【必見】愛犬が異物を誤飲してしまった!異物11種別の症状と対処法
2020/04/13
目次
愛犬が異物を誤飲してしまった?!その時の症状は?
私達人間と一緒に暮らす犬たちにとって、危険なことがいっぱいあります。その中で一番多い事故が、異物を間違って飲み込んでしまう「誤飲」。
年間で25万件以上の誤飲事故が起きています。
「オモチャで遊んでいたら飲み込んでしまった。」「散歩中に落ちていたものを食べてしまった。」「テーブルの上に置いていたものを食べてしまった。」など、誤飲といっても様々な場合があります。
ではなぜ愛犬はそのようなことをしてしまったのか考えてみてください。犬の本能的な行動を理解し、なぜ異物を口に入れてしまったのか原因を探り、対策をすればほとんどの誤飲事故は防げます。
それでも愛犬が異物を飲み込んでしまった場合、どうしたらよいのでしょうか?そこで今回は愛犬が異物を飲み込んでしまった時の症状や対処法を紹介します。
一般的な誤飲・誤食・中毒の対処法
ではもし飼い犬が誤飲・誤食をしてしまった、中毒をおこしてしまった場合はどうすればよいのでしょうか。
誤飲・誤食したものが毒性のあるものであった場合、吸収されるのを防がなくてならないのですぐに吐かせてください。
これらの対処法はあくまでも応急処置ですので、誤飲・誤食をしてしまった場合は速やかに病院に連絡をして医師からの指示を仰いでください。
危険度が高い異物リストの症状と対処法
人間にとって何ともなくても犬にとっては中毒をおこしてしまうこともあります。犬は目の前にあるものが危険なものかどうかわからず、口に入れてしまいますし、飼い主がいつも見ているわけでもありません。
ここでは危険度が高い異物を飲み込んでしまった時の症状と対処法を解説いたします。
①糸やヒモ
糸やヒモなどある程度の長さのものを飲み込んでしまうと腸閉塞をおこします。その他、嘔吐・食欲不振・腹痛などの症状があらわれます。
糸やヒモを飲み込んでから時間が経ってくると腸に壊死がおこったり、腸に穴があいたりして腹膜炎をおこし最悪、死に至ります。対処法は、飲み込んだ物の太さと長さを確認して、すぐに病院を受診してください。
口や肛門から飲み込んだ物が出ている場合がありますが、引っ張ったりしないでください。消化管粘膜を傷つける場合があり、非常に危険です。
病院でX線・超音波・造影検査をし、腸閉塞であることが確認出来ると、処置としてすぐに開腹手術が行われます。穴があいた状態や壊死が見られた場合には切除が行われます。
②竹串、画びょう、ピン、くぎ、針など
犬の体の大きさや飲み込んだ異物の大きさによっては無症状のまま、便と一緒に排泄されることもありますが、口腔内や消化管粘膜を傷つけたり、穴が開くこともあります。その他、食欲不振・腹痛・嘔吐・発熱などの症状がみられます。
飲み込んだものがどんなものだったのか確認をし、症状が出ている場合は可能であれば飲み込んだものとおなじものまたは、現物が写っている写真を持参し、すぐに病院を受診しましょう。
飲み込んだ物が尖った物の場合、胃や食道の粘膜を傷つけたり、穴があいてしまうこがあるので、決して吐かせないでください。
病院ではX線・超音波・造影検査をし、腸閉塞をおこす心配がない場合や便中に排泄が期待できる場合は高繊維食を摂らせて経過観察をします。
③タバコ
タバコに含まれるニコチンが原因となり、中毒症状がタバコを飲み込んで数分後におこります。
主な症状は興奮して活動的になり、よだれを流し、嘔吐・下痢がみられます。タバコを多量に摂取をしてしまうと震えやけいれんをおこして、立っていることもできなくなってしまい、そのまま昏睡状態に陥り、最悪な場合、死亡してしまいます。
飼い犬が間違ってタバコを飲み込んでしまった場合、ニコチン中毒の症状がでるのが早いので、すぐに病院を受診してください。病院ではタバコを誤飲した直後だった場合は吐かせる処置をします。すでに中毒症状が始まってしまっている場合は中毒症状を抑える処置を行います。
④漂白剤
漂白剤に含まれる次亜塩素酸ナトリウムは腐食性で、口腔内や消化管粘膜を傷つけたり、炎症をおこしたりします。
症状はよだれを流したり、嘔吐、吐血などがあります。原液が目に入った場合は、角膜や虹彩を傷つけ、最悪な場合、失明します。皮膚についた場合は、水疱や発疹があらわれます。
対処法は吐かせたほうがよいように思われますが、吐かせることで逆に食道の粘膜を傷つけてしまうので、吐かせないでください。吐かない程度の水分を摂らせてください。
目に入った場合は15分以上、流水で洗い流してどちらの場合もすぐに病院を受診してください。皮膚についた場合は、ヌルヌルがなくなるまでよく荒い流し、症状がある場合は病院を受診してください。
成分によっては危険なもの
犬に食べさせてはいけないものがたくさんあり、特に成分によっては危険なものもあります。犬が危険なものを食べたことによって、命を落としてしまうこともあります。
ここでは成分によっては食べると危険なものを解説いたします。
①乾燥、脱酸素剤
乾燥剤にはシリカゲル・塩化カルシウム・生石灰があり、シリカゲルは毒性は低いです。
注意してほしいのは塩化カルシウムと生石灰、毒性が強く口にすると粘膜の炎症や潰瘍を引き起こします。また目に入ると結膜や角膜に傷害を引き起こします。
