猫に与えてOK/NGな刺身とは?与える時の注意点と病気の危険性も

2022/04/11

目次

猫に与えてOKな刺身

一般的な刺身では、マグロやタイ、カツオやカンパチ、サーモンの刺身は食べさせても問題がないと言われています。

猫が美味しそうに食べていても、一度にあげても大丈夫な量は一切れの4分の1程度です。

食べさせて問題のない刺身でも食べ過ぎは害になる事もあり、頻度としては月1回程度にすれば安心です。

生の魚はアレルギーを誘発する消化不良の原因になる恐れもありますので、体力のない子猫や高齢猫、持病のある猫には種類を問わず食べさせない方がいいようです。

猫に与えるとNGな刺身は?

刺身の種類は多く味や彩で食欲を誘ってくれ、季節によって旬の物があり美味しさも増します。

そんな刺身でも食べれない人や、種類によっては苦手な場合もあります。

猫も人間と同じように、与えては駄目な刺身があるのかを調べて見ました。

イワシやアジ・サバなどの青魚の刺身

イワシやアジ、サバなどの青魚には、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が含まれています。

不飽和脂肪酸は人間の健康に良いと有名ですが、猫が大量に摂取するのは良くないとされています。

一度に大量に与えたり喜んでいるからと毎日食べさせてしまうと、脂肪がどんどん蓄積され病気を引き起こす事になってしまいます。

猫が欲しがるとつい与えてしまいたくなりますが、病気になってからでは取り返しがつかなくなりますので青魚の刺身には注意が必要です。

エビやカニ・イカなどの甲殻類の刺身

イカやタコ、カニなどの甲殻類には「チアミナーゼ」という物質が含まれていて、ビタミンB1を分解する働きを持っています。

その為甲殻類の刺身を食べることで、ビタミンB1欠乏症を招く恐れがあります。

ビタミンB1は猫にとって大切な栄養素で、体内で欠乏してしまうと運動機能障害などが発生してしまいます。

ビタミンB1欠乏症は適切な治療を行わないと命にかかわり非常に危険ですので、甲殻類の刺身は猫には与えないよう注意が必要です。

貝類の刺身

普段は安全に食べることが可能な貝類ですが、食べるタイミング(時期)によって有害な成分が多数含まれるケースもあります。

アワビやサザエなど海藻を食べている貝類の内臓には、光線過敏症という皮膚病の原因になる物質が含まれています。

光線過敏症にかかると、皮膚に光が当たる事でかぶれて強い痒みを感じます。

猫の場合は毛の薄い耳に症状がでやすく、ひどくなってしまうと耳が壊死してしまう事もあります。

光線過敏症の原因になる物質は、加熱してもなくなる事がなく刺身以外でも注意が必要になります。

猫に刺身を与える時の注意点

猫には与えても大丈夫な刺身と、病気の原因になってしまう危険なものがあります。

食べ方によって人間でも具合が悪くなってしまう時もありますが、猫に与える時はどのような事に注意をすればいいのかを調べて見ました。

新鮮な内に食べさせる

時間が経っていたり保存状態が良くない刺身は、新鮮さが失われウイルスや菌が繁殖してしまいます。

新鮮ではない刺身を食べてしまうと、猫も人間と同様に食中毒を起こしてしまいます。

毎日与えているキャットフードが総合栄養食であれば、基本的に猫に必要な栄養素を摂る事ができます。

猫には魚の栄養が必要なのではと思ってしまいますが、刺身に興味を持って離れないような時だけ新鮮なものを少しだけ与えるようにします。

毎日たくさん与えない

主食のように刺身を食べさせると栄養が偏ってしまい、ビタミンが不足しがちの状態に陥り病気になってしまう可能性があります。

刺身を食べたからと言って急に問題にはなりませんが、病気になってからでは手遅れになってしまう事もあります。

魚が好きな猫にとって刺身はごちそうですが、毎日与えられるよりも忘れた頃にもらえた方が楽しみや美味しさが増すかもしれません。

