愛犬にチョコレートは絶対ダメ!食べてしまった時の症状と応急処置
2020/02/14
目次
【結論】犬にチョコレートを与えては絶対ダメ!
とっても美味しいチョコレート
飼い主さんが食べていると物欲しそうに見つめてくるワンちゃん。
「ちょっとだけなら…」とついついあげちゃいそうになる方もいると思います。
ですが、チョコレートを愛犬に与えては絶対にいけません!
チョコレートを大量に摂取してしまうと死に至ることもあるほど、犬にとっては危険な食品なのです。
なぜなら、チョコレートに含まれる「テオブロミン」が犬にとっては有害な毒となるからです。
これはタマネギと並ぶほどに危険な成分です。
体重1キロに対して120㎎~500㎎が致死量になると言われています。
(犬の体質など、非常に個体差があるので一概には言えませんが参考にしてください。)
体重別に計算してみると致死量はこのようになりました。
・5キロ 600㎎~1,000㎎
・15キロ 1,800㎎~7,500㎎
・30キロ 3,600㎎~15,00㎎
板チョコ1枚(約60g)に含まれているテオブロミンの量はこちら。
(メーカーなどによって含有量は異なってきます。)
・ホワイトチョコレート ほぼテオブロミンは含まれていません。
・ミルクチョコレート 132㎎~180㎎
・ビターチョコレート 360㎎~660㎎
・ブラックチョコレート 1000㎎~1200㎎
致死量をミルクチョコレートの板チョコで言うとこのようになります。
・5キロ 約5枚
・15キロ 約13枚
・30キロ 約27枚
何回も言うようですが、テオブロミンを分解できる能力は個体差があるため「この量までなら安全!」とは言い切れません。
どうして犬にチョコレートはダメなの?
犬にっとて強力な毒となるテオブロミン。
それは一体どういったものなのでしょうか?
テオブロミンはカカオに含まれている物質です。
したがって、カカオ含有量の多いチョコレートがテオブロミンを多く含んでいます。
つまり、砂糖などが少なく苦味が強いビターなチョコレートがより危険と言えます。
アルカロイドの一種であるテオブロミンは、中枢神経や心臓へ作用します。
テオブロミンの主な作用としてカフェインがあります。
犬はテオブロミンを分解する能力が非常に低いです。
完全に分解できるまでには24時間以上必要と言われています。
分解に時間がかかるぶん、体内に蓄積し毒性量も上がってしまうのです。
また、子犬や老犬など体力が少ない犬や、肝臓・腎臓などに持病がある犬の場合は少量のテオブロミンでも危険となります。
チョコレートが含まれるこんなものに注意して!
犬も人間同様甘いものが好きです。
いい匂いにつられて食べてしまった!ということがないようにしっかり管理はしておきたいものですね。
また、板チョコ以外にもチョコレートを使った食品が身近にたくさんあります。
注意が必要な食品をいくつか挙げてみます。
・チョコレートパン
チョコチップ入りのパン、生地にチョコレートが練り込まれているパン、中にチョコレートが入っているパンなど。
パンに使われているチョコレートにももちろんテオブロミンは含まれています。
くれぐれもちぎって一口あげるということはしないようにしましょう。
・チョコレートアイス
もちろんアイスクリームに使われているチョコレートにもテオブロミンは含まれています。
食べた後のカップを舐めさせたりするのもやめましょう。
・ココア
ココアもチョコレートと同じカカオ豆から作られているのでテオブロミンを含んでいます。
また、ココアはブラックチョコレートと同じぐらいのテオブロミンが含まれています。
犬が誤って食べたり舐めたりしないように、取り扱いには細心の注意が必要です。
・お菓子用チョコレート
お菓子用に使われるチョコレートは比較的カカオ成分が多めに入っているようです。
したがってテオブロミンの量も多くなっています。
お菓子作りをするときは、愛犬はケージに入ってもらっておいた方が安心ですね。
・一口大チョコレート
もちろんテオブロミンを含んでいる食品なので危険です。
包み紙に入っていない粒状の一口サイズのチョコレートは、飼い主が気付かない間にパクッパクッと一気に食べてしまっている場合もあるようです。また、包み紙ごと飲み込んでしまうことも危険と言えます。
アルミ箔やビニール製の包み紙は、胃の中に残ってしまうか腸内で詰まってしまう可能性が高いのです。
犬がチョコレートを食べて中毒を起こした場合の症状は?