脱酸素剤は鉄粉の場合がほとんどですので、大量に食べたりしなければ中毒をおこすことはありません。対処法は乾燥剤、脱酸素剤の種類を確認して(成分がわからない場合はメーカーに問い合わせてください)病院の先生の指示を仰いでください。塩化カルシウム・生石灰の場合は吐かない程度に水を飲ませて、すぐに病院を受診してください。目に入った場合は、水で15分程度洗い流してから病院を受診してください。
②保冷剤
大量でなければ問題はないのですが、保冷剤によっては成分にエチレングリコールが含まれているものがあります。エチレングリコールが含まれた保冷剤を食べてしまった場合、中毒をおこす危険があります。
摂取量によっては神経症状、腎障害、低カルシウム血症などをおこし、死んでしまいます。
暑い夏の熱中症対策に利用する飼い主がいますが、犬はかじってしまうことがあるので、使用するときは注意が必要です。食べてしまった時は、食べた保冷剤にエチレングリコールが含まれている可能性がある場合はすぐに病院を受診してください。病院では摂取直後や症状がみられない場合、吐かす処置を行い、吸着させることを目的に活性炭や下剤を処方し、対処療法を行います。
③人の医薬品
飲み込んだ薬の種類によっては大量でない限り、問題ないものもありますが、薬によっては中毒症状をおこすこともあります。
症状は薬の種類によって異なりますが、シートをそのまま飲み込んでしまった場合、咽頭部や食道、胃粘膜を傷つけ、食欲不振や嘔吐などがみられることもあります。
どのような薬(薬の名前、薬の型、含有量などわかる範囲で)をどれだけ飲んでしまったのかを確認し、病院に連絡して指示を仰いでください。病院では誤飲したばかりでしたら吐かせる処置をしたり、解毒剤や活性炭の投与、点滴をしたりの処置を行います。
量によっては危険度の高いもの
キッチンやリビングなどには生活していくために色んなものが置いてあります。これらのものを犬は間違ってなめてしまうこともあります。少量ならなめても大丈夫ですが、量が多くなると危険になることも…。ここでは量によっては危険なものを解説いたします。
①食用油
少量なめたくらいでは問題がないのですが、なめた量によっては消化器症状(嘔吐、下痢)をおこします。場合によっては重症になり、膵炎をおこすことがあります。同様に揚げ物や脂っこいものを食べた時にも同じような症状がおこります。
対処法は食用油をなめたことによる症状が見られる場合、たくさん飲んでしまった場合はなるべく早く病院を受診してください。
食用油は吐かすと気管に入り肺炎をおこすので、絶対に吐かせないでください。
病院では対処療法が行われ、膵炎が疑われる場合は膵炎の治療が行われます。
②お酒
犬にお酒は絶対にダメです。犬は人間と違ってアルコールを分解することが出来ないからです。
そのため犬がアルコールを摂取すると長い時間体内で循環し続けてしまうのです。ビールやカクテルで110ml、日本酒やワインでは37ml、焼酎やウイスキーで14mlの量で死んでしまい、小型犬だとペロリと舐めただけで症状があらわれてもおかしくありません。
もしお酒を誤飲してしまったら、病院に電話して現在の状況を伝え、すぐに病院を受診してください。
間違えてもお酒で酔っ払っている犬に水を与えないでください。誤嚥して呼吸困難に陥ってしまうことがあるからです。病院では吸着させるために、速やかに活性炭を投与して対処療法が行われます。
③使い捨てカイロ
使い捨てカイロの成分は鉄粉、水、食塩、活性炭、バーミキュライトなどで、毒性は低く重篤な中毒症状をおこすことはまずありません。誤飲した量が少しだった場合はまず様子を見ましょう。
カイロの成分を大量に誤飲すると食欲不振、下痢、嘔吐などの症状がでることがあります。これらの症状がでた場合は病院を受診してください。使用済みのカイロなら問題ありませんが、未使用のカイロだとカイロの中の成分が発熱し、口の中がただれることもあります。病院では症状を抑えるための対処療法が行われます。嘔吐、下痢が原因で脱水症状に陥った時は、点滴をすることもあります。
④テッシュ
飼っている犬がティッシュを大量に出して遊び、困ったというのがあることでしょう。大量のティッシュが部屋に散らかるのも困りますが、その時にティッシュを大量に飲み込んでしまったときです。ティッシュはトイレットペーパと違い、水には溶けませんので、大量に飲み込んでしまうとお腹の中で水分を吸収し、腸閉塞になってしまうことがあります。
ティッシュを大量に誤飲してしまった時、下痢、嘔吐、食欲不振などの症状があらわれた時は病院を受診してください。
病院では対処療法が中心に治療が行われ、腸閉塞が疑われる時は、外科的処置が行われます。
病院へ行く前に確認しましょう!
誤飲・誤食したと思っても実際には誤飲・誤食してないこともあります。病院に行く前に本当に誤飲・誤食したのか、口に入れたと思った物がそこらへんに落ちていないか、今一度確認をしてみましょう。
誤飲・誤食したものを病院の先生に正確に伝えるのは難しいこともありますので、袋や容器と同じ物、または実物があれば持参しましょう。その後の様子を伝えるためにも様子をこまめにメモして持参してみるのもよいかもしれませんね。
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