猫の背中がピクピクしてる!?痙攣を起こす6つの原因や場面と対処法
2020/02/15
目次
猫が痙攣を起こす原因やシーン6つ
特に変わった様子もなかったのに、突然自分の猫が痙攣を始めたら……
犬は寒かったり恐怖を感じたりするとよく震えますが、猫が震えることはあまりないようです。
もしそうだとしたらその痙攣の原因は病気なのでしょうか。
すぐに病院に連れて行くべきなの?飼い主にできることはあるの?
突然起こった痙攣の原因や対処法について、ご紹介します。
もしもの時に大切な我が子の命を守りましょう!
①筋肉疲労によるもの
たくさん遊んで身体が疲れた時にも、筋肉がピクピク動いたり、突然ビクッとしたり、脚をバタつかせたりすることがありますが、これは病的な痙攣ではありません。人間が急な激しい運動の後で「膝が笑う」現象に似ています。
ただし、シニア猫の場合は要注意です。高齢になり痩せて筋肉量が落ちることで、呼吸をするにも震えが出たり、体温調節ができずに震えていることもあります。室温を上げたり身体を温めたりしてもおさまらない場合はケアが必要です。筋肉だけでなく関節などにも影響が出ている可能性もありますので、獣医さんに相談しましょう。
②睡眠時のピクピク
猫にもノンレム睡眠とレム睡眠があります。ノンレム睡眠の時は深い眠りの中にいるので動くことはありませんが、レム睡眠の時には夢を見るような脳の動きが起こっていると考えられています。
レム睡眠時は寝ているのに半目が開いていたり、眼球が動いでいたりします。この時、お腹や背中、ヒゲや脚、尻尾などが所々小刻みに動いています。寝言のような声が聞こえることもあります。飛び起きたりする子もいるようです。ヒゲや口の動きによっては顔が引きつったように見えて心配かもしれませんが、特にそれ以外の健康上の問題がないようであれば、このような時は無理に起こしたりはせず、そのまま寝かせてあげましょう。
③知覚過敏症による痙攣
原因がはっきりとわかっていない痙攣です。てんかんなどの病気に起因している可能性もありますが、現在のところ、環境が変わったり、落ち着いて休める場所がないというストレスが原因ではないかと考えられているようです。
症状には多様性があります。ブラッシングをしていると背中が波打つようにビクビク動いたり、執拗にグルーミングを繰り返したりするのも特徴の一つです。自傷行為のようにある一箇所を舐め続けて傷つけてしますこともあります。また、「知覚過敏」の言葉のとおり、音や刺激に敏感になる様子も見受けられます。痙攣という身体的な変化だけでなく、メンタル面での変化も見過ごさないようにする必要があります。
④てんかん
犬に比べて猫がてんかんを引き起こすことはまれだと言われています。
原因ははっきりとしていませんが、脳の構造は正常なのに機能に異常があるために起こります。痙攣は一部分だけに起きる場合と、全身に起きる場合があり、その頻度や強さは様々です。
主な症状は、身体が硬直する、よだれが出る、脚をバタつかせるなどとなっていますが、前述の筋肉疲労や睡眠時のそれとは全く異なる強い症状が現れます。大きな声を出したり失禁することもあります。この症状はすぐに治まり、その後は何事もなかったかのように元に戻るのですが、頻繁に痙攣が起こるようであれば、即治療が必要となります。
また、脳の病気や外傷などによる障害が原因で起こるてんかんもありますでの、自己判断せずしかるべき検査を受けることが必要です。
⑤中毒
釣りの鉛や塗料に含まれる鉛を誤って舐めてしまったりすることで、嘔吐、下痢と共に全身が痙攣するような神経症状が現れることがあります。
その他にも、ネギ科の野菜や、ユリ科の植物、チョコレート、人間用の薬やたばこ、洗剤なども猫が誤飲すると命に関わる事態となります。
痙攣だけではない深刻な症状が一度に現れるため、一刻も早い処置が必要です。
⑥腎機能不全
腎機能は本当に悪くなるまで血液検査に異常な数値が出ず、突然数値が悪化することが多いため、その時には既に腎臓の機能がもちこたえられなくなっていることが多くあります。そして腎機能の低下により、排出できない毒素が身体に溜まり痙攣の発作が起こります。
症状は全身が硬直し、かと思えば大きく震えることもあります。歯が震えて口腔内を傷つけることもあるので注意が必要です。しかし神経が麻痺していることで猫自身は苦痛を感じていないとも言われています。
