犬に刺身を与えて大丈夫?栄養素や注意点は?サーモン・マグロ・鯛など

2022/04/26

目次

犬に刺身は食べさせても大丈夫?

私たち人間の主食の1つとも言える食材が「魚」です。

魚といえば、刺身などで食べることも多いのではないでしょうか?

飼い主さんが刺身を食べていると、物欲しそうな目でこちらを眺めてくる犬も多いですよね!

でも、犬に刺身を与えても大丈夫なのでしょうか…?

結論からいうと、犬に刺身を食べさせるのは大丈夫です。

実は、刺身には食べさせることで得られるメリットもたくさん!

ですが、与えるときにはいくつかの注意点もあります。詳しくみていきましょう。

刺身に含まれる成分と栄養素

刺身(魚)の最大の栄養素はたんぱく質です。

たんぱく質は、三大栄養素のひとつでもあり、犬にとっても非常に大切な栄養となります。

刺身なのに大丈夫?と思う方も多いかと思いますが、犬はもともと肉食動物であり、魚といえども生のお肉からたんぱく質を得るのはおかしなことではないので、安心して下さい。

その他にも、魚にはEPAやDHAという必須脂肪酸が含まれています。

これらの必須脂肪酸は、血液中の中性脂肪を低下させたり、脳の機能上効果のアップ、血液をサラサラに、がん予防などの効果があります。

このように、刺身(魚)を食べさせることには非常に多くのメリットがありますが、一方で注意することもあります。

ここからは、刺身を食べさせるときの注意点をみていきましょう。

刺身を食べさせる時の注意点

刺身を食べさせるときには、大きく3つの注意点があります。

愛犬に刺身を食べさせるときには必ずこれを読んで、守るようにして下さいね!

①寄生虫や危険な成分に気をつける

まず最初に注意したいのは、寄生虫に気をつけるということ。

ーーーーアニサキス寄生虫ーーーー

刺身などの生の魚には、アニサキス寄生虫が寄生している可能性があります。

有名な寄生虫なので、聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?

アニサキス寄生虫は、胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を起こす原因となり、もしなってしまうと激しい痛み、嘔吐、内臓疾患などの症状が出てきます。

非常に危険な寄生虫なので、注意しましょう。

ーーー寄生虫以外の危険成分ーーー

また、刺身には寄生虫以外にも危険な成分が含まれています。

そのうちのひとつが「チアミナーゼ」です。

チアミナーゼには、ビタミンB1の吸収を阻害するという性質があり、過剰にこれを摂取してしまうとビタミンB1欠乏症を引き起こす可能性があります。

他にも、魚によっては「ヒスタミン」という菌を持っているものもいます。

ヒスタミンを摂取してしまうと、ヒスタミン食中毒を起こしてしまい、下痢や嘔吐、顔まわりの腫れ、蕁麻疹などの症状が出てきます。

②与え方は…加熱してがベスト!

最初に紹介したように、刺身など、魚を生で食べても問題はありません。

ですが、魚を生で食べることで下痢や嘔吐などを起こす可能性は高くなります。

そういったリスクを考えると、基本的には、犬に魚を与えるときには、生よりも加熱して与える方がベスト

もし、刺身で食べさせることにどうしても抵抗があるのであれば、加熱して与えるとよいでしょう。

③適量を与える

次に注意したいのは「与える量」です。

まず最初に、初めて魚を犬に与えるというときにはアレルギーを持っている可能性があるので、多くを与えるのは厳禁!

初めて食べるときには「極少量」、万が一のときに「動物病院にすぐ行けるタイミングで」の2つを守って与えるようにして下さい。

今までに何度か魚を食べているという犬にも、与えすぎは要注意です。

1日にたくさんの量を与えてしまうと、消化不良を引き起こし、下痢や嘔吐につながってしまいます。

では、犬に魚を食べさせる場合、どれくらいの量を与えるのがベストなのでしょうか?

