【初心者必見】犬のうんちチェック!病院に行くべきうんちの見分け方とは?
2022/02/15
目次
犬のうんちで要注意な色をチェック
犬のおしっこやウンチといった排泄物は健康をチェックするためのバロメーターになります。
おしっこやウンチの回数・量・色・臭いなどによって健康状態を確認することができます。
健康な時と体調が悪い時の違いを知るために普段から気にかけ、病気にかからないための健康チェックや対策をするのが大事です。
うんちの色の違いでどんな病気が潜んでいるのかを確認し、愛犬の変化にいち早く気づけるよう心がけましょう。
少しでも気になること、異常が見られた時には素早く動物病院で獣医師に診てもらいましょう。
うんちの色①:赤色
犬の便に血が混じるのにはどんな原因があるのか、どんな病気が潜んでいるかしっかり調べましょう。
血便は何らかの理由で消化管の粘膜が傷ついて出血した血液がうんちと一緒に排泄されたものです。
血便の種類は鮮血が混じった赤い便と、真っ黒なタール便(黒色便)のがあります。
鮮血が混じった赤い便は、出血してからうんちとして排泄されるまでの時間が短く、犬の小腸や結腸、大腸、肛門など、うんちの出口に近い場所で出血していて、黒色のタール便は、出血してからうんちとして排泄されるまでの時間が長く、
血液が酸化して黒くなったもので、犬の食道や胃、十二指腸など、うんちの出口から遠い場所で出血しています。
犬の血便の原因としては感染症(細菌性陽炎、ウイルス性陽炎、寄生虫性陽炎など)や、異物誤飲や、免疫反応の異常(炎症性腸疾患、食物アレルギー)やストレスなど。
さらに、がん(悪性腫瘍)の場合は小腸にできる消化器型リンパ腫や、大腸にできる炎症性ポリープが多くみられます。
症状は、がんの種類や発生場所などによって異なりますが、血便以外にも嘔吐や下痢、便秘、体重減少、食欲不振などの症状が見られるのでいつもと変わった症状が出た場合は早急に病院にいきましょう。
うんちの色②:黒色
黒いうんちは重い不調のサインであることが多いため、可能な限り早く動物病院を受診すべきです。
黒いうんちは最も健康上のリスクが大きく、胃や腸に腫瘍がある場合や慢性の胃炎、腸炎や、異物などで上部消化管内への出血が発生することがあります。
消化管内に流れ出た血液は、口から入った食べ物と同様に消化されて色が真っ黒に変わり、消化された血液の真っ黒な色がうんちの色として観察されるのです。
この場合、消化管内へ大量の出血が起きていることが疑われ、ときには重度の貧血を起こすほどで貧血そのものが健康に大きな悪影響を及ぼしてしまいます。
したがって、うんちが黒い場合にはなるべく早く動物病院を受診することがをおすすめします。
特に真っ黒な色に加えて、下痢を伴う場合は「タール便」と呼ばれ、便の硬さが普通の場合と比べて緊急性が高いので、よく注意を向けてあげるようにしましょう。
うんちの色③:緑色
犬はまれに緑色のうんちをすることがあります。
原因としては2つあります。
1つ目は、消化物が消化管内に留まる時間が短すぎるとビリルビンが消化管内の細菌の作用を受けず、胆汁に含まれるビリルビンが腸内環境などによって酸化すると緑色のうんちになることがあります。
2つ目は、小腸や大腸の働きが不十分で腸で胆汁が再吸収されず、そのまま排出されると緑色のうんちになることがあります。
また、抗生物質の与えすぎで、腸内細菌が死滅した時も緑色のうんちになることがあります。
そのため緑色のうんちが見られる場合には、消化物(排泄物)が消化管を通過する時間が短縮し、つまってしまい小腸や大腸の働きに異常があると考えられるため、動物病院をすぐに受診する事が大切です。”
うんちの色④:灰白色
排泄されたうんちの黄色みが淡く粘土のように灰白色に感じられる場合では、胆のうに障害があり胆汁の分泌に少ない場合や、
慢性すい炎やすい外分泌不全などですい液が十分分泌されない場合も、消化不良で消化酵素が足りない可能性が考えられます。
各種原因による目や口の粘膜や皮膚が黄色くなる黄疸の可能性が一番で、ほかにはカルシウムの与え過ぎの場合にもみられる症状です。
便の形は、黄疸の場合は不消化の状態で軟便か泥状便が多く、カルシウムの与え過ぎの場合には硬固便で、乾くとぱらぱらで白い粉のようになってしまいます。”
うんちの色⑤:黄色
うんちが黄色または薄い黄土色がかった色の場合は、膵臓に問題を示している可能性があります。
膵臓は膵体・膵右葉・膵左葉の3つのパートから成り胃や十二指腸に隣接した臓器で、蛋白質や脂質、糖質などを分解する消化酵素を含む膵液を分泌したり、
血糖値の調節に関係するインスリンやグルカゴンなどのホルモンを分泌する働きを持っています。
この働きのうち、膵外分泌不全症など膵臓の病気によって消化酵素の分泌に障害が生じると、
脂肪がうまく消化されずにそのままうんちとして排出されるため、形状は軟便や泥状、色が黄色または薄い黄土色になってしまうのです。
