毛球症の原因や症状・予防法などをご紹介!ストレスの可能性も
2022/03/22
目次
毛球症の原因
猫を飼っている方は愛猫が毛の塊を吐く場面を見たことがあるのではないでしょうか。
初めて見た方はびっくりしてしまうかもしれませんが猫が毛の塊を吐くことは病気ではなく自然なことなのです。
ですが、この毛の塊が原因で引き起こされる「毛球症」という消化器系の病気を発症することがあるためここでは毛球症の原因について解説していきます。
過剰に行われるグルーミング
猫は自分でグルーミングをする動物ですが、心因性脱毛と呼ばれる過剰なストレスがかかると、その不安を和らげようとして毛づくろいを頻繁に行うようになります。
猫の舌はザラザラした突起が付いているため、過剰にグルーミングが行われることで被毛が切れ、口の中に入っていきます。
中にはグルーミング以外に毛を噛んでしまう行動も見られ、まずはストレスとなる原因を取り除いてあげなければその行動をやめないでしょう。
猫がストレスに感じる要因には飼育環境の変化が影響しており、過剰なグルーミングが悪化すると皮膚炎を起こす危険性もあるため、グルーミングを頻繁に行うようになったと感じたら何が原因かを真っ先に考えてあげてくださいね。
胃腸の働きが悪くなっている
人間と同じで猫も加齢におり胃腸の働きが弱くなっていきます。
そのため、飲み込んだ毛玉を上手く吐き出せなくなったり、便秘になったりすることで胃腸内で消化できず詰まってしまうことがあります。
最悪の場合、開腹手術が必要になることもあるので、飼い主さんの日頃からの観察が重要になってきます。
ブラッシングが足りない
ブラッシングをしていないと、グルーミングの際に飲み込んでしまう毛が必然的に多くなります。
毛球の正体は大量の毛が絡まり合いボールやフェルト状に固まったものです。
特に長毛種は毛づくろいをする回数がそれほど多くなくても、口の中に入る毛の量が多くなるため、短毛種に比べると毛球症になるリスクが高いと言えるでしょう。
毛づくろいの回数が多くなくても、口の中に入る毛の量が多くなるという状況は換毛期と言えます。
冬毛から夏毛、夏毛から冬毛へと生え変わる季節の変わり目はブラッシングを小まめにしてあげることが大切です。
毛球症の症状
毛球症の症状は吐く・えずく・エサを食べない・便秘・お腹がパンパンに膨らむなど消化器系の症状が現れることが多いと言えます。
ここでは代表的な種類と症状について解説していきましょう。
症状①:腸管型
飲み込んだ被毛が胃袋を通過して十二指腸や小腸にまで到達してそこで止まってしまうパターンです。
長期化すると腸閉塞など更に重篤な疾患につながります。
主な症状は食欲不振・元気喪失・体重減少・嘔吐・えづき(吐こうとする仕草をしますが何も出ない)・脱水・腹部の腫瘤・便秘などです。
閉塞が長引くと血流が遮断されて長官組織の壊死が引き起こされ、血便が見られることもあります。
症状②:胃型
飲み込んだ被毛が胃袋の中に止まるパターンです。
毛球症の中でも最もポピュラーに見られる種類で、胃食道重責症や胃運動不全症などが基礎疾患になることもあります。
主な症状は食欲不振・元気喪失・体重減少・頻繁の嘔吐・ガスや胃液による腹部の腫瘤などです。
症状③:食道型
飲み込んだ被毛が食道内に留まるパターンです。
多くの場合、食道裂孔(しょくどうれっこう)ヘルニア・食道憩室(しょくどうけいしつ)・食道絞扼(しょくどうこうやく)・食道運動不全といった基礎疾患が原因となっています。
主な症状は食欲不振・元気喪失・体重減少・食道とは無関係の嘔吐です。
食道に傷がついている場合、吐きだしたものの中に血が混じっていることもあります。
毛球症の予防法
本来猫がグルーミングをするのは自然なことなので病的な行動ではありません。
ですが、その回数や程度が問題で、身体の中に必定以上に被毛を取り込まないようにすることが最大の予防となります。
また、長毛種の猫も場合は毛球ができやすいので、細心の注意が必要でしょう。
そこでここでは毛球症にならないための予防法を解説していきます。
スキンケア・ストレス対策を行う
過剰に毛づくろいをしないためのストレス対策やスキンケアをしてあげてください。
ストレスについては、環境の変化を極力排除することが望ましいでしょう。
家族や同居猫の増減、部屋の模様替えや転居などやむを得ずストレスを与えかねない場合は、猫のストレス緩和に役立つフェロモン剤が販売されています。
使用については獣医師に相談してみてくださいね。
サプリメント・フードを与える
食事やサプリメントを使って毛球症の予防をすることもできます。
猫用のフードには、毛球ができにくくすることをうたい、食物繊維を適度に配合したものが販売されています。
また、飲み込んでしまった毛玉をスムーズに排泄できることを目的としたサプリメントには、油脂を含んだチューブタイプのものがあり、手軽に与えることができるので一度試してみてくださいね。
ブラッシングをする
前述したように毛球症を防ぐためにはまずグルーミングをして毛が口の中に入りにくくしてあげなければいけません。
定期的にブラッシングをかけることによって、猫自身による毛づくろいの回数の軽減が期待できるほか、毛づくろいをした際に飲み込む毛の量も抑制することができるでしょう。
毛球症の治療法
さまざまな予防対策をしても残念ながら毛球症になってしまう子もいます。
毛球症の治療法はさまざまなので、ここでは毛球症になったらどんな治療をするのかを解説していきます。
治療①:皮膚炎を抑える
猫がノミ皮膚炎を発症していたり何らかのアレルギーを抱えている場合、皮膚のかゆみや痛みを緩和しようとして一か所を舐め続け大量の被毛を飲み込んでしまいます。
なので皮膚炎が基礎疾患である場合はまずその治療を行います。
皮膚の違和感がなければ必然的にグルーミングの頻度や時間が減り、飲み込む被毛の総量も連動して減ってくれるでしょう。
治療②:消化管の基礎疾患を抑える
消化管に何らかの基礎疾患を抱えている場合は、まずその治療を行います。
排出プロセスが正常化すれば被毛を飲み込んでも自力で排出することができるので、自然と毛球症も治ってくるでしょう。
しかし、既に毛玉が腸内や食堂にとどまってしまっている場合はヘアボール摘出手術という方法で治療するしかありません。
そうなってしまうと治療費が嵩むだけではなく、猫にとっても負担になってしまうのでそうなる前に早期治療をすることが重要です。
毛球症になりやすい猫の種類
グルーミングする猫であればどんな猫でも毛球症になりやすいのですが、特にペルシャやヒマラヤンなどの長毛種が発症しやすく、春や秋などの換毛期は特に注意が必要です。
品種に限らずストレスを感じやすい猫やキレイ好きな猫で長時間毛づくろいをする場合、毛を飲み込んでしまう毛の量が増すため発症しやすいと言えるでしょう。
また、老齢猫は吐き戻す力が弱まり、胃腸の機能も落ちるため毛球症になりやすいと考えられます。
まとめ
今回は、猫の毛球症について解説してきました。
猫はグルーミングをする動物なのでグルーミングをすること自体は悪くないのですが、毛球症にならないように気をつける必要があります。
予防法などもご紹介していますので、愛猫が毛球症になって苦しむことがないよう注意してあげてくださいね。
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