愛犬が吐いた後の食事は?嘔吐の5つの原因と対処法も紹介

2020/12/21

目次

愛犬が吐いた原因と吐いた後の食事は?

犬は人に比べてよく嘔吐(おうと)する動物です。

犬では食べ過ぎや水の飲み過ぎ、空腹、拾い食い、車酔いなどの単純な原因で吐くことが多くあります。

嘔吐することによってスッキリとし、その後は元気に過ごすケースは多いのですが、慢性的に嘔吐を繰り返したり、元気がなかったりする場合には、命に関わる重大な病気が隠れている可能性があります。

愛犬が吐いた時、病院に連れて行くべきか否か、迷ったことのある飼い主さんは多いのではないでしょうか。

今回は、犬の嘔吐の原因と、病院に連れて行く見極め方、嘔吐後の食事などについて説明。します。

嘔吐と吐き出しの違い

まず、犬の「吐く」という行為には、大きくわけて「嘔吐「と「吐き出し」の2パターンがあります。
犬の嘔吐と吐き出しは、原因・対策が異なります。

犬の嘔吐とは?

まず、犬の吐いたものがある程度消化されていれば「嘔吐」と考えられます。

つまり、口にしたものが胃腸に達し、消化途中で吐くことが「嘔吐」です。

主に、「嘔吐」は犬の胃腸に何らかの原因があることが多く、絶食・脱水対策・消化器ケアの食事、などで対応されることが一般的です。

犬の吐き出しとは?

一方、「吐き出し」は食べ物などが消化されないまま犬が吐く行為です。

口にしたものが上手く嚥下できなかったり(嚥下障害・嚥下困難)、胃に達する前の食道が詰まった場合など、犬は「吐き出し」を行います。

犬の「吐き出し」の場合、嚥下トラブルや食道の問題であり、重症であれば流動食を与えるなども検討されますが、軽度であれば経過をみながら通常の食生活がおくれます。

愛犬が嘔吐した原因とは?

餌を食べている時に、急に愛犬が嘔吐してしまい、慌てた経験がある飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

犬の嘔吐は、吐いた後にはケロッとしている一過性の場合もあれば、病気が原因の場合もあります。

まずは、犬がどんな原因で吐くのかを解説します。

①病気やストレス

注意が必要なのは「病気」が原因となっている嘔吐です。

嘔吐を起こしやすい病気としては、ウイルスや細菌による感染症や、胃腸炎、膵炎、腸閉塞、胃捻転、腎炎、肝炎、尿毒症、腹部の腫瘍や悪性リンパ腫、腎不全、神経系の病気などがあります。

これらの病気は命に関わることも多いため、嘔吐以外の症状が出ていないか注意深く観察しましょう

また、ストレスによって自律神経が乱れると胃腸に症状があらわれ、嘔吐しやすくなるといわれています。
ストレスが続くと胃潰瘍を起こし、吐血する場合もあります。

運動不足や環境の変化、飼い主さんとのコミュニケーション不足など、ストレスの原因は様々。
スキンシップをたくさんとり、ストレスを感じている様子がないかを確認しましょう

