犬の肉球の色で健康状態が分る?肉球の役割や病気について詳しく解説

2020/06/07

目次

犬の肉球の役割とは?


犬の肉球をじっくり見た事がありますか?
印象としてはやらわかくてプニプニしているイメージですが、役割について深く考えた事はない方の方が多いかもしれません。

しかし、実は犬の肉球というのは犬にとってとても大事な役割を果たしているのです。
そこで、今回は犬の肉球について詳しく解明していきましょう。

役割①体温の調節

犬の体には人間と違って汗腺がありません。

唯一汗腺があるとしたら鼻の頭と肉球の2つと言われています。
人間は、汗腺から汗をかく事によって、汗を蒸発させながら気化熱で身体にこもった熱を外へと排出しますが、犬は主にパンティングと言って口から舌を出しハアハアと息をする事で熱を外へと排出させています。
パンティングでも追い付かないくらい暑い場所では、肉球の裏にある汗腺から汗を出します。
また、肉球が乾燥してひび割れないようにするためにも汗をかいて調節します。

その他緊張した時にも肉球から汗が出ますので、動物病院に慣れていない子は、診察代に上がると肉球の汗の形がくっきりと浮かび上がる事もあるんですよ。

役割②衝撃を和らげる

肉球の中でも、爪が生えている4つの指球と真ん中に大きく1つある掌球は、衝撃吸収を行ってくれます。
犬が跳ねたり跳んだりすると、足の関節や骨などに衝撃が走りやすく負担が大きくなってしまいがちですが、肉球があるおかげで衝撃が緩衝材となっていることから随分和らぎます。

人間でも裸足でジャンプしたり走ったりするよりも、靴を履いてジャンプしたり走ったりする方が、体に負担がかからない事を想像するとイメージがわきやすいのではないでしょうか。

このように犬にとって肉球は人間でいう靴の役割をしてくれているのです。

役割③地面の状態を知る

肉球の役割に中で、最も重要なのが地面センサーの役割です。

肉球には、沢山の神経や血管が分布されており、人の指先と同様・触覚・圧覚・温度感覚・痛覚を感じ取る事ができます。
犬は肉球を通して地面の状態を感知しており、もし肉球を失ってしまったら歩けなくなるでしょう。
しかし、肉球は角質層が分厚くなっていますので、熱や冷たさが伝わりにくいとも言われています。

そのため、真夏のアスファルトや真冬の雪の上などでも平気で元気に歩いている子ばかりですが、本人は気がついていない可能性があり、気がついたら火傷や凍傷を起こしているという危険性もありますので、飼い主さんがしっかり様子を見てあげるようにして下さい。

今は、犬用の靴なども販売していますので、特に暑い日や寒い日などには履かせてあげるのもいいかもしれませんね。

犬の肉球の色で健康状態を判別


犬にとって肉球はなくてはならない存在だという事を先ほどの項目でご紹介しましたが、ここでは肉球の色に注目してみます。

犬を飼っているご家庭はご存じの方も多いかと思いますが、犬は足や手を触られる事に抵抗を示す子が多く、中々足の裏を見せてくれません。
ですので、肉球の色がどうなっているのかをマジマジと見る機会は少ないでしょう。

POINT
犬の健康状態は見た目や普段の状態、オシッコの色な臭いで判別できると言われていますが、実は肉球の色でも判別ができると言われています。

そこで、ここでは肉球の色についてご紹介していきます。

肉球の色が黒い

子犬の頃の肉球は鮮やかなピンク色だったのに、成犬になるにつれて肉球が黒くなってしまったという事はありませんか?
というのも、成犬に連れて色が黒になるのは正常な事で病気ではないのです。

犬の肉球は足を守るクッションの役割をしており、何度も散歩に行っておうちでも元気に走り回る事で皮膚が鍛えられて色素沈着をしていく事によって黒くなっていくと言われています。
触ってもらえるとわかるように、黒くなった肉球は硬いですよね?

これも人間の足と同じで鍛えられた結果、角質となって硬くなっていくのです。

ですので、黒く変色したからと言ってこれは病気ではなく普通の事なので心配しないで下さいね。

肉球の色が赤い

愛犬の様子を毎日観察していると、よく舐めていませんか?

元々犬は肉球を舐める生き物で、主な理由は

・グルーミング
・ストレス発散
・退屈しのぎ
・体温が高い時

と言われています。

しかし、度が過ぎて舐めすぎてしまうと肉球は赤くなってしまいます。

これは舐めすぎによる炎症で、指間炎が考えられます。

指間炎は舐めすぎて起きてしまう病気で、アレルギーやダニなどが原因でない場合は、指間炎の可能性があります。

かゆみや痛みが発生するためそれらを取り除こうとしてどんどん舐める事で悪化してしまいますし、他の皮膚病の可能性もありますので、肉球を舐めすぎて赤くなってしまっている場合は悪化する前に診察を受けるようにしましょう。

