【徹底解説】犬の鼻の病気とは?原因やサイン、治療法などを詳しく解説
2020/04/21
目次
犬の鼻づまりとはどんな病気?
犬も人間と同じように何らかの理由で、鼻水やくしゃみ出るようになり鼻づまりを起こす事があります。
サラサラした鼻水は外に流れ出てくれますが、ネバネバした鼻水や膿のような鼻水は鼻の中からスムーズに出ない事があります。
そのため鼻の穴の周りにこびりついて、鼻づまりを起こして苦しそうに息をするようになります。
犬の鼻づまりの症状によって気を付けなくてはいけない事や、愛犬を少しでも楽にしてあげる方法を調べて見ました。
犬の鼻の病気、症状やサインとは?
犬は言葉を話す事ができないため、体に異常が起こると飼い主にわかってもらおうとサインを出している事があります。
鼻水が出るようになり、普段通りの生活をしていても呼吸をする際に苦しそうな表情を見せたら注意が必要です。
①鼻水がよく出る
鼻炎にかかるとウイルスや細菌が原因で、鼻腔内の粘膜に炎症が起きてしまい鼻水やくしゃみが出るようになります。
副鼻腔炎も最初はサラサラした鼻水やくしゃみが出るようになります。
敏感な犬は花粉やハウスダスト、ダニなどに対してアレルギー反応を起こして、水っぽい鼻水が多く出るようになります。
年をとってしまうと身体の機能が低下して分泌腺が上手く働かなくなり、鼻腔内が乾燥してしまうために鼻水が出るようになります。
②鼻血が出る
副鼻腔炎は最初はサラサラした鼻水ですが、悪化してしまうと血液の混じった膿状の鼻水が出るようになります。
鼻に腫瘍があると血の混じった鼻水が出るようになります。
真菌性鼻炎、リンパ球形質細胞性鼻炎がひどくなると膿のような鼻水から鼻水に血が混じる事があります。
怪我が原因の場合はあまり問題はありませんが、犬が鼻血を出す事はあまりないため鼻血が出た場合は病気の可能性が高く早めに受診をすると安心です。
③鼻が乾燥する
犬も人間と同じように年をとるごとに機能が低下してしまい、鼻を湿らせておく分泌腺が上手く働かなくなり鼻腔内が乾燥するようになってしまいます。
鼻が乾燥してしまうと炎症を起こしやすくなり、炎症が原因で鼻の穴が狭くなり鼻づまりになってしまいます。
寒い時期は部屋を暖かくして愛犬と過ごすのもいいのですが、温度調節を上手くしないと鼻が乾燥してしまう原因になりますので注意が必要です。
④いびきをかくように鼻をグーグー鳴らす
鼻腔狭窄症にかかると鼻の穴が狭くなり、息をする際にグーグーと音がするようになります。
症状が悪化するとネバネバした鼻水に変わる急性鼻炎、真菌性鼻炎、慢性特発性鼻炎は鼻づまりを起こしやすくなります。
ネバネバした鼻水が鼻の穴にこびりついて、鼻の穴を狭くしてしまうためいびきをかくようになる事があります。
鼻の低い犬種がかかりやすい短頭種気道症候群になってしまうと、気道に問題があるためいびきをかくような音がする事があります。
犬の鼻づまりの原因で考えられることは?
