【徹底解説】犬のミネラル不足を解消!症状チェックやレシピ、Q&A

2020/03/30

目次

愛犬のミネラル不足とは?


普段あまり意識しないことですが、犬は人間よりもミネラルを必要とする動物です。
犬は「動物性たんぱく質」を主に摂取します。この「動物性たんぱく質」が体内でエネルギーとして使用できるようにするのが、ミネラルの役割なのです。
ミネラルは体内で産生することができないため、フードやサプリメントで補う必要があります。

もしミネラルが不足すると、以下の影響が出る恐れがあります。

POINT
・カルシウムやリンの不足による骨の形成不全
・鉄不足による貧血
・カリウム不足による発達への影響や、脱水症状
・ナトリウム不足による皮膚トラブルなど

しかし一方で、過剰摂取による健康阻害もあり、量による加減や、ミネラル同士のバランスなども考えて与えなくてはなりません。
効率良く、効果的なミネラルの与え方とはどのようなものなのでしょうか。

そもそもミネラルとは?簡単一覧表!


ミネラルとは、身体に必要な5大栄養素(たんぱく質、脂質、淡水化物、ビタミン、ミネラル)の1つで、およそ13種類のミネラルが身体の中に存在していると考えられています。
その中で、主に存在するミネラルとしては、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、マグネシウムの5種類が挙げられます。
その他8種類のミネラルも、ごく微量ながら犬には必要とされ、摂取することが望まれます。

ミネラル栄養素一覧

カルシウム
主に骨と歯に吸収され、形成する
わずかに血液や筋肉にも含まれ、止血や筋肉運動の維持に役立つ
不足すると、骨折や痙攣、子犬の骨の形成不全などが起こる恐れも
乳製品、小魚などに多く含まれる

リン
カルシウムと共に吸収され、骨や歯を丈夫にする
ただし、リンの摂取量が多すぎるとカルシウム不足となり、骨や歯が弱くなる
不足すると、倦怠感や反射低下の恐れがある
魚類、牛乳、大豆、肉類に多く含まれる

カリウム
細胞間の水分バランスの調整により、血圧を一定に保つ
心臓、神経、筋肉の状態を良好に保つ
不足すると、発育不全や脱水症状の恐れがある
心臓や脳に関する病気にも注意が必要となる
海藻や鰹節などに多く含まれる

ナトリウム
カリウムと共に、体内の水分量を調節し、心臓や筋肉の働きを助ける
不足すると、食欲低下、皮膚トラブルなどの症状があらわれる
食塩が代表的

マグネシウム
骨や歯を形成する
身体の代謝を促進する
不足すると、発育不全や麻痺などが起こる恐れがある
海藻類、大豆製品に多く含まれる


赤血球産生に必要
特にヘモグロビンの成分として必須となる
不足すると貧血や免疫力の低下などを引き起こす
また、体重が減ったり、皮膚や被毛のトラブルを起こすこともある
海藻類、貝類に多く含まれる

亜鉛
細胞分裂を正常に行うために必要なことから、傷の回復を助ける働きを持つ
酵素を活性化する
不足すると、傷の回復の遅れや、アレルギー反応を起こすことがある
胡麻、レバーの多く含まれる


貧血の予防や、免疫力を向上させる
メラニンを合成する
赤血球を作るサポートも行う
不足すると、貧血を引き起こす恐れがある
胡麻、レバーに多く含まれる

マンガン
特に軟骨形成に必要
神経機能にも重量な役割を持つ
発育促進
不足すると発育不全の恐れがある
卵、豆類に多く含まれる

ヨウ素
甲状腺ホルモンの成分
不足すると代謝に異常をきたす
海藻類に多く含まれる

セレン
抗酸化作用があり、老化防止に貢献する
細胞を守る
不足すると免疫機能の低下を起こすことも
魚介類に多く含まれる

ホウ素
骨格に影響すると考えられているが、解明されていない部分もある
不足すると、被毛に影響が出る可能性がある
広く食物に含まれるが、必要量はごく微量である

クロム
血糖値を下げる
糖やたんぱく質、コレステロールなどを代謝する
不足すると、糖尿病、高血圧、疲労感を引き起こすことも
海藻類に多く含まれる

愛犬の体の肥満度合いをチェック!


