【トイレトレーニング】愛犬にしつけをする準備〜実践まで詳しく解説

2020/02/26

目次

トイレのしつけの全体をしろう!


時代と共に変わるワンちゃんのトイレ事情
教えないでもトイレで排泄できるでしょ?の罠

初めからトイレを覚えている子もいるのに、なんでこの子はできないの?!
でもよく考えてみてください。犬にとってのトイレの常識は、人間が思うものと同じでしょうか。

人間なら、トイレは決まった個室でひっそりと済ませるものですが、犬、特にオスの犬にとって排泄とは、自分の存在をアピールする手段の一つなのです。現にオス犬は散歩中に気になった犬のオシッコの匂いを嗅ぎつけると、その犬の強さや性格までわかると言います。気に入らない相手のオシッコだと思えば、それに被せるように、さらにもっと高い位置から自分のオシッコをかけるのです。

また、メスの犬にとっても、特にヒート中(発情期)には、自分のオシッコでオスに存在を知らせるのです。そんな犬の特性を無視して、人間の世界に合わせてもらうのがトイレのしつけです。犬も人間もストレスを感じることなくしつけるにはどうしたら良いか考えてみましょう。

〜トイレのしつけ準備編〜


さぁ、早速トイレのしつけの準備を始めましょう。何を揃えたら良いのか迷っている方のために、必要なものをご紹介します。家で排泄ができるようになると、台風や大雪の時に、犬も人間も震えながら排泄のためだけに外に出なくてはならないという辛い状況を回避できます。お互いの幸せのためにも、トイレのしつけをしっかり行いましょう。

①トイレトレーニングに必要なもの

POINT
◇クレート
子犬一匹が入るキャリーケースのようなものにすれば、動物病院へ行く時にも利用でき、子犬にも普段からキャリーに慣れさせることができます。これは子犬が休むための「ハウス」となります。◇サークル、もしくはケージ
サークルは囲いが付いているだけ、または床板と囲いのセットで屋根はありません。
一方ケージは屋根付きなので、安定感があります。こちらはトイレとして使用するほか、クレートを入れて夜間や留守番用のケージとして利用することもできます。◇ペットシーツ
様子がわからないうちは大量に購入するのは躊躇してしまうと思いますが、犬は一度排泄したペットシーツの上では2度と排泄しない子もいます。すぐに買いに行かれないようであれば、50枚ほどは準備しておきたいところです。◇トイレトレー
47×35cmほどのサイズが一般的な、プラスチックのトイレです。メッシュの蓋付で、その下にペットシーツを挟みこむことで、子犬が直接ペットシーツに触れずに排泄し、メッシュを通してオシッコがペットシーツに吸収される仕組みになっています。ペットシーツを噛みちぎってしまうような子犬の場合、誤食を避けるためにトイレトレーを利用する方法もあります。◇リード
クレートとサークルを使用してトイレのしつけを行う際に使用します。
いずれ散歩に出ることになりますので、今から準備しておいても無駄にはなりません。

②しつけに掛かる目安期間

家に迎えたその日からトイレのしつけを始めて、大体2~3週間を目安に覚えられることが理想ですが、1ヶ月ほどかかる場合もあります。でも逆に言うと、3日で覚えさせなければいけないという急を要するものではありません。子犬だって見知らぬ家にやってきて慣れるだけでも大変なのです。生活のリズムを整えつつ、トイレのしつけをしていきましょう。どうしてもうまくいかない場合は、動物病院やプロのトレーナーに相談するのも一つの方法です。人間も犬もストレスを抱えないよう、行き詰ったと思ったらプロに助けを求めることも必要かもしれません。

〜トイレのしつけ実践編〜

準備も整い、子犬を迎えたら、いよいよトイレのしつけの始まりです。
見知らぬ場所で見知らぬ人間に囲まれて、子犬にとっては不安も多い時期だと思います。人間があまり意気込むと、その姿に気圧されて子犬が疲れてしまいますので、気長に少しずつ始めていきましょう。

①固定の場所でトイレをしつけよう

トイレは基本1ヶ所に決めて、その場所で排泄できるように促すことが大切です。
迎えたばかりの子犬であれば、目の届きやすいリビングが理想的ですが、家族の動線になる場所は落ち着かないため、できるだけ家族が歩き回らない静かな場所を選びましょう。直射日光、エアコンの風が直接当たらない場所であることも大切です。成犬をしつける場合はクレートやケージに拒絶反応を示す犬もいます。その場合は、犬の動きを見て粗相をしがちな場所に新聞紙やペットシーツを置き、段階的にトイレにしたい場所に絞っていくのも一つの方法です。

