【要注意】犬の後ろ足に力が入らない..原因や考えられる病気とは?
2022/02/19
目次
犬の後ろ足に力が入らない原因とは?
犬の後ろ足に力が入らない状態になると、上手く歩けないばかりか排泄にも問題が出てきます。
生活に大きく影響してきますので、愛犬はもちろん飼い主様にも負担が出てくるでしょう。
では、どんなことが原因で後ろ足に力が入らなくなってしまうのでしょうか。
原因と治療や対策についてご説明していきます。
原因①:加齢
人と一緒で、年を重ねると共に筋力が低下し体重を支えることが難しくなります。
踏ん張る力が衰えてしまうことによって、震えやふらつきの状態が目立つようになります。
散歩中でもすぐに立ち止まってしまったり歩くスピードが落ちていたりして加齢を疑う場面が多々あるかもしれません。
ですが、可愛そうだからといって散歩に行かずにいると、より筋力が失われて近い将来に寝たきりになることも考えられます。
少しずつでもゆっくりと歩かせるようにしましょう。
無理のない範囲で適度な運動を毎日の行うことが大切です。
原因②:神経系の異常
脳や脊髄といった神経に炎症や異常があると、犬の後ろ足に力が入らない・歩き方がおかしいといった神経症状が現れることがあります。
腫瘍が原因になる場合もあり部位や大きさによっても症状の出方は様々ですが、脳腫瘍の場合はシニア犬に起こりやすいといわれています。
他にふらつきやよろけてしまうなどの様子がみられたら、すくに受診をしましょう。
原因③:怪我
散歩中やドッグランで遊んでいる時に、後ろ足を何かしらの理由によって怪我してしまった場合に痛めた足をかばって力が入らなくなってしまいます。
姿勢も不自然で歩き方がおかしいことで怪我が発覚することもしばしばあります。
外の環境だけではなく家の中でも、ベットや椅子の上から飛び降りたり同居犬と遊んでいてぶつけたりして後ろ足を怪我することも考えられます。
愛犬と共に暮らしている飼い主様は、家の中の届く範囲に危険なものを置かないなど注意している場合がほとんどのはずです。
ですが、ちょっとした遊びの中で思わぬ怪我をすることもありますので気をつけてあげましょう。
原因④:遺伝性疾患
親から子へと受け継がれる遺伝子に変異が起こり発症します。
純血腫の場合は、その犬種に起こりやすい疾患としてある程度は認知されていますが、飼い主様としては正しい知識と注意で早めの対応と準備もしやすいかもしれません。
遺伝性疾患が原因の場合、犬種に関わらず小型犬から大型犬まで発症します。
股関節形成不全や膝腕骨脱臼など多くの病気が考えられますが、足に力が入らないので横座りをしたり不自然な歩き方をしたりして飼い主様が気付く場合があります。
どちらかというとパピー期から成長期にかけて比較的若い時期に発症する場合も多く、「まだ子犬だから」と考えていたら遺伝性の疾患だったケースも多々あるようです。
犬の後ろ足に力が入らない病気~子犬・成犬~
それでは、犬の後ろ足に力が入らなくなる病気はどんなものがあるのでしょうか。
子犬・パピー期から成犬にかけて多く発症する病気をいくつかご説明していきますので、特に発症しやすい犬種がお家にいる飼い主様は、気をつけてあげましょう。
水頭症
先天性がほとんどといわれている水頭症は、小型犬の中でもチワワやポメラニアンやマルチーズに多く発症しています。
脳には脳室と呼ばれる空洞があり、正常な脳は適切な量の髄液で満たされているのですが、このバランスが崩れて髄液が増えすぎる・少なすぎるなどの異常によって、水頭症を発症します。
ぼーっとしていたりふらつきや回転するといった歩行の異常がみられたりして、中には食欲がなくなって嘔吐や痙攣などの神経症状が現れる場合もあります。
なりやすい犬種はありますが、なぜこの犬種が遺伝によって発症するのか詳しくはわかっておらず、小型犬の飼い主様は様子をよくみて違和感があればすぐに診察を受けましょう。
ですが、生後数ヶ月で発症する場合も多く、子犬特有の落ち着きの無さと勘違いする可能性もあります。
馬尾症候群
腰から尻尾の付近にある背骨の中は細い神経が多数あり、馬の尻尾に似ていることから馬尾神経と呼ばれています。
この馬尾神経が脊髄や血管に圧迫されることにより起こる病気です。
