【徹底調査!】猫と人間の歴史とは?猫の起源や人が飼い始めた理由など

2022/03/10

目次

猫の歴史:猫の起源を辿る

猫は約9500年前から人間のパートナーとして、扱われていたと考えられています。

砂漠地帯に生息しているリビアヤマネコが猫の起源だとすると、エジプトからヨーロッパ、アジアへと広がり中国から日本にやって来たと考えるのが自然かもしれません。

猫がネズミを追いかけたり小さくて素早く動くものを捕らえようとする習性は、リビアヤマネコが小鳥やネズミなどの小動物を獲物にしていたからだと思われます。

現代で猫がペットとして人間と一緒に暮らすようになった過程には、どのような歴史があるのかを調べてみました。

猫(イエネコ)の起源はリビアヤマネコ

動物分類学で猫は「イエネコ」と呼ばれていて、哺乳類、食肉目、ネコ科、ネコ属に分類されリビアヤマネコが家畜化されたものです。

猫(イエネコ)の先祖となる「リビアヤマネコ」の生息地はサバンナや砂漠といった乾燥した暑い地域の為、子孫である猫が寒さや水を苦手としている理由が分かります。

リビアヤマネコの大きさは体長は50〜60㎝、尻尾の長さが20〜40㎝、体重は5㎏程度になり、色は砂漠で同化しそうな色合いで柄なども相対的に見えるキジトラに似ています。

現代飼われている猫には大きさの異なる猫もいますが、多くの猫がリビアヤマネコと同じくらいの体格をしています。

世界中に様々な種類の猫が存在しますが、全てはリビアヤマネコが起源で生活環境や歴史の中で変化をしたのかもしれません。

リビアヤマネコは人懐っこい

猫(イエネコ)とリビアヤマネコの共通点は性格にも見られ、ネコ科の動物の中でも人懐っこい所が特徴です。

リビアヤマネコは比較的警戒心が薄く子猫の頃から人間に育てられると家族のような関係になれますが、ペットとして流通できる種類の猫ではなく飼うには無理があります。

海外の一部の動物園でリビアヤマネコを展示している所もあるようですが、残念ながら日本では見る事のできない猫です。

猫の祖先であるリビアヤマネコを実際に見たり飼うチャンスはありませんが、現代に存在している猫から想像できるのではないでしょうか?

