犬の血尿の原因とは?考えられる病気と症状を解説

2022/04/22

目次

犬の血尿が心配…

「あれ?おしっこの中に赤いものが…」このように、愛犬のおしっこに血が混じっていたり、おしっこに赤い血のような塊が混じっていると不安になってしまいますよね。

これがいわゆる血尿なわけなのですが、血尿が出てしまう原因は様々です。

そこで、この記事では血尿が出てしまう原因となる病気と具体的な症状、もし出たときはどうしたらいいのか対処法を解説します。

血尿ではない場合も

愛犬のおしっこに血が混ざっていると動揺してしまいますが、実は血尿ではない場合もあります。

それが尿道付近の怪我による出血です。

尿道付近の出血は、結果としておしっこに血が混じってしまうため、血尿と間違えられることが多々あります。

血尿?と疑っても、まず最初は、雄犬の場合はペニスを、雌犬の場合は外陰部からの出血がないかを確認してみましょう。

血尿が出たときに考えられる病気と症状

では、実際に血尿が出ている場合、どのようなことが考えられるのでしょうか?

血尿が出る原因は様々ですが、病気の症状として出ている場合もあります。

ここからは、血尿が出たときに考えられる病気と具体的な症状を見ていきましょう。

発情期によるもの(雌犬のみ)

血尿の原因のひとつに「発情期による出血」が考えられます。

これは雌犬のみに見える症状で、陰部からの出血のため血尿に見えるだけであり、決して血尿を伴う病気などではありません。

この場合は、発情期が終われば自然と血も止まるので放っておいても大丈夫です。

子宮蓄膿症(雌犬のみ)

また、雌犬のみに見られる病気のひとつに「至急蓄膿症」が見られます。

これは、避妊手術をしていないメスの老犬に多く、子宮の中で細菌感染が起こり、膿がたまってしまっている状態のことをさします。

非常に危険な病気であるため、血尿の他にも、嘔吐、食欲不振、尿の頻度が増えた、水をよく飲むという症状がある場合には、急いで病院に連れていきましょう。

膀胱炎

血尿が出ているときに考えられる病気のひとつが「膀胱炎」です。

膀胱炎はストレスによるもの、細菌感染によるものなど、発症してしまう原因は複数考えられます。

血尿とともに、尿の頻度が増えたという場合には膀胱炎の可能性が高いです。

尿石症(結石)

尿結石とは、膀胱を含む尿道や腎臓などのいわゆる泌尿器に結石ができてしまう病気です。

膀胱炎のときにも、膀胱に結石ができることがあります。

結石ができてしまう、泌尿器の内側を傷つけてしまい血尿が出てしまったり、ひどい場合には、結石が尿道に詰まって尿が出なくなる(尿路閉塞)ことがあります。

このような場合は、命に関わるので早急な治療が必要です。

急性腎不全・腎疾患など腎臓によるもの

また、腎臓に何かしらの病気が発生したときにも血尿が出ます。

腎疾患とは、腎臓に結石や炎症、腫瘍が発生している状態のことを指します。

そして、腎臓の病気で特に注意したいのが「急性腎不全」です。

急性腎不全は、体調不良から数時間のうちに死に至るケースもある非常に恐ろしい病気。

玉ねぎやブドウなどの犬が中毒を起こすと言われている食べ物を与えたときに発症することもあります。

急な血尿と同時に、嘔吐、下痢、血便などが見られた場合は、この急性腎不全が考えられますので急いで動物病院に行ってください。

前立腺肥大症(雄犬のみ)

次に考えられるのは「前立腺疾患」です。

これは雄犬のみに見られる病気で、前立腺が肥大化することで、尿道や直腸が圧迫されてそれに関連する症状が現れる病気のことを指します。

血尿の他に、頻繁に少量の排尿をする、尿が出にくそう、排便困難、血便などの症状がある場合は、前立腺肥大症を疑いましょう。

膀胱などへの腫瘍によるもの

また、膀胱などの泌尿器のどこかに腫瘍ができてしまっている場合も血尿が出ます。

こういった場合は、詳しく検査をしないと腫瘍箇所の断定などはできませんが、放っておいてしまうと、尿が出なくなったり(尿路閉塞)、最悪の場合には急性腎不全とつながってしまうので早急な検査が必要となります。

もし血尿が出たときは…【対処法】

愛犬が、急に血尿をするととても不安になってしまうかと思います。

ですが、このようなときこそ落ち着いて、まずは動物病院に行きましょう。

血尿には大きな病気が隠れていることも少なくなく、少しでも対応が遅れてしまうと取り返しのつかない事態になってしまうことも考えられます。

もし愛犬に血尿が見られた場合には、決して自身の判断で動物病院に行くことを遅らせることなく、専門の獣医師さんに早急に相談してくださいね。

まとめ

この記事では、犬の血尿についてその原因や病気の可能性などを解説しました。

考えられる原因は様々であり、残念なことに素人ではそれを判断することは難しいです。

愛犬から血尿が出てしまった場合には、不安にもなりますが、まずは勇気を振り絞って動物病院に行ってしっかりと診てもらいましょう。

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