犬の謝る仕草とその理由とは?

2020/08/31

目次

犬の謝る仕草とは?

世間的にまずいことをしていまった!

こんな時、有名人ならありとあらゆる言葉を駆使して弁解したり、ひたすら謝ってみたり、様々な言動をして社会的な批判をかわそうとすることがあります。
もちろん中には真正面から非難を浴びる覚悟の方もいます。

犬も夢中になって、つい悪いことをしてしまった時に、「これはまずいぞ」と気づくことがあります。

目の前には怒った顔の飼い主さんの顔が。もう逃げられません。

そんな時、犬も一生懸命その場を回避してやり過ごさなければと考えます。

犬の謝る時の仕草にはどんなものがあるのでしょうか。
そして、犬ってそもそも反省しているの?

「わるいことしちゃった!」と感じた犬の様々な仕草を見てみましょう。

謝る雰囲気を醸し出す

ついイタズラをしてしまって飼い主さんから怒られた時、犬はしょんぼりして、反省している様な素振りや気まずそうな表情を見せることがあります。

悲しそうな顔を見ると、飼い主さんも「悪いことをしたのはわかっているみたいだし、これ以上叱るのはかわいそうかな」と、つい怒るのをやめたくなるかもしれませんね。

あまりしつこく怒り続けるのも犬の精神衛生上良いことでもないし、きちんと理解しているのなら十分だと思うでしょう。

ではこのような表情を見せる時、犬はどんなことを考えているのでしょうか。

実は謝っていない

見た感じではとても反省して、「もうしないから許して」と訴えているような犬ですが、実は犬に「謝罪」という概念がないと言われています。

ただし、謝罪の雰囲気を醸し出すことはできるようです。

自分に不都合なこと、緊張を強いられることがあると、その状況をどうにか回避するために、反省していて謝っているような仕草をします。

こうした仕草を「転位行動」と呼び、人間ではよく見られる行動ですが、犬も同じような転位行動を見せることがあります。

犬がシュンとして謝っているように見える行動は、実は怒られることからどうにか逃げようとしている自衛策なのかもしれませんね。

犬の謝る方法の種類

転位行動として起こる犬の謝罪の表現には、どのようなものがあるのでしょうか。

飼い主さんから怒られないように必死で繰り出される謝罪風行動には様々なパターンがあります。

中には謝っている雰囲気を感じなかったり、笑ってしまいそうになったりする行動もあります。

犬も一生懸命にその場を切り抜けようとしているようですね。

寝てしまう

怒られて気まずい空気を感じた時、犬はハウスやベッドに逃げ込んで寝てしまうことがあります。

いわゆるフテ寝という印象で、あまり反省しているようには見えませんね。

でも元々どんな行動を取っても謝罪の意思がないのですから、逆ギレして暴れるよりはずっと大人な対応かもしれません。

寝てしまったら飼い主さんもそれ以上怒れなくなりますよね。

気まずい雰囲気の中で目を閉じて寝てしまうのですから、とても胆が据わった冷静な犬のように見えます。

上目遣い

上目遣いになった愛犬を見ると、とても反省しているように見えます。

怒られそう、どうしようと困ってしまって飼い主さんの顔色を窺っているようです。

しかし、表情をよく見てみてください。
猜疑心に満ちた視線を飼い主さんに向けていませんか?!

次に飼い主さんが取ろうとしている行動を考えてそれに備えているような表情にも見えることがあります。

警戒しているのかもしれません。

あまりしつこく叱っていると反撃されてしまうかもしれませんから、怒る時はしっかりと一度で「ダメ!」とシンプルに終わらせることが大切です。

耳が垂れる

これは反省しているように見えなくもありませんが、どちらかと言えば恐怖を感じている時などに多く見られる動きです。

その他にも飼い主さんに甘えたい時などにも耳が垂れることがありますので、悪いことをした時に見せる行動としては一番気持ちがわかりにくいものだと言えます。

とりあえず、謝罪という意思はないでしょう。

それでも飼い主さんから見たら「アレ?」と思わせる効果がありますから、悪い空気を回避するという愛犬の目的は達成できる行動なのかもしれません。

様子を見る

先ほどの上目遣いと似たところがありますが、こちらは空気を読み部屋の隅に隠れて飼い主さんがどうアクションを取ってくるのかを窺うような行動で、より犬の気持ちがわかりやすいと言えます。

