愛猫が肝臓病になってしまう原因は?猫の肝臓病について詳しく解説!

2020/05/30

目次

猫が腎臓病になる原因

猫の病気として必ずあげられるのが腎臓病です。

7才以上になると、そのうちの約3~4割の猫は腎臓病といわれています。さらに15才以上になれば8割の猫と割合も増えていますが、その原因はいまだにはっきりとは分かっていません。

一説に、猫はあまり水を飲まないため歯肉炎や口内炎によるウイルスが原因とか、生まれつきの遺伝性疾患によるものと考えられています。一度悪くなると元には戻せない腎臓、早期発見も難しい病気です。

どのような症状が見られたら腎臓病を疑えばいいのか、また普段から気をつけていきたいことなどをご紹介していきますので、愛猫の様子を観察してみてください。

猫がもっともかかるのは慢性腎臓病

腎臓病といっても、急性腎臓病と慢性腎臓病がありますが、猫がかかりやすいのは慢性腎臓病です。

腎臓の機能がゆっくりと低下していくために早期発見をするのがかなり難しい病気とされてきました。そのため気づいた時にはかなり進行した状態ということも少なくありません。

腎臓が炎症をおこして線維化した結果、機能を果たせなくなり最終的には死につながるのです。シニア猫の死因第一位にもあがるほどで、残念なことに一度腎臓機能が低下すると治すことはできません。

ヒマラヤンやペルシャ猫は生まれつきの遺伝子により、慢性腎臓病になりやすい傾向があります。

腎臓病と診断されたら、進行をおくらせることしかできない怖い病気でもあるのです。猫を飼った以上は腎臓病は覚悟しておかなければならない病気とも言えるため、日頃から私たちが気をつけてあげられる事を覚えておく必要があるとも言えるでしょう。

猫の腎臓病の症状

猫にとって腎臓病は避けては通れない病気です。腎臓は体の中を流れる血液を濾過し、老廃物は尿として体外へ排出させ、必要な栄養分は再吸収しています。

大切な働きをする腎臓が腎臓病になると、毒素や老廃物が体内にたまり最後は死に至ってしまうのです。

腎臓の機能は一度低下してしまうと元には戻せません。進行を遅らせることしかできないため、少しでも早く病気であることな気づいてあげることしかできないのです。

では腎臓病になるとどのような症状がみられるのでしょうか。

POINT
①脱水症状
②水を飲む量が増える
③尿毒症
④貧血
⑤高血圧
これらの症状に気づいた時には腎臓病はかなり進行しています。猫に長生きしてもらうためにも動物病院に連れて行き、今後の治療方法などについて相談する事をおすすめします。

脱水

腎臓病が進行すると水分の吸収が不十分になってしまい、以前に比べると水を飲む量は増えていても、ほとんどは尿として排出されてしまいます。そうなった時には、猫の体は脱水症状をおこしてしまうのです。

最近元気がない、あまり動かなくなった、何故か辛そうなどの症状が見られたら脱水症状をおこしている可能性があります。

確かめる方法として一度猫の首の後ろの皮膚をつまんでみてください。もし脱水症状ならば皮膚の戻りが悪くなります。

予防方としては、いつでも新鮮な水をたくさん飲めるように水場を増やしてあげると良いですね。特に子猫やシニア猫は気をつけて飲みやすい場所に置いてやり、こまめに様子を伺うようにしてください。

水を多く飲むようになる

猫が腎臓病になると水を飲む量が増え、それに伴い尿の回数や量も増加します。腎臓の機能が低下することにより水分の吸収が悪くなるため、水を飲む量が格段に増えてしまうのです。

尿の色も普段と違い、薄い色でニオイも猫特有のきついニオイではなくなります。最近猫の尿があまり匂わなくなったと感じたら要注意です。

もともと猫の祖先は砂漠地帯に住んでいたため、水をそれほど飲むことはありませんでした。そのために尿は濃縮された濃い色でニオイもかなりきついのが平常とされてきたのですが、腎臓にはかなりの負担がかかっているのです。