犬の体の大きさによって1日に与えてよい適量は変わってきますが、一般的には以下の量とされています。

【犬の体重】→【与えてよい魚の量】
5kg(小型犬程度) → 10g以下
10kg(中型犬程度) → 15~20g程度
20kg(大型犬程度) → 40g程度

このように見ると、意外と1日に与えてもよい量は少ないことが分かります。

くれぐれも、犬への魚の与えすぎには注意しましょう。

犬にあげてもいい?ダメ?魚一覧

刺身によって、与えてもいい魚の種類、ダメな魚の種類はあるの?と疑問を持つ方も多いでしょう。

ここでは、代表的に刺身とされることが多い魚を与えてもいいか、ダメなのかを解説していきます。

サーモン

まずは、サーモンです。

サーモンは魚に食べさせても大丈夫な魚ですが、刺身はNGです。

というのも、生のサーモンにはアニサキス寄生虫の他にも、リケッチア細菌などが含まれていることが多いためです。

そのため、刺身ではなく、加熱して食べさせるようにして下さい。

また、サーモンには、アスタキサンチンは抗酸化物質が入っています。

ちなみに、これはサーモンのピンク色の元とも言われています。

アスタキサンチンには、ビタミンEの500倍以上の抗がん効果があると言われており、闘病中の犬にも食べさせることがあるほどです。

ブリ

ブリは犬が刺身で食べても問題ない魚です。

その一方で、食べさせるときには「与えすぎはダメ」という注意点があります。

ブリは魚の中でも脂の多い魚

たくさん食べてしまうと愛犬の肥満の原因となってしまいます。

もし食べさせるときには、できるだけ脂の部分は取り除いて与えるようにしましょう。

タイ

タイも犬が刺身で食べても大丈夫な魚です。

さらに、ブリと違い「低脂肪」「糖質もほとんどなし」という特徴もあるので、愛犬が肥満になるリスクも回避することができます。

その一方で、他の魚よりも骨に注意しなければいけません。

タイの骨は大きいものから小さいものまで全て鋭いので、もし食べてしまうと内臓を傷つけることも…。

タイを食べさせるときには、しっかりと骨を取り除いてからにしましょう。

マグロ

マグロも犬が刺身で食べても大丈夫な魚です。

また、マグロにはオメガ3不飽和脂肪酸というものも豊富に含まれており、皮膚〜骨まで総合的に愛犬の健康維持を助けてくれます。

赤み、血合い、トロなどどの部分を与えても問題はありませんが、それぞれの特徴を知って、愛犬にとって適切な部位を与えるのがよいでしょう。

マグロの赤みには、たんぱく質が豊富(最も多い)で脂肪が少ないという特徴があります。

一方で、血合いには、たんぱく質の他にも鉄分、タウリン、ビタミンEなどの多くの栄養素がまんべんなく含まれています。

トロの部分は、脂肪分が多く、カロリー高いぶん、EHA・DHA・ビタミン群(A、D、E)が多く含まれています。

カツオ

カツオも犬に食べさせても大丈夫な魚ですが、刺身で食べさせるのはNG

というのも、カツオにはアニサキス寄生虫が体内に潜んでいる可能性が非常に高いためです。

ですが、蒸したり、焼いたりして与える分にはおすすめな栄養満点の魚です。

特にカツオには、ビタミンB12が多く含まれており、これには神経機能・睡眠リズムの正常化をはかる、貧血を予防するといった効果があるとされています。

カンパチ

最後に紹介するのは、カンパチ。カンパチは刺身で犬に与えても大丈夫です。

カンパチを犬に与えるときには、特に血合いの部分がおすすめで、血合いにはビタミンやミネラルが多く含まれています。

血合いに含まれる栄養素は、犬の脳の働きをよいものにしてくれるので、シニア犬などにはぜひ食べさせてみましょう。

まとめ

この記事では、犬に刺身(魚)を食べさせても大丈夫か?を解説しました。

たんぱく質が多く含まれる魚は、犬にとっておすすめの食材ともいえますが、与えるときにはアニサキス寄生虫などの注意点もあります。

ぜひ、愛犬に刺身を食べさせるときにはこの記事を参考にしてみて下さいね。

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