愛犬の歩き方がおかしい…【症状の特徴から原因や病気の可能性を解説】
2020/12/30
目次
犬のおかしい歩き方①床にお尻を擦りつける
何気なく愛犬を見るとお尻を擦りつけて歩いている姿を目撃したことありませんか?
一見、面白いと笑ってしまうかもしれませんが、実は病気が隠れていることもあるのです。
その病気は肛門嚢炎(こうもんのうえん)と言われています。
ここでは、肛門嚢炎について詳しくご紹介していきます。
原因・病気:肛門嚢炎
肛門嚢炎とは、肛門付近にある肛門嚢炎に炎症が生じ、お尻に不快感を示す病気です。
原因としては、肛門嚢に分泌液が排泄されずにたまってしまうことで細菌が繁殖し、炎症を起こすと言われています。
そのまま放置していると、炎症や感染が広がってしまう恐れもある怖い病気です。
症状
症状としては
・肛門付近をしきりになめる
・お尻を擦りつけて歩く
・肛門の斜め下の方向が膨らむ
・排便時に痛みがありなく
などが見られます。
そのまま分泌物が溜まりすぎると、最悪の場合は肛門嚢が破裂してしまうこともあるので、上記のような症状が見られたらできるだけ早めに受診することをおすすめします。
犬のおかしい歩き方②フラフラしている
今まではまっすぐ歩いていたのに、まっすぐ歩けずフラフラして歩くことも重大な病気が隠れている可能性があります。
ここでは、フラフラ歩いている原因として考えられる病気をご紹介します。
原因・病気:前庭疾患
前提疾患とは、前提と言われている平衡感覚を司る領域が侵されたことによって起こる神経症状が出る病気です。
老犬に見られることが多く、前提は末梢と中枢に分かれているので、原因も発症する場所で違ってきます。
末梢性の前提疾患の原因は中耳炎・外耳炎・老犬となり、中枢性の前提疾患の原因は外傷や出血、髄膜脳症、腫瘍などが考えられます。
この病気は詳しい検査が必要になりますので、少しでもおかしいなと感じたら早めに受診してください。
症状
症状としては
・まっすぐ歩けない
・ぐるぐる回る
・眼球が小刻みにふるえる
・歩けなくて倒れる
などが見られ、一時的であれば問題ないのですが、続くようであれば深刻な状態であると言えます。
その判断をするには日々の観察が重要となってきます。
犬のおかしい歩き方③後ろ足が動かずフラつく
後ろ足が動かず前足で歩こうとするのでふらついてしまう歩き方をする場合は、椎間板ヘルニアが考えられます。
椎間板ヘルニアは胴長短足のダックスフンドやコーギーによく見られ、一度発症すると完治は難しいと言われている病気です。
ここでは、椎間板ヘルニアについてご紹介していきます。
原因・病気:椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアとは、老化や外傷、激しい運動、遺伝などが原因で、背骨の間に存在する「椎間板」というクッションが飛び出し、脊椎の上にある太い神経を圧迫することで起こる病気です。
一般的には腰のイメージがありますが、頸部、胸部などどこでも発症の可能性があり、激しい痛みを伴います。
症状
症状としては
・背中を触ると痛がる
・歩きたがらない
・麻痺がある
・腰が経たない
などで、軽度であれば「最近歩きたがらなくなったな」と感じる程度で気が付きにくいのですが、進行してくると足元がふらついたり、後ろ足を動かせなくなります。
さらに進行すると排泄障害も出てくるので、少しでもおかしいと感じたらすぐに病院へ連れていくようにしましょう。
犬のおかしい歩き方④お尻を左右に振る
後ろから見ていてお尻を左右に振りながら不自然な歩き方をしている場合は、股関節形成不全という病気が考えられます。
セントバーナードやラブラドールレトリーバー、ゴールデンレトリバーなど大型犬に多く見られる病気です。
ここでは、股関節形成不全について詳しくご紹介していきます。
原因・病気:股関節形成不全
股関節形成不全とは、骨盤と太ももの骨を結合する役割である股関節に先天的な異常が現れている病気で、原因としては遺伝が一番大きいと言われていますが、老化や栄養・運動なども関係してくきますので、日々のケアが重要になってきます。
症状
症状としては、
・スキップのような歩き方
・かばうように横座りをする
・散歩を嫌がる
・歩行時に腰が左右にゆれる
などがあり、軽度の場合、飼い主さんでもわからない症状のことが多いですが、重度になると足取りが不安定になったり、歩行困難になったりすることがあります。