猫の歴史:人が猫を飼い始めた理由

海外と日本には、猫がネズミ捕りとして活躍してきた歴史があります。

世界中で可愛がられ人間の近くで生活を共にするようになったのは、愛らしい見た目や人懐こい性格の他にネズミによる被害を防ぐ為に飼いはじめたのが理由のひとつです。

ネズミは伝染病を媒介したり穀物を荒らしてしまう為、猫が捕らえる事で感染拡大の予防につながり人間の大切な食料を守ってくれます

人間に危害を加えない点がどの国でも重宝され、ネコを飼いはじめた理由にあげられます。

エジプトで行われた猫の家畜化

紀元前4000~5000年頃のエジプトで猫は特異な地位を占めていて、猛毒を持つヘビ(コブラ)やネズミなどの害獣駆除を行う為に家畜化し始めたと言われています。

当時のエジプトにはジャングルキャットやリビアヤマネコがいましたが、ジャングルキャットは野性味が強く人間には懐かなかったようです。

リビアヤマネコは当時の人々の忍耐力と、リビアヤマネコの内部にある気質的な突然変異によって性格が温和化され家畜化が実現しました。

猫は王族の間ではペットとしても寵愛され、当時のエジプトの富裕層の間ではヒヒ、ライオン、ガゼルなどの野生動物を飼いならすのが一種のファッションだったようです。

中世ヨーロッパで迫害・飼育された猫

7世紀にキリスト教が異端とみなしたグリーシス派を「黒猫に姿を変えた悪魔と手を組んでいる」と非難した事から猫が迫害されるようになります。

中世ヨーロッパの魔女裁判によって、猫は「魔女の手先」と疑われ大量虐殺が始まってしまいます。

しかし猫がいなくなった事でペストが大流行してしまい、その原因となるネズミを追い払うためヨーロッパの人々は迫害をやめて再び猫を飼育するようになります。

猫の歴史:日本人と猫が歩んできた道

日本では約2000年前の弥生時代から猫がいた形跡が残っていて、平安時代には宇多天皇の日記「寛平御記」に登場し古くから愛されていました。

ネズミを獲物とする猫は穀物の倉庫番として重宝され、人間と一緒に暮らす事によって双方に利益が生まれます。

猫は人間の傍にいれば水や食べ物がもらえて、天敵からも守られ安全に暮らせるようになります。

人間はネズミの害から救ってくれた猫を、富や豊かさの象徴や守り神としても親しむようになります。

弥生時代の日本人と猫

長崎県の離島にある壱岐島のカラカミ遺跡から猫らしい骨が見つかり、弥生時代に猫が存在していた事がわかりました。

大陸から稲作農耕が伝わった時に、ネズミから農作物を守る存在として伝来した説が濃厚のようです。

古代日本では愛玩目的で猫を飼育するというより、貯蔵していた穀物を昆虫やネズミから守るために猫を側に置いていたようです。

平安時代の日本人と猫

平安時代になると、ようやく猫は現在のように愛玩動物として飼われるようになりました。

しかし貴重な存在だったため高貴な身分の限られた人物のみにしか飼育は許されず、貴族の間では猫を飼う事が密かに流行っていたようです。

887年に天皇に即位した宇多天皇は猫好きで知られていて、父親から譲り受けた黒猫を可愛がっていました。

「寛平御記」に綴られている猫の様子はよく観察されていて、現代の猫ブログのルーツになるかもしれません。

一条天皇も猫好きで知られていて、猫の誕生日を祝う儀式や飼っていた猫に階位を与えたという話もあります。

安土桃山時代〜江戸時代の日本人と猫

江戸時代初期までは猫の数が増える事はなく存在は貴重で、少ない猫の代わりにネズミ駆除する力があるとして猫の絵が重宝されていてという史実もあります。

ネズミの害を減らすために猫を放し飼いするよう命令が出され、ネズミの害は激減し中々の効果が見られたようです。

縁起物の招き猫が生み出され猫は守り神としても人々に親しまれるようになり、庶民の間でもネズミを駆除するために猫を飼育する習慣が広がりました。

人間よりも小さく力のない猫が、ネズミを捕らえてくれる事で人々の生活を支えてくれていた事がわかります。

現代ではペットとして当たり前のように飼われていますが、昔は貴重な存在だったと実感させられました。

江戸時代〜現代の日本人と猫

江戸時代後期には歌舞伎や浮世絵などのモチーフとして使われ、「猫ブーム」旋風が巻き起こっていました。

歌川国芳は江戸時代末期に活躍し、猫にまつわる浮世絵を数多く残した浮世絵師で愛猫家でも知られています。

明治には竹久夢二の美人画に描かれた猫が有名で、文芸作品でも猫が登場するものが多く見られ代表的なものには夏目漱石の「吾輩は猫である」があります。

世界でも、日本でも猫はいくつもの芸術のモチーフとされ、現在も多くの人々に愛され続け経済にも影響を与えるほどです。

第二次世界大戦が終わり庶民の生活にもゆとりがでてくると、猫を家族として飼う家庭も増えました。

猫の人気は年を追うごとに高まっていて、飼われている数も増え続けています。

まとめ

猫の祖先はリビアヤマネコで、当時の人々の忍耐力で家畜化され人懐っこい性格や習性が引き継がれています。

人間に歴史があるように猫にもあり、尊い存在であることを実感させられました。

現代ではペットとして簡単に飼う事が可能ですが、昔は貴重で限られた人しか飼う事のできない存在でした。

捨て猫や飼育放棄など悲しいニュースもありますが、長い間人間の生活を支えてくれた猫に感謝する気持ちを忘れずにいたいものですね!

この記事を読んだ人におすすめの記事