犬にカレーを与えて大丈夫なの?与えた時の症状や危険度など詳しく解説!
2020/05/30
目次
犬にカレーは食べさせてはダメ!
何かの拍子にふと食べたくなるカレー。
スパイスの香りが食欲をそそります。
すると、飼い主さんが夢中で食べているかたわらに、鼻をクンクンさせて目を輝かせた愛犬が!
このおいしさをシェアしたい、してもいいのかな?と迷ってしまうかもしれません。
でもちょっと待って。そのカレー、犬には絶対に食べさせてはダメです。
犬用のカレーが売っているのだから問題ないのでは?と思う方もいるでしょうが、人間用と犬用には決定的な材料の違いがあります。
人間用のカレーの中には、犬にとって命の危険を伴う食材が使われているのです。
人間も犬も同じ哺乳類ですが、人間には問題が起きなくても、犬には致命的な食材がたくさん存在します。
カレーの中に含まれる犬にとっての毒素とは何なのでしょうか。
注意したい食材について見ていきましょう。
犬はカレーの具材である玉ねぎが危険?
カレーには色々な種類があります。
インドカレー、ネパールカレー、キーマカレー、そして、家庭で作る日本のカレー。
使われる食材やスパイスにも少しずつ違いがあります。
日本の家庭のカレーのように、あからさまに玉ねぎの存在がわかるものもあれば、玉ねぎをじっくり炒めてペースト状にした「あめ色玉ねぎ」を隠し味のように練り込んだものなどがあります。
つまり、一見してわからなくても、原材料に玉ねぎが使用されているものはとても多いのです。
そして、玉ねぎに含まれる「アリルプロピルジスルファイド」という成分が、犬の赤血球に作用し、溶血を起こします。
「溶血」とは、文字通り血が溶けてしまうこと。
赤血球が破壊され、おしっことして流れ出てしまうことがあるのです。
犬の体の大きさや摂り込んでしまった玉ねぎの量によって表れる症状は異なりますが、危険な量が何グラムかということを知るよりも、「絶対に与えない」ということの方が大切です。
犬の反応には個体差があります。一般論で推し量らずに、「与えない」ということを徹底しましょう。
犬がカレーを食べた時の症状
犬が人間用のカレーを食べると、どのような症状が出るのでしょうか。
玉ねぎ中毒以外にも、注意が必要な症状がいくつかあります。
当てはまる症状が出た時は、早めに獣医さんに相談するか、動物病院に連れて行くことをおすすめします。
その際、いつどこで、どのような状況でどのくらい食べたかということを初め、どのような症状が出てどのくらい続いているかなども獣医さんに伝えられるようにしておくと、スムーズに治療に入ることができるでしょう。
症状①玉ねぎ中毒
先ほどお話しした玉ねぎ中毒は、最も危険な症状です。
玉ねぎに含まれる「アリルプロピルジスルファイド」が犬の体に入り込むと、赤血球を破壊します。
これは生の状態だけでなく、カレーの具のように加熱していても同じなので注意してください。
赤血球が破壊されることで、貧血や血尿、そして便の色にも変化が見られることがあります。
また、解毒作用のある肝臓にも負担がかかることから、肝機能の低下にも注意が必要です。
悪化すると痙攣を起こすこともあります。
痙攣すると誤って舌を噛み切ってしまう危険性もありますので、口の中に窒息しない程度にタオルを詰め込んで応急処置をしましょう。
症状②消化不良や胃腸障害
カレーに含まれる香辛料が作用して、胃腸障害や消化不良が起こることもあります。
この場合、嘔吐や下痢といった症状が表れます。
犬用のカレーには、犬が摂取して問題のない香辛料のみが使われていて、その量もほんのわずかです。
しかし、人間用のカレーには、人間の味覚に合わせて大量の香辛料がブレンドされています。
人間が食べても体がポカポカしてくるのですから、犬に刺激が強すぎるのも想像できるのではないでしょうか。
玉ねぎに加えて香辛料の刺激までもが犬の胃腸を攻撃し、体は強い拒絶反応を起こします。
脱水症状になりかねませんので、注意してください。
症状③塩分過多
犬は塩分を過剰に摂取すると、命の危険があります。
人間の食べ物を犬に与えてはいけない理由の一つに、塩分があるのです。