愛犬の肥満度は、体重だけではわかりづらいものです。
同じ大きさであっても、筋肉量の多い犬と、脂肪の多い犬とでは、体重は大きく異なります。
筋肉と脂肪では、筋肉の方が重みがあります。そのため、見た目は小柄でも、良い筋肉のついた犬は体重が多くなります。

飼い主が愛犬の肥満度を確認する手段として、体を触る、体の様子を観察するという方法があります。

①肋骨がどの程度触れるか
脂肪が厚く覆っていると、蝕知することが困難になります。
脂肪は感じるが、軽く押して肋骨を蝕知できるようであれば肥満気味、蝕知できなければ、肥満となります。

②犬が立った状態で上から見た時に、ウエストのくびれがあるか
ボンヤリとしかくびれが見えない場合は、肥満気味、全く見えない場合は肥満です。

③犬が立った状態で横から見た時に、腰に向かって腹部が絞られているか
わずかに絞られている程度であれば、肥満気味、腹部が膨張して真っ直ぐに見える場合は肥満です。

【予備知識】妊娠授乳期に必要な栄養素


妊娠中や授乳期は、人間同様、多くの栄養素を必要とし、生活の変化も伴います。

POINT
【妊娠中】
妊娠中の犬は、6週目まではわずかな体重増加に留まりますが、その後急速に増えていきます。
そのため、6週目までのエネルギー必要量に大きな変化はなく、6週目以降に25~50%と一気にエネルギー量を増やさなくてはいけません。
エネルギーを増やす目安は、体重の増加にあります。体重が増えるほど、必要エネルギーも増加します。
ただし、太り過ぎは出産時に影響をおよぼす恐れがあるため、動物病院などで定期的に診察を受けることをおすすめします。
POINT
【授乳期】
出産後に体重は減少するものの、授乳期は妊娠中よりも必要栄養量は増加します。
子犬の数に応じて、2~3倍の量が必要となります。
母乳を産生する上で大量の栄養を消費するため、十分な栄養を与えましょう。
この時期はいつでも母犬が食べることができるように、ドライフードを常に出して置くのも、良い方法です。
また、授乳期用のドライフードなど、高栄養のフードを利用すれば、少量でも多くの栄養を摂ることができます。

愛犬のミネラル不足におすすめレシピ3選


★お豆腐チーズケーキ

【材料】
豆腐(木綿または絹) 100g
かぼちゃ 50g
カッテージチーズ 50g
無糖ヨーグルト 大さじ2
卵 1個
レモン汁 小さじ1
米粉 大さじ2
くず粉(10倍の水で煮溶かす) 大さじ2

【作り方】
①かぼちゃは温めて柔らかくしておく
②豆腐は水切りして、フードプロセッサーへ
③②に、米粉以外の材料を全て入れて混ぜる
④③に、米粉を入れてサックリ混ぜる
⑤④を、クッキングシートを敷いた型に流し入れる(空気を抜きながら行うこと)
⑥160度に予熱したオーブンの天板に、300ccのぬるま湯を入れて、30分蒸し焼きにする
⑦少し膨らんだところにつまようじを刺して、生地がつかなければ出来上がり
⑧焼き目を付けるため、様子を見ながら170度で5分ほどずつ焼き足す

POINT
【ワンポイント】
・一度に与えるのは、常温で一切れが目安。食べすぎ注意
・冷凍は2週間程度で食べきる。食べる際は自然解凍で
・米粉はグルテンが出ないよう、サックリ混ぜるのがコツ

