愛犬のよだれがポタポタしているのはサイン!病気の可能性をチェック
2020/03/22
目次
犬のよだれがポタポタするのは何かのサイン?
愛犬がはしゃいで、よだれを垂らしそうになることは珍しくありません。しかし、よだれをポタポタ垂らして止まらないような姿を見たら心配ですね。愛犬のよだれがポタポタしてしまうのは何が原因なのか、病院に連れていく必要はあるのかなど、対策法も合わせて解説します。
よだれがポタポタする原因
犬がよだれをポタポタするほど垂らしているときは、大きく2つの原因が考えられます。
1つは、犬が緊張や興奮したりするときの生理現象です。心配のないよだれもあり、よだれをポタポタさせているからといって、必ずしも問題があるとは限りません。
もう1つの原因は、中毒症状によるよだれです。それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。
①緊張や生理現象
“正常なときでも、犬がよだれを垂らすときはあります。散歩をしたり遊んでいるときなど、よだれを出すほど喜んでいる姿が微笑ましいものです。
このような犬のよだれは交感神経が活発になっているために起こる現象で、基本的には心配ありません。犬のよだれが粘着質になりやすいのも、交感神経が優位に立っているときが多いです。
犬の唾液には、消化をサポートする酵素が含まれています。食事をした後、唾液を分泌して消化を良くしようとするのも犬の生理現象です。犬のよだれが、食べ物を前にして垂れてくるということもあるでしょう。人間でも、空腹なときにおいしそうな食べ物を想像するだけで生唾が出てきますよね。犬によっても違いがありますが、何か食べたくてよだれを出す可能性もあります。
もう一つ、犬のよだれが重要な生理現象を原因としていることがあります。
犬は汗をかいて体温調節することができず、舌を出してよだれを垂らすことで体温と水分を調節しています。犬のよだれは、暑いからということもあるかもしれません。”
②中毒症状によるもの
何らかの中毒症状により、犬がよだれをポタポタ垂らしているときは要注意です。
食べてはいけないものを噛んだり飲み込んだとき、中毒によって犬の唾液量が増えることがあります。例えば、本来犬の体質に合わない食べ物を食べてしまったり、化学薬品を誤飲してしまったときなどが一例です。体の内部に詰まってしまうような形状の物を飲み込んでしまったことが原因かもしれません。道や庭、室内の植物なども、中毒を起こす原因となり得ます。
病気になっている可能性も…必ずチェックを!
病気が原因で、犬がよだれをポタポタ垂らすこともあります。
様々な病気が考えられるため、よだれが出続けている、量が多過ぎるというときは、病院で診察してもらうことが大切です。痛みや刺激によって、あるいは体内から異物を出そうとして唾液の分泌量が増えることもあります。一刻を争う事態の可能性もあるため、まずは様子を見て冷静な判断が必要です。考えられる病気や病気サインの見極め方について、解説します。
1.病気サインの見極め方
“正常な生理現象として犬がよだれをポタポタ流しているのか、それとも病気が原因なのかは判断が難しいところです。ただよだれがダラダラ止まらない状態なのか、他に苦しそうにしている部分はないかなどもチェックしましょう。
犬のよだれが病気に関係している場合、大きく分けると4種類の問題が考えられます。
歯周病菌が口腔内で影響している場合、神経に異常が起きている場合、唾液分泌に関連する部位の異常が発生している場合、消化器官に問題がある場合です。
1.よだれが粘着質で多めかどうか
口腔内の問題でよくあるのが、歯周病です。
唾液にも異様な粘りが出てきたり、口臭が強くなってきます。犬のよだれが粘着質になって量も増えてきたら、口の中が炎症を起こしたりただれていないか見てあげてください。食事やおやつを食べにくそうにしているときも、要注意です。
2.左右の口角や呼びかけたときの反応
てんかん、脳炎、脳腫瘍など、脳神経に異常が起きて唾液をコントロールできなくなることもあります。感染症により脳神経が侵されることもあり、犬の唾液量が増えたと感じたら顔面に異常が起きていないかを確認してみましょう。
口角が左右で歪んでいたり、だらっと垂れ下がっているようなときは、脳神経に問題が起きているかもしれません。顔面がひきつっていたり、目が安定しない動きをしていたり、呼びかけても反応しないようなときも問題がありそうです。
3.空腹や乗り物酔いではないか
歯周病なども含めて唾液腺に異常が発生した場合、唾液量が増えることがあります。
胃酸過多によって犬がよだれをポタポタ垂らすこともあるので、お腹が空き過ぎていたり乗り物酔いをしていないかなども気を付けてあげましょう。
4.呼吸が苦しそうではないか
異物を飲み込んだ場合など消化器官に問題が起きた場合、よだれを垂らしながら呼吸が苦しそうにすることがあります。ヒイヒイと変な音を発していたり、もがくように苦しんでいたら正常なよだれとは考えにくいです。また、痙攣や嘔吐なども病気が原因している可能性があります。
2.考えられる病気