人間は味覚がマヒしていることもあり、塩分がないとうまみを感じない動物です。
そのため、カレーにも「美味しい」と感じるだけの塩分が含まれています。
この塩分は犬が一日に摂取する塩分量をはるかに上回る量です。
もしも犬が人間用のカレーを食べれば、慢性的な塩分過多になります。
その証拠に、犬用のカレーを食べてみてください。ほとんど塩気を感じず、見た目や匂いから想像するようなおいしさは全く感じないはずです。
犬には、人間がおいしいと感じるだけの塩分は全く必要ないのです。
犬が玉ねぎ中毒になった時の発症期間
玉ねぎ中毒は、主に血液に影響をもたらします。
食べたものはいったん胃で消化され、腸へと送られる中で血管に吸収されます。
その時点で赤血球の破壊が始まることになるため、症状が出るまでに早くて1日、通常は3~4日かかるようです。
翌日ならともかく、数日経ってしまうと、何が原因なのかわからなくなってしまいそうですが、血尿などが起こったらカレーが原因であると考えられるでしょう。
その前に下痢や嘔吐などの症状が出る可能性が高いので、異変に気付いた時点で動物病院に相談して対策を施しましょう。
犬がカレーを食べた時の状況確認や対処法
もしも犬がカレーを食べてしまったら、まずは様子を見るしかありません。
せめて、少しでもカレーが薄まるように水分を摂らせてみることくらいしか対策はないでしょう。
その後、嘔吐や下痢の症状が表れたら、脱水にご注意ください。
背中の皮を引っ張って、すぐに元に戻るようであれば大丈夫ですが、なかなか元に戻らないようなら脱水が起きて危険な状態です。
しかし嘔吐の最中に水を飲ませると、さらに嘔吐を誘発します。犬が自発的に飲もうとするのを止めるのはかわいそうですが、少なくとも落ち着くまでは、飼い主さんが無理矢理水を飲ませることは控えましょう。
嘔吐が治まって30分ほど経ってから水を与える方が安心です。
下痢の場合も、水が腸に刺激を与える可能性があるため、同様の注意が必要です。
しかしどちらも口にできないほど症状が重い場合は、すぐに獣医さんに相談しましょう。
犬が食べたら危ないカレー以外の料理はある?
カレーだけでなく、犬が食べては危険な料理はたくさんあります。
人間用に調理されたものは全て危険だと言っても過言ではありません。
すき焼き、ポトフ、シチュー、酢豚、かき揚げなどのように、明かに玉ねぎの存在がわかる料理はもちろん、ハンバーグ、チキンライスが入ったオムライスなど、材料として細かく刻んだ玉ねぎが入っている料理など、思わぬところに玉ねぎやそのエキスが含まれているのです。
また、全くネギ類を使用しないお好み焼きやロールキャベツだったとしても、食べる時に使用するソースやケチャップに玉ねぎが入っています。
仮に、調味料は醤油しか使わないとしても、今度は塩分量が問題になります。 もしも犬がそれらの料理を食べて問題がなかったとしても、犬はその時に人間の料理のおいしさを学びます。 するとドッグフードが物足りなくなり、食べなくなる犬もいます。
人間としては、犬が喜ぶ姿を見たいがために気まぐれで与えた料理の一口かもしれませんが、犬にとってはその後の生活を変えてしまう大きな事件になりかねません。
人間の味を教えることは極力避けるようにしましょう。
まとめ
家族全員が食卓を囲む時、一緒にいる犬だけが何も食べられないなんてかわいそう、と感じる飼い主さんも多いと思います。
しかし、「ほんの一口」が、犬の命を脅かし、苦しめる結果になったら悔やんでも悔やみきれませんよね。
どうしても犬に同じ料理を、と考えるなら、材料を切った段階で食べても問題のない食材だけを少し取り分け、油や味付けをせずに火を通して小皿に準備しておくなど、工夫して与えるようにすると良いでしょう。
その時は味付けもせず、素材のままで与えてあげてくださいね。
犬が飼い主さんの皿から分けてほしいとせがむようであれば、犬用に準備した小皿を飼い主さんの手元に置き、そこから犬に与えるのも良い方法です。
犬は「パパ(ママ)と同じものを食べた!」と、きっと満足してくれるでしょう。
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