他にも、乗り物酔いが原因で吐くことがあります。
乗り物が苦手な犬の場合は、動物病院で酔い止めの薬を処方してもらう他、乗車前の食事は控えめにしましょう。

②食べすぎや異物の誤飲

犬は生理現象の一種で吐くこともあります。

たとえば、餌の食べすぎや水の飲みすぎ、早食いをした時に吐く場合は、体を守るための嘔吐です。

食べすぎないように餌の量を調節したり、食事の回数を増やしたりして、早食いをしなくても大丈夫であることを教えてあげましょう。

また、散歩中に雑草を食べた後に吐くこともあります。
これは、草を食べることで胸焼けを解消していることが考えられます。

さらに、おもちゃなどの誤飲によって嘔吐することも。
誤飲した異物が胃の出口をふさいだり、腸閉塞を起こしたりすると、嘔吐と下痢を繰り返します。

腸閉塞は死に至る危険もありますので、早急に動物病院を受診しましょう。

③食べ物によるアレルギーや消化不良

食物のアレルギーが原因で嘔吐することもあります

普段食べていないものを口にすると胃がびっくりしてしまい、嘔吐につながる可能性があるので注意が必要です。

餌の粒の大きさや形状が体格や体質に合っていなかったり、特定の食べ物を摂取しすぎると、消化不良で吐いてしまうこともあります。

噛まずに大量に食べたり、丸呑みしたりする場合も嘔吐を起こしますので、
小さく切る、加熱して柔らかくするなど、食べやすいようにしてから与えましょう

また、生肉はサルモネラ菌や大腸菌など食中毒を起こす菌や、トキソプラズマなどの寄生虫を含んでいることが多いため、生で与えると嘔吐や下痢の原因になります。

他にも、散歩中に傷んだ食べ物を拾い食いして食中毒を起こし嘔吐することもありますので注意が必要です。

④ワクチン接種、避妊手術、抗生剤などの副作用

ワクチンや予防接種を受けた後や、治療のために薬を飲んだ後に吐いた場合は、副作用が考えられます

また、避妊手術後に感染予防のために抗生剤を飲ませますが、この場合も、副作用で嘔吐や下痢をすることがあります。

⑤ヒート(生理)による体調不良

ヒート(生理)中は、犬によっては元気がなかったり、食欲不振、嘔吐の症状を見せたりします

また、子宮蓄膿症を発症し嘔吐することもあります。

これは細菌感染によるもので、外陰部から茶色っぽい膿のようなおりものが出ますが、生理と見分けがつきにくいことが多いです。

重症化すると命に関わる病気ですので、嘔吐の他に多飲多尿、食欲低下などの症状が見られたら、早めに獣医師の診察を受けましょう。

愛犬が嘔吐した時の観察ポイント〜色と臭い〜

愛犬が吐いた時は、餌を消化しきれていないのか、異物が混入していないかなど、まずは吐いたものをよく観察しましょう。

透明で白い泡がある、または黄色や緑色

早朝に液体を吐くことがありますが、嘔吐物が以下の色ではないか確認しましょう。

●透明な場合や泡が混ざっていて無臭:胃液や唾液が逆流している
●黄色や緑色の場合:胆汁が混じった胃液が逆流している

これは、逆流性胃炎(胆汁嘔吐症候群)と呼ばれるもので、ストレスや極端な空腹が原因と考えられます。

吐いた後、元気で食欲に問題がないようであれば、様子を見ても構いません。

対策としては、1回の食事量を減らし、1日の食事回数を増やしましょう

餌を1日2回与えているのなら、寝る前に1回増やして3回にし、空腹時間を短くすると良いでしょう。

それでも空腹時に苦しそうに吐き続けるようなら、獣医師の診察を受けてください。

血が混ざっている、吐いたものがピンク色や茶色

血が混ざったような色をしている場合は、口腔や食道、胃にできた腫瘍などから出血している可能性があります
嘔吐物が以下の色ではないか確認しましょう。

●赤い鮮血:出血して間もない
●茶色:時間が経っている ※ドックフードの色が混じっている場合も
●濃い赤色や黒茶色:粘膜から出血している可能性がある
●ピンク色が混じっている:赤や茶色に比べると出血量が少なく、食道などの炎症が考えられる