犬がよだれをポタポタ垂らすのが病気に関係しているなら、考えられる病気が気になりますね。よだれの原因となる病気は1つではありませんが、どのような病気の可能性があるのか代表的なものを挙げておきます。熱中症・口腔系の病気・消化器系の病気について、詳しく解説していきます。
①熱中症
汗で体温調節できない犬は、唾液を分泌して体温をコントロールしています。
あまりにも気温が高いときには、唾液をたくさん出しても体温が下がらないかもしれません。人間でも暑いと感じるときはもちろん、室温の高い部屋にいるときや水分不足が心配されるときには熱中症に陥っている可能性があります。
ぐったりしていないか、体が高熱を持っていないかなども注意してあげましょう。
②口腔系の病気
“口内炎や歯肉炎、歯周病など口腔系の病気は、刺激や痛みを感じることが多いです。
口臭がキツくなってくることもあり、症状が悪化してくると食事が苦痛になる可能性があります。
すると食欲が落ちてくるため、栄養状態にも影響が出てきます。
歯の根元には細菌が繁殖しやすいため、重症にならないうちに対処してあげることが大切です。最終的には抜歯しなければならず、食事に支障をきたしかねません。口腔内の細菌を増殖させないように分泌されるのが唾液とはいえ、日頃から口腔ケアをしてあげるのも愛犬のためです。
口腔内の炎症は、栄養の偏りからも起こり得ます。
炎症が起きたことで唾液の分泌量が増えても、口を開けて中を見てみないと異変には気付きにくいものです。食事の量や栄養に気を配ったり、おやつをあげ過ぎないように気を付けることが炎症予防にもなります。”
③消化器系の病気
“犬が異物を飲み込んでしまったとき、食道に詰まった異物を吐き出そうとして唾液の分泌率が高まります。おもちゃにして遊べるような物や噛み切れないほど大きな食べ物など、異物として飲み込んでしまうリスクは身近にあります。
うんちと一緒に出てくればよいのですが、体内で臓器を傷つけてしまったり癒着が起こったりすると危険です。
苦しそうに嘔吐までするようになったら、何か飲み込んでしまった可能性を疑ったほうがよいでしょう。
食後などに胃が膨らみ過ぎてしまい、よだれをポタポタ流して苦しむこともあります。胃拡張胃捻転症候群といい、胃が拡張してねじれてしまう症状です。胃の内部はガスでパンパンになり、ショック状態に陥ることもあります。大型犬など、食後に運動した場合に起こることもあり要注意です。
直ちに病院に連れて行くことをおすすめします。
急性膵炎も、ショック死の可能性がある病気です。膵臓の酵素が活発に働き過ぎて膵臓を溶かしてしまう病気で、食事の内容によっても起こり得ます。正常な量の酵素であれば消化液として良く働いてくれますが、脂肪過多な食事や薬物などによって酵素の働きが高まり過ぎてしまうのです。下痢や嘔吐を伴うこともあり、対処に緊急を要します。”
愛犬のよだれがポタポタしている時の対処法
①口周りのケア
“口腔内の異常が犬のよだれの原因となっている場合、口周りのケアをしてあげる対処法があります。ここでは、3つの方法を紹介しましょう。
1.専用クリーナーを使う
日常的によだれが出ることで、口周りの被毛が黒っぽくなるよだれ焼けになることがあります。専用のクリーナーを使って毛を拭いてあげると、汚れがとれてきれいになります。こまめにケアしていれば、異常が起きたときにもすぐに気が付きやすいでしょう。
2.手作りのホウ酸水でケアする
手作りのホウ酸水を使ってケアする方法も、汚れの一時的な対処法です。薬局で販売しているホウ酸と精製水を使って、簡単に手作りできますので試してみてください。容器に60度くらいに温めた精製水150mlを入れて3gのホウ酸を溶かしたら、濃度約2%のホウ酸水の出来上がりです。
もっと濃くしてしまうと犬への刺激が強くなってしまうので、濃度は2%までに保っておきましょう。
保存は冷蔵庫で、2週間ほど可能です。使いきれなくても、2週間たったら廃棄するようにしてください。
3.デンタルケアをする
よだれには、殺菌効果もある一方で雑菌が含まれてしまうこともあります。よだれ焼けになるのも、雑菌が関係しています。
口腔内にも雑菌が繁殖しやすいため、日常的にデンタルケアをしてあげることをおすすめします。歯ブラシや歯磨き用の布などを使うのが効果的です。”
②考えられる範囲のことを変える
“犬のよだれが気になるようであれば、フードを変えてみるのも一つの方法です。
大きいまま丸呑みしないようなフードや犬の体に負担がかかりにくいフードを試してみてください。化学物質があまり含まれていないフードを選んであげるのもよいでしょう。
フード類や身の回りの物に、アレルギー反応を起こしている可能性もあります。一度病院でアレルギー検査をしてもらい、アレルギー反応が出るような物を避けるのもおすすめです。
興奮しやすい犬は、交感神経の活性化によってよだれが出やすくなります。自然な生理現象とはいえ、頻繁によだれを垂らしている場合はリラックスできるようにしてあげるのも対策となります。”
③原因がわからなければ病院へ
犬のよだれの原因は、素人には判断しきれないことも多いでしょう。大したことがないと思っていたら、病気が進行していたということもあるかもしれません。迷ったときは、早めに病院で相談してみることをおすすめします。
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