【徹底解説】犬が首をかしげる5つの理由とは?病気の可能性も

2022/02/19

目次

犬が首をかしげる5つの理由

愛犬が首をかしげる姿は、微笑ましく可愛い仕草でもありますよね。

日常的によく見かける仕草ですが、意味をご存知でしょうか。

飼い主様の声や聞こえてくる音などに反応していると思われますが、その中でも様々な意味を持っていることが考えられます。

どのようなシーンで首をかしげるのか理由をご紹介していきます。

理由①:飼い主を喜ばせたい

愛犬が首をかしげたときに、飼い主様から「可愛いね」と褒めてもらったり笑顔になってくれたりして、愛犬が良い思い出として覚えていることがあります。

なので、また首をかしげれば喜んでくれるかもしれない、と行動している犬もいます。

他にもいつも褒めるときに言っている言葉でも「嬉しい」と愛犬が感じてくれれば、首をかしげる仕草を見せてくれるでしょう。

飼い主様と愛犬の信頼関係を結ぶツールとなっていると考えられます。

理由②:音や言葉を聞き取るため

人が感じない音を聞き取る力がある犬の耳は、例えば飼い主様が発する言葉や音から様々な情報を集めていると考えられます。

どこから聞こえるか・それはどんな音なのかを首をかしげることによって、耳の角度や高さを調節しながら一生懸命聞き取ろうとしています。

初めて聞いた音の場合は、「不思議」と思いながらも「不安」の要素も入り混じっているので、音の発生源を確かめ正体を知ろうとしている可能性もあるでしょう。

理由③:音以外の情報にも興味がある

犬は音の他にも、初めて見るものや見慣れないものに対して興味を持ちます。

犬の目は人のようにモノをハッキリと見ることが出来ないといわれていますが、少なからず視覚からの情報も取り入れています。

「これはなんだろう」と危険があるものなのか、自分にとって嬉しいものなのか、興味と不安の気持ちが入り混じっているときも首をかしげる傾向があります。

一説には、自分の長いマズルが邪魔して見えにくいから、首をかしげて角度を変えながら見ているともいわれています。

もしお散歩中などで、愛犬が立ち止まって首をかしげる仕草をしていたら視線の先には興味を引く対象があるかもしれません。

理由④:危険を感じている

優れた聴覚を持つ犬は、ご家族など同居している方から飼い主様が帰宅する前から「ソワソワと落ち着かなかった」「誰もいないのに玄関で待機していた」といった話を聞いたことはありませんか。

海外では、離れた隣家の火事に気付いて飼い主様を起こした犬もいるそうです。

人が聞こえない音を感じることが出来るといわれている犬は、家の中にいても様々な音をキャッチしている可能性があります。

聞き慣れない音や物音の刺激によって、警戒心を抱いて危険かどうか首をかしげて判断しようとする場合も考えられます。

理由⑤:実は病気のサイン

犬の習性や特徴が関係している可愛い仕草である他にも、病気によって起こることも考えられます。

「そんな病気あるの」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

耳の病気や神経系に問題があったりあるいは、皮膚病の可能性だったりして様々な病気が原因となります。

中には、ずっと首をかしげた姿が続く犬もいてその場合は深刻な状態である可能性もあります。

犬が首をかしげるのは病気の可能性がある

音や見慣れないものといった刺激となりうる対象がないにも関わらず、首をかしげる仕草を繰り返していたり耳を触るような行動をしていたりして、「明らかにいつもと違う」様子が見られたら病気を疑いましょう。

体がふらついたり元気がないなどの症状が現れることもあります。

比較的よく知られている病気から、見過ごすと命に関わる病気まで多数の可能性がありますので愛犬の様子を日頃からしっかりと観察してあげてください。

パグ脳炎

「壊死性髄膜脳炎」という大脳を中心に広い範囲に壊死が起こる別名パグ脳炎という病気です。

発見されたのがまだ最近である新しい病気であるため、知名度は低いのですが完治の見込みが少なく場合によっては発症から数日もしくは数週間の命ともいわれている恐ろしい病気です。

パグに多く症例が見つかっていることから「パグ」の名前が付いていますが、チワワやポメラニアンなどの小型犬でも罹患が報告されていますので発症の可能性は否定できません。

