【猫の死因第1位】慢性腎不全とは?原因や症状・予防法など
2022/03/25
目次
猫の慢性腎不全とは?
猫の慢性腎不全という病気のことを知っているでしょうか。
腎臓の機能が徐々に低下してしまう病気で最終的には完全に機能しなくなってしまいます。
高齢の猫が死んでしまう原因で1位になっているほど身近な病気と言えます。
年齢を重ねるたびに腎臓の機能が低下していくことも関係していますが、少しでも高齢の猫に長生きしてほしいのであれば慢性腎不全にならないように気をつけなければなりません。
気を付けても発病してしまうことはありますが、何も予防方法などをしないよりは発症率を少しでも下げることは期待できます。
猫の慢性腎不全の原因
猫の慢性腎不全の原因は詳しく判明していません。
そのため、予防することが困難であり、早期の発見も難しい病気です。
慢性腎不全に気付いた時にはステージが進んでしまっていることも少なくありません。
しかし、検査をすればステージ1の状態でも発見することができるため、定期的に検査をすることが早期発見の近道と言えます。
腎臓の働きが低下していることを調べる際には数値で確認することができますが、75%程度の腎臓の働きが低下しなければ発見できないデメリットがあります。
一見発見したときには必ず腎不全に近い状態になっているのではないかと考えてしまいやすいですが、腎臓の働きが低下してしまう病気は多くあるため、定期的に検査すれば重症化してしまう前に発見することも充分可能です。
猫の慢性腎不全の症状
猫が慢性腎不全になるとどのような症状が出るのか知っていれば発見を早めることができ、猫の命を守ることも可能です。
次に、慢性腎不全になるとあらわれる症状を紹介します。
高齢の猫で慢性腎不全になりやすい場合は事前に症状を知っていておいて損をすることはありません。
ステージ1の症状
慢性腎不全のステージ1は症状があらわれることはありません。
慢性腎不全の発見が遅れてしまう原因の一つで、血液検査でも異常な数値を示すことはありません。
そのため、ステージ1での状態で見つけることはできないと思いやすいですが、尿検査をすれば異常を確認することが可能な場合があります。
検尿によって蛋白尿であったり、腎臓の形に異常がみられることが確認されれば慢性腎不全である可能性を疑うことができ、より細かな検査を行うことができます。
ステージの2の症状
ステージ2になると多飲多尿の症状があらわれるようになります。
腎臓の働きが低下してしまうと尿を濃縮することができなくなり、薄い尿になります。
その結果頻繁に排尿するようになりますが、それだけ水分を排出していることになるため、水分不足に陥ってしまいます。
水分不足から頻繁に水分を摂取するようになり、多飲多尿になります。
しかし、多飲多尿の症状以外はあまり異常が見られず、元気や食欲が低下することもないので、ステージ1と同じように発見が遅れがちです。
異常が見られにくいですが、ステージ2になると腎臓の働きは4分の1は失われています。
ステージ3の症状
ステージ3になるとさらに腎臓の働きが低下してしまうと尿で老廃物を排出することができなくなり、尿毒症になってしまいやすいです。
正常であれば毒素は尿で排出されますが、排出されない毒素は血液中に含まれてしまい、口内炎や胃炎などの症状があらわれます。
また、ここでは初めて元気がなくなり、食欲も低下してしまうため、飼い主も初めて猫の異常に気付きやすいです。
さらに血液検査でも異常な数値をあらわすため、ステージ3で初めて慢性腎不全になっていることに気付くことも少なくありません。
症状が進行していますが、まだ再生医療ができる段階でもあります。
ステージ4の症状
ステージ4になってしまうと臨床症状があらわれ、末期でもあります。
尿毒症もさらに酷くなり、積極的な治療をしなければ回復することはありません。
それどころか生命維持が困難になってしまうこともあり、死亡してしまうことも少なくありません。
場合によっては治療ができないほど症状が進行してしまっていることもあります。
いかにステージ4になるまで放置しないかが重要になり、早期発見が慢性腎不全から猫を守る唯一の方法と言えます。
猫の慢性腎不全の予防法
慢性腎不全を予防することができれば猫を守ることにもつながります。
