犬が怪我してしまった時の9つの状況別対処法とおすすめケア用品3選
2020/03/30
目次
愛犬が怪我してしまった?!
もしも愛犬に怪我させてしまったら、すぐに対処できる自信はありますか?犬の日常には怪我をする様々なリスクが潜んでおり、万が一のときにすぐに対処できるかどうかが大きな分かれ道となることもあります。
怪我の種類によって異なる対処法を取るのはもちろん、人間と似たような怪我でも犬には全く違う対処法を取らなければならないときもあります。ここでは、犬に起こり得る怪我の種類と対処法を9つピックアップしてみました。犬が怪我したときのために用意しておきたい物についても、参考にしてみてください。
傷や怪我は化膿してしまう?ガーゼ?
切り傷やかすり傷がついたときには、すぐに消毒しなければと思うかもしれません。ところが実は、傷を消毒処置してしまうのはNGです。逆効果になる恐れがあるので、気を付けてください。なぜなら、消毒薬には細胞を破壊する威力があるからです。皮膚が傷ついたら細胞が自力で治そうとするのに、消毒薬によって台無しにされかねません。
とはいえ、傷口が化膿してきたら放っておいてよいものか心配になりますよね。化膿してきたときは、傷についた異物や壊死した組織を取り除いてあげたほうが消毒より効果的です。洗ってきれいにするだけでも、治りが早くなることはあります。動物病院でも、傷口の消毒を一切しないところがあるくらいです。
犬が傷口をなめてしまったり、ばい菌がつかないか、痛くないかと心配でガーゼや絆創膏を付けてあげたくなることもあるでしょう。傷口を覆うことで、化膿している傷口が外部から守られるようにも思えるかもしれません。
しかし、傷口にガーゼや絆創膏をあてるのも逆効果です。
犬の体が自力で傷を修復しようとしているときは、正常な細胞を増やすために水分を求めます。ガーゼや絆創膏をあてると水分が吸収されてしまうため、乾燥が進んでしまうのです。乾いたほうが傷が早く治るのではないかという考えは逆で、傷口から水分が失われないようにする必要があります。ガーゼなどをあててしまうと、傷口にくっついて剥がすときに皮膚に傷をつけてしまう恐れがあるのも問題です。
愛犬が怪我してしまった時の具体的な9つの対処法
愛犬が怪我をしたといっても、怪我の種類や規模は様々です。交通事故に遭った場合などは、とにかく病院に急いで連れて行かなければとなるでしょうし、やけどと骨折でも対処法は全く異なります。愛犬がどんな怪我をしてしまったときにも慌てずに対処できるように、以下の3つのポイントは事前に準備しておくようにしましょう。
かかりつけの動物病院以外にも、夜間や早朝、休日などに診療してくれる病院の連絡先を控えておきましょう。
2.電話で獣医に伝える内容
愛犬の怪我に気付いた直後は、気が動転して動物病院に電話をしても要領よく事態を説明できないかもしれません。少なくとも何歳でどのくらいの体重や大きさなのか、犬種などは正確に伝えられるようにメモしておくとよいでしょう。
3.病院までの移動手段を準備しておく
いつ愛犬が怪我をするかはわからないため、病院までの移動手段はいくつか確保しておきましょう。呼んだら来てくれるペット乗車OKのタクシーなども、連絡先を控えておくと便利です。
①爪からの出血
犬の被毛は外傷から守る役割も持っていますが、それでも強い衝撃によって傷つき出血してしまうことがあります。被毛に隠れて出血に気付きにくいこともありますが、爪から出血しているときも足を裏返してみて初めて気付いて驚かされことがあるものです。犬自身は傷や出血を気にして患部をなめたり気にする様子をしているはずですから、早めに気付いてあげましょう。
爪からの出血は、爪切りなどでも起こりやすいです。爪にも血管や神経が通っていますから、出血に伴って痛みを感じることもあります。応急処置としては、ガーゼなどで軽く圧迫止血をしてあげてください。汚れがついているときは、水で洗います。出血が5分くらいで止まらなかったら、病院に連れていってあげましょう。爪が激しく損傷していたり、出血量が多い場合も同様です。
②ハサミなどの切り傷
軽くトリミングしてあげようとしたら体を傷つけてしまったり、ガラスなどの尖ったものが突き刺さって愛犬の皮膚が切れてしまうこともあります。
小さな傷であれば、傷にはくっつきにくいガーゼなどで軽く止血しましょう。傷口に汚れがついているときは、洗い流してください。その後、ワセリンや抗生物質入りの軟膏を塗っておきます。傷口が見えにくい場合は、傷の周りを1~2cmほど毛刈りすると手当しやすくなります。
傷が深い場合や出血がひどいときは、すぐに動物病院に連れていくことをおすすめします。ガラスや刃物、陶磁器などの破片が刺さっているようなときも、早めに病院で処置してもらったほうがよいでしょう。
③やけど
料理中にうっかりお湯や油がかかってしまったり、入浴中に熱いお湯をかけてしまったり、愛犬のやけどは日常に起こり得ます。冬場などは、こたつやストーブ、湯たんぽ、カイロなどで低温やけどしてしまうこともあります。
