犬のお漏らしや尿漏れの原因と対処法を解説【子犬からシニアまで】

2022/04/19

目次

尿漏れやお漏らしの原因とは?

急に愛犬が、尿漏れ・お漏らしをしてしまうとびっくりしてしまいますよね…。
何か病気かな?と不安になる飼い主さんも多いかと思います。

そこで、この記事では犬の尿漏れやお漏らしについて、その原因や潜んでいる病気、対処法を解説していきます。

犬が尿漏れやお漏らしをしてしてる原因は本当に様々です。
ですが、年齢や性別などで考えられる原因を絞ることができます。
詳しく見ていきましょう。

子犬の場合

尿漏れ、お漏らしをしている犬が子犬の場合は、いわゆる「嬉ション(ウレション)」の場合が多いです。
通常、犬のおしっこは膀胱に溜められており、尿道が筋肉で閉じられている状態なのでおしっこは出ません。

ですが、子犬の場合は尿道を閉じている筋肉が未発達のため緩みやすく、興奮時などに緩んでおしっこが出てしまいます。
これは成長するにつれ治っていくので放置していても問題ありません。

シニア犬の場合

シニア犬の尿漏れ、お漏らしは、身体機能の低下が考えられます。
人間と同様に、犬も歳をとってしまうと尿道を閉めている筋肉が衰え、しっかりと尿道を締めることができなくなります。
その結果、ふとしたときに尿漏れ、お漏らしをしてしまうのです。

また、おしっこ時にポタポタとおしっこが止まらないのも、尿道を締め付ける筋肉に力がないためです。
身体機能の衰えということで心配にはなりますが、あくまでこれはごく自然なことなので、深く悩む必要はないでしょう。

その一方で、考えられるいくつかの病気もあります。

○ 前立腺肥大(雄犬のみ)

前立肥大は去勢していない雄犬に多く見られるもので、前立腺が肥大することにより膀胱に溜めれる尿が少なくなり、思わずお漏らしをしてしまうというものです。
尿漏れ、お漏らしと同時に、便秘や体重減少、排便時の力みなどが見られたらこれを疑ってみましょう。

○ 膀胱炎

また、シニア犬の場合は膀胱炎の可能性も高く考えられます。

膀胱炎とは、おしっこを溜める膀胱に炎症が起きてしまっている状態であり、膀胱炎になるとちょっとした刺激などでおしっこが出てしまいます。
頻度が増えた、ドロッとして臭いがきつい、白っぽいなどの症状が出た場合は膀胱炎の可能性があります。

雌の場合

お漏らしをしている犬が雌犬の場合、「ホルモン反応性尿失禁」というものが考えられます。
これは、避妊手術などをした場合のホルモンバランスの変化が原因で起こります。

ですが、これも特別な病気というようなものではなく、初めて〜2回目の生理が来る時期までに避妊手術をした雌犬の20%ほどに起こる症状と言われています。

症状として特徴的なのは、睡眠中や横になっているときなどの本人の意識があまりないときに、お漏らしをしてしまう、いわゆる「おねしょ」が増えるといという点です。
病院に行けば、女性ホルモン製剤を使用する治療などもしっかりと確立されているので、獣医師に相談してみましょう。

雄の場合

雄犬であり、シニア犬でもない場合は注意が必要です。
雌犬と違い、成犬の雄犬が尿漏れを起こすことは通常ほぼありません。
もし起こしているのであれば「腎不全」や「副腎皮質機能亢進症」なども考えられます。

○ 腎不全

腎不全とは、腎臓が徐々に機能しなくなる病気で、犬の中でも特に高い死因となってしまっている病気です。
実はこの腎不全の初期症状に「お漏らし」があります。

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※厳密には、腎不全の初期症状は「お漏らし」ではなく「排尿回数の増加」です。
ですが、犬が排尿回数の増加に伴って飼い主の知らないところで排尿をしたり、いつもと違うところで排尿をすることから一般的に「お漏らし」と間違われてしまうのです。
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もし、お漏らしというよりも排尿回数が増えた、1回の排尿の量が多い、尿が薄く透明色というような症状が出ている場合は、腎不全を疑い動物病院で診てもらいましょう。

もしものことを考えると病院に連れて行くのも怖いことではありますが、初期症状である排尿の異変で腎不全を早期に見つけることができることは悪いことではありません。
腎不全はゆっくりと進行していくため、飼い主の発見が遅くなることが多いためです。
怖がらずに、落ち着いて動物病院に連れていってあげましょう。

○ 副腎皮質機能亢進症

副腎皮質機能亢進症は、クッシング症候群と呼ばれることもある病気です。
副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されることで起こります。
こちらも厳密にはお漏らしではなく、排尿の増加という症状になります。

もしもの場合には、病院に通院しながらのちゃんとした治療が必要となるので、飲水量の増加、それに伴う排尿の増加、食欲の増加、脱毛、筋力の低下などが見られた場合には、副腎皮質機能亢進症の可能性があるので、しっかりと病院に連れていきましょう。

もし、尿漏れやお漏らしがあったらどう対処する…?

今まで正常に排尿できていた愛犬が、急に尿漏れ、お漏らしをするようになったら、不安になってパニックになってしまうこともあるかと思います。
ですが、このようなときこそ飼い主であるあなたが、しっかりとした対処をとることが求められます。

愛犬の尿漏れやお漏らしが起きた場合、まずは動物病院にしっかりと行きましょう。
「病気の可能性はない、うちの犬は大丈夫」と思っていてもひょっとしたら何か病が潜んでいるかもしれません。

それを放置してしまうと、愛犬だけでなく、あなたも後々傷ついてしまう結果になることも…。
愛犬の尿漏れ、お漏らしが目立つのであれば、まずは動物病院でしっかりと診てもらいましょう。

また、病院に連れていくことで原因が分かり、飼い主であるあなたの心の負担も軽減することができます。

まとめ

この記事では、犬の尿漏れ、お漏らしについてその原因や病気の可能性などを解説しました。

考えられる原因は様々であり、残念なことに素人ではそれを判断することは難しいです。

愛犬の尿漏れ、お漏らしが増えた場合には、「病気かも?」と不安にもなりますが、まずは勇気を振り絞って動物病院に行ってしっかりと診てもらいましょう。

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