他にも病気が…
この他にも、痙攣を起こす原因にあり得る病気がいくつかあります。
・脳に関係した病気
脳腫瘍や水頭症(脳脊髄液が増えることで脳を圧迫する病気)などが原因で、痙攣などの神経症状が現れます。脳腫瘍の場合、鼻にできた腫瘍が脳まで到達することもあるので注意が必要です。
・肝機能不全
肝臓の機能障害が起こった場合、肝臓で代謝されるはずの毒素が体内に溜まり、痙攣などの神経症状が現れることがあります。
・低血糖
膵臓の機能低下などによる低血糖で、痙攣が起こることもあります。
少しでも様子がおかしいと感じた時は、すぐに獣医さんの判断を仰ぎましょう。病院に行く前の応急処置も聞いておくと安心です。
猫の大丈夫な痙攣と危険な痙攣の見分け方
睡眠時に夢を見ているような時のピクピクした動きや寝言などの軽い痙攣であれば、それほど神経質になる必要はないと思われます。逆にあまり飼い主がピリピリすることで猫にストレスを与え、悪影響を及ぼすことはよくありません。でも怖がっているような時はそっと起こしてあげるのも良いかもしれませんね。人間も悪夢でうなされている時に起こしてもらえるとホッとしますから。
しかし、起きているのに突然ピクピクし始める発作的な痙攣には注意が必要です。すぐに掛かりつけの動物病院に連絡を取り、指示を仰ぎましょう。もし普段の生活の中で何か気になることがあるようなら、予め定期健診を受け、対応を考えておくことも得策です。
気をつけたいのが知覚過敏症
普段の様子とあまり変化が感じられないこともあるため意外に気づきにくく診断も難しいと言われていますが、ここからはそんな知覚過敏症について詳しく解説したいと思います。
知覚過敏症とは?
人間でよく聞く知覚過敏と言えば冷たいものが歯にしみるような口腔内の症状を思い浮かべますが、猫の知覚過敏症は全身症状です。そのため、名前のイメージと症状とを結びつけることは難しいかもしれません。
4、5歳位までの若い猫が罹患することが多いと言われています。しかし知覚過敏症の症状は多岐に渡るため、違う病気との差別化をして断定するのがとても難しいのが現状です。
知覚過敏症の症状
痙攣の他に、知覚過敏症には次のような症状が現れることがあります。
・突然走り回る
・いきなり高いところからジャンプする
・大きな声を出す
・ボーッと一点を見つめる
・普段とは違う行動を取る(抱っこをせがんで飛びついたりなど)
・突然、物音や匂いに敏感になり、攻撃的になる
これらは活発な猫であれば日常的に見られる行動でもあるため、普段から猫の様子を把握している必要があります。
知覚過敏症になる原因
神経的な病気や皮膚の感染症などが原因となると言われることもありますが、はっきりとした原因はまだわかっていません。環境の変化によるストレスが引き金になるケースもあるようです。引っ越しや結婚などによる新たな生活が始まった時や、新しい動物のお迎えなどで、先住の猫が不安を感じたり落ち着けない環境による心の問題も原因の一つとして考えられるかもしれません。
身体と心、どちらにも原因が潜んでいる可能性があります。
もしも知覚過敏になったら…
いつもと違う、明らかに異常と思われる様子を感じたら、すぐに動物病院に行くことをおすすめします。特に自傷行為などによる感染症などの二次症状が起きることは避けたいところです。
しかし原因が特定されていないため、確実な治療法はなく対症療法で様子を見ていくことになります。飼い主さんが神経質になることも猫の症状緩和に影響を与える可能性があるので、気長に見守ってあげることが必要です。投薬だけでなく、清潔で穏やかな安心できる環境を整えましょう。
まとめ
猫も人間と同じ哺乳類です。痙攣という症状一つとっても、複雑で色々な原因を秘めています。笑って見過ごせるものもあれば、命の危険と背中合わせの痙攣もあります。辛くてもそれを言葉にして訴えられない猫たちのために、飼い主のみなさんが常にご自分の猫に愛情を注ぎ、変化に気づいてあげられると良いと思います。
わがままでお調子者で、そうかと思えば優しく寄り添ってくれたりして、猫には振り回されっぱなし、でも幸せですよね。どうかその幸せが病気で邪魔されることがありませんように。
心からお祈りしています。
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