サラサラした鼻水ではあまり心配はいりませんが、ネバネバした鼻水や膿のような鼻水が出た時には注意が必要になります。
犬が鼻づまりを起こす原因は幾つかあり、薬で治せるものから手術をしなくてはいけなくなる場合もあります。”
①鼻炎、副鼻腔炎などの鼻の病気
鼻炎は鼻腔内の粘膜に炎症が起きてしまい、鼻水やくしゃみがでるようになります。
炎症を起こす原因にはウイルスや細菌の感染によるもので、症状が軽いうちは粘り気の少ない鼻水でひどくなると外に出すのが難しくなり呼吸が苦しくなってしまいます。
副鼻腔炎は最初サラサラした鼻水やくしゃみで、悪化してしまうと血液の混じった膿状の鼻汁が出るようになります。
鼻水が上手く外に出なくなってしまうと、鼻づまりを起こしてしまいます。
②アレルギー
花粉やハウスダスト、ダニなどに対してアレルギー反応を起こした場合は、水っぽい鼻水がダラダラ出るようになり炎症がひどくなると鼻づまりを起こしてしまいます。
散歩の後に鼻水が出る様ならば花粉に反応している事もありますので、散歩の仕方に変化を与えて様子を見るようにします。
特に原因がわからず鼻水を出す時にはハウスダストやダニに反応している事もありますので、いつもきれいな環境で過ごせるようにしてあげて様子を見るようにします。
③歯周病の悪化
犬も年齢を重ねていくうちに歯周病にかかってしまいます。悪化してしまうと歯の根元に膿がたまってしまい、鼻腔内に流れてしまう事があります。上顎から鼻の中へと炎症を起こしてしまい鼻づまりの原因になってしまいます。
年をとるごとに体もだんだん弱っていきますが、歯もいつまでも同じ状態ではなくなります。
歯周病がなるべく悪化しないように日頃の様子を良く観察し、歯に優しい食事を心がける事も大切です。
④鼻の腫瘍
血の混じった鼻水が出るようになり、ドロットした鼻水が鼻腔内に溜まるようになります。腫瘍があるために鼻腔内が狭くなってしまい、鼻づまりを起こしてしまいます。
腫瘍は高齢の犬や鼻の長い犬種に多く、シェットランド・シープドック、コリーが発生しやすいと言われていますが他の犬もかかる可能性はあります。
腫瘍ができると顔が腫れる事もありますので、愛犬を良く観察するようにします。
⑤生理現象
好奇心が旺盛な犬は色んなものに興味を示し知らないうちに鼻に異物が入ってしまう時があり、中々取れずに鼻腔が狭くなったり炎症を起こしてしまい鼻づまりの原因になってしまう事があります。
散歩の時や家での様子を思い返してながら原因を突き止めるようにします。
無理に取ろうとすると嫌がってトラウマになる事もありますので、かかりつけの病院で診察を受けて適切な処置をしてもらえば安心です。
⑥老化による機能低下
年をとるごとに分泌腺が上手く働かなくなってしまい、鼻を湿らせる事ができなくなり鼻腔内が乾燥してしまいます。乾燥してしまう事によって鼻水が出るようになり、鼻づまりを起こしてしまいます。
鼻が乾燥してしまうと炎症しやすくなり、炎症によって鼻の穴が狭くなり鼻づまりを起こす事もあります。
老化によって様々な機能が低下してしまい、体だけではなく鼻などにも影響を与えてしまいます。
愛犬が年をとったと実感してきたら様々なケアが必要になり、日々の変化に気を配ってあげる事も大切です。
犬の鼻の病気一覧
愛犬に異常があると慌ててしまいがちですが、きちんと状況を把握し冷静に行動すれば危険な状態にならずに済みます。
適切な判断ができ手遅れにならないように、犬の鼻の病気の症状、原因、治療法を詳しくまとめました。
①鼻腔狭窄症
鼻腔狭窄症にかかってしまうと鼻の穴と鼻腔との空間が狭くなってしまい、鼻をグーグー鳴らしたり鼻水を良く飛ばすようになります。
呼吸が荒く酸素不足になりやすい事もあり、熱中症にかかりやすくなってしまいます。
原因は鼻に先天性の奇形があり、パグやフレンチブルドックのような鼻が低く皮膚にたるみがある犬がかかりやすくなります。
症状が軽いうちは寝ている時の様子や散歩に注意し、重くなった時には外科手術が必要になります。
②急性鼻炎
急性鼻炎は粘膜に炎症が起きてしまいサラサラの鼻水が出るようになり、鼻を気にするしぐさが見られます。
ネバネバした鼻水に変わると鼻腔が狭くなってしまい、呼吸が荒くなります。
ウイルスや真菌、ダニがによって起こる場合や、先天性、腫瘍やアレルギーが原因の時もあります。
ウイルスが原因の場合は抗生物質を投与するようにします。
重い時にはブライザーと呼ばれている吸入器を使って、薬剤を噴霧して炎症を抑えるようにします。
③鼻腔内腫瘍
鼻腔内腫瘍は鼻の周囲に腫瘍ができ、鼻の穴を塞いでしまうために鼻づまりを起こしてしまいます。
鼻炎と似た鼻水、くしゃみをするようになり、鼻血が出たり顔が腫れてしまう事もあります。