★鶏ムネ肉とレバーのソーセージ

【材料】
鶏ムネ肉 100g
鶏レバー 50g
ごはん(柔らかい玄米など) 50g
卵 1個

【作り方】
①材料全てをフードプロセッサーで混ぜ合わせる
②ソーセージ型にして、ラップで両端をキャンディ包みにする
③フライパンが蒸し器になる落し蓋などを利用して、蓋をして蒸す(弱火~中火で10~15分)
④粗熱が取れてから、ラップを外す

POINT
【ワンポイント】
・蒸している時に、ラップが破裂することも
・蒸し焼き直後は高熱のため、火傷に注意する

★お魚クッキー

【材料】
A全粒粉 大さじ3
Aオリーブオイル 小さじ1
水 大さじ1.5くらい
Bちりめんじゃこ 大さじ1
B鮭皮(鰹節、煮干しもOK) 適量

【作り方】
①Aを混ぜてなじませてから、水を入れてこねる
②Bは粗く潰し、Aを混ぜてから10分ほど寝かせる
③②をラップで挟み、5㎜程度にのばす
④③を5㎜くらいに細切りし、フライパンに入れ、弱火で焼く
⑤片面が焼けたら、細切りにしたものをバラバラに切り離す
⑥指で押して弾力がなくなるくらいカリカリになったら、ザルにあげて完成

POINT
【ワンポイント】
・細切りしてフライパンに入れたら、片面が焼けるまで触らないこと
・魚の栄養がまとめて摂れる!

ミネラルについての様々なQ&A


Q:犬にミネラルウォーターを与えても良いの?
A:問題ありません。ただし、飲ませ続けることが必要とは言いません。犬にとってのミネラルウォーターの効果については賛否両論ありますが、実際に効果は証明されていません。
よって、ミネラルウォーターからミネラルを摂取することが、効果的とは言えません。
また、非常災害時などの時は水道水しか飲めない事態も想定できますので、水は水分補給のみの役割とし、ミネラルはフードから摂取できることが望ましいと言えます。

Q:ミネラルを補うため、犬に人間用のサプリメントを与えても問題はありませんか?
A:与えないでください。人間用と犬用では、成分の濃度に違いがあります。
人間では全く問題がなくても、犬にとっては中毒症状が出てしまう場合がありますので、とても危険です。
同じ成分なのに、「犬用」と謳えば高く売れるから「犬用サプリメント」として、人間用のサプリメントをデザインだけ犬用にして販売している、というご意見もありますが、基本的に内容成分が異なるために「人間用」「犬用」としているのです。

Q:サプリメントでミネラルを補えば、病気は治るの?
A:イエスかノーか、と問われれば、答えは「ノー」です。
サプリメントは薬ではありません。あくまで栄養補給のサポートをする食品です。ですから、販売されているサプリメントに「病気が治る」というようなキャッチコピーがついていたら、それは法律違反になります。
愛犬が病気になると、藁にもすがる思いに駆られますが、間違った謳い文句に踊らされないよう十分注意しましょう。

Q:ミネラルは不足しやすいの?
A:良質なドライフードを与えている限り、不足することはほとんどありません。ミネラル自体の必要量が微量なため、フードで十分に補うことができます。
ただし、手作り食であったり、食の細い犬である場合には、必要量を摂取できていないことも考えられます。
また、あまり質の良くないドライフードでも偏りが出ることもありますので、少し様子がおかしいと感じたら、獣医さんに相談してみてはいかがでしょうか。

Q:1つでは心配なので、様々なミネラル用サプリメントを併用したいと考えています
A:これは少し危険かもしれません。ミネラルはそれぞれのバランスと量がとても大切だからです。
一つのミネラル成分が過剰になったことで、他のミネラルの効果が阻害され、逆に不健康な体を生み出してしまうことがあります。
多くのお金を費やして、犬を病気にしてしまうという最悪の結果をもたらさないためにも、サプリメントは必要最低限で十分であることを認識しておきましょう。

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