犬にコーヒーは危険!犬のカフェイン中毒とは?危険性と対処法も

2022/02/16

目次

犬にコーヒーを飲ませたら危険なのはどうして?

犬にコーヒーを飲ませることは絶対にNGです。

なぜかというと、コーヒーに含まれているカフェインを過剰に摂取すると、カフェイン中毒と呼ばれる命に関わる疾患を引き起こすからです。

犬は人間よりもずっと体が小さいため、カフェイン中毒に陥りやすい傾向にあるのです。

うっかりしてコーヒーが入ったままのカップを置きっぱなしにしていると、匂いに惹かれてなめてしまうかもしれません。

不注意で中毒症状を起こすことのないように気をつけましょう。

犬がコーヒーを飲んだ時のカフェイン中毒の症状

犬がコーヒーを誤飲してカフェイン中毒の恐れがある場合は次のような症状が見られます。

すぐに動物病院で診察してもらいましょう。

また、特別変わった様子がなくても、獣医師の判断を確認するようにし、しばらく様子をよく観察してください。

興奮状態や大量のよだれ

嘔吐・下痢が出ると同時に、落ち着かない態度になったり、大量のよだれをたらしたりする様子も見せます。

人間もコーヒーを飲んで眠気が覚めますが、これはカフェインが神経を刺激して覚醒させているからです。

少し興奮気味になるわけです。

それと同様に犬も興奮状態になります。

体を震わせたり、ウロウロと落ち着かない様子を見せたりしたら、中毒症状が出ていると考えましょう。

のどが渇いてたくさん水を飲むようになるかもしれません。

嘔吐や下痢

コーヒーを摂取してすぐに何か異変が起こるというよりも摂取した1~2時間後ほどで 下痢・嘔吐などの症状が現れる可能性があります。

コーヒーは液体なので、体内への吸収が早いとも言われており、急な嘔吐や下痢に苦しむかもしれません。

普段でも消化の悪いものを食べて嘔吐や下痢を起こすことはありますが、一時的なもので元気があればそう問題はありません。

しかし、ぐったりとして元気がないとか逆に興奮状態でよだれが多い、呼吸が荒いなどの症状が見られれば中毒症状の可能性があります。

呼吸困難やけいれん

さらに重度の中毒症状となると、呼吸困難やけいれんなどを引き起こします。

最悪の場合は死亡する悲劇も招いてしまいます。

心臓や脳、腎臓などの臓器に影響を与えるため、持病を持っている犬の場合は特に危険性が高いです。

心拍数が上がり、血圧の低下、体温の低下、尿失禁なども起こりやすい症状です。

犬は人間よりも体内でカフェインを代謝する能力が低いので、中毒症状を起こしやすい体質だと覚えておいてください。

犬の命に危険が及ぶコーヒーの摂取量

犬の命に危険が及ぶコーヒーの摂取量は犬の体重や個体差によって異なります。

一般的には犬の体重1kgに対しカフェイン量120~200mg程度が致死量と言われています。

おおよそ、コーヒー1杯(150ml)にはカフェインが60~90mg程度含まれているので、体重3kgの犬の場合コーヒー3杯分を飲めば危険だということです。

人間にとってはカフェイン致死量は3g、コーヒー25杯分くらいですので、犬にとってはその20分の1の量でも生命が危ないことを覚えておきましょう。

大型犬から超小型犬まで、危険となるカフェイン量を説明します。

大型犬の致死量

大型犬は体重が25kg以上の犬種を言います。

3000mg(3.0g)前後のカフェインを摂取すると、死に至ってしまうと言われています。

コーヒー1杯におよそ60~90mgのカフェインが含まれているので、約50杯近くになります。

これは相当な量ですから、一度に飲めるものではありません。やはり大型犬の体重は人間の子供くらいありますので致死量まで誤飲することはまれでしょう。

ただ、習慣のようにコーヒーをなめていると命の危険はなくとも健康に影響を与える可能性はあります。

海外では12歳の子供は1日85mgまでとカフェイン摂取量を発表しています。

子供への悪影響を心配しているからです。

子供と変わらない体重の大型犬もリスクを知っておくべきです。

中型犬の致死量

体重10~25kgの中型犬は、1200mg(1.2g)~3000mg(3.0g)のカフェイン摂取量が命取りとなります。

大型犬よりはずっと体重が軽いので、致死量も半分以下の場合があります。

一概にこの量が危険な致死量というのではなく、少しの量だとしても中毒症状を起こす危険があります。

特に心臓や腎臓に持病を抱えている場合は、少量であっても体調を崩すきっかけとなる可能性があります。

また砂糖や牛乳が入っているコーヒーは、犬は甘いものが好きなので味と匂いを覚えているかもしれません。

飼い主の目を盗んで飲んでいるということもあり、少量でも繰り返すことでだんだんカフェイン量が増えてきますのでよく注意しましょう。

小型犬の致死量

体重5~10kg程度の小型犬だと、カフェインで死に至る摂取量は600mg(0.6g)~1200mg(1.2g)程度だと言われています。

今飼育数が多いのはミニチュアダックスフンドやパグなどの小型犬です。

飼い主さんの膝に乗っている犬に、つい一緒に冷めたコーヒーを与えたりしていませんか?