症状は様々ですが、初期は尻尾を動かすことによる痛みや腰痛の他に、おすわりや階段を使うことでも痛みが出てゆっくりとした動作になるでしょう。
進行すると後ろ足がふらついたりしびれが起きて尿失禁することもあります。
大型犬に多く見られますが、男の子に多いとされていて温存療法か外科手術を行うかは状態によって判断し決定します。
椎間板ヘルニア
椎間板が変形し、体を動かすために大切な役割を持つ背骨を通る脊髄神経を圧迫してしまう病気です。
最初は歩きたがらない・高いところへ飛び乗らないといった症状で、年齢を重ねた犬なら「年かな」と感じる程度かもしれません。
重症化すると足元がふらつき、背中の痛みや腰を動かすことが困難となって四肢の麻痺を起こす可能性もあるでしょう。
排尿や排便のコントロールもできなくなりますので、状況や状態に応じて温存療法や外科手術の選択と治療を行っていきます。
ミニチュア・ダックスフンドやウェルシュ・コーギーなどが発症しやすい犬種として挙げられます。
犬の後ろ足に力が入らない病気~老犬~
若い犬や育ち盛りの犬はもちろん、年齢を重ねたシニアと呼ばれる老犬に起こりやすい病気も存在します。
老化による病気はある程度仕方ないとも考えられますが、飼い主様が注意と管理をすれば防げる病気もありますので、シニア世代に差し掛かっていたり真っ只中の愛犬がいたりする場合は特に注意してあげましょう。
前立腺肥大
繁殖や他の理由などで去勢を行わずにいたシニアの男の子にみられ、精巣のホルモン分泌異常によって前立腺が肥大化することを前立腺肥大と呼んでいます。
この肥大化した前立腺が尿道を圧迫したり直腸を圧迫したりして様々な症状が現れます。
排尿や便秘を含む排便困難の他にも神経を圧迫することによって後ろ足のふらつきが見られる場合もあるでしょう。
根本的な治療には去勢手術が含まれていますが、全身麻酔となるので内臓の他の箇所に疾患を持つ犬は内科的な温存治療を行います。
前庭疾患
内耳の前庭という器官は、体の平衡感覚を正常に保つ役割を持っています。
この部分に異常が起こると家具や物にぶつかりやすくなり、後ろ足に力が入らなくなることがあります。
より進行すると、平衡がわからなくなっている犬の体はまっすぐ歩くことは不可能になり、同じ場所をぐるぐると回り、嘔吐や多量のよだれといった症状が見受けられます。
この場合は投薬による治療もしくは、様子を見て症状が落ち着くのを待つこともありますが、素人判断せずに診察を必ず受けましょう。
犬の後ろ足に力が入らない病気の初期症状とは?
今まで元気だったのに突然症状が現れたり、徐々に症状が進んでいったりして飼い主様としては気が気じゃないかもしれません。
どちらの場合でも愛犬の体に異変が起こっている状態になりますので、老化の場合も含めてより早期の治療を行うためにもすぐに診察を受けるように心掛けましょう。
突如現れるタイプ
いきなり症状が現れるものとして、椎間板ヘルニアや後ろ足の骨折の他にも血栓の場合も考えられます。
症状に気がついた時点で、すぐに掛かりつけの動物病院を受診してください。
早期に治療を開始すれば回復にも差が出てきますので、しっかりと検査と納得のいく説明を受けてから最善の方法を選択しましょう。
徐々に進行するタイプ
徐々に現れる病気は、飼い主様が「なんかおかしい」「最近大人しい」と年齢のせいにしがちな些細な症状がまず見られます。
また、突如現れる病気として挙げた椎間板ヘルニアや骨折も、犬の性格や症状によっては気づかない場合も考えられます。
病気の進行と共に、愛犬に痛みや辛さを与えてしまうのでどんな小さな違和感も放っておかずに診察を受けるようにしてください。
まとめ
大切な愛犬の体の変化を見過ごさないように、歩く姿やおすわりの仕方など飼い主様だからこそわかる仕草を毎日変わりなく行っているか、チェックするクセをつけると良いでしょう。
特に後ろ足の異変は、排尿や排便に繋がるので生活の質を低下させてしまうことも少なくありません。
毎日元気に生活できるように定期的な検診も有効なので、年齢に合わせた適切なケアを行ってあげましょう。
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