事を摂らせてあげましょう。

③腸内ガスに溜まった

腸内にガスがたまっている場合にもゲップが出ます。

犬の小腸や大腸、胃にガスが溜まった状態の事を鼓腸と呼び、腸にたまったガスはおならとして肛門から、胃にたまったガスがゲップとして口から排出されます。

ガスがたまる場所は違いますが、ゲップとおならは原因が同じだという事です。

鼓腸の主な原因は腸内の細菌が異常繁殖する事で、腸内には様々な細菌が常在しており、それらは食物繊維を栄養源にしています。

食物繊維を摂りすぎると腸内細菌が異常に繁殖してしまい、腸内にガスがたまり鼓腸を発症してしまうという事です。

ですので、食物繊維を含む食品の過剰摂取を控える必要があるでしょう。他には、乳製品もできるだけ控えるようにすると症状がかなり抑えられる事ができます。

④食事の変化

愛犬の食事に変化があった場合、使われる食材によっては身体が反応し、ガスが発生してしまう事があります。

食事内容を大きく変化させる場合は身体をこれに慣らすために、少量から変えていく事をおススメします。

そして、犬は拾い食いをよくしますので、知らない間に食べてはいけないもの(ゴミや腐ったもの)を口に入れた犬も、消化不良などによりゲップをする事があります。

家の中をウロウロしながら拾い食いをしたり、散歩中に落ちているものを食べてしまう事はゲップだけではなく、命にかかわる危険な事にもなりかねませんので、拾い食いをする癖がある愛犬には日頃から注意をし観察するようにしましょう。

⑤過剰な細菌の発酵

食べ物のなかには吸収が難しく、結果としてバクテリア発酵を引き起こすものがあります。

マメ・特定のスパイス・ラクトース・ペクチン・腐った食べ物などが考えられますが、犬は乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)を持っていないので、もし与えているようであれば、これらがゲップの原因となっているかもしれません。

フードなどを再度確認し、上記の食物が当てはまっているようであれば他のフードに変更する事をおススメします。

⑥消化管の病気

食べ物を分解や消化について犬の消化器系が十分な仕事をできない場合、吸収されないまたは消化されない食品が犬の腸管に停滞する事があります。

これらの食品が腸内細菌により発酵し始めると、ゲップや鼓腸の原因に繋がります。

消化器系のがん・炎症性腸疾患・小腸細菌の異常増殖・過敏性腸症候群・内部寄生虫および膵外分泌機能不全に起因する可能性などが含まれます。

一週間以上ゲップや鼓腸が続く場合は、先生に診てもらうようにしましょう。

⑦胃酸逆流

犬のゲップが目立ってくると、早朝に黄色い液や白い泡を吐くことがありますが、多くのケースでは、他の症状はなく、元気で食欲もあります。

これは夜間の空腹が原因で起こる逆流性胃炎であるがほとんどです。

胃酸逆流の原因は、黄色の胆汁を含む十二指腸液が胃内へ逆流し、胃粘膜を刺激する事によって起こると考えられています。

毎日胃液を吐くやゲップが続き、元気や食欲がないようであれば、一度病院での診察をおススメします。

⑧胃拡張捻転

ドッグフードを早食いしてしまった時などはゲップが出やすくなりますが、食後のゲップであっても安心できないのが胃拡張によるゲップです。

胃拡張というのは、ドッグフードの早食いや水のがぶ飲みで空気を沢山飲み込んでしまい、胃にガスがたまってお腹が異常に膨れてしまう病気です。

食べすぎで胃拡張になるのは若い犬に多く、胃にガスがたまり過ぎて胃拡張になるのは老犬が起こりやすい傾向にあり、胃拡張になると胃が異常に大きくなり胃に血流が流れにくくなります。

その結果、胃に酸素が回らなくなってしまい循環不全を起こしてしまうのです。

胃拡張の症状は、水を大量に飲む、ゲップ、嘔吐などの症状が現れます。

一方、胃捻転ですが、胃拡張が悪化し、さらにガスがたまることにより胃が捻じれて回転してしまう状態を胃捻転といいます。胃捻転は命に関わる病気で死亡率が非常に高いです。

胃捻転を起こしてから30分以内に処置をしないと死亡してしまう事もある怖い病気ですので、胃拡張の段階で治療をすれば胃捻転まで悪化する事は少ないので、胃拡張の症状が見られたらすぐに病院へ受診して下さい。

胃捻転の治療は回復手術しかないのですが、手術をしても死亡してしまう事もあります。

そこまでの悪化を避けるためには、飼い主さんが早期に発見し、少しでも異常があれば病院へ行くようにしましょう。

犬がゲップをした時の対処法

では、犬がゲップをした時にどのように対処すればいいのかという事を、病気ではない場合の対処法と病気の場合の対処法という2パターンに分けてご紹介していきます。

①病気ではない場合の対処法

愛犬のゲップが他の病気などの兆候ではない場合、ゲップを減らすために以下の解決法を試してみて下さい。

POINT
・食事を変える
消化が良く、脂肪と繊維が少ない食事に変更してみましょう。
自分で選べない場合は、先生に相談し、おススメのフードがないかアドバイスをもらってもいいかもしれないですね。
・食器を変更する、または工夫する
早食いや大食いがゲップの原因になっている可能性が高い場合は、ゆっくり食べる事ができるように設計されたフードボウルを使うか、またはボウルにテニスボールを入れるなどの工夫をしてみて下さい。

・ゆったり食事ができる環境を作る
多頭飼いの場合は、他の犬にご飯を取られないよう焦って食べてしまう傾向がありますので、食事の時間や場所を変更し、ゆったり食事ができる環境を作ってあげましょう。

・食事の回数を増やす
1日の食事量を小分けにしてみましょう。
消化できるくらいの少量の食事を数回に分けて与える事は、胃の中のガスの発生を抑える事に繋がります。

・適度に運動する
運動により胃の小腸、大腸運動が亢進する事が確認されていますので、適度な運動をする事で、ゲップを抑える事ができるでしょう。

②病気の場合の対処法

病気によってゲップが出る場合の対処法ですが、ゲップ以外に吐くなどの症状が見られる場合は、胃捻転・胃拡張を起こしているかもしれません。

胃拡張や胃捻転は命に関わる怖い病気ですのでゲップの他に嘔吐・下痢・お腹が急に膨らむ・苦しそうにするといった症状が見られたらすぐに病院に急いでください。

ゲップ以外の症状がない場合は、半日ほど絶食し、消化の良いエサを小分けにするなどして胃腸を休ませましょう。

それでもゲップが続く場合は、緊急を要するところまでは行かないですが、愛犬は苦しいかもしれませんので病院で診察を受ける事をおススメします。

最後に


今回は犬のゲップについてご紹介してきました。

人間にとってゲップというものは大した事ではないかもしれませんが、犬のゲップには人間と同様何も問題ない場合があっても、中には命に関わる病気が潜んでいる兆候かもしれませんので、いつもと違うゲップやゲップ以外の症状がある場合は、できるだけ早めに病院での診察を受けましょう。

特に問題がないゲップだとしても愛犬は言葉が話せませんので、苦しくても訴える事ができません。

飼い主さんがいち早く発見してあげる事が大切になってくるでしょう。

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