「致死量ではないから大丈夫。」ではなく、半分の量でも危険です。

海外では、体重7kgの犬がカフェインを3g摂取した後に中毒で死亡するというケースが報告されています。

うっかり飲み残しを片付けていなくて犬がなめていたということもありますので管理を徹底しましょう。

先程述べたような中毒症状が出てからでは遅いので、絶対に与えないようにしましょう。

超小型犬の致死量

体重1~3kgの超小型犬だと、カフェインで死に至ってしまう摂取量は120mg(0.12g)~360mg(0.36g)程度だと言われています。

人間の致死量からすると10分の1程度でも重症化してしまいます。

最も危険性が高い犬種です。

チワワやトイプードル、豆柴など小さな犬種はフードやおやつの量もほんの少しです。

それ以外に人間の嗜好品を与える必要は全くありません。

小型の犬は内臓も小さく、予想される量より少なくても中毒症状が出る可能性があります。

さらに、これらの犬種の子犬ではより注意が必要です。

子犬は消化器官が成犬より発達していません。

細心の注意を払っておきましょう。

犬がコーヒーを飲んだ場合の対処法

犬がコーヒーを飲むことで起こる危険性がおわかりいただけたことと思います。

もし誤飲誤食をした場合は、たとえ少量でもまず動物病院に連絡し獣医の判断を仰ぎましょう。

症状が出ていると焦ってしまいますが、落ち着いて犬の様子を観察するようにしましょう。

次に詳しく説明します。

症状が既にある場合はすぐに動物病院へ連れて行く

既に何らかの危険な症状が犬に現れている場合は、一刻も早く動物病院へ行きましょう。

先程述べたような症状が見られた時には、早い段階で治療することで重症化しないですみます。

苦しそうな様子を見ると動揺してしまいますが、飼い主さんの動揺が犬にとってさらに不安となりますので落ち着いて行動することが一番です。

危険なものだと思うと無理に吐き出させようとしがちですが、それはよくありません。

医師に任せましょう。

誤飲した物のパッケージや下痢・嘔吐したものを持っていっても良いでしょう。

カフェイン中毒の解毒剤はないので、吐き出させる治療や点滴などが行われます。

重症化している際にはそれ以外の治療も必要になり、場合によって手術を行うこともあります。

基本的な治療費は平均して16,000円前後と言われています。

摂取した時の状況を獣医師に連絡して伝える

病院へすぐに向かいたい時もできればまずかかりつけの獣医師に電話して、コーヒーをどのぐらい摂取したのか、摂取してから経過した時間、そして現在の犬の状況を伝えて、指示を仰ぎましょう。

意思の的確な判断を受けられ、到着してからの処置もスムーズに進みます。

また摂取量や犬の状態で自宅での観察でよいという判断が出るかもしれません。

その場合に家で対処できることなども聞けると思います。

かかりつけの医師であれば、持病やアレルギーの有無を把握しているとは思いますが、念の為そのような点も一緒に伝えておきましょう。

病院が休診日であったり、夜間に誤飲することもあるでしょう。

その時は夜間の受付をしている病院などに電話をして連絡しましょう。

摂取量が少しだけの場合は様子を見てみる

飲んだ量が少なく、特に異変がない場合は、問題ないこともあるため、1~2時間ほど様子を見ましょう。

症状が出る前までの時間は犬によっても違うので、1~2時間経って大丈夫でも注意深く体調を観察することが大切です。

消化の悪いものは食べさせないようにし、激しい運動も控えましょう。

排泄物も変化はないか、しっかりと翌朝までチェックしてあげてください。

食欲があり元気であれば、いつもと変わりなく過ごしてもらってOKです。

もし、いつもと違い食欲や元気がないように感じられたならば、すぐに動物病院へ連絡して診察を受けてください。

自己判断はよくありませんので、ちょっとした変化でも見逃さないようにしましょう。

犬に与えてはいけないコーヒー関連の食品

コーヒーだけでなく、コーヒー豆やコーヒーミルクなどの関連食品も、犬には与えてはいけません。

コーヒーゼリーなどにもカフェインが含まれていて、ドリップコーヒーと比べると少ない分量ですが、同様にコーヒーを使ったお菓子も食べさせないようにします。

牛乳や砂糖が入っていると甘く感じるので犬はこっそり口にするかもしれません。

犬には届かない場所で管理するようにしましょう。

またカフェインを含む飲み物は、コーヒーだけではありません。

ココアや紅茶、ウーロン茶、抹茶、ほうじ茶、コーラなどにも入っています。

玉露はコーヒーよりもカフェインが多いほどです。

栄養ドリンクなどにも含まれますので、犬が飲むものは基本的には水またはヤギミルクなどペット用として販売されているものにしておきましょう。

まとめ

犬がコーヒーを飲むとカフェイン中毒になり、命に関わる恐れがあります。

絶対に口に入れないように飼い主である私達がしっかりと管理し、犬を守ってあげましょう。

コーヒー以外にもカフェインが含まれる食品は多いので、知識を持っておくことが大切です。

また万が一カフェインを摂取してしまった場合は、冷静に落ち着いて行動し、動物病院へ連絡しましょう。

少しでも異変を感じたらすぐに診察を受けることが大切です。

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