出血が見られた時は、胃潰瘍や腫瘍の恐れもありますので、なるべく早く受診しましょう。

嘔吐物の臭いが気になる

吐いたものから便の臭いがする時は、主に食糞が原因です

排泄物はすぐに片付けるなどの対策をしましょう。

食糞をしていないのに便の臭いがする場合は、腸が詰まっているなどの病気が疑われますので、早急に動物病院を受診してください。

愛犬が嘔吐した時の観察ポイント〜愛犬の様子〜

愛犬が吐いてしまった時は、嘔吐物だけではなく犬がどんな症状を見せているのか、愛犬の様子もきちんと観察することが大切です。

嘔吐を何度も繰り返す

1日の間に何度も吐いてしまう時は、異物の誤飲や感染症、胃腸炎を起こしているなどの原因が考えられます

脱水症状を起こす心配もありますので、動物病院に連れて行きましょう。

元気がなく、ぐったりしている

吐いた後に元気がなく、ぐったりしている場合は、なるべく早く動物病院を受診することをお勧めします。

お腹を痛がっている様子がみられるときは、膵臓に炎症を起こすことで嘔吐や下痢などの症状を見せる膵炎の可能性もあります

犬の膵炎は性のケースが多く、重度の炎症によって膵臓の周囲までダメージを受けると多臓器不全やショックを起こし、死に至ることも少なくありません。

早急な治療が必要ですので、一刻も早く獣医師の治療を受けてください

嘔吐だけでなく、震えている

吐きたそうなのになかなか吐けず、震えている場合は胃捻転の可能性があります

口の中に白い泡や透明の粘液が見られることも特徴の1つで、水だけを吐くこともあります。

胃捻転は、胃が捻れることで胃の内容物が滞留して発酵し、胃にガスが充満。
血流悪化や炎症、周辺臓器の圧迫などを引き起こします。

胃の捻転を整復するための手術が必要なことが多く、早急に処置をしないと命に関わる病気です。
すぐに獣医師の診察を受けてください。

食後すぐに嘔吐した

吐いたもののほとんどが未消化だった場合は、嘔吐ではなく「吐き出し」です

食事のたびに吐き出しする場合は、食道の病気や異物が原因と考えられます。

咳やくしゃみを伴っている場合は、誤飲が疑われます。

「食べたら吐く」「水を飲むだけで吐く」「元気がない」といった症状が見られた時は動物病院を受診しましょう。

下痢や血便など便にも異常がある

いつもよりも水分量が多い軟便の場合は、食べすぎ、食べ慣れないものを食べた、一時的なストレスなどによって腸に負担がかかっていることが考えられます

水分を用意して、餌は無理に与えず、腸を休めるようにしましょう。

下痢を伴った嘔吐を何度も繰り返す時は、胃腸炎や大腸炎、膵炎などの内臓系の病気やウイルス性疾患、寄生虫が疑われます

嘔吐に加え、血便などの症状も起こり、最悪のケースでは1〜2日で死に至ることも。

すぐに受診し、獣医師による適切な処置を受けてください。

動物病院を受診する目安とは?

愛犬が嘔吐した時に、動物病院に連れて行くべきかどうか悩むことも多いもの。

・繰り返し嘔吐する場合
・下痢を伴う場合
・嘔吐物に血が混じっている場合
・吐いた後にぐったりしているといった場合

上記の場合はすぐに動物病院を受診してください

水を飲むだけで吐くようであれば、胃捻転を起こしていたり、消化管が閉塞していたりする可能性もあります。

死に至る危険がありますので、一刻も早く動物病院へ連れて行きましょう。

受診の際には、吐いた物やその写真を持参して獣医師に見てもらうと診察がスムーズにいきます

食事した時間や吐いた時間、嘔吐の回数、嘔吐物の臭いなどをメモしていけば、疾患部位の予想にも役立ちます。

愛犬が吐いた後の食事は?

愛犬が吐いた後、ペットフードなどいつもどおりに食事や水を与えて良いのか、迷うこともあるでしょう。

嘔吐直後は、胃が食べ物や水分を受け付けない状態のこともありますので、絶食・絶水が基本です。

半日〜1日ほど

脱水症状に気をつけながら、水や食事は与えずに様子を見ましょう。
喉の渇きを訴える場合は、氷を数個与えても良いでしょう。

嘔吐がおさまったら

最初は少量の水から与えます。
吐かないようであれば、水の量を増やしていきます。

水分を取っても問題がない

食事を与えても大丈夫です。
最初は消化しやすい餌を少量ずつ与えて様子を見てください
ドライフードに水分を加え、柔らかくするのも良いでしょう。
2~3日の間は、食事量を少なくして3〜4回に分け、食べられるようなら徐々に通常の食事に戻していきます。

