愛猫の歯石の原因とは?歯石除去にかかる費用やその他の病気を解説!

2020/06/07

目次

猫の歯石の原因は?


猫は虫歯にならないと言われるため、口腔内の病気は無関係だと勘違いしている飼い主も多くいるようです。
しかしそんなことはありません。
ペットとして飼われている猫は、歯石が原因となり大きな病気を引き起こしてしまうことがあります。
歯石とは歯垢と呼ぶ口の中の細菌の塊が数日で石灰化したもので、歯の表面につき黄色や茶色になったもの。猫の歯についた歯垢は歯石に変わるのが早くかなり面倒なことに加え、歯石には歯垢が付着しやすく悪循環を繰り返すのです。
歯石の原因となるのは、毎日与えているキャットフードの食べかすが主にあげられています。野生のネコ科の動物ならば肉食のため、捕らえた獲物の肉を引きちぎり食べます。
この食べ方だと歯の表面を汚すこともなく、食べかすも付着しません。
ペットとして飼われている猫は、ウェットフードやおやつなどの軟らかいものを与えられ口の中には食べかすが残り、その結果が歯垢から歯石になってしまうのです。
予防のためにも普段から飼い猫の歯ミガキも習慣づけておくと良いですね。

猫が歯石が原因で発症する病気


猫の歯は乳歯なら26本、永久歯は全部生え揃うと30本あります。
人間でも健康で長生きするためには、自分の歯をどれだけ維持できるかにかかっていると言っても過言ではありませんよね。
猫も同じで、やはり歯は大切です。猫の歯についた歯石をほっておくと、これが原因となり歯肉炎や歯周病を引きおこすことにつながってしまいます。

歯肉炎

歯肉炎は歯周病の初期段階ともいえる病気で、歯についた歯垢の細菌が炎症を起こした状態です。
歯茎が赤く腫れるなどの症状が見られ、病巣となるのが歯肉までのため歯肉炎と呼びます。
歯と歯の間の境目にある溝(歯周ポケット)に歯垢(プラーク)がたまらないように、猫の歯のケアも早いうちから行ってあげると予防できます。
どうも様子がおかしいとなってから歯ミガキを始めようとしても、猫はきっと警戒して受け入れてはくれないでしょう。
なるべく子猫のうちに特に生後4~6ヵ月頃までには歯ミガキをする習慣づけをしておくことをオススメします。

歯周病

歯肉炎が進行すると歯やそのまわりにある靭帯、さらには骨までに炎症を起こすようになります。
これこそ歯周病で、歯を失う一番の原因になっているのです。
歯周病になると、その原因となる箘や毒素が歯茎の毛細血管から血管内に入り込み、身体中の臓器をめぐり始め蝕んでいきます。
口腔内は歯周病により歯のぐらつきや歯の抜け落ち、口臭もひどくなり、食事ができないほどにまで悪化してしまうのです。
また腎臓病の原因にもなるのが歯周病。猫の寿命を縮めてしまうどころか、最悪の場合は死を招くことにもなるため注意しなければなりません。
歯肉炎、歯周病共に予防するには、やはり猫の歯をケアしてあげることが一番です。
歯についた食べかすなどは、慣れるまではやわらかい綿棒でとってあげたり、慣れてきたら歯みがきシート、歯ブラシへと移行するのも1つの方法です。
また歯みがきガムや、歯のケアをするオモチャなどを与えてみるのも良い方法かと思われます。

猫のしぐさで病気を疑う


歯肉炎や歯周病の怖さはお分かりいただけたと思いますが、どのような症状があれば病気ではと疑えばよいのかご説明します。

POINT
①口臭はありませんか?
②歯茎が腫れていたり、赤くなっていませんか?
③口の周りはヨダレで汚れたり、最近ヨダレが多いと感じませんか?
④歯がぐらついていたり、長く見えたりしていませんか?
⑤口から出血していませんか?

1つでも当てはまるのなら、病気を疑ってみるのがよいでしょう。
一度、動物病院で診察してみることをオススメします。
虫歯ならその歯が一本ダメになってしまいますが、歯周病は一本だけではすみません。
歯と歯を支える土台までもがダメになり、次第に体全体にまで悪影響が広がってしまうのです。
手遅れにならないように、ちょっとしたしぐさや症状は見逃さないように気を付けてください。

猫の歯石除去は動物病院へ!費用はいくら?


もしも猫の歯に歯石があれば、病院へ行き処置してください。
歯石は病院で専門の器具「スーケーラー」で削り落としてもらうしか方法がありません。「こんなの大丈夫」と軽い気持ちでそのままにしておくと、後から大変な後悔をすることになるかもしれませんよ。
それでなくてもペットを病院へ連れて行くと、結構な費用がかかりますよね。
そこに処置や、手術などが加わると高額な費用となってしまいます。
ケースごとに例をあげてみると、このようになります。

POINT
・処置はなく診察や検査などー約14,000円
・歯石除去と抜歯ー約45,000円
・手術ー約40,000円
・抜歯、歯槽膿漏などの重症化処置ー約100,000円

いかがですか?驚くほどの費用です。
猫にも辛い思いをさせる結果となる前に、少しでも早く治療してあげるようにしないといけませんね。

猫の歯石除去は麻酔なしは危険!


猫の歯石をとってもらう際には、麻酔をする病院と麻酔無しでと言われる病院があります。
できれば麻酔は避けたいと考えている方もいらっしゃるでしょうが、歯石をとる処置には麻酔をしたほうが安全です。
その理由は、病院へ行くだけでもストレスを感じ怖くて怯えている猫が大半だから! そんな心境なのに突然口の中をいじられ痛い思いをさせられると、猫はきっと暴れてどうにか逃げようとする事でしょう。
歯石をとるには先の尖った器具を使います。
動けば口の中を怪我することも考えられます。
歯周病のケアは歯周ポケット部分をさわるため、かなりの痛みもあることでしょう。
もしバイ菌や歯石が器官に入ってしまったら、肺炎を引き起こしてしまうかもしれません。
麻酔をして眠っている間に怖い思いも痛い思いも済ませてあげたほうが、猫も飼い主も安心なのではないでしょうか。

まとめ


猫にとって歯石は大病を引き起こす原因となるものです。
まずは歯石ができないように、日頃から猫の歯をケアしてあげるのは大切なことです。
歯に食べかすが残っていないか、歯茎に腫れはないか、歯の状態や口の周りなども日常からよく観察してあげるようにしなければなりません。
歯石は歯肉炎や歯周病を引き起こし、猫の健康を害するものです。
まずは適切な処置をしてくれる病院へ連れて行き、猫の健康管理を行っていきましょう。

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