【徹底解説!】犬の耳の痒みや臭いの原因は?外耳炎の症状・予防法・治療法など

2022/02/18

目次

犬の外耳炎の原因は?

犬は耳が垂れている犬種も多く、比較的外耳炎になりやすい動物です。

外耳炎の原因には1つではなく、さまざまな要因が隠れている場合があるため、いつもと違う様子が見られたら受診しましょう。

ここでは、外耳炎の原因についてご紹介していきます。

アレルギー

アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどの基礎疾患を持っている場合、外耳炎は起こりやすくなります。

外耳炎にダイレクトになるのではなく、耳以外の場所でもかゆみや皮膚病変を示すことが一般的でしょう。

アレルギーを持つ犬は皮膚のバリア機能が低下しているため、細菌や真菌の感染が非常に起こりやすく、感染性の外耳炎を繰り返してしまうことがあります

異物

耳道内に外から異物が入り込んでしまった場合に、外耳炎が起きることがあります。

例えば、散歩中に草むらに入り、耳の中に植物の種や虫が入ってしまったなどの異物による物理的な刺激が原因となることが多いでしょう。

何かが耳に入った瞬間、犬は耳を大きく振ったりするような仕草をすると思うので、飼い主さんはその異変を見逃さないようにしてくださいね。

真菌・細菌

細菌や真菌の微生物の増殖は、外耳炎の直接的な原因ではなく、慢性化し悪化させてしまう要因です。

正常な耳にもブドウ球菌などの細菌やマラセチアといった真菌は多少見られますが、前述したような原因によって耳道内に炎症が起こることによって微生物が増えやすい環境ができることで外耳炎を悪化させます

茶色い耳垢や緑色の膿が耳介や耳道に見られるようになったら外耳炎の可能性が高いので、できるだけ早めに受診しましょう。

寄生虫

外耳炎を引き起こす寄生虫の代表としてミミヒゼンダニがあります。

犬の外耳道に寄生するミミヒゼンダニは、強い痒みを伴う外耳炎を引き起こします。

それに伴い、黒~茶褐色の耳垢が耳道内に見られるようになるでしょう。

しきりに耳を床などにこすりつけたりするような行動が見られたらかなり強い痒みを伴っていると考えられるので、できるだけ早めの受診をおすすめします。

犬の外耳炎の症状

外耳炎になると主に以下のような症状が見られます。

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〈主な症状〉
・強烈な痒み
・頻繁に頭を振る
・足で耳をしきりに掻く
・壁や物に耳をこすりつける
・黒い耳垢
・耳からの悪臭
・耳周辺の毛が汚い
・耳が熱い
・耳が赤い
・耳を触るのを嫌がる
・頭を傾けたままになる
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進行すると痒みだけではなく痛みも出てくるため、耳を触られることを嫌がります。

外耳炎は放置しておくと慢性的に炎症を起こし、中耳にまで炎症が及ぶことで中耳炎になる危険があります。

また、ゴールデンやラブラドールなど大型犬の場合、頭を振り過ぎて耳の軟骨の毛細血管が切れ、耳介に血がたまる耳血腫を起こす子も。

耳血腫は初期であれば血を抜けばいいのですが、ひどい場合は手術が必要になります。

そのようなことがないように、日頃から飼い主さんの愛犬への様子観察が必要です。

犬の外耳炎の予防法

外耳炎は犬に多い病気ですが、できれば外耳炎にならないように心がけたいですよね。

外耳炎を完全に予防する方法はありませんが、飼い主さんの適切な耳のケアで発症しないように務めることはできるので、ここでは外耳炎にならないための予防法をご紹介します。

