【徹底解説】犬のしこりの原因とは?脂肪腫の症状・治療費・予防法など
2022/02/19
目次
犬の脂肪種とは?
犬の体にしこりを見つけることがあります。
原因は様々ですが、比較的多いものに「脂肪腫」が挙げられます。
犬の脂肪腫は、皮下脂肪が異常なほど増殖して、しこりが形成された良性腫瘍のことです。
良性なので特に影響はなく、何もせずそのままにしていることもありますが、発生場所や大きさによっては切除することもあります。
脂肪腫の原因や症状、治療についてまとめてみました。
犬の脂肪腫の原因は?
脂肪腫が何故発生するのか、はっきりとした原因は今のところ解明されていませんが、脂肪腫は主に老犬で多く見られる病気です。
犬種による差はなく、身体中のあらゆるところにできますが、胸や腹、後ろ足、脇の下に発生する率が高いようです。
雌犬の方が雄犬より2倍発生が多いとも言われています。
脂肪の塊でもあるので、肥満や遺伝が関係するとも言われています。
皮膚に現れる腫瘍は他にもいろいろあり、見間違えることもあるので要注意です。
犬の脂肪種の症状
脂肪腫は脂肪細胞からできる良性の腫瘍で「こぶ」のようなものです。
犬の体をマッサージしたり触っていたりする時に気が付くことが多く、犬自身は特に気にはならないことが多いです。
ただ、大変良く似た腫瘍が他にあり、肥満細胞腫や乳腺腫瘍、リンパ腫などとの見分けがつきにくいので注意しなければいけません。
次に、主な症状や見分ける方法、潰れた時の対処法について解説します。
脂肪種の主な症状
脂肪腫の症状は痛みや痒みを感じることがほとんどありません。
普通は体に1つだけ現れる脂肪種ですが、体中に複数できることもあります。
形も大きさも一定ではありません。
皮膚の変色や固い部分、コリコリした部分などができるのが特徴です。
体の表面にできた脂肪腫はほとんど痛みはありませんが、筋肉の間に出現した脂肪腫はとても固く、周りの筋肉を圧迫するため、痛みを生みます。
痛い部分を異常に舐めたり、歩き方がおかしくなったりすることもあります。
脂肪腫はゆっくりと大きく、広がっていくことが多いです。
早期発見の場合は簡単な治療で完治しますが、放置するとかなり大きくなって生活の邪魔になることもあります。
脂肪種なのか見分ける方法
脂肪腫が出現しやすい場所は腹部や胸部、前足と後ろ足の付け根など、体の柔らかい部分だと言われています。
しかし、頭や背中、耳、唇などにもできることがあります。
脂肪腫は他の悪性腫瘍や皮膚炎との見分けが難しい病気です。
見分け方としては、触ると腫瘍が柔らかく皮膚の下で動く感触があるかどうかということです。
また脂肪腫は弾力性があり、形が楕円形のことが多いです。
日頃から愛犬の体を触る習慣をつけ、どこかに柔らかいしこりを見つけたら、病院で相談し検査を受けてみましょう。
脂肪腫が破裂・潰れたらどうする?
もし脂肪腫を見つけた場合は、絞ったり潰したりはせず、獣医師に相談をして、適切な治療を受けられるようにしましょう。
痛みや痒みがあれば、犬は気にして噛んだり舐めたりするでしょう。
その場合に潰れたり、破裂したりすることがあります。
また皮下のう腫という症状が一緒に発症して、炎症を起こし破裂することもあります。
中から膿や血液が出て来ますのでそれを取り除き、菌が入って化膿しないように清潔にします。
自己判断で対処せずに、きちんと診察を受けてください。
犬の脂肪種の治療費
脂肪腫の治療にはどれくらいの費用がかかるのかということは気になる点です。
投薬治療になるか手術になるかによって異なりますが、もし手術だとしたら、大体の相場は2~4万円ほどと言われています。
小さな脂肪腫であれば、取り出すだけで済むところですが、大きいものや筋肉の間にできている場合などは手術も時間がかかり、何日か入院することもあります。
手術前には血液検査があり、麻酔や術後の病理検査や内服薬などもかかります。
脂肪腫の大きさ、場所によっても費用が変わってきますので、獣医師との確認をしっかりして治療計画を立てることが大切です。
犬の脂肪種の予防法
原因が詳しく分かっていないため、発症を完全に予防することは困難です。
しかし、脂肪腫になりにくい体のために良いことはいくつかあります。
例えばマッサージや漢方、サプリメントなどを試している人は多いようです。
豆乳が良いとも言われているので、試してみても良いでしょう。
肥満は脂肪腫ができやすいとも言われているので、おやつの与えすぎなどに注意し体重管理をしましょう。
どんな病気・症状であれ、治癒力を高めるために免疫力は大切です。
食事やサプリメントだけでなく、毎日の散歩や楽しい時間を作りストレスのない生活を心がけましょう。
犬の脂肪種の治療法
脂肪腫を発見したら、すぐに手術ということではありません。
基本的に良性腫瘍なので経過観察が多いですが、脂肪腫の場所や大きくなる速さによって生活に支障が出る時は手術する方が良いでしょう。
投薬治療と手術による治療について次に解説します。
投薬治療
発生した脂肪腫によっては、投薬治療や塗り薬などを使って経過を観察するケースもあります。
心臓などが悪い犬は、手術ではなく内服薬での治療となります。
ステロイドの投薬や直接脂肪腫に注射をして小さくする治療法も行われます。
また外科手術を行った後でも切除が十分でなかった際には、放射線療法や化学療法をすることがあります。
切除手術
ワンちゃんに何らかの障害が現れたり、飼い主さんが気になる場合は、切除手術をすることが一番良い治療となります。
脂肪腫の場所や大きさにより手術の内容も変わってきます。
切除が不十分であれば再発してしまうので、できる限り大きく切除することになります。
時には足を切断しなければいけない場合もあるため、決して簡単なものではありません。
高齢犬に多い脂肪腫ですが、高齢であると麻酔のリスクが高いこともあり手術に耐えられない場合が出てきます。
従って、早めに診察を受けて、状態によっては小さいうちに切除することが良い場合もありますので獣医師とよく相談することが大切です。
まとめ
犬の脂肪腫は良性で、問題なく過ごせることも多いです。
しかし、大きくなって生活に支障が出た場合や筋肉の間にできた際には外科的治療が必要になることも考えられます。
また脂肪腫は他の悪性腫瘍と見分けが難しいため、自己判断で放置することは避けて、必ず動物病院で診察を受けましょう。
早期発見のためにも、普段から愛犬のボディチェックをするようにして早くしこりやデキモノを見つけられるようにしてください。
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