まっすぐ歩くことが困難となり、首をかしげる仕草やめまいによる起立不能といった神経系の症状が見られるでしょう。

治療にはステロイドなどが用いられる対処療法がメインとなり、まれに慢性的に病状が進行している場合は治療が迅速に行われることによって数年ほどの延命も期待できるようです。

内耳炎

ウイルスや細菌による感染症などで、成犬からシニア層の犬に内耳炎の発症が多く見られます。

初期症状として、耳の違和感によって頭をしきりに振る行動が増えるでしょう。

平衡感覚を正常に保つ三半規管に影響が出てきますので、ふらつきや真っ直ぐに歩くことが難しくなり吐き気や嘔吐など人でいう乗り物酔いのような状態になります。

その際、首をかしげる斜頸も現れ、かしげた方向へぐるぐると旋回する行動も現れる場合があります。

ここまで症状が強く現れていると、犬の身体的な苦痛や負担は大きくなり早急な治療が必要となります。

自宅では無理に歩かせるようなことはせず、安静を保ちながらペットベッドやトイレとの位置を見直してあげると良いでしょう。

突発性前庭疾患

中年期からシニアにかけて多いといわれている病気で、平衡感覚を司る前庭神経という部分に何らかの異常が起きて首をかしげる斜頸や、眼球が素早く左右に揺れたり動いたりする眼振という症状が名前の通り突発的に現れます。

人がくるくると回転した後に、まっすぐ立っていられず目が回っている状態といえばわかりやすいかもしれません。

原因がわからないものを含めて、突発性前庭疾患と呼んでいます。

前庭神経は末梢神経と中枢神経の2つに分けられており、突発性前庭疾患は末梢神経に関わる異常によって起こります。

頭をかしげる側の内耳や前庭神経に問題があり、眼振の他にもふらつきや立ち上がりが出来ない気持ち悪さから、嘔吐や食欲不振がみられる場合があります。

愛犬の様子がおかしいと感じたら、速やかに掛かりつけの動物病院で診察を受けましょう。

発症から処置が早ければ早いほど、その後の回復までの経過が変わってきます。

また、斜頸などの後遺症が多少残ってしまうこともあります。

犬が首をかしげる時の応急処置

「うちの子、首をかしげてるし様子が変」と感じたら、速やかに診察を受けるのがベストな対応ではありますがすぐに連れて行けない場合もあるはずです。

そんな時に愛犬を少しでも危険のない状態で見守ることが大切になります。

耳掃除をしてあげる

愛犬の耳の中を確認してみましょう。

赤みを帯びていたり痒がっていたりして愛犬が耳を気にするそぶりをしていませんか。

またニオイがキツく感じることもあり、外耳炎や内耳炎といった病気を発症しているかもしれません。

少しでもラクにしてあげるために、市販のイヤークリーナーで耳掃除をしてあげましょう。

しかし状態の悪化や根本的な病気の治療にはならないので、速やかに診察を受けてください。

無理矢理な飲食は避ける

吐き気も催すことも考えられますので、無理に食事やお水を飲ませようとしないことが大切です。

食欲があって自分で食べようとする場合は別ですが、もし横になっている状態で無理に口に入れたりすると、誤嚥の可能性もあり大変危険です。

また、食欲がある場合も嘔吐することも考えられますので食事は控えたほうが良いかもしれません。

ケージ内か安全な場所で保護する

首をかしげた状態で旋回などの症状がみられる場合は、まっすぐ歩くことは難しく例え横になっていても床の上でぐるぐると回ってしまうこともあります。

周りにある家具や柱などにぶつかると危険ですので、ケージの中に入れて周囲をマットやクッションなど柔らかいもので保護すると安心です。

フリーにすることは避けてください。

サークルなどで周囲を囲って安全な空間を確保するのもおすすめです。

まとめ

犬は人に体調不良や苦しさを言葉で伝えることができません。

また、多少の不調なら隠すのも上手です。

毎日一緒にいて様子をみているはずの飼い主様でも、気づかずにいることもあるでしょう。

いつもと違う仕草や違和感があれば、間違いでもかまわないので安心のために診察を受けるように心掛けましょう。

そのためにも信頼のおける獣医師を家の近所に見つけておくと安心です。

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