やけどしたときは重症でも見た目にわかりにくいことがありますが、痛みは相当なものです。軽傷なら、流水や氷水・アイスパックなどで冷やすとやけどの炎症を食い止めたり鎮痛効果に期待できます。ただし、あまり長い時間冷やし続けるのが逆効果になる可能性もあるため注意してください。よく冷やしたら、傷口の周りの被毛を刈って、ワセリンなどを塗っておきましょう。
重症のやけどの場合、すぐに動物病院に連絡して応急処置法を聞くと同時に診療もしてもらえるようにしましょう。化学薬品がかかってやけどしてしまうこともあるため、どんな薬品がかかったかも伝えられるように準備してください。
④感電
愛犬が電気コードを噛んだり電源とコンセントがつながっている付近で遊んでいたりして、感電してしまうことがあります。軽傷の場合は、怪我や出血をしていないか口元・歯茎・口の中を確認してください。
感電して動けなくなっていたら、コンセントを抜いて電源を落とすと同時に愛犬の呼吸や意識を確認しましょう。必要があれば、人工呼吸や心臓マッサージもしてあげてください。早急に、動物病院に連絡して連れて行ってあげることも必要です。
⑤誤飲
屋内外を問わず、犬が異物を飲み込んでしまう事故は多々あります。噛んで遊んでいるうちに、顎から外れなくなってしまう、喉の近くに引っかかってしまうということもあるでしょう。飲み込んだ物の一部が口から出ているときは、体内を傷つけてしまう恐れがあるため無理に引っ張らないほうがいいです。簡単に引っ張れるようなときは別として、動物病院に連絡して処置してもらうのが賢明です。
病院では、何を飲み込んだかを正確に伝えることも重要です。飲み込んだものが手元にある場合は、病院まで持っていくのもありです。薬品を飲んだり舐めてしまった場合、薬品名だけでなくどんな成分が使われているかまで答えられるようにしておいたほうがよいでしょう。
⑥骨折
ちょっとした落下や圧力によっても、犬は骨折や脱臼をしてしまうことがあります。骨折の場合、病院に連れていかずに完治するのは難しいでしょう。軽症でも、少し様子を見て病院に連れて行ってください。激しく痛がったり動けない様子を見せていたら、全身をそっと毛布などで包んで病院まで運びましょう。暴れたとき用に、エリザベスカラーを用意しておくと役に立ちます。
骨折をしていても、飼い主に隠す犬もいます。手足がブラブラしていたり引きずっている、腫れている部分があるという場合は、骨折の可能性ありと判断したほうがいいです。やけにじっとしていたり、触ろうとすると嫌がるときも骨折を疑ってみたほうがよいでしょう。
動物病院でも、骨折を治療できるところとできないところがあります。応急処置まではしてくれても、その後の治療は整形外科を紹介される場合があります。小型犬などはすぐに骨折しやすいこともあるため、日頃から骨折した場合の病院を確保しておくことをおすすめします。
⑦パッドの部分の怪我
足の裏のパッド部分は日常的に擦り切れやすく、危険物に直接当たってしまう部分です。切り傷や刺し傷の他、夏場のアスファルトでやけどしてしまう恐れもあります。室内でも、活発に動く犬はパッドの皮が剥けてしまうことが珍しくありません。
パッド部分の傷が軽傷であれば、汚れを水で洗い流してからワセリンや軟膏を塗ってあげましょう。乾燥しないように、上からラップを巻いて靴下や靴を履かせておけば歩くこともできます。傷が大きかったり深かったりした場合は、動物病院に連れて行くことをおすすめします。異物が突き刺さっている場合も同様です。
⑧熱中症
犬の熱中症は、屋外だけでなく屋内でも起こり得ます。呼吸が荒くなっているようなときは、直ちに涼しい場所に移動させたり体を冷やしてあげるようにしましょう。暑いところで過ごさせるときは、塗れタオルをかけてあげるといくらか体温が下がります。太い血管が通う首筋・ワキ・後ろ足などを優先的に冷やしてあげると、効果的です。冷たいペットボトルを当てるのもよいでしょう。
注意しておきたいのは、氷や氷水で体を冷やそうとすることです。急激に体温を下げようとすると、表面温度が下がるだけで体内では血管が収縮してしまうため逆効果となります。水分補給も必要ですが、無理に飲まないようなら休ませてあげましょう。すぐに良くならない、あるいは重症の場合は早急に動物病院で診てもらう必要があります。舌根まで出して呼吸している、よだれが出過ぎている、舌の色が赤いなどが重症のサインです。
⑨犬同士の喧嘩による怪我
犬同士の喧嘩は、散歩中やドッグランで遊ばせているときなどに起こり得ます。遊んでいるように見えても、興奮して噛みつかれることがありますから注意が必要です。軽傷に見えても、感染症にかかったり小さな傷から化膿するようなこともあります。
飼い主が見ていないときに怪我した場合、傷口がわかりにくいかもしれません。犬の様子がおかしかったら、被毛をかき分けて傷がないか確認しましょう。傷を見つけたら、可能であれば被毛を少し刈ってワセリンや軟膏を塗ってください。傷口を乾燥させないためです。
感染症にかかってしまうと危険なため、犬同士の喧嘩による怪我は念のため動物病院で診てもらうことをおすすめします。大量な出血や失神している場合は、そっと病院に運んであげてください。
もしも交通事故にあった場合は?