犬のうんちの回数の増減でも健康チェックができる
犬のウンチやおしっこといった排泄物は健康チェックのバロメーターになります。
ウンチやおしっこの回数・量・色・臭いなどによって健康な時とどう異なるので、健康状態を確認することができます。
犬の正常なうんちの回数、量というのは特に決まりがないため、毎日3回以上うんちをする犬もいれば、1日1回の犬もいます。
愛犬の普段のうんちの回数と比較してどうなのかで判断すると良いでしょう。
うんちの回数が少なくなった
普段よりうんちの回数が少ない原因は大きく分けて3つ。
1つ目は「便秘」。
1日に1度も出なかった場合には便秘である可能性が高いです。
コロコロと小さな硬いウンチだった場合も便秘の前兆で、丸2日出ないと問題です。
2つ目は「ご飯の量が少なかったから」。
普段は適切な量をしっかり与えていると思いますが、体調不良などで食べる量が少なかった日やほとんど食べなかった日は、当然ウンチも作られる量が少ないためいつもよりも排便の量が少なくなります。
しかしこれは、普段通りに戻ればうんちの量も戻るでしょう。
3つ目は「病気の可能性」。
何度も排便のポーズをするにも関わらずウンチが少ししか出てこない場合、前立腺や会陰ヘルニアなどの病気である可能性を疑えます。
または犬の場合は5日以上もウンチが出ないと大腸にウンチがたまってしまい、“巨大結腸症”という病気を引き起こしてしまう可能性があります。
うんちの回数が多くなった
普段より回数が多い場合に考えられることは、消化率の低いフードを食べていると起こることがあります。
特に肥満系のフードは食物繊維が多く不消化物からウンチの量が大量になるので、消化率の高いフードへ変更するとウンチも少なくなります。
また、回数が増えるのは大腸で下痢になっている場合が多く、大腸性の下痢の場合はゼリーの様な粘液便もよく見られるので注意してあげましょう。
さらに、大腸に炎症があって実際に便が溜まっていないのに便意だけを催すときに、排便のポーズをとるだけでうんちが出ない時があります。
その場合は前立腺や会陰ヘルニアなどが原因も考えられるので何度も続く場合は、動物病院で獣医師の診察や検査を受けた方がよいでしょう。
犬のうんちがゼリー状になるのも不調?
犬がうんちをした時に一緒にうんちと出てくるゼリー状のものは、うんちがスムーズに移動し排出するために腸の中を潤す役割や、腸管内に最近が入り込むのを防ぐバリア機能を持っています。
このゼリー状のものは腸から分泌される粘液や腸粘膜が剥がれ落ちたものです。
腸の表面にある腸粘膜が傷つくとたくさん粘液を分泌して修復しようとするので、ゼリー状のものがうんちと一緒に出るということは不調のサインと考えられます。
ゼリー状の正体は粘液便
ゼリー状のものが混ざっているうんちの「粘液便」は、粘液だけが排泄された時や明らかにうんちに粘液が混じっていると分かるうんちのことを言います。
粘液の正体は腸の粘膜から分泌される腸液や腸粘膜が剥がれ落ちたものです。
さらに腸液や腸粘膜は腸管の内側を湿らせて潤いを保ち、消化物や排泄物がスムーズに腸管の中を通過できる働きをしているため普段の便にもゼリー状の粘液が少量含まれていることもありますが、肉眼では確認できません。
異変がある場合はすぐに病院を受診する
便に粘液が混ざっていると「何かの病気かも」と心配になりますが少量の場合は心配することはありません。
しかし粘液便が続いたり、いつもより粘液の量が多い、血液が混ざっている時などは消化管に不調(食あたり、消化不良、冷え)があったり、
過敏性腸症候群腸(精神的なストレスや自律神経のアンバランスなどが原因で刺激に対して過敏になり、慢性的に便秘や下痢などを起こす病気)など消化管の疾患が見られる場合があります。
また潰瘍性大腸炎(大腸にみられる原因不明の慢性の腸炎で、大腸のもっとも内側の層にある粘膜にびらん(ただれ)や潰瘍(皮膚や粘膜などにできる組織の欠損)ができる病気)も考えられます。
熱が出たり、下痢や嘔吐、食欲不信などの症状が出たときは、大腸が傷いていることがあります。
まとめ
うんちに混じっている粘液は、腸液や剥がれた腸粘膜が排泄されたものなので少量であれば問題のない可能性が高いです。
しかし、粘液が多量に排泄される場合や他に症状が見られる場合には、医療機関への受診を検討してください。
また、発熱や下痢・嘔吐、いつもより食欲が少ない、うんちに血が混じっているなどの症状の時は治療が必要な大腸炎の可能性もあります。
うんちの状態は体の健康のバロメーターでもありますので、あまり神経質になる必要はありませんが、日頃からうんちのチェックを行いましょう。
病院に行く際にうんちをした時間を記録し、できればジッパー付きの袋に入れて持っていくか、写真を撮って持っていくと良いでしょう。
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