【詳しく解説】犬の皮膚組織球腫は治るの?症状、原因、予防法について

2020/02/19

目次

犬の組織球腫とは?


犬の病気の一つに「組織球種」という皮膚腫瘍があります。
組織球種は犬にのみ見られる病気であり、私たち人間をはじめほかの動物にはない病気であることが特徴です。
犬においては比較的良く見られる腫瘍であり、場所も被毛の薄い場所にできることが多く気が付きやすいことも挙げられます。
明確な原因は不明ですが、2歳未満の若犬に多く見られることや雑種よりも純血種に多く発生することが特徴です。
純血種の中でもダックスフンド、コッカースパニエル、グレート・デーン、シェットランドシープドック、ボクサー、ブルテリアに良く見られる傾向があります。
良くできる場所としては頭部、耳介や四肢です。
見た目の特徴としては表面がつややかで赤いドーム状の形をしています。
単独に発生し大きさは1~2㎝程ですが、中には4㎝にもなるものもあります。

組織球種の多くは良性腫瘍であることが多く、無治療で治ることも多い病気です。
しかし、良性腫瘍であっても生活に支障をきたすような場合には、摘出手術を行う場合もあります。
組織球種の診断は、病理検査の細胞診で判断できます。
細胞診は腫瘍に針を刺し、組織の一部を取って顕微鏡などで観察を行います。

組織球腫になってしまう原因


組織球種になってしまう原因は、明確には分かっていません。
ウィルスという説もありますが、原因物質の特定には至っていません。
老犬よりも若い犬の発生率が多く、発生の約50%は2歳以下だとされています。
また雑種よりも純血種に多く見られることも特徴の一つです。

組織球腫の症状


腫瘍は頭部、耳介、四肢に多く見られます。
患部はつやつやした丸いドーム状をしており、単体で発生し赤みや脱毛が見られます。
時に潰瘍が見られることもあります。

四肢や耳介といった比較的被毛の薄い部分に多く発生しますので、気が付きやすいでしょう。
特に痛みはなく、犬が気にすることは少ないようです。
しかし、四肢など目につく場所に対しては気になって舐めてしまい、患部に細菌が入り二次感染を引き起こすこともあります。
腫瘍の大きさは1~2㎝が平均ですが、中には4㎝と大きくなるものもあります。

組織球腫の治療法


組織球種は良性腫瘍がほとんどです。
診断には細胞診という検査を行います。
細胞診は針で腫瘍の細胞を取り、顕微鏡で確認します。
検査の結果組織球種と診断され場合には、自然退縮することが期待できる腫瘍であるため、経過観察をすることが多いようです。

腫瘍自体に痛みや不快感といった症状がないことから、3カ月間は経過観察をし、小さくなるようであれば自然退縮が期待できます。

しかし、組織球種は急速に大きくなることから、生活に支障をきたしたり、気になって舐めたり噛んだりして腫瘍を傷つけてしまうケースもあります。
そのような場合はや経過観察をしても腫瘍が小さくならない場合には、科的手術で摘出をすることもあります。
良性腫瘍であるため、術後の再発などの確率は低く、比較的良好だとされています。

組織球腫にならないための予防法


組織球種は原因がはっきりとわかっていないため、これといった予防法もありません。
症状もないことから、飼い主さんが普段から愛犬の身体を観察し、腫瘍がないか確認することが一番の予防法です。
もし腫瘍が見られた場合には、小さなものでも急激に大きくなる可能性があるため早めに動物病院で検査をしてもらいましょう。

POINT
普段から愛犬に体を触らせるトレーニングをしておくことも、早期発見のために有効です。

最後に

POINT
組織球種は、犬のみに見られる良性腫瘍で、人間や猫などほかの動物には見られません。
頭部や耳介、四肢などに良く発生し、ツヤツヤと光沢のあるドーム状の形をしていることが特徴です。
組織球種のほとんどは良性腫瘍で、2歳以下の若犬に多く発生します。

症状はほとんどないため、診断されると自然退縮が期待できるため経過観察になることが多いようです。
しかし急激に大きくなったり、生活に支障をきたすような場所に腫瘍ができた場合には外科的手術で摘出することもあります。
組織球種は良性腫瘍ですので、術後は比較的良好です。
組織球種は原因がわかっていないため、これといった予防法もありません。
日頃から腫瘍がないか観察し、確認できた場合には小さなものでも動物病院を受診することをお勧めします。

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