悪化しないためには早期発見が大事になりますので、日頃からの愛犬の歩き方に注意しておく必要があるでしょう。
犬のおかしい歩き方⑤スキップしている
嬉しい訳でもないのにスキップしているような歩き方をしている場合は、膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)という病気が考えられます。
トイプードルやチワワ・ヨークシャテリアなどの小型犬に多く見られる病気です。
ここでは、膝蓋骨脱臼について詳しくご紹介していきます。
原因・病気:膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼は、股関節のお皿と呼ばれる部分の骨が、正常の位置から離れて動いてしまう病気です。
原因は、外傷性の場合もありますが、先天性のものや発育に伴って発症することが多く、実際は骨車溝が浅かったり、膝蓋骨に付着しているじん帯や大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のバランスの悪さなどが考えられます。
進行すると骨格の変形が起こりさらに脱臼しやすい状態になってしまうでしょう。
根本的な治療は手術しかないのですが、軽度の場合は保存療法で様子を見ることもできますので、早期発見が大切です。
症状
症状としては、
・歩行時に足を気にするようにたまに挙げる
・スキップのような歩き方
で無症状の状態から歩くことが困難な状態までのグレードで4段階に分けられています。
グレード2までは日常生活に支障はないですが、グレード3以上になると顕著に症状がわかるようになり、最悪の場合は整復できなくなってしまいます。
犬のおかしい歩き方⑥足先を少しだけ地面につける
足先を少しだけ地面につけて歩いているという場合は、前十字靭帯断裂(ぜんじゅうじじんたいだんれつ)という病気が考えられます。
小型犬から大型犬まで発症する病気ですが、特に体重の負担がかかりやすい大型犬から超大型犬に多く見られます。
どんな年齢でも発症しますが、大型犬では5~7歳、小型犬では高齢で発症しやすい傾向です。
原因・病気:前十字靭帯断裂
前十字靭帯断裂とは、膝関節に存在している前十字靭帯が断裂してしまい、痛みが続く病気です。
原因は、加齢によりじん帯の強度が弱くなったり、肥満により負担がかかることで切れやすくなり、小型犬であれば膝蓋骨脱臼がある場合や、骨の形成異常などがある場合もじん帯に負担がかかるので発症の原因になると言われています。
また、外傷や打撲、急なジャンプやダッシュが原因となることも多い傾向にあります。
症状
症状としては、
・地面に少し足先だけをつけて歩く
・完全に足を挙げた状態になる
などで、体重が軽い犬は2~3日で痛みが軽減することが多いですが、慢性化すると足をひきずるように歩くようになります。
一方で体重の重い犬は顕著に症状が見られ、ひどい場合は慢性の関節炎や関節が腫れる症状が出ることもあります。
愛犬の歩き方がおかしいけど痛がらない場合
ごく稀に、痛みや違和感がないのにおかしな歩き方をする犬がいます。
それは仮病のようなもので、もっと構って欲しい、注目して欲しい、もっと心配して欲しいという気持ちからわざとおかしな歩き方をするのです。
飼い主さんは心配になって病院へ連れて行くかと思うのですが、仮病の場合は、検査をしても異常がないですし、痛がることもありません。
以前足を痛めた際に、飼い主さんが構ってくれたことを思い出して出る行動なので心配する必要はないでしょう。
愛犬の歩き方がおかしい時の対策法
犬の歩き方が明らかにおかしい場合は、病気やトラブルを抱えていることが予想されるため、自己判断で放置するのではなく、まずは受診するようにしましょう。
言葉で伝えるのは難しい場合は、動画などをとっておくことがおすすめです。
ケガや病気の場合は、痛みを感じていることが多いので、無理に触ろうとしないでください。
早期発見することで、完治する確率も高くなるので、日頃から犬の行動をよく観察しておくことが大切です。
まとめ
今回は、犬の歩き方がおかしい場合に考えられる病気についてご紹介してきました。
稀に仮病を使う子もいますが、大半は病気やケガなど何かトラブルを抱えていることが多いです。
症状がわかりにくい病気もありますので、少しでも歩き方がおかしいと感じるのであればかかりつけの先生に相談してみてくださいね。
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