肉球の色がピンク

成犬になると、肉球が黒くなる犬がほとんどですが、子犬の間は、肉球がピンクの子がほとんどです。

これは肉球の色素の問題で、病気ではありません。
子犬でも元々肉球が黒い子もいますし、ピンクの子もいますし、個体によって様々です。

肉球の色がピンクというのは正常な色ですので、心配するような事はありませんので安心して下さいね。

犬の肉球の腫瘍について


犬の肉球に白いイボのようなものができた事はありませんか?
それはいくつかの可能性があり、腫瘍だったり、イボだったり、外部寄生虫であったりと原因は様々です。

もし腫瘍であった場合は、人間と同様、良性腫瘍と悪性腫瘍に分けられます

良性腫瘍の場合は、白いイボのような感じのできものですが、悪性腫瘍の場合は、だいたいが黒いイボのようなものです。

飼い主さんでも色の判断ができますが、詳しい判断は難しいですので、肉球にこれらの異常が見られた場合は、病院での診察をおすすめします。

良性腫瘍

肉球の腫瘍が良性の場合は、サイズ1㎝未満で白や黄色など人間のニキビに近い明るい色合いである事がほとんどです。
腫瘍自体も柔らかい感触のものが多く、大きさもそこまで大きくなる事は少ないでしょう。

自然治癒する事はほとんどですので、経過観察をする事が多いのですが、何かの拍子で潰れてしまったり、引っ掻いてしまった時には、傷口から菌が入り出血や化膿などが起きたり、新たな腫瘍ができる原因にもなってしまいますので、その場合は病院で適切な治療をして下さい。

また、腫瘍が潰れず歩く際に邪魔になってしまう場合はあれば、手術で取り除く事も可能です。

良性腫瘍であっても、潰れてしまった後が大変な事になりかねませんので、愛犬の様子をよく見てあげる事を心掛けましょう。

悪性腫瘍

悪性腫瘍と良性腫瘍の違いは、

・色が赤黒い
・サイズが良性のものより大きい
・大きくなる時間が早い

という点です。

硬さもゴリゴリとして非常に硬いもので、色は一見ほくろのような感じに見えます。
既に転移してしまっている場合は、肉球だけではなく他の部位にも同じような腫瘍が発生してくる事から進行するスピードが非常に速いのが特徴です。

放置しておくと臓器などに転移し、激しい痛みや呼吸困難、生活活動に支障が出てきてしまい、命の危険さえ出てきてしまいます。
早期発見が非常に大切になってくるので、少しでも色がおかしいイボのような物を見つけた場合は、すぐに病院で診察を受けるようにして下さい。

犬が肉球(足先)を噛む理由


愛犬にふと目を向けると、肉球を必死に噛んでいるという場面に出くわす事があります。

飼い主さんからすれば「痛いのかな?」「痒いのかな?」と思う程度でそこまで深く考える事はないですよね。

犬が肉球を噛む理由は先ほどご紹介したような理由ももちろんあるのですが、心理的な事も関係しているのです。

そこで、ここでは犬が肉球を噛む理由を解明していきましょう。

リラックスする為

犬はその部位に違和感を持った時に舐めたり、噛んだりします。
例えば、人間が足をぶつけた時に、ぶつけた部位を手でさする事がありますが、その行為を犬に当てはめると舐めるや噛むになるわけです。

ただ、飼い主の気を引かせたい時や手持ち無沙汰な時、気持ちを落ち着かせたい時などリラックスするために足を舐めたり噛んだりする子も多いですので、一概に舐める・噛む=病気・怪我に繋がるわけではありません。

ただし、舐めたり噛んだりするという事は口内の細菌や唾液が付着するという事ですので、そこから皮膚炎に繋がってしまう可能性が出てきます。
できれば、舐めたり噛んだりした後は拭き取ってあげるなど清潔に保つ習慣をつけるのが良いかもしれませんね。

それと毎日の歯磨きはしっかりしましょう。

痛い為

愛犬がしきりに肉球を噛んだり舐めたりしている時は、もしかしたら痛みからくるものかもしれません。

どこかにぶつけたり、爪が剥がれたり、とげがささっていたり、骨折などの外傷、関節の炎症や腫瘍などの疾患によって痛みが伴っている可能性もあります。

しきりに鳴いたりぐったりしていればわかりやすいのですが、そのような様子が見られるしきりに肉球を噛んだり舐めたりしている事が続いているようであれば、どうなっているのか飼い主さんがチェックし、異常があればすぐに病院へ連れていくようにしましょう。

アレルギーや皮膚炎の為

犬が肉球を噛んだり舐めたりする場合は、アレルギーや皮膚炎で痒みがある事も考えられます。

痒みが続くのでしきりに舐めたり噛んだりするのですが、今度は唾液で皮膚が汚れ、炎症がさらに悪化する恐れもありますので、アレルギーも持っていたり皮膚炎が悪化している状態が見られる場合は、すぐに病院で診察を受け、治療を開始するようにしましょう。

だいたいが服薬で良くなりますが、アレルギーや皮膚炎に一度なってしまうと繰り返す事が多いので、日頃から様子を観察しておく事が大切となってきます。

まとめ


今回は、犬の肉球についてご紹介してきました。
犬の肉球には沢山の役割・健康状態の把握などができるようになっています。

そして、靴の役割を果たしているのですから、ケガもしやすい部位になっていますので、散歩から帰宅した場合や愛犬がしきりに噛んだり舐めたりする場合は足裏を見てみましょう。

舐めたり噛んだりする事は心理的な事にも繋がってきますので、一概に異常だと考えるのは難しいのですが、愛犬が肉球を舐めたり噛んだりするのは飼い主さんへのSOSの可能性が高い事がありますので、日頃からしっかり様子をみてあげて下さいね。

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