【徹底解説!】犬の気管虚脱とは?症状や手術費用、予防法をご紹介

2021/12/21

目次

犬の気管虚脱とは?

気管虚脱は空気が通る気管がつぶれてしまい、呼吸しずらくなりそのまま放置していると呼吸困難を起こす病気です。

乾いた咳やガーガー、ブーブーという苦しそうな鼻を鳴らす呼吸をしますので、様子に驚いた飼い主様が慌てて動物病院へやってくる場合が多いです。

気管のつぶれた箇所に吸い込んだ細菌が原因と鳴って炎症を起こすとより重症化するともいわれており、

この細菌は、歯周病と関係していますので気管虚脱の半数近くの犬は歯周病の発症も疑われます。

他にも飼い主様を見上げることが多い小型犬は、喉に負担が掛かりやすく発症してしまうこともあります。

犬の気管虚脱の症状

気管虚脱の症状について詳しくご説明していきます。

気管への強い圧迫や負荷によって呼吸がしずらい状態になるので、犬にとってとても苦しく辛い症状となりますので、

普段から様子をよく観察し少しでも違うことがあれば動物病院へ相談しましょう。

初期症状が分かりにくい

初期症状として、近くにいる飼い主様が気づくことがない無症状であるところがこの病気の怖さでもあります。

出ていたとしても、ちょっとした乾いた咳が数回程みられるくらいで、「動物病院へ行こう」と感じるほどの状態ではない場合がほとんどです。

進行するにつれ、乾いた咳が多くなりガーガー・ブーブーといった呼吸音が多くなり苦しそうに息をするようになりますが、この状態が特徴的な症状として知られています。

重症化すると命の危機に

慢性的に少しずつ進行していく病気ですが、いきなり症状が悪化し頻繁に咳をすることもあります。

呼吸困難や、通常は酸素量が足りているとピンク色をしている舌が、青紫色に変色するチアノーゼと呼ばれる状態が見受けられます。

すぐに掛かりつけの動物病院で処置をしないと命の危険もあるでしょう。

酸欠状態による失神が起きた場合「寝ていると思った」と気付きにくいことも考えられますので、

犬の様子はいつも定期的に確認し万が一の場合でもすぐに対応できるように注意してあげてください。

犬の気管虚脱の治療・手術費用

では、気管虚脱になってしまった場合にどのような治療を行っていくのでしょうか。

軽症であれば通院で咳を抑える鎮咳薬や、関節炎の治療に使用されるカルトロフェンが気管虚脱の症状を緩和させることがわかっています。

一度つぶれてしまった気管は内科治療では元に戻すことは難しく、完治を目指す場合や重症の治療には、外科手術による治療になります。

通院の費用

注射や内服薬の治療の場合、1日あたり平均で10,000円から15,000円前後掛かることが多いようです。

他にも診断のためのレントゲンや気管支鏡という内視鏡検査を入れると10,000円程掛かるでしょう。

これは外科手術が必要な時や犬の状態によっても検査内容が大きく変わってきます。

また、診察代など動物病院によっても違いがありますので詳しくは掛かりつけの動物病院で確認しましょう。

入院の費用

軽度の場合は必要がないことがほとんどですが、重度で手術を行う時は経過や回復度にも関わりますが数日から1週間程度の入院費用が別途掛かります。

1日あたりおよそ3,000円から4,000円程と考えられます。

手術の費用

気管虚脱はどこの動物病院でも対応できる手術ではありません。

そのため非常に高額となりやすく50万円前後掛かることも珍しくはありません。

また、手術によるメリットはもちろんリスクもありますので、犬の年齢や他に疾病があるかどうかを含めてしっかりと納得するまで確認してください。

手術が上手くいけば気管虚脱による呼吸の苦しさや咳といった症状を抑え、安心して生活できるようになるでしょう。

犬の気管虚脱の予防法は?

