愛犬の肛門線絞りとは?やり方や準備物など詳しく解説
2020/03/29
目次
犬の肛門腺とは?
犬の肛門腺をご存知でしょうか。
大半の飼い主さんがあまり気にかけていないかもしれません。
時には、肛門腺は絞る必要がある場合もあるんですよ。
肛門腺が溜まったまま放っておくと、炎症や最奥の場合破裂してしまうことも!
ですが、
「絞り方が分からない!」
「そもそも肛門腺って何?」
という方が多いと思います。
そこで今回は、犬の肛門腺の役割や絞り方などについて解説していきたいと思います。
これを読めばバッチリです!
犬の肛門腺について詳しく知ろう!(準備編)
では、肛門腺絞りの前に、犬の肛門腺について
・肛門絞りの目安
・準備するもの
・絞り方
など、詳しく解説していきます。
①肛門腺の役割
具体的に、肛門腺はどんな働きをしている器官なのでしょうか。
肛門腺とはニオイを分泌する腺のことです。(かなり刺激のあるニオイです)
肛門腺は、肛門嚢(こうもんのう)という肛門の周囲にあるちょうど巾着袋のような袋に溜められています。
場所は、肛門を時計に見立てると4時と8時の位置あたりにあります。
犬は、肛門腺から出る分泌物でマーキングをしたり、お互いの匂いを嗅いで相手を確認したりするのに使っています。
散歩中、犬同士が出会うと必ずお尻の匂いを確認していますよね。
その時に、肛門腺の匂いを嗅いでその犬の情報をキャッチしているのです。
②肛門腺絞りの目安
通常は、排便時に一緒に肛門嚢にたまった分泌物が出されます。
ですが、中には肛門嚢自体が硬かったり、出口が狭いなどで、排泄が不十分でない犬もいます。
そういった犬の場合、2週間~1カ月でたまりやすい傾向にあります。
自宅や動物病院、トリミングのさい肛門絞りをする必要があります。
また、小型犬や中型犬、肥満体形、シニア犬などが比較的肛門腺が溜まりやすい傾向にあるようです。
③準備するもの
・ティッシュ
・ゴミ袋
・ペット用消臭剤
・汚れてもいい服
肛門腺は非常に匂いがキツイです。
一度、服などについてしまったらなかなか落ちにくいものです。
肛門絞りを行うのは、汚れてもすぐ洗い流せる浴室がおすすめです。
浴室が苦手などの理由から、普通の室内で肛門絞りを行う場合は、肛門の上にティッシュをかぶせて飛び散るのを防ぐ方法もあります。
犬の肛門腺について詳しく知ろう!(実践編)
肛門絞りは、コツさえ掴めば自分でもできます。
初めての場合、コツを掴むまで少し難しいかもしれません。
ですが、何回も挑戦するうちに簡単にできるようになってきます。
愛犬の無理のない範囲でやってみてください。
では、さっそく自分で肛門絞りをやってみましょう!
①肛門腺の絞り方
詳しい肛門絞りの手順を紹介します。
肛門がちょっと縦に伸びるぐらいが目安です。
2.肛門嚢の位置を確認
肛門を時計に見立てて、4時と8時の位置に肛門嚢はあります。
優しく揉んだりしてマッサージしてあげると、肛門腺が出しやすくなりますよ。
また、少しコリコリしているなと感じたら、肛門腺が溜まっている証拠です。
3.親指と人差し指で肛門嚢を押さえる
肛門の下から親指と人差し指をUの字にして押さえます。
4.押し込んでから、手前に絞り出す
一旦奥に押し込んでから、手前に絞り出します。
この時に力をいれすぎないようにしてください。
焦らずゆっくりと肛門の方に押し上げるイメージです。
5.溜まっていた肛門腺が左右から出てきます。
ウェットティッシュで拭いたり、シャワーで流せば拭完了です。
肛門腺が勢いよく出てくることもありますので、のぞき込んだりしないようにしてくださいね。
拭き残してしまうと、痒がったりしてしまいますのでしっかりキレイにしてあげましょう。
あまりにも犬が暴れたり、肛門付近を触ろうとすると怒ったりして1人では無理な場合もあると思います。
そんなときは、2人体制でやってみてください。
1人が頭の方を抑え、優しい声かけをして犬を落ち着かせている間に、もう1人が肛門を絞ります。
終わったら、頑張ったねと愛犬を褒めてあげてくださいね。
ご褒美を与えてもいいかもしれません。
こうすることによって、肛門絞り=嬉しい記憶と結びつきます。
②肛門嚢液の色と病気
肛門嚢液の色は犬によって違ってきます。
太陽によっても違ってくるようです。
また、同じ犬でも、左右の肛門腺液の色が違うということもあるようです。
色は、濃い茶色のものや、薄茶、灰色、カーキ、黄色、クリーム色と本当にバリエーション豊かです。
ただし、赤、緑、濃い黄色などの液府が出たら要注意です。
炎症や、化膿しているかもしれません。
明らかに血が混じっているようなら、肛門腺炎や肛門嚢腺ガンの可能性があります。
これらの色の液でしたら早めに動物病院に相談することをおすすめします。
③溜まった肛門腺を絞らないと?