その関係から猫は腎臓病になりやすいと考えられてきました。いくら水を飲んでも腎臓で吸収されず排出されてしまうため、腎臓病になると水を飲む量が増えるというわけです。

尿毒症

腎臓機能が低下すると血中に排泄できない老廃物が蓄積し尿毒症になってしまいます。猫は食欲が低下し、食べられても気持ちの悪さから嘔吐が増え体重が減少し始めます。

さらに排泄できない毒性物質が血中に含まれたまま他の臓器をめぐって害を与え続け、脱水や体温低下を引き起こします。

脳にまでまわってしまうと、痙攣(けいれん)などの神経症状が現れてくるのです。腎臓が全く機能しなくなる腎不全になると末期症状で死を覚悟しなければなりません。

猫に苦しい思いをさせるだけでなく、飼い主も弱っていく愛猫を側で見ているのは大変辛いものです。

言葉を話せない猫だからこそ、普段からちょっとしたことでも見逃さないように観察し、早期発見・早期治療を行えるようにしてあげなければなりませんね。

貧血

貧血も腎臓病になると見られる症状の1つです。貧血とは赤血球の中にあるヘモグロビン濃度が薄まると起こります。

赤血球をつくるホルモンが減少すると、体の隅々にまで酸素を行き渡らせる働きができなくなり、臓器に異常が出てしまうのです。

貧血になると猫は元気がなくなり食欲も低下します。呼吸や脈も速くなって疲れやすくなり、動けなくなってしまうのです。口の中を見ると歯茎や舌が白っぽいなどの症状も見られるようになります。

またシニア猫は特に気をつけなければなりませんが、貧血になると骨も弱くなってしまうのです。さらに進行すれば輸血を必要とするほどまでになるため、貧血くらいと甘くみないようにしなければなりません。

高血圧

腎臓病により腎臓の機能が低下してしまうと、血圧の調整にも支障が出始めてきます。健康な腎臓なら体に不必要な老廃物は体外へ排出させる働きをしますが、腎臓病になると、その働きが出来なくなってしまいます。

そのため血圧を上げて腎臓に血液をどんどんと流れさせ、老廃物を排出させようとするのです。血圧が上がるだけでなく、腎臓にはさらなる負担がかかる事になり寿命を縮めてしまうことになります。

ただでさえ猫は水をあまり飲まず、健康であっても腎臓に負担をかけてしまう動物です。普段からのライフスタイルや、フードなどでも、腎臓病を予防できることにつなげてあげなければなりませんね。

猫の腎臓病の予防方法

猫が腎臓病にならないようにするには、飼ったその日から気を付けていけることが沢山あります。可愛いからといって、いくら欲しがっても人間の食べ物は猫に与えないようにします。

人間の食べ物にはかなりの塩分が入っていますよね。人間にとって少量でも猫にとっては大敵です。必ずキャットフードを与えるようにしてください。

なるべくなら低タンパク・低リンのフードがおすすめです。

次に水はいつでも飲みたい時に飲めるよう、新鮮な水を用意してあげておくと安心です。飲んだ水の量と尿の色や量、ニオイのチェックも健康状態を把握するのに役立ちます。

普段から定期的に検診に連れていくことも大切です。もし少しでも様子がおかしい、上記でご説明したような症状があれば、すぐに動物病院で診てもらうようにしてくださいね。

猫の腎臓病の治療薬は?

猫の慢性腎臓病に使われている治療薬は2種類あります。1つはセミントラ、もう1つはラプロスです。

腎臓病にはステージ4まであり、どちらの治療薬もステージ2~3の腎臓病の猫が対象になります。

セミントラは液剤の治療薬で、無味無臭のため薬を飲ませるは簡単です。普段のフードに混ぜて与えれば猫も警戒することなく食べてくれます。動物病院で処方してもらうと、およそ5,000~6,000円ほどの価格です。通販でも手に入る治療薬で平均3,600円前後で販売されています。

ラプロスは2,017年に承認された比較的新しい治療薬です。本当は猫用ではなく、人間の血流改善のためにつくられた薬でしたが、これが猫の腎臓病にも効果ありとされ2,017年の4月より発売されることとなりました。こちらは錠剤のため、薬を嫌がる猫には飲ませにくいかもしれませんね。朝晩1錠ずつで、1ヶ月約1万円ほどかかります。

病状によっては2つの治療薬を併用する方がよい場合もあるので、病院できちんと処方してもらうのが良いでしょう。

まとめ

猫にとって腎臓病はついてまわる病気です。

しかし日頃から猫の様子をチェックし、腎臓に負担をかけないフードを与えるなど配慮してあげると予防をすることもできます。

猫は大切な家族の一員です、私たち飼い主も猫の体のことを出来るだけ知り、健康で長生きしてもらえるように気を配らなければなりません。それでも万が一病気になってしまったら、現状を維持し進行を遅らせることができるよう治療薬を使うなど方法を考えていくべきでしょう。

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