愛犬が交通事故に遭ってしまったら、まずは冷静に状況判断をすることが大切です。焦って愛犬に近づいて、自分まで事故に巻き込まれてしまったら大変です。安全を確認して愛犬のもとに近寄ったら、呼吸や意識、出血を確認してください。その場で動物病院に連絡し、すぐに受け入れてもらえるように依頼しましょう。事故の状況と愛犬の様子、病院までの所要時間も伝えます。
病院まで運ぶ際には、犬の体に負担がかからないように柔らかい毛布などに寝かせて運んでください。事故現場を離れるときは、事故相手の連絡先も必ず確認するようにします。大型犬も含めて自力で運べない場合は、周囲の人に手伝ってもらって担架代わりにしたタオルや毛布の上に寝かせて四隅を持って運んでください。
心臓マッサージもできればよいのですが、上手くできなくて逆効果になってしまう可能性もあります。大事な愛犬のために、ペットのための心臓マッサージの講習会などに参加しておくのもよいでしょう。寝かせた犬の前足付け根の少し後ろに肋骨がありますが、そこを80~100回/分ペースで押すと心臓マッサージができます。押して離すを繰り返すことで、心臓に血液が送られます。
愛犬用の救急箱を用意しよう!
万が一の怪我は、犬にはいつでも発生するリスクがあります。すぐに応急処置ができるように、愛犬用の救急箱を用意しておくといざというとき役立ちます。愛犬と一緒に旅行するときにも、持っていると便利です。愛犬用救急箱に必ず揃えておきたい物を以下に紹介しておきます。
・包帯、粘着性伸縮包帯
・くっつきにくいガーゼ
・薬品類(酔い止めも含む)
・ハサミ
・タオル、ブランケット
・リード(予備)、カラー
・ウェットティッシュ
・ビニール袋
・ガムテープ
犬用のおすすめ救急箱やケア用品セット3選
Sheltons 携帯用救急箱
バッグインしやすいポーチタイプのお手頃価格
ハサミやガーゼ、三角巾、ピンセットなどが入っており、ポーチ型のケースなのでバッグインしやすいのがポイントです。価格も1,000円を少し超えるくらいと手頃なので、初めて愛犬用に救急箱を買いたいときにもよいでしょう。安全ピンなど愛犬の救急箱としては一見役立たなさそうなグッズも入っていますが、ポーチに余裕があるため入れたままにしておけば何かに使えるかもしれません。また、足りない物を追加しやすいのもポーチタイプのケースのメリットです。小型犬なら三角巾が運送用に使えるかもしれませんが、薄手のブランケットなどを足しておくと安心です。ウェットティッシュなども、小型のものを入れておくとよいでしょう。
Kozy More 携帯用 救急セット
夜間の救急にも対応できる懐中電灯付き
ハサミ・ガーゼ・防護保湿・ピンセットなどが入っており、持ち手が付いたそのままで携帯しやすい救急バッグです。内部にインできる防水ポーチも付いており、夏場に塗れタオルなどを入れて出掛けるにも重宝します。人気のないところで事故に遭ったときには、ホイッスルが役立つでしょう。夜間や曇りの日などに便利な懐中電灯も入っています。犬用に作られている救急箱ではなく人間用の商品ですので、足りない物は追加しておくのがおすすめです。ピルケースには、医薬品を入れておくと外出時にもいつもの薬を与えてあげられます。人用でもあるので、愛犬と一緒に怪我してしまったときには応急処置に兼用できるのも便利でしょう。
OHKEY 救急セット
アルミブランケット入りで病院への輸送に便利
人間用のアウトドア時に役立つ救急箱ですが、ハサミやガーゼ、使い捨て手袋などが入っていて愛犬用にも代用できます。骨折や交通事故に遭ったときのように、安静にして病院まで運びたい場合に便利なアルミブランケットが入っているのが最大の利点です。毛布を持ち歩くのは大変ですが、アルミブランケットなら薄手でコンパクトなのでいつでも携帯できます。事故に遭った犬の体をくるんであげたり、担架代わりにして使うことができます。バッグタイプの救急箱で、持ち手が付いていて持ち歩きやすいのも特徴です。隙間に、小型のワセリンや常備薬などを入れておくにもよいでしょう。犬の体に直接貼ることのできない絆創膏やテープは、固定用に用いることもできます。
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