少し離れた場所に逃げ込むような辺りは、攻撃よりも逃げる準備として安全地帯に退避するという気持ちのように見えます。

カーテンの陰に隠れて様子を見守りながら、出ているタイミングを計っているのでしょうか。

「ごめんなさい」の概念を理解できない犬にとっては、飼い主さんが笑ってくれる時をひたすら待つしかないのですね。

家具に隠れる

犬は絶体絶命の大ピンチを感じると、ソファやベッドの下、チェストの隙間などに隠れてしまうこともあります。

カーテンに隠れて様子を窺うなどという余裕はなく、完全に逃避している状態です。

自分の身を隠してまで逃げようとしていますので、こんな時はそれ以上追い詰めるようなことはやめましょう。

犬にとって、家具の下や隙間の体を隠せる場所は「最後の砦」です。

ここで安全が保証されないとわかると、今度は逆に攻撃に出てしまうこともあります。

恐怖から出る攻撃は飼い主さんが相手でも手加減できないこともあり危険です。

落ち着くまでそっとしておくのがベストです。

へそ天!お腹を見せる

ゴロリと寝転んで弱点のお腹を見せるのは、潔く降参している証拠です。

人間で言うところの土下座のような心境でしょうか。

「ぼくが(わたしが)悪かったよ。好きにして!」と服従のボーズで表現しているのでしょう。

怒られて寝てしまう以上に開き直りと犬の懐の広さがうかがえます。

また、犬同士が初めて会った時にもこのポーズをすることがありますが、これは仲良くしたい時に自分が安全な存在だと知らせるためのものだと言われています。

怒られた時に飼い主さんにお腹を見せるような時は、「怒らないで仲良くしようよ」と伝えているのかもしれません。

犬の謝る行為についての注意点

犬が謝罪の意思を持たない動物なのに、謝るような行動を見せる時、飼い主としてはどのような対応をすれば良いのでしょうか。

犬は転位行動でその場を逃れようと考えるほどに追い詰められています。

まずはその心理状態を理解しましょう。

注意1:それ以上追い詰めてはいけない

犬が逃げてどこかに隠れた時、その場所は最後の安全地帯です。

それ以上の逃げ場所を持たない犬をさらに追い詰めようとすれば、犬に取れる行動はもう反撃しか残されていません。

犬と仲直りのつもりでかんれんぼをしようと近づいても犬はいきなりそんな気持ちにはなれませんので、放っておいてあげるのが良いでしょう。

注意2:犬が持っている物に手を出さない

逃げる時、犬がお気に入りのおもちゃなどをくわえて行った時は、犬にとって危険なものでない限りは手を出さないようにしましょう。

危機感のある状態で持ち出した物が奪われるとわかると、犬はそれを守ろうと攻撃的になります。

思わぬ力で噛まれてしまうこともありますので、注意が必要です。

注意3:犬に責任転嫁しない

犬がイタズラをやめないのは、本当に犬だけが悪いのでしょうか。

例えばティッシュペーパーを箱から全部かき出してしまう犬の行動は直す必要がありますが、犬が届かない場所に箱を置くことでそれは回避できます。

また、お父さんの革靴をかじってしまうなら、かじることのできないシューズボックスに靴を収納したり、玄関には行かせないなどの対策が取れます。

もしくは、イタズラをしそうになる時に必ず「ダメ!」と大きな声できちんとしつけることもできるはずです。

必要な対策やしつけをしないことで起こる問題行動を全て犬の責任として追い詰めることのないよう、飼い主さんの意識を見直すことも大切です。

まとめ

犬は正直で真っ直ぐな性格の動物です。

そして、謝罪という行為を持たない動物でもあります。

そんな犬が「謝っているフリ」をしなければならない状況になるのは、とても追い詰められた時なのでしょう。

反省させなくては、謝らせなくてはと考えることもあるかもしれませんが、大切なのは反省や謝罪ではなく、「悪い行為をやらないようにすること」です。

謝罪の気持ちはなくても良いのではないでしょうか。

悪いことをしないしつけさえできれば、反省も謝罪も不要ではないかと思います。

犬が転位行動で逃げ込もうとするような状況が、少しでも減ると良いですね。

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