猫にマグロは与えてもいい?与える時の注意点とアレルギーや病気の危険性も

2022/04/15

目次

猫にマグロは与えてもいい?

マグロをはじめとする魚類は、猫のご飯というと定番のような存在ですよね。

実際に魚が大好きな猫はたくさんいますし、漁港と猫はピッタリの風景として穏やかな空気を感じます。

マグロには、猫に良いとされる栄養素や成分を多く含み、健康な体を作る食材として様々なメリットがあります。

ですが、好きなだけ・食べたいだけ与えると多くの問題が出てくる可能性もあります。

ここでは、猫にマグロを与える時の注意点や調理方法などをご紹介していきますので、大切な家族である猫の健康を意識した与え方を考えていきましょう。

猫にマグロを与える時の注意点やアレルギー・病気の危険性

どんな食材でも、摂取量によって体に良くない反応を起こす可能性があります。

また、それぞれの猫の体質によっても反応は様々ですので、「適量」と「調理法」が大切となります。

今まで加工されたご飯ばかり食べていた猫なら、食べ慣れない生のマグロを与えればお腹を壊すこともあるかもしれません。

マグロを食べることによって、猫の体に起こるかもしれない症状や病気について詳しく説明していきます。

適量を超えたら生じるマグロアレルギー

マグロに含まれるタウリンやタンパク質は、猫の体を健康に保つために必要な栄養素です。

犬のように体の中でタウリンを合成することができない猫は、フードやサプリメントで補う必要があります。

もしこのタウリンが減少すると、目の健康や心臓の細胞を健康に保つ機能が失われ、猫に最も多いとされる肝臓機能にも障害が起きやすくなるでしょう。

また、逆に必要量以上に体に入ったタウリンは尿と一緒に排出されてしまうので、困った副作用の心配もありません。

「それなら、たくさん与えれば良いよね」と考えがちですが、適量を超えたマグロの摂取によってアレルギー反応を起こす猫も多く、市販の缶詰やカリカリ以外のマグロを与える時は注意しましょう。

放置された刺身が原因のヒスタミン食中毒

ご自宅でマグロを猫に与えるシチュエーションとして、夕食時のお刺身のお裾分けや翌日に余った生のマグロを与えることが多いのはないでしょうか。

季節や新鮮度によって多少の違いはありますが、生のお魚をちょっとの時間でも室温で放置していると、細菌が繁殖しやすくなってヒスタミンという物質が増殖します。

人なら火を通して食べることもある状態の食材も、このヒスタミンは熱で死滅することがないので猫には中毒となって症状が現れます。

中毒症状として、激しい嘔吐や下痢・ふらつきといった異変が摂取後の2〜3時間くらいの間に現れるでしょう。

万が一、そのような症状が見受けられたら速やかにかかりつけの動物病院で受診してください。

食中毒を防ぐ方法として、お店で購入したらすぐにご自宅の冷蔵庫で保存し、食卓やキッチンに放置することがないように注意しましょう。

マグロの過剰摂取でなるイエローファット(黄色脂肪症)

イエローファット(黄色脂肪症)とは、マグロやカツオの他にも俗に言う青魚であるアジやサバといった魚の過剰摂取によって引き起こされる病気です。

通常、不飽和脂肪酸を多く含むこれらの魚は、血流を良くしてガンの発生を防ぐものとして体に良い効果を与えます。

しかし過剰摂取によって猫の脂肪を酸化させて炎症を引き起こす可能性があります。

この病気は脂肪を通常の白色から黄色に変色させることから、イエローファットと呼ばれています。

しこりの発生や痛みを生じるので、歩行障害の他にも食欲減退や発熱といった症状が現れます。

マグロが有する水銀中毒の可能性

一般的に、マグロや一部の水産物にはメチル水銀濃度が高く含まれているといわれており、人間の体も多く摂取すると水銀による体調への影響が懸念されます。

日本で水銀に汚染された魚介類によって犬や猫・人に多大な被害をもたらした水俣病の発生もあって、毎日の食事としてマグロを与えることに心配される飼い主様も多いはずです。

体の大きなマグロは食物連鎖によって高い濃度の水銀を持っている可能性がありますが、マグロが大好きな日本人でも摂取量は心配のレベルではないことが厚生労働省による見解として発表されています。

ですが、体の小さい猫にマグロを頻繁に与えることは避けたほうが良いでしょう。

生のマグロが原因のチアミン欠乏症

マグロには、猫の健康に役立つ成分が豊富ですが、摂取しすぎると思わぬ弊害となり得るでしょう。

生魚にはチアミナーゼという成分が含まれており、この成分は昔から猫に与えてはいけないと言われているイカにも含まれています。

このチアミナーゼは、ビタミンB1であるチアミンを分解させてしまいチアミン欠乏症を発症させる要因となります。

哺乳類は体内でビタミンB1であるチアミンを作ることができません。

しかも猫はビタミンを体内で蓄えることが出来ず、同じ哺乳類である犬の何倍ものチアミンが必要となるのでチアミン欠乏症となる可能性が最も高いといわれています。

わさびや醤油などの味つけは厳禁

飼い主様の食事中に、可愛い顔や仕草でおねだりされてついついひと口。

といった経験を持つ方も多いかもしれません。

特にお刺身は大好きな猫が多く、与えやすいのでお裾分けしやすいかもしれません。

ですが、人間用に用意した食事は味付けされたものが多くお刺身もわさびや醤油が付いている可能性もあります。

猫に人間の調味料を与えると塩分過多となり、様々な体調不良や腎臓病などの思わぬ病気を発症してしまいます。

間違っても味付けされた食べ物を猫に与えることがないよう、人間用と区別して扱いましょう。

猫にマグロの加工品を与えても大丈夫?

大好きなマグロを猫にあげたい!と思う飼い主様もいらっしゃいますが、人間用のマグロの加工品は先述したように猫の体に少なからず影響が出る恐れがあります。

一つひとつ、成分や味付けについてご紹介していきます。

マグロフレーク

マグロの身をほぐしてフレーク状に加工したものです。

人間の好みに合うように加工されていますので、大量の醤油が使われておりご飯に合う濃いめの味付けとなっている商品が多いようです。

猫には塩分が強すぎるので、味付けされていない猫用のマグロフレークを与えましょう。

ツナ缶

人間用に加工されたツナ缶は、オイル漬けになっている製品が主流です。

一部、素材を活かしたノンオイル商品も販売されていますが、塩分やカロリーの摂りすぎにも繋がりますので与えるのはおすすめしません。

猫の体を考えた猫専用のツナは、豊富な種類が販売されていますのでそちらを選んであげましょう。

マグロ節

マグロを燻製にしたマグロ節は、塩分が多く猫の体に影響が出る場合があります。

素材そのものをシンプルに乾燥させて、塩分を限界までカットした猫用のマグロ節が販売されていますので、どうしてもあげたい場合は猫専用のマグロ節を与えましょう。

まとめ

猫にマグロの豊富な栄養成分は欠かせないものであることがわかりました。

しかし、適量を超えた摂取や味付けされた人間用のマグロは、猫の健康を脅かす存在となります。

猫によって許容量も違いますので、初めて与える時はごく少量を様子をみながら与えてください。

どうしても不安がある飼い主様は、掛かりつけの動物病院で相談するか猫専用に加工されている商品を選ぶと間違いありません。

猫の健康と安全を守りながら、好みに合わせた美味しい食事を用意してあげてくださいね。

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