気管虚脱が起こる明確な原因はわかっていないため、予防法も確立されていないのが現状です。

ですが、辛い思いをさせたり重症化させないように早く見つけてあげるための飼い主様の日頃の管理が重要となります。

咳は病気を疑う症状としてわかりやすいので、「たまに咳をするようになった」と感じたら早めに受診しましょう。

また、年に一回の健康診断を受けることによって、気管虚脱を含めて様々な病気の早期発見に繋がります。

シニア期に入った犬は年に二回の健康診断が推奨されています。

犬の気管虚脱の対処方法

気管虚脱の悪化を防ぐために、毎日の接し方や健康管理による対処方法を徹底していきましょう。

また、犬種の特徴や体格によって病気が発症する可能性があります。

愛犬の体を理解して毎日生活することによって病気にさせない体と悪化させない環境を整えます。

首輪からハーネスに変える

リードを引っ張って歩くクセのある犬は、首輪を使用していると気管を強く圧迫するため発症や悪化の原因ともなり得ます。

気管虚脱の診断を受けた場合はもちろん日頃の散歩の様子を把握し、安全性が高いハーネスへ変えてあげましょう。

また、引っ張りグセを直すためにアイコンタクトや指示によって飼い主様に注目させるように、しつけの見直しも大切になります。

苦手な犬や自転車などに興奮して吠えてしまう犬の場合も、ハーネスの使用としつけによって気管や首に掛かる負担軽減に繋がります。

空調管理を徹底的に行う

夏の暑さが年々厳しくなっている日本の高温多湿の環境は、比較的暑さに弱いとされる犬の呼吸も荒く回数も多くなります。

気管に負担となりやすい状態が長く続くと気管虚脱の症状が出やすいといわれていますので、適切な空調管理で快適な環境を整えてあげるように気をつけましょう。

また、チリやホコリが気管に付着し悪化させる原因ともなります。

こまめな換気や犬がいる場所や部屋の清掃を徹底しましょう。ご家族に喫煙者がいる場合は、禁煙するように改善が必要となります。

興奮状態になることを防ぐ

興奮によって呼吸が強く荒くなり、気管に負担となります。

気管虚脱の診断がされている場合は症状の悪化によって呼吸困難やチアノーゼが現れて命の危険となる場合もあります。

愛犬は散歩中に他の犬に吠えて興奮したり、大好きな飼い主様が帰宅して嬉しさのあまり興奮したりしませんか。

出来る限り他の犬に近づけない工夫や、帰宅時は犬が落ち着いてから声を掛けるといった方法で興奮する状態を抑えましょう。

人の緊張や焦りは、犬に伝わってしまいますので、飼い主様が慌てずに落ち着いた行動を取るようにします。

適度な運動を行う

犬の心身を健康に保つ散歩は、気管虚脱の場合でも必ず行ってください。

気管の負担となる呼吸が激しくなる運動や長時間に及ぶ無理な運動を避けて、犬のペースで安全に歩けるように見守ってあげましょう。

呼吸の様子や咳の有無など症状によって散歩時間もその都度変更しながら、適度な運動をさせてあげてください。

小型犬は大型犬より呼吸数が多いといわれています。

「これくらいなら大丈夫だろう」と思わずに安静時の呼吸数を把握しておくのも有効です。

肥満の防止に励む

肥満はどんな病気に対しても良い影響にはなりません。

食事の量や回数の見直し、意外と忘れやすいオヤツの分量も配慮して犬種や性別に合わせて適正な体重と体格をキープしましょう。

体が重く大きくなりすぎると、脂肪が内臓や気管を覆ってしまい余計な圧力が加わって様々な病気を誘発する恐れがあります。

まとめ

小型犬に起こりやすい気管虚脱は、毎日の何気ない行動や生活の中にリスクも多く存在しています。

しつけや食生活をきちんと管理しながら、毎年の健康診断を欠かさずに行っていきましょう。

初期の段階で発見できるように、少しでも普段と違う様子や咳が現れたら思い過ごしでもかまわないので受診を心掛けてください。

日頃から犬の様子を確認する習慣を付けると良いかもしれません。

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