犬の老衰症状とは?亡くなる前の行動と飼い主さんができること

2021/12/22

目次

犬の老衰症状とは?犬の亡くなる前の行動

犬は人よりもずっと早く年を取ります。

元気だった愛犬が老犬となり、衰えていくのは悲しいことです。

でも命あるものは皆いつかその日がやってきます。

ここでは犬の老衰症状として現れる体の変化を説明し、その時に飼い主としてどんな事ができるのか、考えてみましょう。

老犬が穏やかな最期を迎えられるように知っておきたいことです。

呼吸が乱れ始める

寿命は個体によって違うものなので、何歳になったら老衰ということは言えませんが、体力が衰えた犬には共通したことが起こります。

その一つは生命を維持するための呼吸の変化です。

元気で落ち着いている時にはゆっくりとした鼻呼吸をしていますが、口を開けて呼吸をするようになってきます。

走った後などではなく、横になっていても口を開けて早い呼吸しかできなくなることです。

そのような浅く速い開口呼吸を努力性呼吸といい、非常に息苦しい、呼吸が難しい状態になります。

食欲がどんどん無くなる

食べるという行為はとてもわかりやすく生命力に繋がっている行為です。

若い犬でも体調が悪い時の目安の一つは食欲があるかどうかということです。

老犬になると、食べるスピードが落ちたり食べるものが変化したり、食欲のムラも出てくるでしょう。

それでも、食欲が落ちた場合にはとにかく食べるものなら何でも食べさせて良いと動物病院でも言われます。

食欲が著しく低下または全く食べなくなった犬は、体調の悪化が急激に進み、生命維持が難しい状態になります。

体温が低下する

愛犬の体温はあまり測ったことがないかもしれません。

犬種によっても差がありますが、犬の平熱は37,5度~39度くらいです。

年齢とともに新陳代謝が悪くなり、平熱は下がってきます。

体温が下がると、元気がなくなり、体や肉球が冷たく冷える、血圧の低下などの症状が見られるようになります。

室温を上げたり、毛布で包んだりして温めても体温が段々と低下していく場合は、衰弱しそのまま死に至る可能性も考えられます。

下痢や嘔吐がひどくなる

体調の悪化や感染症、老衰などで消化管の状態が悪化した場合、下痢や嘔吐が見られます。

ほとんどの場合、食欲も低下していて体力があまり残っていない状態なので下痢や嘔吐が重なることで、さらに体が衰えることになります。

また、肛門の筋肉が緩んでいて下痢がもれてしまうこともあります。

その時は体をきれいに拭いてあげてください。

犬はきれい好きな動物ですから、最後まできれいで清潔な環境を与えてあげましょう。

欠尿・乏尿が見られる

尿の排出ができなくなる、または排尿がなくなる状態に陥る場合もあります。

尿は腎臓で作られる老廃物ですが、老化に伴い心臓や腎臓の機能が低下していたり、血圧が下がっていたりすることで尿が正常に作られなくなります。

尿が出ない、急に尿の量が減るということは老廃物が取り除かれずに体に毒がたまることと同じです。

老犬でなくても1日尿が出ない時には危険な状態となり、2日出ない場合は死を迎えることになります。

それほど排尿は動物にとって必要不可欠なことです。

発作が起きる

老衰ということは加齢により体内の衰弱が激しく、臓器の働きが悪くなっている状態です。

慢性的な病気を抱えている場合もあります。

不整脈や敗血症、腎不全による尿毒症などの疾患は発作を起こすことがあります。

発作が起きると、虚脱や痙攣、失禁や失神などの症状が現れます。

突然痙攣を起こすと、飼い主は驚いて抱き上げたくなりますが、痙攣の途中で体に触ると更に悪化させてしまいます。

落ち着いて怪我をしないように気をつけてあげましょう。

体力が低下している状態なので、これらの発作はかなり厳しく、耐えられないことも多いです。

犬の老衰で飼い主さんができること

犬との別れが近づいていると感じた時、飼い主は何をしてあげればよいのでしょうか。

実際には何もできないかもしれませんが、今までたくさんの喜びをくれた愛犬の最期が穏やかであってほしいと願うのは誰しも同じでしょう。

辛い気持ちでいっぱいですが飼い主だからこそできることをあげてみました。