愛猫の健康を考えて与える事が大切です。

胃腸の弱い猫には与えない

胃腸が弱い猫はキャットフードの選び方も難しく、変えただけでも嘔吐や下痢の症状を起こす事があります。

刺身の匂いにつられて寄ってくるとは思いますが、できるだけ与えないようにします。

具合が悪くなってしまうと動物病院での診察が必要になり、完治するまで弱った姿を見る事になってしまいます。

いつも与えているキャットフード以外の物は、なるべくあげないように心がける事が大切です。

猫に刺身を与えると病気の危険性も

猫に刺身を与えると発症しやすい病気には、チアミン欠乏症、アニサキス症、ヒスタミン食中毒、イエローファット、アレルギー症状があります。

これらの病気を防ぐ方法や症状などを詳しく紹介します。

チアミン(ビタミンB1)欠乏症

刺身など生の魚を食べたから突然問題が起こるのではなく、毎日のように食べさせ多く摂取してしまうとビタミンB1欠乏(チアミン欠乏症)に陥るのです。

特に猫は犬よりもビタミンB1を多く必要としますので、犬よりも症状が出やすいとされています。

ビタミンB1を分解してしまうチアミナーゼという酵素は、加熱する事で不活性化し生で与えなければ大丈夫な場合もあります。

症状が軽い時には食欲不振や吐き気、体重の減少があり、重症なるとフラフラしてしまう程神経症状が見られます。

アニサキス症(食中毒)

アニサキスは魚介類の内臓に寄生している寄生虫で、サバ、アジ、イワシ、イカ、サンマなどでの感染が多いとされています。

内臓や鮮度のない(鮮度の落ちた)魚の刺身を食べる事で、アニサキス症(食中毒)を引き起こすことが少なくありません。

−20℃で24時間以上の冷凍処理や1分以上茹でれば予防になり、スーパや魚屋さんで売っている新鮮なものを与えれば安心です。

アニサキスという回虫を食べてしまうと、胃壁や腸壁に侵入されてしまい激しい腹痛や嘔吐の症状が起ります。

ヒスタミン食中毒

マグロ、サンマ、アジなどの青魚を常温で放置する事で、アレルギーの原因となるヒスタミンという物質が蓄積されてしまいます。

ヒスタミン食中毒は鮮度の落ちた魚を食べることで起こる食中毒で、下痢や嘔吐・舌や顔の腫れ、じんましんやめまいといった食物アレルギー症状がみられます。

ヒスタミンは煮ても焼いても分解されない為、加熱すれば大丈夫という事はなく鮮度の落ちたものは与えないようにします。

イエローファット(黄色脂肪症)

アジやサンマ、イワシなど不飽和脂肪酸が多く含まれている魚を食べ続けると、腹腔内などの皮下組織に炎症が起こります。

イエローファットは皮下脂肪に炎症が生じた際に脂肪が黄色に変色する為、イエローファットという名がつけられました。

皮下脂肪のしこりによって発熱や傷みが出る為、猫は触られるのを嫌がるようになり歩行異常の症状が見られます。

アレルギー症状にも注意

猫の場合魚介類も他の食べ物と同じようにアレルギーを誘発する事があり、牛肉に次いでアレルギーの原因となります。

魚のタンパク質が原因となり、アレルギーを引き起こしてしまう猫もいます。

アレルギー反応が出た際は、嘔吐や下痢、脱毛やお腹が張るなどの症状が見られます。

初めて刺身を食べさせる際は、下痢、嘔吐、痒み、目や耳が赤くなっていないかなどを気をつけて観察するようにします。

まとめ

猫が刺身が好きな事は匂いを敏感に感じて落ち着きがなくなる様子からもわかり、美味しく食べる姿は可愛らしく癒されます。

つい近寄ってくると与えてしまいたくなりますが、甲殻類、貝類は危険性があり青魚などは多く食べさせてしまう事で病気になる場合もあります。

愛猫と楽しい日々を過ごす為にも与え方に注意し、もし病気を発症した場合でも早めに気づいてあげられるようにしたいものですね!

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