定期的な検診を受ける

外耳炎は一度発症すると慢性的な病気になりがちです。

自宅でチェックをしてあげるのがいいのですが、耳を触られることを嫌がる子も結構多いので、難しいですよね。

特に湿気に弱い犬種などは梅雨の時期に外耳炎を発症しやすくなったりします。

慢性的な外耳炎の症状を持っている愛犬がいる場合、定期的な健診を行うことがおすすめです。

耳の毛をカットする

人間も同じですが、犬にも耳の中に毛が生えています

トリミングに行った際に、抜いてくれることが多いのですが、頻繁に行くことがない場合は生えっぱなしになることが多いです。

それによって、通気性が悪くなっていたり、耳掃除の邪魔になっているという場合は自宅でカットしてあげるようにしましょう。

自宅で行うのが難しい場合は、病院の先生にお願いしたり、定期的なトリミングがやはり必要になるでしょう。

アトピー・アレルギーの対策をする

犬アトピー性皮膚炎がある犬の場合は、耳を含めた皮膚を掻かないように動物病院の医師からかゆみ止めの薬を処方してもらうなど対策をしましょう。

動物病院の医師と相談し、愛犬にあった対策を行うことをおすすめします。

また、食物アレルギーがある犬であれば適切なドッグフードの選択、アレルギー反応を起こさない食事に制限しおやつを選ぶなど愛犬にあった適切な食事を心がけてあげてくださいね。

定期的な耳掃除をする

犬の耳はL字に曲がっており、綿棒などで耳の奥の汚れを取り除くことは難しいです。

そのため、犬の耳掃除にはペットショップで販売されているイヤークリーナーやイヤーローションと呼ばれる洗浄液を使って洗浄しましょう。

垂れ耳の犬種や外耳炎を発症しやすい犬種は、多湿の時期に月一回程度行うことをおすすめします。

また、犬用の耳掃除用シートなども販売されているので、このシートを利用して耳の皮膚や外耳道の入り口をキレイにしてあげることが可能です。

人間用のアルコールでもいいのでは?と思う方もいますが、人間用は犬にとっては強い成分が入っていることが多く、皮膚を守っている常在菌まで死滅させてしまう恐れがあるため犬用の耳掃除グッズの使用をおすすめします。

犬の外耳炎の治療法

愛犬が耳を痒そうにしてたり、痛がる様子が見られる場合は、外耳炎の可能性が高いです。

その場合、病院へ受診することが望ましいのですが、どんな治療をされるのか飼い主にとっては気になるところ。

ちなみに、外耳炎が治る期間は2~4週間と言われています。

ここでは、外耳炎の治療法についてご紹介します。

アレルギーに対する治療

外耳炎の原因が食物アレルギー、アトピー性皮膚炎と疑われる場合、耳の炎症や感染を抑える治療とは別に、アレルギー疾患に対する治療を行っていきます

そのため、病院へ行く場合には、直近で何を食べたのか、食べた時間などをメモしていくと治療も始めやすいでしょう。

駆虫薬

寄生虫による外耳炎の場合には、原因である寄生虫を駆除しなければいけません。

ですが、寄生虫が外耳炎を起こしているといっても既に外耳道以外の皮膚にも寄生している可能性が高いので、寄生虫駆除薬の全身投与を行います。

それに合わせ、痒みや痛みを止める対処療法が行われるでしょう。

点耳薬

外耳炎は点耳薬を使うことが多いです。

痒みや炎症を抑える薬や、二次感染を抑える抗菌薬、抗真菌薬など、症状や原因に合わせて使用します。

1日数回投与が必要な薬もあれば、1週間効果が持続する薬など種類はさまざまですが、耳を触られる子も多いということで、どのような種類が愛犬に合っているのか先生と相談しながら決めると良いでしょう。

耳道内の洗浄

外耳炎を治療するうえで重要なこととして、耳道内の汚れを取り除くことがあります。

感染や炎症を抑えるための点耳薬を投与するとき、耳道内が汚れたままでは薬の効果が100%得られません。

しかし、炎症が外耳道よりもっと奥に影響している場合や耳道が重度に膨張してい場合など、積極的に洗浄をしなければいけない場合もあります。

耳の洗浄は耳専用の洗浄液を使って行いますが、その方法を誤ってしまうと外耳炎を悪化させてしまうので、必ず受診するようにしてください。

まとめ

今回は、犬の外耳炎についてご紹介しました。

人でも外耳炎になったときは激しい痒みや痛みを伴い、すぐに病院へ行きますよね。

犬は自分で言葉を発して伝えることができないので、飼い主さんがしっかり日頃から愛犬の様子を観察してあげ、少しでも外耳炎のような症状がある場合は、できるだけ早く受診するようにしてくださいね。

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