犬に声をかける

息苦しい様子などを見るのはとても辛いことですが、愛犬にはたくさん声をかけてあげてください。

一緒に楽しく過ごした思い出など、「ありがとう」という気持ちをたくさん伝えてあげれば、絶対に犬にも伝わるはずです。

優しく体をなでたり、そばに添い寝をしたりしながら、最後の時間を過ごしましょう。

犬は人間の感情を読み取る動物と言われているので、悲しい思いだけでなく前向きな感謝の思いを伝えて送り出してあげましょう。

犬の体を整える

死後硬直する前に、できる限り早く体の姿勢・向きを整えてあげましょう。

口や目が開いている場合はゆっくりと優しく閉じてあげます。

体はきれいに拭いて、ペットシーツやタオルを敷いてあげます。

口や鼻、お尻から体液や血液が流れ出て汚れることがあります。

オムツをしておくのも良い方法ですし、特によく拭いて清めてあげ、ガーゼやコットンを口の中に入れてあげるのも良いでしょう。

保冷剤をタオルに包み、水滴で体が濡れないように気をつけて冷やします。

その時香りのよいハーブがあれば、一緒に置いてあげると爽やかな香りで包まれます。

犬を棺に入れる

犬の体がすっぽりと入る大きさの箱を用意して、犬が好きだったおもちゃや、花などを一緒に入れて飾ってあげましょう。

箱の中に体の下に敷いていたペットシーツやタオルごと寝かせ、保冷剤やドライアイスも忘れずに入れて冷やすことも必要です。

犬のお腹、首の後ろ、お尻を中心に冷やします。

遺体が傷まないように部屋を冷たくしておきます。

体の上にもタオルをかけてあげましょう。

棺になる箱はダンボールでかまいませんが、もし家にない場合ホームセンターやネットで売っています。

葬儀会社に連絡を行う

亡くなった後の供養、遺骨をどうするかということを決めましょう。

ペット霊園に安置する、または家のリビングなどに安置するなどよく考えて自分にとって一番と思える判断が大切です。

葬儀会社に電話で予約を取りますが、どこの会社にすればよいかわからない時には動物病院やワン友などから紹介してもらうのがおすすめです。

火葬のプランにもいろいろありますので、葬儀会社に伝える前にどのような形で供養を行いたいのか、薄っすらでも良いので、考えておくと良いかもしれません。

犬の老衰を看取る場所は?

年を重ねて老犬になったら、いつかは・・・と覚悟するのが最期の時です。

老衰の症状が少しずつ見られるようになれば、看取り方を考えて家族とも話し合っておきましょう。

看取る場所は家と病院の2つがあります。

飼い主が納得いく看取り方を選ぶことが大切です。

看取る場所①:病院

動物病院に入院して医者に適切な対応をしてもらい、延命処置をお願いするという考え方があります。

少しでも長く生きていてほしいと思うのは当たり前です。

家ではできない処置で愛犬を苦しい状態から楽にしてあげたいという思いもあるでしょう。

そして最期を迎える時が来たら、そのまま病院で看取ることも可能です。

しかし、病院だと突然容態が悪化して、最期が看取れない可能性も多々あるので注意です。

間に合わないという覚悟も持っておきましょう。

普段から獣医との信頼関係を築いておくことも大切です。

看取る場所②:自宅

最期を絶対看取りたい、我が家で安心させたいと思う場合は、家で看取ってあげるようにしましょう。

老犬の場合、病院へ行くのもストレスがかかるのでそれを避けることができます。

また老衰状態まで長生きしたのであれば、大往生という気持ちで自然に見送ってあげたいという思いもあるでしょう。

自宅で犬を看取る時には親しんだ家なので、安心して最期を迎えることができ、飼い主や家族も心置きなくお別れを言うことができるでしょう。

まとめ

愛犬を亡くすことでペットロスになり、心の傷を負う人も多いです。

「あの時、ああしていればよかった。」という後悔が傷を引き起こす要因になると言われています。

生き物には必ず訪れる死をしっかり受け止め、看取ることが犬への最後の愛情になるはずです。

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