上記では慢性腎不全になる原因は特定されていないことを紹介しましたが、予防効果が期待できる手段はいくつかあります。
そのため、将来慢性腎不全にさせないためにも予防方法を知り、実行するようにしましょう。
水を摂取できる環境づくり
水を摂取できる環境を作っておくことである程度慢性腎不全を予防することができます。
猫は元々積極的に水分補給しない動物ですが、水分が必要ないわけではありません。
いかに水を飲みやすいようにすることが重要であり、新鮮な水がいつでも飲めるようにして、水の入れ替えも頻繁に行うようにしましょう。
積極的に水を飲まないため、そこまで必要ないと考えてしまいやすいことが水を入れかえる頻度を遅らせてしまう原因の一つです。
摂取する食事に注意する
猫に必要な総合栄養食を与えることが大切です。
なにごとにも言えることですが、栄養バランスが乱れている食事を与え続けてしまうと一つの栄養素を過剰に摂取しやすく、特定の栄養素が不足してしまいがちです。
基本的に市販されているキャットフードを与えていればバランスの良い栄養が摂取できている場合が多いですが、手作りしている場合は栄養が偏ってしまうことも多いです。
場合によっては動物病院の先生からタンパク質などの栄養を摂取することを制限されることもあります。
定期的な検査を受ける
定期的な検査を受けていれば早期発見にもつながるため、可能であれば受けさせることをおすすめします。
特にシニア期になると慢性腎不全にもなりやすいので定期検査の重要性はより高まります。
定期検査は年に1回が基本ではありますが、高齢の猫であれば半年に1回などに早めることで早期発見につなげることができます。
慢性腎不全事態を予防することはできませんが、重症化してしまうことや発見が遅れてしまうことは予防することができます。
猫の慢性腎不全の治療法
慢性腎不全の治療を行っても完治を目指すことは難しく、進行して症状を少しでも和らげることしかできません。
また、食事療法を行うことはできますが、同じく、症状を抑える程度の効果しかできません。
完治しないからと言っても治療を諦めてしまうと死亡してしまうことが早まったり、合併症が出てしまうこともあります。
そのため、猫を苦しませてしまう要因となるため、完治できないとわかっていても治療を開始することをおすすめします。
猫の慢性腎不全と急性腎不全の違い
慢性腎不全と急性腎不全という病気がありますが、詳しく説明すると違う部分があります。
違いをしることで飼い猫がどちらかの病気になってしまった際の正しい対処方法や早期発見することも可能になります。
次に、慢性腎不全と急性腎不全の違いを紹介します。
慢性:発見した時には既に重症も多い
慢性腎不全の場合は腎臓の働きが徐々に低下していく特徴があり、初期の段階で気づくことが難しく、症状もほとんど出ません。
徐々に機能が低下してしまうため、慢性腎不全になっていることに気付いた時には症状が悪化してしまったり、元の良い状態にまで戻らない場合が多いです。
早期発見することは難しいですが、発見することができれば腎臓への悪影響が少なく、治療できる可能性も少しながら残されています。
慢性腎不全の場合は定期検査をすることが早期発見に大切なことです。
急性:急死に至るか早期発見で回復か
急性腎不全は急死してしまうこともありますが、早期発見することができれば回復する見込みもあります。
急性腎不全の場合は急性腎不全の場合とは異なり、徐々に腎臓の機能が低下してしまうのではなく、急に腎臓の機能が低下してしまう特徴があり、急死してしまう原因でもあります。
しかし、急に腎臓の働きが悪くなっても早期発見することができ、適切な治療を開始すれば回復することも可能であるため、慢性・急性関係なく早期発見することが猫の命を守ることにつながります。
まとめ
猫の慢性腎不全は徐々に腎臓の機能が低下してしまい、初期症状を発見することができません。
そのため、発見することができた時には症状が進行してしまい、回復することができない可能性もあります。
慢性腎不全にならないための予防方法を行ったり、定期検査を受けることが慢性腎不全になることを回避することもある程度可能になります。
高齢になればなるほど慢性腎不全になる可能性が高まるため、飼い主は注意しなければなりません。
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