摂取してしまうと以下のような中毒症状を起こします。
・下痢
・嘔吐
・痙攣
・息切れ
・心臓発作
・不整脈
・内臓出血
・意識障害
症状はチョコレートを食べてしまってから、一般的には6~12時間で出ることが多いと言われています。
下痢や嘔吐は、体内から有害物質を出そうとしている現れです。
あまりにも頻繁に吐いたり下痢したりするようならば、病院に連れて行ってあげたほうがいいでしょう。
どのくらいの量で中毒症状が起こる?
中毒症状が起こるテオブロミンの量は、体重1キロあたりおよそ20㎎~軽度な症状が出る言われています。
計算してみると以下のようになりました。
・体重5キロの場合 約100㎎
・体重10キロの場合 約200㎎
・体重20キロの場合 約400㎎
ミルクチョコレートの板チョコの枚数で言うとこのようになります。
・体重5キロの場合 約1枚
・体重10キロの場合 約1枚半
・体重20キロの場合 約3枚
超小型犬の場合は板チョコ半分でも危険な量となります。
犬がチョコレートを食べてしまった場合の対処法と応急処置
愛犬がチョコレートを食べてしまったときはどのように対応したらいいのでしょうか。
一番適切な手段は、動物病院に連れていくことです。
早い段階で胃にあるチョコレートを適切な処置で除去できれば、食べてしまった量に限らず順調に回復するようです。
ですが、時間帯や休日などで病院に連れていけないこともあると思います。
そんなときに家でできる応急処置えおお伝えします。
パニックにならずに落ち着いて試してみてくださいね。
胃にあるチョコレートを体外に出すのが重要となってきます。
・吐かせる
チョコレートを食べてから3時間以内であれば吐き出させることも可能です。
その場合、手をのどに突っ込んで吐かせるのではなくオキシドールを使って吐かせる方法があります。
オキシドールはドラッグストアなどで購入できます。
①3%溶液オキシドール(体重5キロに対して1ml)をぬるま湯で薄める
②薄めたオキシドールをスポイトやスプーンで飲ませる
③10分たっても吐かなそうであればもう一度飲ませる
オキシドールを飲ませるのは3回程度までにしてください。
また、吐いたあとは十分な水分補給をさせるのを忘れずに。
この方法は、チョコレートに限らず異物を飲み込んでしまったときにも使える方法です。
3%溶液オキシドールを飲ませるとなぜ嘔吐するのかと言いますと、オキシドール(過酸化水素)が胃液と反応して発砲して嘔吐を促すいうわけです。しかし、オキシドールを飲ませると胃が荒れてしまいます。
胃の保護の処置をしてもらうためにも、その後病院に行きましょう。
また、吐かせる方法に「塩を使う」という手段もあるようです。
ですが塩を使う方法は危険を伴うため、させない方がいいと警告している獣医さんも多数いるようです。
なぜなら、ご存知の通り犬が塩を摂取しすぎると中毒を起こす可能性があるからです。
何もなかった子も稀にいるけど、老犬には注意
中毒を起こすチョコレートの量や中毒症状などは、犬の個体差によるところが大きいです。
ですが、心臓や腎臓などの臓器の働きが弱っているシニア犬はより注意が必要となります。
基準値より少ない量のチョコレートで中毒症状が出る可能性があるからです。
また、そのときは症状が強く出たり、長引いたりする恐れがあります。
シニア犬によく見られる弁膜症の持病があったり、腎臓に疾患がある場合は、より重篤な症状が出ることがあります。
気を付けてあげたいですね。
病院に行く際は、これだけチェックする
まずは飼い主さん自身が冷静になってくださいね。
落ち着いてから以下のことを正確に把握して病院に連絡してください。
・チョコレートの種類
・食べてしまった量
・いつごろ食べたのか
・食べたチョコレートの箱や、吐いている場合は嘔吐物も持っていきましょう。
チョコレート中毒に有効な解毒薬は現在ありません。
ですので、嘔吐させる処置がとられます。
吐かなかったり、緊急を要する場合には胃洗浄が行われます。
最後に
チョコレートの恐ろしさが伝わりましたでしょうか?
可愛いからと安易に与えるのはやめましょう。
チョコレートに限らず、愛犬のことを思うのなら人間用の食べ物では絶対に与えないようにしてください。
中毒症状を起こしても、適切な処置をすれば回復することが多いようです。
ですが、吐かせたり、点滴をしたり、手術をするとなれば、犬に非常に負担がかかります。
犬には犬用に作られた美味しくて健康を守れるおやつがありますので、そちらを与えるようにしてくださいね。
また、あげないようにしていても誤って食べてしまうケースもあると思います。
「誤飲は飼い主の責任」という言葉があります。
心に刻んで管理はしっかりしましょう。
愛犬を守れるのは飼い主さんしかいませんよ。
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