病気のサイン?犬のおしっこが臭い理由と飼い主が注意する6つの病気
2020/04/25
目次
犬のおしっこの臭いがきついのは病気のサイン?
犬のおしっこは健康のバロメーターです。
しかし愛犬がおしっこをしても注意して観察する事ってあまりないですよね。
家の中で排泄するのであればまだチェックできる事があるかもしれませんが、外で排泄する場合は尚更ないでしょう。
おしっこには血液中の水分や老廃物、不要物を体外に排出するという役割があり、腎臓で作られ、尿管を通って膀胱に蓄積され、尿道を通手排泄されます。
腎臓や尿管と言った尿路の情報はもちろん、全身の情報が沢山詰まっているため、おしっこを調べれば愛犬の体の状態がわかります。
定期的に健康診断などで尿検査を受ける事は重要で、普段愛犬と触れ合っている飼い主だからこそ、毎日チェックしていればわかる事があります。
おしっこが臭くなる理由
先ほどもご紹介しましたが、犬のおしっこは人間と同様、健康のバロメータです。
いつもと違うにおいがする・甘いにおいがすると思ったら要注意。
病気のサインかもしれません。
そこで、今回は犬のおしっこのにおいが臭くなる理由をご紹介していきます。
水分不足が原因かも…
愛犬の朝一番のおしっこの匂いがきついと感じた事はありませんか?
朝一番のおしっこのにおいがきついのは寝る前から朝まで水分を摂らない事により尿が濃くなってアンモニア臭がきつくなってしまうからです。
しかし、日中は無臭で薄い色であれば問題ありません。
水分不足で尿がでる回数が少なくなると排泄回数が減り膀胱炎になるリスクも増えてしまいますので、こまめに水分摂取量をチェックし、切らさないように注意しましょう。
食事が変わった
普段食べていたフードを変えた場合でも、おしっこのにおいが変わる場合はあります。
フードを変える場合は、トライアルセットなど量が少ないものを使って何種類か試す事をおススメします。
年齢・犬種などによっても合うフード・合わないフードがありますので、根気よく探してみて下さい。
病気のサイン?簡単なことからチェック
愛犬のおしっこは飼い主さんであれば毎日見ているでしょうが、何となくしているおしっこの状態をチェックした事がありますか?
おしっこは愛犬の健康状態がわかる重要なもので、その中には病気のサインを出している可能性もあります。
そこで、飼い主さんでも簡単にできる愛犬のおしっこチェック方法をご紹介していきましょう。
おしっこの臭い
健康な犬のおしっこの臭いは、多少のアンモニア臭がする程度です。
しかし、体内に何らかしたの異常がある場合は、その臭いが変化します。
例えば、糖尿病であれば独特な甘い臭いが、また、きついアンモニア臭がする時は。先ほどご紹介しましたが水分不足の可能性があります。
ドライフードをメインであげている場合は、時々フードにお湯をかけたものを与えたりして水分を補う事をおススメします。
水分不足は、膀胱炎を招くほか、全身の不調に関わるので、日頃から注意してあげて下さいね。
おしっこの回数
犬は人間と違ってあまり汗をかかないので、飲んだ水の量とおしっこの回数はだいたい同じです。
もしも、愛犬のおしっこの回数が増えたと感じた場合は、水を飲む量をチェックしてみて下さい。
水を飲む量が増えておしっこの回数も増えた時は、糖尿病やクッシング症候群、尿崩症といったホルモン異常の可能性が出てきます。
メスの場合であると、子宮蓄膿症が原因でおしっこの量が増える事もあるでしょう。
水を飲む量が増えていないのに、おしっこの回数が増えている場合は、腎機能の低下や慢性の腎不全が疑われます。
おしっこの色
おしっこの色が、茶褐色や赤っぽい色をしていたら、それは血尿で尿路結石や前立腺炎が疑われます。
また、ネギ中毒による赤血球の破壊でも血尿が出る事があるのですが、犬にとってネギ類は絶対に禁物ですので、間違って食べてしまわないように気をつけましょう。
次におしっこの濃さですが、山吹色のような濃い黄色のおしっこが出た場合は、水分不足や肝臓の異常、加えて目に黄疸が出ている時は、病状がかなり進んでいるサインですので早急に動物病院を受診するようにして下さい。
また、色の薄いおしっこは、水分の摂りすぎや腎不全、ホルモンの病気が疑われますので、水分が十分に摂れているから安心とは思わないようにましょう。
考えられる病気
犬にとっておしっこはとても大事なバロメーターだという事は先ほどまでの項目でわかって頂けたと思います。
犬は比較的腎臓の病気になりやすく、腎臓は症状が出た時には既に進行が進んでいるという場合もありますので、日頃から愛犬のおしっこのチェックを飼い主さんがしっかりチェックしてあげる事で早期発見に繋がります。
そこで、ここでは犬のおしっこの異常で考えられる病気をご紹介していきます。
前立腺炎
前立腺は副生殖器とも言われ、膀胱の真下に位置します。