原因はわからなく鼻の長い犬種や年をとった犬がかかりやすい病気で、鼻血を出した時には鼻腔内腫瘍が考えられます。
治療は症状に合わせて切除、放射線治療、抗がん剤などで行い進行を抑えるようにします。
④短頭種気道症候群
呼吸をする時にいびきのような音がするようになり、いびきをかく事もあります。
運動を嫌がる傾向があり、激しく呼吸をしたり咳をする事があります。
鼻腔狭窄、長すぎる軟口蓋、声門の狭窄といった他の症状が複合した場合にかかりやすくなり、鼻先の短い短頭犬種に発症しやすい病気です。
短頭種気道症候群を治療するには外科手術しかなく、早い時期に鼻腔狭窄と軟口蓋通長症の手術を行えば重篤な病気の予防にもなります。
⑤真菌性鼻炎
鼻水、くしゃみが出るようになり、ひどくなると膿のような鼻水と鼻水に血が混じってしまう事があります。
免疫力が低下している時にアルペルギルス、アオカビ、ライノスポリジウムなどを吸ってしまい感染してしまう事があります。
鼻の長い犬種はアルペルギルス症の発症率が高い事もありますので、愛犬の様子を良く観察するようにします。
細菌が特定できない場合は、ブドウ球菌、レンサ球菌などの薬剤を使って治療を行います。
⑥慢性特発性鼻炎
鼻水、くしゃみの症状があり、白色から黄緑色の鼻水がでるようになり強い咳をする事もあります。鼻水が4週間以上続いている時には、慢性特発性鼻炎の疑いがあります。
原因は特定する事が難しく、ネプライザー療法などの対症療法を行います。
かかりはじめは抗生物質を使う事で効果が見られますが、治療をやめてしまうと再発してしまいます。
1〜2週間にわたって広域抗生物質を経日投与をすると効果があります。
⑦鼻腔内異物
鼻の中に異物があるとくしゃみや鼻水が出るようになります。犬なりに鼻から異物を追い出そうとして、くしゃみを続けてするようになります。
散歩の後や嘔吐をした後に鼻水が増える場合は、異物を吸い込んだり嘔吐物が鼻の中に入ってしまっている事があります。
飼い主が無理に取ろうとすると鼻の中に傷をつけてしまい益々悪化させてしまいますので、かかりつけの病院で早めに見てもらう事が大事です。
⑧リンパ形質細胞性鼻炎
くしゃみや逆くしゃみをするようになり、鼻を鳴らしたり鼻水が出るようになります。
数ヶ月にわたって症状がありひどくなると色のある鼻水に変わり、鼻水に血が混じる事もあります。
原因は刺激性物質、アレルゲを吸ってしまった時やウイルスに感染した時に起こります。
若齢から中年齢ミニチュア・ダックスフント、ウィペットに発症しやすいため、飼い主は注意が必要になります。
治療はグルココルチコイドか抗菌薬を、一定の箇所や全身に投与を行います。
鼻づまりしやすい犬種もいるの?
鼻の短いパグ、シーズ、フレンチブルドックは、鼻の穴が狭く空気の通る所が曲がっていたり狭い事があります。
鼻の奥から鼻水を外に出すのが難しく、鼻づまりを起こしやすくなってしまいます。
鼻の短い犬は生まれながらに呼吸器に問題があるため、悪化してしまうと呼吸困難や意識を失ってしまう事もあり飼う際には注意が必要です。
老化による鼻づまりや犬種に限らず起る事もありますので、飼い主は日々愛犬の様子をきちんと見てあげるようにします。
犬の鼻水、治癒法と自宅での予防法は?
鼻の粘膜に炎症がある場合は、原因となっているウイルスや細菌に対して薬剤を投与します。
鼻の奥に入ってしまいとる事が難しい異物や腫瘍などは、手術が必要になります。
鼻水の原因になっている花粉やハウスダストは、空気清浄機を使う事で空気中にあるものを取り除く事ができ予防になります。
免疫力を高めるために、普段の食事で不足している物をサプリメントで補う方法もあります。
ウイルス性鼻炎の予防には、ワクチン接種をすれば効果があらわれる事もあります。
・犬の鼻づまりを解消する方法はあるの?
長引くような時などには無理に吸い取ろうとはしないで、かかりつけの病院で早めに診察を受けて適切な治療を行ってもらうようにします。
毎日の散歩での適度な運動や、鼻に影響が出ないように部屋など清潔な環境を整えてあげるようにします。
病気の原因となるものを取り除いてあげ、症状が悪化しないうちに早めの診察をする事が大切です。
・加湿器で湿度を保つ
寒い季節に暖房で温かくしてあげるのはいいのですが、部屋が乾燥してしまうと鼻づまりの原因になってしまいます。
老齢犬は70%の湿度が適度で、愛犬に合った湿度調整も大切です。
ネバネバした鼻水が多くなってしまうと鼻づまりを起こしてしまいますので、愛犬と楽しく過ごしながら変わった様子がないかを良く観察するような習慣を心がけるようにします。
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