猫は落下しても平気?猫の身体能力と飼い主さんが注意すること
2022/03/10
目次
猫が落下しても平気な理由
猫が高い場所から落ちても怪我をしない理由を知っているでしょうか。
人はもちろん他の動物では大けがをしたり、命を落としてしまうような高さから落ちてもほぼ怪我をすることがない猫ですが、その理由について次に紹介するので参考にしてください。
優れた運動神経とバランス感覚があるから
猫は平衡感覚に優れている動物であり、背中から落下していてもうまく体を操って足から着地することができるような体勢になります。
また、足をムササビのように広げて少しでも落下速度を緩めるような行動をしています。
落下している最中に体を半回転することは人では難しいですが、猫の場合は腹膜内にある内臓が移動することができる構造になっていることで、容易に体をひねることが可能になっています。
さらに両手足の裏には柔らかい肉球があるため、着地時の衝撃を吸収し、関節も柔らかいので、同じく着地時の衝撃を緩和することも可能です。
落ちても平気な高さがある
猫は高い場所から落下しても上記で紹介した理由から怪我をすることがなく、簡単に着地することができます。
しかし、いくら猫でも耐えることができない高さが存在しており、6~7m程度の高さであれば問題ないと言われ、建物でいうと2階くらいの高さです。
猫も落下した際に耐えられる高さを本能的に把握しているため、無謀に飛び降りて怪我をしてしまうことはありません。
ただし、猫の運動能力の差や体重の違いによって耐えられる高さも変わってくるため、肥満体質であり、運動不足の猫では2階の高さから落ちても怪我をしてしまう可能性があります。
高すぎる場所は逆に安全な可能性もある
上記では2階程度の高さであれば落下時の衝撃に耐えることができると紹介しましたが、場合によっては7~8階のようなより高い場所から落ちても安全な可能性もあります。
その理由は落下するまでの時間が長く、その間に着地姿勢を整えることができるからです。
しかし、あくまでも可能性であるため、当然怪我をしてしまう可能性も十分考えられます。
そもそも猫も本能的に7~8階の高さから飛び降りるような行動をしないため、現実的に起こりにくい状況と言えるでしょう。
猫が落下して怪我・死亡するケースもある
猫は高い場所から落ちても無難に着地して怪我をしない印象を持たれやすいですが、条件がそろっていなければ怪我をしてしまったり、最悪死亡してしまうこともあります。
そのため、どのようなことで落下時に猫が怪我をしてしまうのかを把握しておくことをおすすめします。
建物の3階以上だと危険
建物の3階以上の高さから落下してしまった場合は怪我をしてしまったり、怪我をしてしまう可能性が高まります。
地面の状況などによっては怪我をしない場合もありますが、2階からの衝撃と比べるといくら衝撃を緩和できる柔らかい関節や肉球があっても耐えることができず、大怪我や命を落としてしまうことも充分考えられます。
そのため、面白半分で猫を高い場所から落とすような行為をしてはいけません。
3階以上の高さで猫と暮らしているのであれば落下しないような対策をしましょう。
滑ってしまった場合
猫は本能的に落ちてはいけない高さを把握しているため、怪我をしてしまうような高さから自発的に飛び降りることはありません。
しかし、誤って滑ってしまい落ちてしまうことはあります。
猫は人と違って歩いている素材が滑りやすいのかそうではないのか判断することができないからです。
特にベランダの手すりは滑りやすい素材であり、表面がツルツルであるため、猫にとっては非常に滑りやすく、何かの対策を講じておくようにしましょう。
驚いてしまった場合
猫が何かの拍子に驚いてしまうと高い場所から落ちてしまうこともあります。
大きな物音や犬などの鳴き声でびっくりしてしまうこともあり、驚き慌ててしまうと普段冷静な時では普通にとることができる行動がとれなくなってしまい、着地の姿勢が悪く骨折してしまうことがあります。
犬などの鳴き声で驚いてしまうことはなかなか防ぎようがありませんが、生活をする上での物音はある程度小さくすることができたり、気を付けることも可能です。
元々猫はうるさい環境ではストレスを感じてしまうので、極力物音が出にくい環境づくりを心がけましょう。
運動不足だと着地に失敗することも
運動不足では思うように体を動かすこともできなくなってしまい、体のキレも低下してしまいます。
そのような状態で高い場所から落ちてしまうと着地までに衝撃を緩和できる体勢をとることができず、着地失敗を招いてしまう原因となります。
そのため、運動不足の猫には運動をさせ肥満体質を解消させたり、高い場所に上ることができないような工夫をするようにしましょう。
また、運動不足では必然的に肥満体質になっている場合も多く、体重が重ければ着地時の衝撃も強くなってしまい、怪我の原因となります。
猫の落下予防策は?