前立腺の生成する前立腺液が精子と混ざり精液を作ります。
そして、前立腺の中に血液が溜まる袋があると感染が起こり前立腺炎になってしまうのです。
急性の前立腺炎は発熱・痛みがあり元気がなくなるなどの症状や血尿もありますが、慢性になるとほとんど症状がありません。
慢性状態が続くと前立腺腫瘍となってしまい、腹膜炎や敗血症など命に関わる危険な状態に陥ってしまう事もありますので、日頃からの愛犬の状態をしっかり観察してあげる事が大切になりますが、不安な場合は、定期的に検診を受け早期発見に努めましょう。
膀胱炎
膀胱炎は、膀胱の粘膜に炎症が起きる病気で、炎症の原因として主なものは、細菌感染や膀胱結石によるものがほとんどです。
他には、外傷や膀胱腫瘍などが原因の場合もあります。
症状としては、痛みがあるので排尿時に鳴く、残尿感から頻繁にトイレに行く、排尿姿勢を取ってから尿が出るまでに時間がかかる、血尿が出るなどです。
膀胱炎は様子を見ていて治るという病気ではありませんので、普段と比べて排尿回数が多いかなというくらいでも早めの受診をおすすめします。
尿道炎
尿道炎は、細菌感染や結石などにより、尿の通り道である尿道に炎症が起きる病気です。
血尿・膿混じりの尿が出て、進行すると痛みを伴う頻尿や排尿困難・元気がなくなる・食欲低下なども見られるようになり、尿道の違和感のために、メスは外陰部、オスはペニスをよく舐めるようになります。
痛みを伴いますので、早めの治療が必要になり、治療としては、細菌感染の場合は、感染している細菌を特定し、抗生物質を投与しますが、結石の場合は、結石を溶かす薬や手術が必要になってしまいます。
体力が低下していると、細菌に感染しやすくなりますので、栄養バランスの良い総合栄養食で健康状態をよくしておく事が大切です。
糖尿病
人間でのとても有名な糖尿病。
そんな糖尿病は犬でも発症します。
糖尿病は、血糖値を下げるように調節するインスリンの分泌不足や作用不足により高血糖状態が維持し、多飲多尿・脱水・体重減少・白内障・後肢の虚弱・末期には糖尿病性ケトアシドーシスによる食欲不振・元気消失・衰弱や脂肪を引き起こす大変怖い病気で、典型的な症状としては多飲多尿が一番わかりやすいと言えるでしょう。
多飲多尿により、おしっこの回数も増えおしっこの色が薄くなります。
症状が多飲多尿だけの症状で発見できればまだ治療もスムーズに進むのですが、そのまま放っておくとご飯はたくさん食べる割にどんどん体重が落ちていき、元気もなくなりぐったりするようになってしまいますので、元気がなくなってしまうと入院治療が必要になります。
多飲多尿が気になったら早急に病院を受診するようにしましょう。
腎性尿糖
腎性糖尿は、血液中のブドウ糖の濃度が正常以下であるにもかかわらず、尿中にブドウ糖が排出される病気です。
これは、尿細管細胞に異常があり、ブドウ糖を再吸収する力が低下しているためと言われており、原因は遺伝性のものが多く、特に目立った症状は見られません。
血糖値が正常なのに尿検査で尿中にブドウ糖が検出された場合に、腎性糖尿と診断されますが、治療は必要ないでしょう。
しかし、気になる場合は先生に相談してみて下さい。
ファンコニー症候群
ファンコニー症候群は、元々人間で定義されている稀な疾患で、腎臓の尿細管と言われる組織の機能不全によって生じる病気です。
犬のファンコニー症候群はそのほとんどが特定犬種で遺伝性によって生じるものであり、日本国内では飼育頭数の少ないバセンジーなどで発生しやすい遺伝性疾患として知られています。
症状としては、多飲多尿・体重の減少となっており、糖尿病の症状ととてもよく似ていますので、日常生活の中で少しでも異常を感じたらすぐに受診する事をおススメします。
まずは病院に行くのが一番!
犬のおしっこの臭いについてご紹介してきましたが、犬のおしっこは健康のバロメーターでおしっこの異常を感じた場合、尿検査をすればすぐにどんな病気がわかります。
おしっこは毎日必ずするものですが、しっかり飼い主さんが観察してあげないと異常があった場合でも早期で発見が難しいですよね。
ですので、少しでもいつもと違いなと違和感を感じた場合は、すぐに病院へ受診し、検査を受けるようにして下さい。
まとめ
今回は、犬のおしっこの臭いについて詳しくご紹介してきました。
おしっこの色や臭い・回数でどのような病気が考えられるのかも解説しましたが、とても怖い病気が多く発見が遅れると命の危険性があるものもあります。
犬は言葉を発する事ができませんので、気をつけてあげるべきなのは飼い主さんなのです。
毎日のおしっこをしっかりチェックしているだけで、少しの違和感でも気づく事ができるでしょう。
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