肛門腺はどんどん分泌され、排出しなければ溜まる一方です。
絞らずにそのままにしておくと、パンパンになった肛門嚢の違和感から犬はこのような仕草をするようです。
・お尻を地面や壁に擦り付ける
お座りしたまま前足で前進して地面に擦り付けている場合も、お尻に違和感があるからです。
ちょっとユニークな仕草なので「可愛い~」と感じてしまうかもしれません。
ですが、要注意!
肛門腺が溜まっている以外でも、寄生虫やポリープがある可能性もあります。
・尻尾を追いかける
お尻や尻尾の付け根に違和感があるためです。
追いかけるだけでなく、噛んだり舐めたりする犬もいます。
・排便するような素振りを見せるけど、便はでない
大きく膨れた肛門嚢に圧迫されて、排便しにくいのかもしれません。
また、排便時に痛みからうめき声のような鳴き声が出てしまう犬もいるようです。
・仰向けになって体をくねらす
背中がかゆいわけではなく、やはり腰~お尻にかけて違和感があるようです。
体をくねらせて、どうにか違和感を解消しようとしているのです。
・いつもと違う座り方をする
肛門腺は、左右同じように溜まるとは限りません。
どちらか一方に溜まってしまい、溜まった方が痛みや違和感があり、いつものように座れないのかもしれません。
・攻撃的になる
人間にも言えるように、体に不調があるとイライラしますよね。
犬も同じです。
お尻辺りや尻尾の辺りをを触られるのを極端に嫌がる犬もいるようです。
手を近付けただけで、唸ったり噛みついたりするのは、お尻付近にに異常があるからではないでしょうか。
これらの仕草が見られたら肛門腺が溜まっているのかもしれません。
肛門嚢のあたりを軽く触ってコリコリしたような感触があったら、肛門腺が溜まっている可能性があります。
「この仕草、お尻の違和感からだったの!?」と驚いた飼い主さんもいるのではないでしょうか。
後述しますが、肛門嚢に溜まった肛門腺を放置しておくと「肛門腺炎」や、もっと恐ろしい「肛門嚢破裂」などを引き起こしてしまいます。
④肛門腺炎・破裂の症状は?
肛門腺炎、肛門嚢破裂とはどのような症状なのでしょうか。
まず、肛門腺炎の原因は、肛門腺を排出する管が詰まってしまうことにあります。
溜まった肛門腺が排出されないと、分泌物に細菌が繁殖し炎症を起こすのです。
この状態が「肛門腺炎」と言います。
炎症を起こすと、肛門嚢が腫れたりして、外から見でも分かるぐらいポコッとした瘤ができます。
痛みや違和感から犬はしきりにお尻付近を舐めたり噛んだりしてしまいます。
そうすると肛門自体も荒れてしまい余計に痛みが増して、中には排便を我慢してしまう犬もいます。
そして、パンパンに肛門腺が溜まった肛門嚢が破裂するのが、「肛門嚢破裂」と言われるものです。
「肛門嚢破裂」と言う病気、あまり聞いたことのないかもしれません。
その名の通り、肛門腺が限界まで肛門嚢に溜まり、最悪の場合破裂してしまうことです。
時には、お尻の皮膚までも裂けて(穴が開いて)しまうこともあるようです。。
穴の大きさは小さかったり大きかったり犬によってさまざまです。
穴からは赤い肉が見えてしまい非常に痛々しいです。
肛門腺炎も、肛門嚢破裂もどちらも痛みや出血を伴い、犬にとって非常につらいです。
また、発熱などの症状もあります。
肛門がいつもと違うかな?と感じたら、速やかに動物病院へ連れて行ってくださいね。
治療法は、抗生物質などの飲み薬や、患部に軟膏を塗ったりなどです。
また、1~2週間ごとに肛門腺を絞り、肛門嚢を空にしたところで洗浄するという治療法もあるようです。
肛門腺炎は再発しやすい傾向にあるようです。
定期的に肛門絞りをしてあげましょう。
最後に
いかがでしたか?
参考になりましたでしょうか。
肛門腺園、肛門嚢炎になってしまったら、愛犬が可哀想で仕方ありませんよね。
ですが、これらは予防できるものです!
必要があれば、定期的に肛門絞りをしてあげてくださいね。
また、絞りすぎは細菌の侵入の可能性が高くなるので、頻繁に絞ればいいと言うものでもないようです。
1~2カ月に1回ぐらいに留めておいてくださいね。
自分でやるのは難しいと感じたら、無理せずトリマーさんや獣医さんにお任せするのも一計です。
犬の健康を守るには、日々の観察と予防が大事ですね。
最後までありがとうございました。
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