聴導犬の仕事と役割とは?歴史や向いている犬種・引退の年齢など

2022/03/24

目次

聴導犬の仕事と役割

聴導犬はタッチするなど色々な動作を使って耳が不自由な方に音を知らせてサポートする犬で、使用者の安全と命を守ってくれています。

仕事と役割には1つだけではなく、さまざまあることがわかっているため、ここでは聴導犬の仕事を役割について解説していきましょう。

目覚まし時計の音を知らせる

使用者がセットした時刻にアラームが鳴ると、使用者の寝床まで来て布団に優しく乗ったり、顔をなめたりして使用者を起こします。

笛吹きやかんの音を知らせる

やかんの笛吹きが鳴ると、やかんの場所まで使用者を誘導します。

やかんなどを火にかけていることを忘れてしまった場合は火災の恐れがあるので、その前に知らせてくれるでしょう。

このように危険な音を知らせてくれるという動作を確保することは、身近に起こりうる災害から使用者の身を守り、命の安全を守ってくれているのです。

料理タイマーの音を知らせる

料理タイマーの使い道は料理を作るだけではなく、お湯を沸かすときや電子レンジで温める時間、洗濯をするときなどさまざまな用途で使用することができる大変便利なものです。

料理タイマーがなると使用者の近くに行き鳴っていることを知らせてくれます。

玄関チャイム(ドアノック)の音を知らせる

自宅内などで来客があり、玄関チャイムを鳴らしたり、ドアを叩いたときに、使用者に来客が来ていることを知らせてくれます。

赤ちゃんの泣き声を知らせる

赤ちゃんは泣くことで、気持ちや状況を周囲に知らせます。

その知らせに聴導犬が気づき、しらせてくれる動作が確保できれば、使用者も安心して子育てができるようになるでしょう。

他にも聴導犬は何かを知らせるだけではなく人を呼んでくるという使用者の声の代わりになってくれることもあるため、家族の誰かを呼んで欲しいと時に指示を出すと家中を探してその人のいる場所まで行き、呼んでいることを知らせてくれます。

携帯している呼び鈴の音

郵便局や病院などでは、順番を待っていても音が聞こえないため、いつ自分の名前が呼ばれているか分かりません。

そのため、使用者は受付の人に自分の名前を呼ぶ代わりに、携帯用の呼び鈴を渡します。

そして、使用者の順番がきたら呼び鈴を鳴らすようお願いするのです。

そうすると、実際に使用者の順番がきて、受付の人が呼び鈴を鳴らすと、その音の聴導犬が反応し、使用者に音が鳴ったことを知らせてくれ、受付まで誘導してくれます。

聴導犬の歴史

聴導犬は日本でもまだわずかな頭数しか存在しておらず、日本に入ってきてまだ浅いということになります。

では、聴導犬はどこが発祥でどのようにして日本に伝わってきたのか聴導犬の歴史についてひも解いていきましょう。

聴導犬はアメリカで誕生した

聴導犬の発祥は1975年のアメリカと言われており「家の中で鳴る音に反応するように、犬の訓練をしてもらえませんか?」とある女性がラジオ番組に投稿したことがきっかけで、ヒアリングドッグが誕生しました。

それを日本小動物獣医師会がアメリカの獣医師会との交流の中で興味を持ち、調査を開始。

そして、1981年の国際障害者年に聴導犬委員会を発足させたことから、日本での歴史が始まります。

日本にやって来た聴導犬

ヒアリングドッグの日本名を「聴導犬」とし、警察犬の訓練所であるオールドッグセンター等に訓練を依頼。

アメリカでの写真や文献を参考に訓練方法を考案。

試行錯誤の上、1983年に4頭のモデル犬が完成し、その翌年1984年に埼玉県の聴覚障害者に無償貸与し、日本で初めての聴導犬が誕生しました。

ちなみに、日本初の聴導犬は社ッとランドシープドッグだったとのこと。

当時は各訓練所が独自の基準により聴導犬を認定していましたが、そこから10数年、2002年10月「身体障害者補助憲法」が施行され、東京都の当協会出身ユーザーが認定を受け、法施行後初の聴導犬が誕生しました。

聴導犬に向いている犬種

聴導犬として育てる犬は慎重に選ぶ必要があり、音によく反応し、臆病でなく人間が好きで健康な犬が適切。

子犬の頃から社会性を身に着けさせながら聴導犬としての才能がある犬を選んでいきます。

また、極度の臆病な犬でなければどんな犬種でも聴導犬になることができます。

そのため、特に決まっている犬種などはないため、保護犬などの中から人懐っこく音によく反応する犬を選んで訓練することもありますし、利用者の飼い犬を聴導犬として訓練することもあるとのこと。

犬種や審査基準、資質などの条件などについては各団体から協会によってさまざまですが、聴導犬は補助犬として公共の場で活動できるように特別な訓練や試験をクリアしなければいけません。

晴れて聴導犬としての資格を得ると、専用のユニフォームを着用していればどこでも一緒に行動することができます。

聴導犬を含む盲導犬や介助犬という補助犬は専用のユニフォームを着用し証明書代わりにしているのです。

街中で見かけたときは仕事に集中しているのでむやみに触ったり、近寄ったりしないようにしてあげてくださいね。

また、介助犬のことで何かあれば利用者に一声かけるようにしてください。

聴導犬が引退する年齢

聴導犬が引退する年齢は10歳と言われており、10歳を過ぎると引退し、引退犬としてボランティアのもとで余生を送ります。

引退犬ボランティアには、一般の家庭のほか、ユーザーが引き続き飼育する場合や、子犬の頃育ててもらった元パピー・ファミリーの家庭で余生を送る場合もあるでしょう。

聴導犬として多く使われている小型犬の寿命は15歳から17歳程度ですが、引退した聴導犬たちも寿命は普通に飼われている犬と変わりません。

まとめ

今回は聴導犬についてご紹介してきました。

聴導犬は聴覚障害者の代わりに耳となり安心と命を守ってくれる大変重要な任務をしている犬たちです。

日本ではまだまだ頭数が足りないと言われているので今後、もっとたくさんの聴導犬が普及され、聴覚障害者の方たちがよりよい生活を送れるような時代になって欲しいものですね。

この記事を読んだ人におすすめの記事