②トイレのタイミングが勝負

子犬は月齢+1時間がトイレのタイミングの目安です。2ヶ月齢であれば、3時間ということになります。
また、寝起きは子犬、成犬ともトイレのタイミングとなります。時間の目安に加え、そわそわと床の匂いを嗅ぎだしたり、クルクルと落ち着きなく回り始めた時がトイレのサインです。この様子に気づいたら、すぐにトイレに誘導し、決めた場所で排泄を促します。初めのうちは抱っこでトイレに連れて行き、徐々にリードで誘導するのも有効です。子犬の頃は夜中もトイレのタイミングの時間を見計らって、しつけることが必要になります。

③①と②を繰り返す

犬が自発的に決めたトイレの場所で排泄ができるようになるまで、①と②を繰り返し行います。成犬で何ヶ所かにペットシーツを置いていた場合も、少しずつ場所を減らし、最終的にトイレとしたい一ヶ所に絞り、その場所のみで排泄してくれるようになれば、しつけは完了です。

④成功したらご褒美をあげる

犬がトイレできちんと排泄できたら、まずは少し大げさなくらいに褒めてください。「何てお利巧なの!」「何てすばらしいの!」という「何て〇〇なの!」という褒め言葉が有効だという話もあります。犬は飼い主の喜ぶ姿を見て、「良いことをした」「ご主人様が喜んでくれた」と、嬉しくなり、その行為を良い事として認識します。この時さらにフードを少量あげると、犬の喜びは倍増します。決まった場所で排泄する行為を、「嬉しいこと」であると教えましょう。

⑤①から④を繰り返す

①から④をできるようになるまで繰り返し行います。最終的に犬が自発的にトイレに行き、排泄できるようになれば成功です。気を付けたいのは、いつも同じ動作で同じ言葉でトイレのしつけを行うこと。機械的に行うことで、犬も理解しやすくなります。無理矢理にではなく優しく、ブレのない態度でしつけを続けましょう。

愛犬にしつけをする上で気をつけること

POINT
1.叱らないこと!
なぜ叱ってはいけないのか。それは、人間と犬で、意味の相違があるからです。人間はトイレの場所を間違えたことについて叱ったつもりでも、犬からすると排泄自体を非難されたことになってしまうのです。また、犬によっては、騒ぎ立てる人間の姿を見て、喜んでいる、かまってくれている、と勘違いしてしまうことがあります。そうなると、褒められた(と、思い込んだ)失敗を敢えて繰り返すようになりかねません。2.排泄のタイミングはいつ?寝起きが狙い目!
これは人間と同じです。夜に寝て朝起きると、たいていの人はトイレに行きますよね。
犬も寝起きのタイミングがベストです。このタイミングを上手に利用しましょう。3.トレーニングが終えるまでは、油断しない。目を離さないこと!
人間も忍耐を要しますが、完全に覚えるまでは同じトイレのしつけを繰り返す必要があります。もしトイレの時に何か声をかけているのであれば、言葉も統一する方が犬もコマンドを理解しやすくなります。「シーシー」「ウンウン」がトイレの合図と理解できれば、旅行先などでもスムーズにトイレを誘導できるでしょう。

4.トイレは愛犬が落ち着ける場所に設置する
たいていの家庭はリビングにトイレを設置しますが、できるだけ家族の行き交うことのない静かなスペースを選びましょう。また、成犬のしつけの場合は、自分でトイレの場所を決めるかもしれません。スペースが許すのであれば、よく粗相をする数ヶ所をトイレとし、徐々に減らして1ヶ所にまとめるのも一つの方法です。

しつけトレーニングが失敗した時の対処法

POINT
◇トイレからはみ出して排泄してしまう
トイレトレーの部分だけでなく、その周りにもペットシーツを置いてみましょう。特にオスの場合は、前足にかかってしまうほど勢い良くオシッコが出ることも多いです。◇クレートやケージから出した途端に排泄してしまう
トイレの素振りを見せなくても、寝起きのタイミングや月齢+1時間のタイミングでトイレに連れて行くことも大切です。また、トイレの素振りにもよく注意しましょう。◇覚えたはずなのに、トイレを外すようになってしまった
トイレを設置している場所は同じなのに、できなくなってしまった。このような場合、例えば部屋の模様替えなどの環境が変わったことで犬が戸惑っている可能性もあります。何も変えていないとしたら、犬の様子に注意してください。いつもと違う様子が見られた場合、何かしら身体のトラブルを抱えていることも考えられます。動物病院で相談してみることも必要かもしれません。