絶食・絶水しても嘔吐がおさまらない場合、餌を食べない状態が続く場合

獣医師による診療が必要です。

下痢を併発している場合

脱水症状の心配がありますので、水分補給が必須です。
しかし、嘔吐の原因にもなるため、点滴などの処置が必要なケースもあります。
なるべく早く動物病院を受診してください。

嘔吐物に血が混じっている、体を震わせてぐったりしているなど、病気の疑いがある場合

食事や水分が病状を悪化させることもあります。
飲食は控え、獣医師の診察を受けましょう。

嘔吐物の掃除はどうすればいい?

嘔吐物の掃除はペット用消臭剤や重曹を活用しましょう。
掃除の手順は以下の通りです。

①最初に下敷きのようなもので嘔吐物をすくい上げるようにすると、ほとんどの固形物や液体を取ることができます。
床材がフローリングやタイルなど染み込みにくい素材であれば、ペットシーツなどをかぶせてつかみ取っても良いでしょう。
②嘔吐物を取り除いたら、水で濡らした雑巾を固く絞って、液体を拭き取ります。
③次に、中性洗剤、または弱アルカリ性洗剤を雑巾につけて再び拭きます。
④最後に、洗剤の成分が残らないようにしっかり拭き取ります。

臭いが気になる場合は、消臭剤や掃除用スプレーなどを吹きつけておきましょう。
ワンちゃんが舐めても大丈夫なように、ペット専用のものを使うと安心です。

カーペットや絨毯など、臭いが取れにくい素材の場合

重曹を使いましょう
①水500mlに重曹小さじ1の割合で混ぜて重曹水をつくり、スプレータイプのボトルに入れて使用します。
②掃除をした後、嘔吐した場所に重曹水をたっぷりスプレーしてください。
③キッチンペーパーなどで水分を拭き取りながらスプレーを繰り返します。
④臭いがしなくなったら、そのまま乾かせばOKです。

重曹水で臭いが取れない時

重曹を粉のままふりかけてみましょう。
②嘔吐した場所にまんべんなく粉をふりかけ、上にタオルなどをかぶせておきます。
③半日から1日ほど放置すると、重曹が臭いを吸収してくれます。
④その後、掃除機で重曹を吸い取って、しっかり乾かしましょう。
日光に当てて干すのも効果的です。

嘔吐しやすい犬の年齢や犬種とは?

注意すべき犬種について

犬の中でも、体の構造上吐いてしまいやすいのが短頭種と呼ばれる犬です

短頭種は消化器官が短いため、吐きやすい体質になっています。

また、小型犬も吐いてしまいやすく、特にチワワやポメラニアン、トイプードルなど、超小型犬と言われる犬たちは吐きやすい傾向にあるので注意しましょう。

年齢による違い

犬の中でも、子犬や老犬(シニア犬)は吐いてしまうことが多くなります。

その理由は、年齢によって異なります。

子犬が吐いてしまう原因として考えられる多くの場合は誤飲によるものです。
犬の目が届くところに、小さなものや食べ物と間違えそうなものを置いていなかったか注意してみましょう。

老犬(シニア犬)は加齢による消化機能の衰えが考えられます。
健康診断などの際には、獣医師に相談するなどして、生活習慣を相談するといいかもしれません。

愛犬が吐いた時は、原因に合った対処をしましょう!

犬が吐かないようにするには、安全でストレスがない環境を犬に提供してあげることが大切です

犬の嘔吐は、経過観察をしていても良いケースから、一刻も早く処置しないと命に関わる深刻なものまでさまざまです。

動物病院を受診する際にも、吐いた時の様子を正確に獣医師に伝えることが、素早い処置につながります。

愛犬の様子を落ち着いて観察し、慌てずに対処しましょう

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