猫も本能的に危険な高さであることがわかれば無謀に落ちるような行動をすることはありませんが、上記でも紹介したように不可抗力が原因で落ちてしまうことも充分考えられます。
次に、猫が高い場所から落下してしまうことを予防する方法を紹介します。
高層に住んでいる場合は参考にしてください。
窓の開けっぱなしはNG
窓の開けっぱなしは落下の原因になってしまうため、極力開けっ放しにはしないようにしましょう。
窓を開ける目的で換気や暑さ対策で行うこともありますが、網戸をするように心がけたり、窓を開けている際には目を離さないようにすることが大切です。
窓のサッシの部分は猫がつかまりやすく、間違って落下してしまう原因にもなります。
網戸をすれば落下防止になりますが、猫が爪を立ててしまい破いてしまうこともあり、網戸なしで開けっ放しにしてしまいやすいです。
しかし、網戸なしの窓の開放は一気に猫が落下してしまう可能性を高めてしまいます。
脱走防止柵の設置を行う
脱走防止の柵を設置することで猫が部屋や家から出てしまうことを予防できます。
ちゃんと注意していれば猫が脱走してしまうことはないと考えてしまいやすいですが、いくら注意していても窓や玄関のドアを開けた隙に外に駆け出してしまうことも少なくありません。
窓などが開放されたと同時にジャンプして外に出ようとすることも多く、非常に危険な行動でもあります。
しかし、脱走防止柵を設置していれば不意に外に脱走されてしまうことがなくなり、猫を守ることができます。
家具の配置が適しているか確認する
家具の配置が適しているか確認することで猫が落下してしまうことを防ぐことができます。
基本的に室内にある家具から床に飛び降りても怪我をしてしまうことはありませんが、体調などが原因で着地に失敗してしまうこともあります。
そのため、猫が落下してしまうことで怪我をする危険性は外だけではなく、室内にもあることを知っておきましょう。
猫にとって危険になるような家具を置かないようにしたり、猫が移動したことで上から物が落ちてきてしまい、破損したり、飼い主に接触してしまうことがないかどうかを確認することも大切です。
猫が落下した後の注意点
猫が落下してしまったのであれば注意しなければならないポイントがいくつかあります。
落下した後にしっかり様子見をして猫に異常がないかを確認することが大切です。
次に、猫が落下してしまった後の注意点をいくつか紹介するので、参考にしてください。
落下した後の内臓の状態を確認
落下した後に内臓の状態を確認することが大切です。
落下時に骨折をしてしまったり、擦り傷を負っているのであれば比較的発見しやすく、対処もしやすいです。
しかし、内臓は見ることができないため、見過ごしてしまいやすい部分です。
特に、肝臓は落下時の衝撃で破壊されてしまいやすく、症状もないため、より発見に遅れてしまいやすいです。
肝臓に異常があるかどうかは動物病院で血液検査をしてもらえばわかります。
落下時の怪我は外傷だけでなく、内側にも注意しなければなりません。
落下した際にすぐ確認するポイント
落下した際にすぐに確認することができ、異常にいち早く気づくことができればそれだけ状態が重症化してしまうリスクを下げることができます。
落下した際に鼻血を流していないかやふらつきがないか、呼吸する速度が異常ではないかなどを確認しましょう。
どれか一つでも普段とは違う部分があるのであれば、何かしらの影響を受けている可能性が高いので動物病院で診察してもらいましょう。
脳になんらかの影響があれば上記で紹介したような症状があらわれやすいです。
まとめ
猫は高い場所から落下しても問題ないイメージが定着しており、実際他の動物と比べても落下時の衝撃を吸収することに優れています。
しかし、必ず怪我をしないわけではなく、条件が悪ければ大怪我をしてしまったり、最悪死亡してしまうこともあります。
また、落下後怪我などが見られなくても内側に酷い衝撃を受けている可能性もあるので、心配であれば異常が見られなくても動物病院で診察してもらうことが無難です。
子猫や肥満体質に猫、老描などには特に注意しましょう。
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