◇留守番させることが多く、常に見ていることができない
子犬の場合は、排泄周期が短いため、常に見ていなければ一貫したしつけを行うことが困難です。もしそうした状況である場合は、犬の保育園やトレーナーを利用してしつけを行うことも一つの方法です。

失敗が続く…

犬がトイレを失敗した時に、叱ったり騒いだりしていませんか?犬は人間の反応を喜んでいる、もしくは排泄を怒られたと受け取ってしまうことがあります。失敗した時は、無言で対応しましょう。犬がアクションを仕掛けてきても完全無視を貫きます。また、粗相をした場所を掃除する時、できれば犬を別室に行かせましょう。粗相の処理をする場面も、犬にとっては人間が「かまってくれている」と勘違いする原因となります。無反応で無視し、見えないところで処理する。失敗したらこれを徹底しましょう。やがて正式な場所でトイレをできた時に褒められて嬉しい経験を重ねることで、犬はトイレの場所を「嬉しいことが起きる場所」と理解するようになります。

トイレトレーニングを失敗する理由

いつも違うやり方や言葉でトイレのしつけを行うとか、留守が多く全てのトイレの時間にしつけができないという場合、基本的に3週間ほどとされているトイレのしつけが困難な場合があります。また、前述したとおり、失敗のたびにリアクションをしてしまうと犬の認識の方向性が狂うことがあります。さらに、粗相をした場所は、綺麗に拭き取ったつもりでも匂いが残っており、犬がその匂いでまた排泄してしまうこともあります。ただし、どんなに時間がかかっても、時間的やしつけの制約があっても、辛抱強く行うことで解決できる場合も多くあります。3週間で覚えさせることに固執せず、できる範囲で一貫したしつけを行うことも大切です。どうしてもうまくいかない場合は、プロのトレーナーや獣医さんに相談してみるのも良い方法です。

最後に犬のトイレのしつけQ & A


Q:外でトイレをするから、家で無理にしつけなくてもいい?
A:ダメです。法律で屋外で排泄することや汚物をそのままにすること、公共の施設を汚さないことなどが定められています。また、外でしか排泄できない場合、飼い主は大規模な自然災害が起きても、犬が自力で動けなくなっても、毎日朝晩、排泄のために外に出なくてはなりません。これは犬にとっても人間にとってもとても辛いことです。是非家でできるようしつけてあげてください。

Q:オス犬です。家でトイレはできますが、足を上げてしまうため、オシッコが飛び散ってしまいます
A:去勢すると足を上げなくなる場合もありますが、去勢を考えていない場合は、壁付きのトイレを使う。もしくはペットガードなどを壁とトイレの間に立てることが有効です。足を上げないようにするしつけよりも、汚したくない場所を覆う対策の方が良いでしょう。

Q:初めから1ヶ所にしかトイレを設置してはいけないの?
A:子犬を迎えた場合は、1ヶ所を集中的に覚えさせる方が得策です。しかし里親などで引き取った成犬の場合は、粗相を数ヶ所で行い、自分の気に入った場所を決めることもあります。その場合、オシッコをする数ヶ所を見極め、その場所にペットシーツを置くところから始めてみましょう。また、メインにしたいトイレには少し広くペットシーツを敷き、トイレの素振りを見せたらできるだけメインの場所に誘導するようにします。これを繰り返すことでトイレの場所を絞り込み、最終的に1ヶ所にすることも可能です。

まとめ

トイレのしつけは、人間と犬が一緒に暮らす上で、衛生的にも法律的にも必要です。トイレを覚えるまでの時間には個体差がありますが、2ヶ月位の子犬は人間では2~3歳の幼児です。まだ教えられた意味も理解できない小さな子供になぜできないのかと問い詰め、怒鳴りつけることは普通しませんよね。そう考えると、人間の言葉を完全に理解できず、基本的な資質も異なる犬に人間のルールを教えることの難しさも理解できると思います。きっとどうにかなります。諦めずに犬と一緒にトイレを覚える練習を重ねましょう!

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